【テーマ】「普通の便座」 byアフリカの精霊
- 2016.03.31 Thursday
- 23:03
トイレのウォシュレットが壊れた。お湯を出すボタンを押すと普通はノズルが出てきてお尻を洗ってくれるのだが、なぜか押したボタンのそばから水が出てくる。変なものでウォシュレットに慣れるとウォシュレットのないトイレが普通でなくなり何故か落ち着かなくなる。そう、私にとってウォシュレットつきのトイレが普通だったのだ。そこで、もう20年ほど使っているので長くもったほうではないかと思い、思い切って買い替えることにした。
次にウォシュレットの内容で悩む。あくまで「普通の」ウォシュレットでいいと思っていた。今家にある壊れたヤツはお尻を洗う機能だけのやつで、まだ学生の頃はこれで十分と思い買ったものだった。同じ機能のついているものを見ると取り付け工事抜き、本体価格のみで2万円くらいで売っている。私にとっての「普通」はこれで、初めはそれでいいと思っていた。
しかし色々な商品を見ていると様々な機能がついている。匂い消して快適に保つ機能、リズムを付けて強弱のお湯で出てきて気持ちいい(?)機能、温風が出てくる、便座が自動的に開閉する、使わない時には節電してくれる、リモコンの有無、など選択肢を上げればキリがないくらいである。
「今は何かの機能を付けた便座が普通ですよ」店員が言った。
「どんな機能を付けたものが売れてますか」と、私。
「お客様の好み次第ですね。痔の人にはお尻に優しいリズム洗浄や温風乾燥のついたものが人気ありますね」
「・・・・・・・」
なぜ例として痔が出てきたのか不明で、店員は私が痔持ちで必要に駆られて買いに来たと思ったのかしきりにお尻に優しい機能の付いたものを薦めてきた。
私は肯定するわけにもいかず、またどんな機能をついたものを買うか一度検討するために帰ることにした。店員の機能付のものを買うというのは高いものを買わせる方便なのかもしれないが、商品を見ているとやはり色々な機能は魅力的に思える。
しかし店員に言われなくても、商品を見ることによって機能付のものへ目移りはしていただろう。自分がこれで普通だと思っていたものが、心や金に余裕ができることによってよりグレードの高いものが「普通」となり、それでも良いと思えるようになっていたのだ。
自分にとっての普通は年齢や収入、家族構成何かで簡単に変わるんだなと思った瞬間だった。私は今、自分にとっての普通の便座を検討中である。
みなさんは今もし便座を買うならどんな機能をついたものを買いますか?