悩み相談室 精霊の部屋(2) 〜自炊〜 byアフリカの精霊

  • 2013.08.31 Saturday
  • 22:46
*8月25日作品 ガリハ氏の相談室103より

「持っている本が増えすぎてきたので、自炊(裁断->スキャン->pdf化)しようかな、と考えています。小説は抵抗感があるのですが、専門書だとあんまりないので。
一方で、自炊代行業に頼むのは違法だ、という意見もあります。
違法、何ですかね?」

ほうほう、それはお困りですね。
違法かどうかお答えすることをガリハさんから依頼されましたが正直なとこ、わかりません。
あまり法律相談に対し私がガチで答えることはそれ自体問題のあることかもしれませんが、それ以上に著作権に関してはそれほどの専門知識があるわけではないのです。
おそらく弁護士の方でも知らない人は本当に何にも知らないのではないでしょうか。
必須の試験科目ではないですし(選択科目ではある)、あんまり相談もないでしょうし。

基本的には本等を読むことの解決をお勧めします。
しかし法律の本なんて、面白そうな物はないじゃんなんて思ってません?
でもね、著作権についての本って他の法律によりも面白いんです。

法律の本の中に「判例百選」って本があります。
これは法学部生なら誰でも知っている六法全書の次に有名な本ではないでしょうか。
「これを読まない法学部生はいない」とまで呼ばれている本です。
そんなに大きな本屋でなくとも置いている本です。
例えば民法の判例百選なら民法の判例(裁判例)を100個ほど載せているのですが、これの「著作権法判例百選」が面白いそうです。
つまりこれを読むだけで著作権に関する面白い裁判例が100個も読めるのです。
1つ1つの事件について、事件の概要と裁判結果、それについての法律の専門家の解説が書かれています。

昔聞いた話ですがこの著作権の判例百選では
インベーダーゲーム・パックマン・「脱ゴーマニズム宣言」・円谷プロ・サザエさん・ディグダグ・ときめきメモリアル・三国志
などについての裁判例が読めるようです。
著作権についてですから当たり前ですが、漫画・ゲーム・本などについての裁判例が多くそれらに興味がある方は、比較的興味を持って読めるのではないでしょうか。
そしてそれと同時にどういうことをすると著作権法違反になるのかを解説付きで学べます。

本当に違法かどうかを知るならばまずは弁護士さんに相談でしょうが、それ以前に自分で調べるということもできそうですね。
本で調べるならば、著作権についてはこの判例百選が一番入っていきやすいのではないでしょうか。
お目当ての自炊に関する判例があるかわかりませんが、少なくても著作権に詳しくなることは間違いないと思います。

※明るい悩み相談室PREMIERではあなたのお悩みを受け付けております。
ブログにコメント、投票時にコメント、精霊にメール、電話、ホラ貝、火縄銃、などの手段でどうぞ
ちなみに投票時に名指しなされた相談には絶対お答えします。

夢競馬の人々(173)  葉山 悟

  • 2013.08.29 Thursday
  • 01:00
「苛酷で息が詰まるような時代だったということは感じます」と、僕は吐息交じりにつぶやいた。
「感じるだけじゃダメ。解るだけでも何にもならない。私にだって何か一つぐらいイイコトがあっても良いと思う」
「年金さんのいうイイコトとは他人を恐喝してお金をせしめるということですか」
「金の無い人からむしり取るのではない。悪の上を行く極悪人から金を吐き出させる、ただ、それだけ」
「僕はモラルとして駄目だと言っているのではありません。あなたの命に関わっているから止めるのです」
「私の命の心配なら余計なお世話。もうこの先幾らも生きられない。妻もいないし、息子も音信不通で、私が死んでもどうなるわけでもない」
僕はある種の覚悟を決めていた。自分の考えを説明して年金さんの腹の底を探る。それで駄目なら決裂してもいい、と。
「写真を警察に届けます。写真は僕が持っている訳ではありません。万一、僕の身に何かが起これば、詳細を書いた書類と共に警察に提出されることになっている。これは僕達で何とかできる事件ではありません。死人が出ているのです。それにあなた、大崎会長からどれぐらいご祝儀を受け取っています?ご祝儀を受け取りながらその人を売ることが出来るのですか?」年金さんの顔色がサッと青白く変わった。
「売るってなんだよ!その言葉は許せない。第一大崎会長は故人だ」
「故人だろうと関係ない。死者にも名誉や矜持はあって、守るべきものだと思いませんか。
僕が本当に言いたい事は、大崎会長が絡む問題にあなたが発言することや何らかの行動を起こす権利は無いってことなんです。団塊世代の人たちっていうのはそういう仁義っていうか、人として取るべき道っていうか、それが確立されていて、僕から見れば尊敬すべき世代、まさにゴールデンエイジなんです。年金さんお願いですから原点に返ってください」
顔色が青白く変わったのは彼の怒りの表明だ。そして怒りを覚えるという事は何らかの形で現状を打破するという決意の表れだ。僕は彼の次なる言葉を待った。その時、彼の口から出たのは言葉ではなかった。いや実際には何か発したのだろうけど、僕にはただの嗚咽にしか聞こえなかった。

夢競馬の人々(172)  葉山 悟

  • 2013.08.29 Thursday
  • 00:59
「ウィンウィン?年金さん、本当にそんなことが可能だと思っているのですか。例えば競馬はどうですか?まるで正反対の答えが出てますよね。殆んどの人が負けると。競馬だけでなく他のケースにおいてもウィンウィンなど成立しないのでは・・・。唯一それを唱えて自らを拡大してきたのが新興宗教と政党で、オウム真理教やナチを信じた人々がどんな末路を迎えたかご存知ですよね。勝利者の足元には夥しい数の敗者が朽ち果てているのです。いわばウィンウィンなどと言うのは言葉だけで、実際には存在しない」
N競馬場の貴賓室で談笑する0組最高幹部とS場長。その写真を撮った男は殺されていて、残された写真の入っていた封筒に0組企業舎弟の司令塔であるグローバル企画の社名とK部長の名前。そのグローバル企画の代表がK部長で、彼も殺されている。大沢が残した写真は大沢・K部長の二人の惨殺死体の謎を解く最大の決め手となるものだ。いわばジグソーパズルの残り数点のピースそのものだ。
「先生よ、あんたと私、齢がどれぐらい違うのだろう。私は団塊世代、いわゆるベビーブーム時代に産まれた。中学校じゃ1クラス50人で20クラスもあった。当然教室が足りなくなって、プレハブ教室での授業でも間に合わず、二部授業というのもあった。何しろ昭和22年から27年、1947年から1952年まで毎年200万人以上の子供が誕生したのだから。小学校、中学校、高校、大学とすべてこの200万人以上の人間でひしめきあっている。そこで何が行われたか。サバイバル、生き残るための競争だ。少しでも良い会社に就職するためには良い大学へ入らなければならない。そのために二浪三浪する連中も。とにかくあらゆることに苛酷な生き方を強いられた、というよりそれしか生きる道は無かった」
年金さんは突然何を話そうとしているのだろう。僕と彼とでは親と子供世代の差があると言えるのかもしれない。
「いいコトなど何も無かった。ただひたすら競争しているから、しんどいや辛いという感じは無かったけれど、今あの時代を振り返ってみれば酷いのひと言しか残っていない。人間として、人として生きることが難しい時代と言えば先生に解ってもらえるだろうか・・・」

フェス初心者入門(前編)  がりは

  • 2013.08.28 Wednesday
  • 04:12
夏も終わりが始まっていますがこれから初めてフェスに行く人にちょっとでも良い気分でフェスに行ってきてもらいたいので、経験に基づいていくつかアドバイスをしたいと思います。

まず。
フェスに行く前には聴いてみたいバンドをいくつかリストアップして、曲を聴いておこう。
これをやっておくのとおかないのとでは会場でのテンションはだいぶ違ってくると思います。
日本には「十日の相撲を十二日見る」という素晴らしい言葉があって、場所が行われる前日に来てこれから行われる場所に思いを馳せ、十日間の取り組みを堪能し、場所の翌日にもう一度その場所を振り返るというのが通だと教えています。
フェスに行く前にフェスに思いを馳せ、フェスを楽しみ、フェスの翌日以降に聴くCDからはフェスに行く前には聞こえなかった音が聞こえるようになるでしょう。
予習、復習大事。

装備ですが、履きなれた靴でいきましょう。
ハイキングか!遠足か!
そうです。その通り。
私は今年、愚かにも当日に購入した靴で行きました。
試着した時はいい感じでしたが長時間は持たない感じで非常に痛くなってしまった。
オニヅカタイガーは私の足には細すぎた。
そういうことでフェスの楽しみが妨げられるのはよろしくない。
その他のファッションですが、個人的には去年のそのフェスのシャツとかで行きたいところです。
しかし初めて行くのではそれも入手困難。
ひいきのバンドのシャツでもいいし、会場に行って買って着るのもあり。
夏フェスに限らず着替えも持っていきましょう。
シャツとパンツだけでもあると違います。
くるくるっと巻いてカバンに入れておいてください。
小さなバッグでも意外と入るものです。
あと、帽子もあるといいですね。
キャップでもハットでもいいです。日差しが強いと体力を奪われますので。

水分は確保できるようにしておきましょう。
喉が渇いたな、と思った時点では手遅れになる危険性があります。
早め早めに水分補給をするために手元には水を。
酒を飲む場合には陰で座って飲む方がいいでしょう。

入場方法の確認もしておきましょう。
私は今年のサマソニの入場に大変苦労しました。
不安な時は係員に早めに聞きましょう。

フェス初心者入門(後編)  がりは

  • 2013.08.28 Wednesday
  • 04:12
さてフェスが始まります。
タイムテーブルを見ておおまかに予定を立てましょう。
でもあくまで緩めに組んでくださいね。
知らないバンド、知らない曲と出会ったことに感謝しましょう。
周りの人を見ながら動きを合わせてみましょう。
みんな手を叩いたり、手を振ったり、手を突きあげたりしていると思います。
音に乗りながらそれを真似していきましょう。
今年は人差し指と小指だけを立てる「ロングホーン」のフィンガーサインが多く見られました。
ご存じ不沈艦スタン・ハンセンの決めポーズです。
なぜこれが流行っているかはわかりませんが、とりあえずやってみましょう。
私はロングホーンに混じってシャカでした。

どうしていいかわからない、という不安もあろうかと思います。
基本的には音楽がなっている時にはそれに身を任せていれば良いと思います。
そこまで周りに合わせる必要もありません。
なんとなく慣れた風に見られたいなら周りに合わせてみてください。
周りが踊っているエリアでは踊りましょう。
うまくなくてもいいです。
なんとなく踊ってればいいんです。
腕を左右に振っているところでは振ってみましょう。
ジャンプしだしたらジャンプしましょう。
感極まった人たちがハイタッチやハグをしてくることがありますが、嫌じゃなければ受けてあげましょう。

周りが座っていれば座りましょう。
そこはきっと休憩エリアです。
全部立って踊って参加するのは難しいです。
休みたくなったら誰かが休んでいる所で休みましょう。
いいものには強い大きな拍手、悪いものには・・・ブーイングはやめときましょうか。
励まされると力が出るタイプの人もいますしね。
基本的に好意は人のパフォーマンスを上げます。
イケてない演奏だな、と思ったら激励してやる方がいい時間を作ることができると思います。
ま、これはフェスに限らずですが。

良い時間を過ごした後ですが、できることならフェス会場のそばに宿を取りましょう。
ほんとに帰るのが面倒くさくなります。
その気持ちが余韻を醒ましてしまいます。
「十日の相撲を十二日見る」我々日本人としては一日のフェスを三日は楽しまなければ。
宿が近くにあるなら、宿に行く前に今日一日を振り返りながらぐだぐだとお酒を飲もうという気にもなりますよね。
おすすめです。
飲む前にカバンに入れてあったシャツとパンツに着替えてしまいましょうね。
風邪ひくといけないので。

フェスの後は会場で初めて見たバンドを追いかけてみたり、フェスのセットリスト(曲目)でiPodのプレイリストを作ってみたり、カラオケをすると良いと思います。

あくまで私の楽しみ方ではあるのですが、参考にしていただければと思います。
またこんなフェスの楽しみ方もあるよというご意見、募集します。
がりはと一緒に21世紀のフェスの楽しみ方、考えてみませんか。
ピース。

「何気ない行為の責任」  byアフリカの精霊

  • 2013.08.27 Tuesday
  • 23:50
食べ物を扱う店において、その従業員や客が不適切や行為をしてネットにアップするという事件がここ最近おきているようですね。
私が最初にこれを知ったのは、アイスがいっぱい入ったケースに寝転がっている事件でしたが、これらのことをすることにより下記のような責任が発生します。

1 刑事的責任
ある弁護士さんによると建造物侵入罪・器物損壊罪・威力業務妨害罪が成立しうるらしい。

建造物侵入罪(住居侵入罪)…3年以下の懲役・10万円以下の罰金
住居権者、つまりその家の人の意思に反する立入は住居侵入罪に該当します。
例えば、隠しカメラを設置するためにATMに入った人もこれに当たります。
犯罪を犯すためにATMに入られることは銀行の意思に反しますよね。
これと同じで、アイスケースに入るために店に入ることはその店長の意思に反する立入となり住居侵入罪にあたるようです。

器物損壊罪…3年以下の懲役・30万円以下の罰金
これはアイスを損壊したことから成立します。
「アイスは壊れてないじゃないか!」なんていう人もいるでしょうけど、器物損壊は本来のように使えなくなるだけで成立してしまうのです。
実際にあった裁判例では、すき焼き鍋に放尿してしまった人が器物損壊で捕まりました。
鍋自体は壊れてませんが、もう使えませんよね。
これと同じで、アイスはもう売ることができません。
よってアイスを損壊したことになるようです。

威力業務妨害罪…3年以下の懲役・50万円以下の罰金
パンに針を混入したり、店に脅迫状を送りつけ営業をやめさせるなんてたまに聞く話ですよね。
ようするに何かの力を用いて(騙して営業を止めれば偽計業務妨害)営業をやめさせたら成立します。
少しの間、この店ではアイスは売れないでしょうね。
よってこれも成立するようです。


2 民事的責任
まあ、ダメになったアイスの代金は当然払わないとダメでしょうね。
あと店に対して信用を落としたことによる慰謝料も認められそうです。

ただし、営業ができなくなったことによる損失について請求できるかは専門家の中でも意見が分かれるようです。
不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)では行為と損害の間に因果関係が認められることが必要なのですが、これを認めてよいかどうかだそうです。
営業自粛は店の自主的な判断で、客が変な行為をしたからと言って必ずしないといけないものではないので因果関係が認められないとも言えるそうです。
個人的には、このような行為により店が数日営業を停止したりすることは一般的にありうるところなのでその点については因果関係を認めてよいかと考えます。
問題は自主的に廃業した場合のその廃業に関する責任まで問えるかですが、その辺は微妙な判断なので結果を見てみたいと思います。

もしこれらが全部認められるとすると刑事的責任のみならず民事的責任においてかなりの重い責任がくることになります。
本人たちはもちろんそんなことを意識せずに行ったのだと思いますが、法律に違反するからダメなのではなく、常識から考えてダメだという観念を持ち合わせていなかったことが悲しいと思える事件だと思います。

ブルーマンデーモーニング たりき

  • 2013.08.26 Monday
  • 23:28
関西に戻ってきて電車通勤をするようになってもうすぐ3年になろうとしている。
今でも車通勤の方が楽でいいなあと思うのだが、電車通勤といっても乗り換えはなく、電車に乗っている時間もせいぜい30分ということもあり楽なものではある。
私が普段乗る準急電車はほとんど混んでいない。運が良ければ途中の駅から座ることさえできるくらいだ。
これまで、勤め先の最寄り駅から数駅離れた駅から30分程度歩いていた時期もあったが、いまでは大した距離は歩いていない。ただそのときと同じく途中で普通電車に乗り替えることはほとんど毎日している。
ほんとにわずかな時間ではあるものの、そのことでほとんど間違いなく座れるということが大きい。

さて。
お盆明けの週も終えて今週からはちょっとしっかり仕事をしようかと、今朝はいつもより早く行こうと思っていた。
結局家を出たのはいつもより15分早いだけで、いつもより一本早い準急電車に乗れるだけという時間。まあいいかって。
駅に着いてみると電光掲示板にダイヤが乱れているといったことが書いていて、まあそれくらいだったらこれまでもあったよねとホームに降りてみて、どうやらいつもと違うことに気づく。
ホームに、人、人、人。
どうやら人身事故があったらしいのだが、それが私が普段乗っている路線の最寄り駅からすぐ近くで起こったもののようであった。そのためダイヤが乱れに乱れているとのこと。
とりあえず、割とすぐにやってきた普通電車に乗り込む。ホームにいる普段見たこともないような数の人たちは快速急行を待っているのだろう、ほとんど乗らずにいてそのおかげで混雑具合は大したことなかった。

途中の駅で快速急行を一本やり過ごした後、いつも私が準急電車から普通電車に乗り替える駅でもう一度電車の待ち合わせをするとのことだった。
準急電車が来るんだろうと思ったけれど、時間に余裕はあるので乗り替える手はないなあと考えていた。
快速急行がまた一本通り過ぎていった後、予想通りに準急電車がホームにすべりこんできた。
まあ、予想できたことだけれども既にかなりの人が乗り込んでいる。私がそのまま乗っていようと決めた普通電車から準急電車に乗り替えるつもりの人たちが結構ホームにいるんだけど。
普段慣れないだろう戦闘の後、私から見えた範囲だけで二桁に届こうかという数の人が準急電車に乗れずじまいだった。
電車はギュウギュウ詰め。ただドアから奥の方に若干のスペースがあるような気がしたのは満員電車慣れしてないからなのかなあなんて。

私は普通電車をそのまま乗り続けて、いつもより少し遅いけれど定時に遅れることなく会社に着きましたとさ。

明るい悩み相談室PREMIER(103)〜自炊〜 がりは

  • 2013.08.25 Sunday
  • 00:02
明るい悩み相談室PREMIER、本日の担当医がりはです。
こんばんは。
今日はどうされましたか?

「持っている本が増えすぎてきたので、自炊(裁断->スキャン->pdf化)しようかな、と考えています。小説は抵抗感があるのですが、専門書だとあんまりないので。
一方で、自炊代行業に頼むのは違法だ、という意見もあります。
違法、何ですかね?」

ほうほう、それはお困りですね。
違法かどうかについてはアフリカの精霊先生の方からお答えいたします。
それではまた来週。
さよなら、さよなら。


言い方を変えてみてもダメなものはダメですよね。
私は著作権を憎んでいるので、自炊しようが引用しようが良いと思います。
改ざんされるのは嫌ですが、基本的に表現されたものは広く皆の衆に受け取ってほしいという欲望を持っていると思うのです。
だからなるべく広い範囲に安く拡散したらよいと思うのです。
でも実際問題お金がないと食べていけないよ、という意見もあろうかと思います。
そこで。
本も音楽ももっと安くして、お金の発生のベースは使用時課金でいいと思うのですよ。
たとえば私はポール・オースターの「ムーンパレス」はもう10冊以上買っていて(欲しいという人にはプレゼントしちゃうから。)、100回くらい読んでいると思いますが、あれが文庫でせいぜい700円しかしないのはおかしいでしょう。
徹頭徹尾くだらない本も世の中に存在しますが、文庫になっていれば似たようなお値段で売られています。
ムーンパレスは装丁も素晴らしい。
インテリアとしても素敵です。
でもそのレベルにない本だって同じような値段です。
ムーンパレスが200円で読めて、2回目は100円、3回目は50円、4回目以降30円というような課金モデルであっても私は100回読んだと思います。
そして1回目の値段が下がることでもっと多くの人がムーンパレスに触れることができると思うのです。
それはみんなにとって素晴らしいことだと思うのです。

もちろん、私がそうであるように、本という形態のフェチもいると思います。
そういう人向けに本は残しておくべきだし、そのような本は今と同じような値決めで良いと思います。
むしろもっと高くても良いし装丁はもっと自由に選べても良いと思います。

そのような時代がくればあなたの悩みも解決すると思うのです。
既に電子書籍という形で世の中には出始めていますが、いまはまだ課金のモデルが旧来のままです。
一回目だけ払うのではまだ空振りリスクを排除できていません。
まだ不十分不完全な形態だと思います。

音楽とて、聴いた回数に課金すれば良いと思うのです。
ランキングだって少しは意味のあるものになるでしょう。


※明るい悩み相談室PREMIERではあなたのお悩みを受け付けております。
ブログにコメント、投票時にコメント、ハッガリーニにメール、電話、伝書鳩、のろし、などの手段でどうぞ。
ちなみに投票時のコメントでのお悩みには必ず回答いたします。

ミラーボール by Mr.ヤマブキ

  • 2013.08.24 Saturday
  • 21:58
 軽いイベントがあるから是非聞きに来てくれと友人DJが言うので石橋の松屋の向かい、天一の地下にある倉庫を改造した作りのクラブへ足を運びました。クラブなんかに行くのは初めてで一体どんな顔してどんな服着てどんな話をすればいいのか分かりませんでしたがすでに何人か同級生が居たので事無きを得、意外と普通だなんて感想を持つ程の余裕。まあバーにプレイ用のブースがついてるだけだったので……。
 友人のプレイが始まる頃に我々も駆け込み、まずは控えめに後ろの方でなんとなしに体を揺らしていると当然他の客も入って来て、ガタイの良いお姉さんが動きの速いダンスを慣れた風に踊り始め、メガネにチェックシャツの如何にもこういう場に居そうにないお兄さんがそそくさと一番前に陣取っていささか不躾とも言える距離からDJミキサーを興味津々に覗き込んでいて、後から入って来たおじさんほどの年齢のおじさんは弧を描くように足を滑らす謎のダンスを披露していて、何となくアングラの香り。同級生の一人は隅で、首から上だけの運動によって友人DJのプレイ時間である一時間半もの間、ひたすらリズムを刻み続けていました。
 僕はというと、その同級生とはさして代わりの無いリズムの刻み方で体を揺らしながら深夜一時半のぼんやりとした頭で初めて軽音の友達のライブに誘われてどんな風に体を動かしていいのか困惑した事を思い出し、そして同時にこの夏にエアロソニックに行って手を振る運動から離れたいと思った事を思い出しました。エアロソニックはB’zとエアロスミスの共演という触れ込みで千葉のマリンフィールドで行われたイベントで、僕はどちらも大好きな友人と参戦してとても楽しい一時を過ごしたわけですけれども、途中で人差し指と親指を立てるあのお決まりのサインで以て腕を振って曲のリズムに合わせるあの運動、例えば曲のサビのラストが三連譜だから通常のリズムを刻みながらも常にそれを頭の隅に置いて、その部分に差し掛かるとミスなく腕を振るというその行為が本当に音楽を楽しむということを奪ってしまっているんじゃないかと思ったその夜のことを。
 一体感という言葉を僕は知っていて、ウルトラソウルと叫ばれたらみんなでジャンプはしたいと思いますが、でもそれが体の内側から出てくる自然な体の動きを遮っているような気もしたり。でもしかし、そもそも自由な動きをしようと思うにはやはり型が必要かもしれない、何故って、友人の軽音のライブに行った時、気持ちは何か体を気持ちよく動かしたいのに、本当にどうやってリズムに乗って良いか体を動かしていいのか全く分からなかったから。
 そんなことを考えていると友人DJがRadioheadのCreepを流してくれました。あらかじめRadioheadなんか聞くと話していて、僕のために流してくれたことは明らかで、なんて粋な奴だと思いました。おじさんは相変わらず弧を描くダンスを踊り続けていて、激しく踊っていたお姉さんはバーの方へと戻っていましたが、メガネとチェックシャツのお兄さんは、今度はグーとパーで手を叩いていて、この人たちを見ていると音楽を自由に楽しむということが少しだけ伝わってくるような気がしたのです。丁度三時を迎える夜更けに月のようにゆっくりと回る青く染まったミラーボールを見ながらのこと。

夢競馬の人々(171)  葉山 悟

  • 2013.08.23 Friday
  • 09:17
年金さんは周囲を気にするかのように声を落として僕の耳元で囁いた。それはまるで悪魔の囁きだった。
「一体何の話ですか?」
僕は取りあえずしらばくれてみた。しかし彼は間髪を容れず「今月までに4000万円用意しなければ大変なことになりますね。それを痛感しているのは片山さんの奥さんと不倫している先生、あなたでしょう」
彼が0組企業舎弟の片山サークルへの投資金の事を知っているのは、0組から情報を得ているからに違いない。僕が黙っていると「先生、悪いようにはしないからさ、その写真、私に預からせてくれませんか」と追い打ちをかけてきた。
「年金さん、何を考えているのか分かりませんが、K部長や大沢さんと同じく、あなたも殺されてしまいますよ」
彼は何故だか自信たっぷりに答えた。
「私は彼らとは違って、何せ年の功という財産がありますから。まず写真を週刊誌に売るというような脅しはしません。それにS場長は我々が想像しているよりも裏ガネを蓄えています。それを少しばかりご祝儀として出してもらえないかと交渉するだけですよ。勿論あなたの彼女の4000万円の返金もしなくても良いことになります。取りあえず片山さんの奥さんの実家の抵当権を外すことから始めませんか?」
おそらく年金さんはS場長に、写真を警察に提出すると脅しをかけるのだろう。
「私にKさんや大沢さんと同様、つまり万一の事があれば、写真プラスあなたの裏ガネ情報が細かく書かれてある資料も警察に届くようになっています。Kさん殺し、大沢さん殺しで一番容疑をかけられるのはSさんあなたですよ」とばかりに。
「つまりS場長とのキーワードに警察をからめるというわけですね。この写真を警察に届けてもいいですか、と脅すのですか。警察を間に入れることによって、あなたの命までは狙わないだろうという計算ですね」
「恐喝するのでは無い。Sさんは殺しの疑いをとかれて、私やあなた、そして片山さん夫妻は金の工面に心臓までキリキリ締め付けられるような思いをしなくともいい。お互いがよくなれば、つまりウィンウィンの関係って実に素晴らしいって感じませんか」

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