神の意思を物理的に解釈する ハッタリスト
- 2015.09.30 Wednesday
- 23:46
それでは人の意思が介在しない自然現象はおもしろくないかというとそうでもなくて、そこには人ならぬ神の意思があったりなかったりすると考えるとおもしろいです。
個人的なイメージでは、
・神様はルールを作った
・その後、神様は不介入の誓いを立てた
・神様はこの世界で何が起きるか知らない
のように思っています。
最初に
「神様はルールを作った」
ですが、ここでは物理法則のことを神様と呼んでいるだけなので、これは当然というか同義反復です。
その次の、
「その後、神様は不介入の誓いを立てた」
です。これが本題です。
仮にこの世界が金魚鉢なら、金魚鉢の外側の世界からカミサマである飼い主が気まぐれで餌を入れたり入れなかったりするでしょう。
この現象はほとんど予測不可能であって、エネルギー保存の法則も成り立っていません。
そういう世界では、次の瞬間に何が起こるかはカミの見えざる手の介入によっていくらでも変わってしまうわけです。
一方、我々の世界では、これまでのところエネルギー保存の法則が成り立っていないと見られる現象は確認されていません。
坂道をボールが転がり落ちているときに、カミの見えざる手が突然それを止めてしまうなんてことはない、ということになっているらしいのです。
このことは神様による不介入の保証のようにも見えますが、それがいつどこで破棄されるかなんてことはわかりません。今のところだけです。
※ネーターの定理の見方では、時間的並進対称性に対応する保存量がエネルギーです。雑に説明すると、エネルギー保存の法則とは昨日も明日も物理は変わらないことを意味する、ということです。
最後に
「神様はこの世界で何が起きるか知らない」
ですが、これは僕の個人的な好みです。
強い人間原理(説明略)を採用すると全知全能の神様がこの世界の全てをデザインしたように見えますが、それはあんまりおもしろくない。
以下のような見方の方が好きなので、それをまとめとします。
神様はいろんなルールを作って成り行きを見守るゲームをしていたが、あるときものすごく複雑な現象が見られる世界が偶然できてしまったので、何が起こるかワクワクしながら黙って見守ることにした、めでたし。