家政夫のムタ(上) がりは

  • 2013.01.31 Thursday
  • 07:31
午前七時。
新しい家政夫さんが来る時間だ。
うちの手の付けられないガキどもが私の言うことを聞かなくなって二年。
妻がいなくなって一年。
この家を何とかしてもらうには女性では厳しいと思い、男性をお願いしたのだ。
玄関の方でエレキギターの大音量が鳴り響く。
何事かとドアを開けると半裸の男が跳ねながら、しかも回転しながら入ってきて、私を弾き飛ばした。
「いいいいいやああ!俺がこの家の新しい家政夫、ムタだあああ!」
足を開き、少し膝を曲げ、両こぶしを額の前から左右にゆっくりと開いていく。
よく見ると拳ではなく、狐の形になっている。
力感溢れるポーズと鳴り続ける大音量のヘビーメタル。
腰には金色のチャンピオンベルト。

ドアがゆっくりと閉まり、音が鳴りやんだ。
「全日本家政婦紹介所から来ました、武藤敬司です。ムタと呼んでください。よろしく。」
スキンヘッドに白い髭を蓄えた武藤敬司は握手を求めてきた。
いつの間にか起きだしてきた二人の息子が俺の脇から前に出てきて、先に握手をした。
すっかり虜になったようだ。

ムタは上半身に羽織っていた白のふわふわのガウンを大切そうにコート掛けに掛けると、朝食の準備に取り掛かった。
トトトトトトトトと聞いたことのない程の包丁のリズムが聞こえる。
「ご主人、今日環八混んでるからさ、車で行かない方がいいな。もう間に合わないよ。うん。電車で行って駅から走った方がいいよ。俺、膝悪いから走れないけど。うん。」
「あ、はい。て車通勤なの知ってたんですか?」

「広吉、聡、コスチュームに着替えないと遅れるぞ。」
「ムタさん、なんで僕たちの名前知ってるの?」
息子たちが「僕」を使っているのなんて何年ぶりだろうか。

「ちゃんこできたぞ。」
「わああ、すごい!」
10人前はあると思われるどでかい鍋に、山盛りの肉と野菜。
そして丼飯。
よそってもらったものに恐る恐る箸をつける。
美味い。
息子ともども次々にお替りをするが、鍋の中身は一向に減らない。
「モリモリ食って、どんどん強くなれよ。骨の髄までしゃぶりつくしてくれ。」
「ごちそうさま。うまかったわ。」
広吉が席を立ったその刹那だ。
ムタが素早く動き、広吉の右足を両手で抱えたかと思ったら、次の瞬間広吉はリビングの端まで回転しながら吹っ飛んでいた。
膝を抱えて痛がっている。
両手の人差し指と親指で長方形を作って広吉にフォーカスしているムタ。
広吉が起き上がってくるところにダッシュして大きな顔面に膝蹴りをかました。
パクッというようないい音がして、その後フロアスタンドが倒れてシェードが割れる派手な音がした。

家政夫のムタ(下)

  • 2013.01.31 Thursday
  • 07:30
聡が雄たけびを上げながら襲いかかる。
気付いたムタは前蹴りで動きを止め、聡の足を抱えると自ら回転し聡を投げ飛ばした。
食器棚に激突し、中の皿がガタガタグシャグシャ言った。
歩み寄ったムタは素早く聡の足を折りたたみ、自分の足に絡めて寝転がった。
フィギュア4レッグロック。
4の字固めだ。
ムタは羽ばたくように両手を広げ、後ろ受け身のような動きをする。
床をバンバン叩く度に聡が悶絶する。

私が行かなくてはならない。
「ヘイムタ!カモン!」
ムタが技を解き、振り向く。
その振り向いた顔に向けて走り込み、思いきり顔面に足裏をめり込ませる。
ヤクザキックというやつだ。
ムタが派手に受け身を取る。
ムタの大きな体を裏返し、左足のひざ裏に私の右足をあてがい、折り曲げて足の甲を私の左腿でロックする。
右腕をムタの右ほほにあて、左手でクラッチし、左上方に締め上げる。
「Ask him!Ask him!」
駆け寄って来た広吉に叫ぶ。
「ギバップ?」
「ノー!」
締め付けをきつくする。
右手の位置を変え、頬骨の真上に持ってくる。
力をこめようとした瞬間、ムタがタップした。

技を解き立ち上がる。
広吉が私の右手を持ち上げる。
「勝者 蝶野正洋!」


結局私は会社を休み、息子達も学校を休んだ。
ムタと一緒に散らかったリビングを片づけ、昼はカレーちゃんこを食べた。
「今日はありがとうな。面白かったよ。また呼んでくれよな。」
ムタはキャップにTシャツ、緩めのジーパンに着替えていた。
「ムタさん、行っちゃうの?」
聡が駆け寄ってしがみついた。
「行っちゃうぞバカヤロー。」
「それ、使っていい?」
「使っていいよ。大事に使えよ。」

「父さん、ムタを駅まで送ってくるよ。」
助手席に乗ったムタが伸びをする。
「まさかお前が来るとはなあ。確かに男を頼んだけどさ。」
「偶然だよ偶然。」
「家事なんかできるのかよ。」
「新弟子の時に散々やっただろ。」
「まあ、そうだな。」

「継続参戦してくれるよな。聡なんかなついちゃってるし。」
「馬鹿言うなよ。こういうことはお互いのリングを行き来するって決まってるだろ。」
「え?じゃあ俺がお前の家に?」
「家政夫としてな。うちも結構やべえんだわ。」
「ちゃんこ作る自信ないから家庭教師ってことでどうだ。」
「なんでもいいけど体鍛えとけよ。」

駅に着く。
ウルフパックポーズで別れた。

夢競馬の人々(121)  葉山 悟

  • 2013.01.30 Wednesday
  • 23:22
足切りの基準、根拠など詳しいことは企業秘密と教えてくれなかったが、佐藤さんの競馬の勝率はこの足切りで5割ほどアップしたという。
「この5頭の3連単マルチボックス馬券を買うだけです。3頭に絞ることが出来たら6通り、4頭なら24通り、5頭だから60通り。一点500円ずつとして3万円。選んだ馬が1着から3着まで入れば着順はどうでもいいのです。シンプルイズベスト。ギャンブルの醍醐味ここにありです」
シンプイズベストとして選んだ買い目が60点である。究極の必勝法である馬券ソフトの買い目はどれぐらいになるのだろう。
「この買い方で最高120万円とりました」
黒塗りの専門紙と、肩からぶら下げたショルダーバッグがトレードマークである。僕は佐藤さんに御祝儀を二度ほど差し上げたことがあるが、彼はお返しを四回もやっているのである。「Hさん、どこにいたのですか、探しましたよ。これ御祝儀」毎回1万円と決まっていた。大崎会長の祝儀と同じだ。
ある日、帰り道が一緒になって、大きなビルに夕日が反射して幻想的な光景を醸し出していた。
「このビル、実は私が造ったのです。Mファッションタウンの建物も設計施工したのは私なんです。こうして街中を歩いていて自分が造ったビルや建造物を見ると、まるで自分の息子や娘に出会ったような気分になりますね。元気でいるのか、毎日規則正しく生活しているのか、皆さんに可愛がられているのか、なんて。これが私の正体です」
佐藤さんはショルダーから建設大臣の名前が入った一級建築士の免許を取り出し僕に差し出した。
「いや本当のことを言いますと、私には子供はいません。結婚すらしたことがないのです。ただ自分の造ったビルや建て物に関する感情というものがあるとしたら、子を持つ親と同じではないかと思うのです。ただ存在する全ての者やモノは、いつかはその姿を失います。私の命と、これらの私が造った建造物、どちらが長生きできるのか。ほらよく言うじゃありませんか。最大の親不孝は親より早く死ぬことだって」
太陽がその姿を地の果てに沈めようとしている。全ての生物がそうであるように。人間も太陽の恩恵無しにその生を繋いで行くことはできない。太陽が沈むとき、人は感傷的にならざるを得ないのか。

夢競馬の人々(120)  葉山 悟

  • 2013.01.30 Wednesday
  • 23:18
「Kさん、その競馬ソフトを開発した人とコンタクトはとれないのですか」
K部長の車は大崎会長の葬儀会場から再び競馬場のある街に戻ってきた。片山さんの顔が真剣そのものだ。唇をすぼめる癖のせいで口元に皺が寄る。全レース(特殊な例を除く)を予想して負けないという結果は、彼女夫妻が主宰する投資サークルが追い求めている理想の必勝アイテムである。いわゆる丁か半か、総取りか、一文無しかというギャンブルとしての選択肢はそこにはない。競馬が存続する限り利益が保証されたビジネスである。ただし一点的中主義ではなく、無数のオッズに投網を打つ、いわば正鵠の薄利多売なのである。その理想はK部長のフロント企業においても同じだ。法律に違反しない無尽蔵に利益を生み出す打出の小槌が競馬ソフトなのである。
「Hさん、あなたも黙ってないでK部長にお願いしてくださいよ。あなたの馬語を通訳するという能力と引き換えにソフトの入手と解明を要請してください」
K部長は何も応えず、ただ苦笑いを浮かべただけだった。僕はそのソフトに関して一点だけ確信めいたものがあった。競馬に絶対はない、といわれるが、出走する馬の中で「これは間違いなく1着に来ない」馬を探すこと、それがソフトの中枢にあるのではないかということだ。競馬とは勝ち馬を選び出すことだが、発想を変えて、勝たない馬、勝てない馬を探し出すことで無数にある的中への買い目を大幅に減らすことが可能になるのである。
いわば1着2着に来られない馬、例えば主催者が出す出走手当てが狙いの馬、休養明けの叩き台のレースの馬、明らかに能力が劣る馬など、勝ち馬を当てることより容易で確率が高い。
競馬場には様々なドラマがあるが、勝てない馬を選ぶ、という事を教えてくれたのは下見所で真っ黒に塗り潰された予想専門紙を持っていた一級建築士の佐藤さんである。
「競馬に勝つためには情報収集は欠かせないが、情報を絞る、余計な情報をカットするという事も大切だよ。私の予想紙を見て、ほら真っ黒でしょう。例えば次のレース、あなたの新聞では12頭立てになっていますが、私の新聞を見てください。5頭立てです。7頭はほら共通一次とやらの入試と同じで足切りしちゃいました」
足切りの作業は開催日の前日、深夜にまで及ぶことがあるという。

「タクシー料金の謎」  byアフリカの精霊

  • 2013.01.30 Wednesday
  • 03:02
仕事の早さで定評のある精霊、がりは氏の要望(1月29日日記参照)にすぐ答えましょう。
何しろ労働法を専門とする精霊。
そして説明のわかりやすさでは小学生にのみ定評のあるこの精霊。
わかりやすく説明します。
結論から言うと「タクシーの深夜料金2割増には労働基準法は直接関係なく、タクシー会社の都合」ということができます。
そもそも労働基準法は使用者(会社)と労働者に関する法律であり、客についての法律ではないのです。
よって深夜料金を取らないタクシーが出てきたとしてももちろん労基法違反ではありません。

まずは労働基準法から。全部書くと長いので要点だけ
37条4項 
22時〜5時までの労働については使用者は労働者に25%増以上の賃金を払わないといけない。
そうなんです。深夜労働は25%なんです。2割じゃないんです。
もうここで直接関係ないなということがわかるでしょう。

タクシーの運転手の賃金のことはよく知りませんが、歩合制も多いって聞いたことがあります。
このような歩合制の場合でも割増賃金を払う必要があるとの判例もあり(最高裁平成6年6月13日・高知県観光事件)、タクシー会社は運転手に割増賃金を払わないといけません。
タクシーの運転手は深夜勤務ではあるでしょうが、時間外労働ではないので午後10時以降は25%増以上の賃金がもらえることになります。
しかし会社としては給料を多く出さないといけない分を徴収しなくてはなりません。
それが、2割増の料金の徴収の理由と言えます。

結局のところ、運転手に25%増しの給料を払わないといけない。
だから客から2割増の料金を取りますよ、ってことなんでしょう。

しかし、これには法律を学ぶものとしてではなく、一般人として疑問がないわけではありません。
だって他の業種をみてみましょうよ。
電車が10時以降、運賃を値上げしますか?
コンビニが夜10時以降だけ商品を値上げしますか?
電車もコンビニもタクシー同様、労働者を使うことによって成り立っています。
コンビニの店員募集の時に深夜勤務だけ時給が高いのもこの割増料金を入れたものだと言えますが、それを商品を高くして客に負担させることはしていません。
つまり鉄道会社や販売業における深夜労働に対する賃金の上昇は客に負担させるのではナく会社が負担しているのです。
そういう面では、タクシーは会社も乗務員も苦しい状態であるとよく聞きますが深夜料金の値上げに関して不満が少ない恵まれた業種ではないでしょうか。
だって夜10時以降だけ電車・コンビニが値上げしますってなったら不満タラタラでしょうし。

深夜は労働者の賃金はあがります。
問題はその負担をどうするかであって、商品の値上げをしても許されるのは相当な理由がある時のみです。
深夜になるとタクシーの重要性が増すことから需要と供給の関係により料金が上げているという経済学的な理由が大きいともいえます。
もし深夜でも電車がバンバン走っていたらタクシーの深夜料金なんてなくなるかもしれませんね。

よってまとめるとタクシー深夜2割増には以上のことがいえます。
1 労働基準法から直接くる制度ではない。
2 労基法により会社が運転手に対して割増賃金を払う義務があり、その財源のために取られる
3 客自身も深夜のタクシーの重要性からその値上げに相当の理由があるものとして納得している。

明るい悩み相談室PREMIER(75)〜馬鹿になるな〜 がりは

  • 2013.01.29 Tuesday
  • 08:53
明るい悩み相談室PREMIER、本日の担当医がりはです。
こんばんは。
今日はどうされましたか?

「電車で寝過して、気が付いたら見知らぬ土地についていることがあります。
タクシー代が馬鹿になりません。馬鹿なのは僕の脳みそだけにしたいのですが・・・。」

馬鹿になりません、という言い回しっておもしろいですね。
私の敬愛するアントーニオは「馬鹿になれっ!」とよくおっしゃいますが、そこから推測するに馬鹿にならないというのは「常識を吹っ切ることができない、思い切ったことができない」ということのように思えます。
この間世を去ったジョブっちゃんも「Stay foolish!」と言ってましたね。
タクシー代が常識を吹っ切ることができない、思い切ったことができない、ということはまあまあ常識的な範囲で収まっているということでよかったねと。
もっともっと遠いところまで行ってくださいよと。
町を一つ隔てればそこは知らない土地、それが転勤族の悲しさと。
そういうことでよろしいでしょうか。

よろしくない?
財布には深い傷跡が残っている?
まずは馬鹿にならないを辞書でひいてみましょう。

馬鹿にならない(広辞苑第四版)
一見、たやすそうに見えるが、無視したり軽視したりできない。相当である。馬鹿にできない。「―金額」

上記を踏まえると、そもタクシーについて甘い了見を持っているのではないかという疑問がわいてきます。
馬鹿にしていたら案外相手強かった、という状態なわけですから、そもそも最初の段階が間違っています。
最悪、タクシーがあるもんね、という心のゆるみが飲みすぎを招き、ひいては電車で立って帰っていれば寝過ごさないという程度の知恵の運用も妨げ、毎度毎度タクシー料金という罰金を払うことにつながるのです。
敵は強大であなたは無力です。
まずはそこから自覚しましょう。
電車では座らない。
ドアの戸袋に寄りかからない。
ヘッドフォンなどしない。
終電の3本前で帰る。
これが私からの処方箋です。
私は馬鹿が好きではありません。
馬鹿やっちゃった、という人も好きではありません。
アントーニオの言葉は賢い人に「(頑張って)馬鹿になれっ!」と「(努力して)馬鹿になれっ!」と言っているのです。

ちなみに深夜タクシーは早くメーターが上がると思いませんか?
それは酔っているからゆえの錯覚ではなく、正しいのです。
あなたが乗っている深夜タクシーは単位距離が2割短くなっているタクシーです。(距離短縮方式)
正規料金の2割増しではありません。
どういうことか?
10kmの道のりを帰るとします。
正規料金を1kmあたり100円とします。
正規料金でスムーズに帰ると1,000円ですね。(初乗り2kmとかその辺の議論は簡便化のため省略。)
料金が2割増なら1,000円×1.2=1200円です。
単位距離が2割短くなると1km×0.8=0.8kmあたり100円になりますから、10km÷0.8km×100円=1,250円となります。
2割増、という表記はどう考えても間違っていると思うんですが、一般的に2割増と表記されています。
2割増の根拠は労働基準法にあるようです。
アフリカの精霊先生からこの辺についてはフォローがあると思います。

※明るい悩み相談室PREMIERではあなたのお悩みを受け付けております。
ブログにコメント、投票時にコメント、ハッガリーニにメール、電話、伝書鳩、のろし、などの手段でどうぞ。
ちなみに投票時のコメントでのお悩みには必ず回答いたします。

はい、先生 byたりき

  • 2013.01.28 Monday
  • 23:46

はい、先生、電気代の節約の方法を考えます。
経費削減の一環で必要なんですね。
はい、わかりました。

はい、先生、まずは冷暖房の設定温度を緩くすることが一番はじめに浮かびますね。
今は冬で寒いですが、暖房を設定温度を低めにすればいいですね。
設定温度は今どれくらいですか。
そうですか、22℃ですか。ちょっと高いですね。
少し動けば暑く感じるくらいですから、もう1℃くらいは下げてもいいのではないでしょうか。
はい、わかりました。

はい、先生、電気はこまめに消した方がいいんですね。
でもあの部屋はひっきりなしに人が出入りするので電気を消すタイミングが難しい気がするのですが。
そうですか。
はい、わかりました。

こまめに電気を消すということで思いついたんですが、昼休みの間は居室の電気を消すようにすればいいですね。
雨の日は真っ暗になりますが休み時間なので構わないですか。
はい、わかりました。

じゃあ先生、昼休みに勉強をする場合にパソコンを使うのは構わないですか。
はい、わかりました。
それでは勉強のときは使ってもいいと覚えておきます。

でも先生、昼休みにパソコンでゲームをしている人がいるんですが、あれは構わないのですか。
そうですか。
はい、わかりました。

はい、先生、思いついたんですが、仕出し弁当をやめるというのはどうでしょうか。
でも先生、夏場に仕出し弁当が腐らないようにと保管している部屋に冷房を入れるのは電気代が無駄だと思うのですが。
そうですか。
はい、わかりました。

それでは先生、仕出し弁当にサービスでついている味噌汁をやめにしませんか。
なぜって、昼前に鍋を温めてその後昼休み中ずっと保温しているのは電気代の無駄ではないのですか。
そうですか。
はい、わかりました。

じゃあ先生、ご飯が入った器を保温しておくのをやめませんか。
夏場とか、おかずが腐らないように部屋を涼しくしてご飯は温めておくとか、そこまでする必要あるんですか。
そうですか。
はい、わかりました。

はい、先生、電気代以外にもっと他に節約するべき経費がたくさんあるように思えてきたのですが、それについても提案してもいいですか。
そうですか。
はい、わかりました。

はい、先生、とてもワガママだということがわかりました。

違憲の意見  by アフリカの精霊

  • 2013.01.27 Sunday
  • 23:38
法律は変化していくものである。
その時代、時代に合わせ政治的・財政的必要性から新しい法律が作りだされ、既存の法律が変えられていく。
今、国会では自衛隊法や生活保護法などが検討されているらしい。
でもそういう過程を経ない法律変更もある。
それは最高裁判所が「こんな法律は憲法違反で無効だ!」ということにより国会が法律変更する場合である。
小学校や中学で習った違憲立法審査権というものである。
以前、紹介したのは刑法200条である。
簡単にいうと、両親や祖父母を殺した者は死刑か無期懲役しかないといった法律で、昭和43年に違憲判決が出て平成7年に廃止されたのです。

そして、今なお廃止されるかもしれない法律がある。
それは、民法900条4号である。
ご存知の方もいるとは思いますが、この900条4号但書に婚外子の相続分は夫婦の子の半分であると規定があるのです。
例えば


長男
二男
がいて、父に結婚していない別の女性とその間に出来た認知済みの子がいるとします。
この状態で父が3000万残して死んだとします。
普通なら母に半額の1500万円いき、残りの1500万円を子で均等配分というのが法律の原則です。
しかし、子の一人は婚外子なので夫婦の子の半分しかもらえないのです。
この場合
母1500万
長男600万
二男600万
もう一人の女性0円
その子供300万となるのです。

こんな法律おかしい!平等権(憲法14条)違反だ!婚外子であっても同じ相続分のはずだ!と訴えた人が昔いました。
平成7年時点では法律婚の尊重を理由に10対5で合憲となりました。
この時点で既に全面的に合憲とはいかなかったのです。
その後平成15年にも同様の訴えをした人がいましたが、同様に合憲となりました。
しかし合憲とした裁判官の中にも極めて違憲の疑いがあると言った人もおり、結論がゆらいできているのです。
そして平成23年にまだ高裁ですが、こんな法律は違憲だ!との判決がでました。
この後最高裁でどのように変わるかわかりませんが、この背景として内縁関係が増加してきておりそもそも法律婚の尊重がどこまで考慮要素となるのか微妙になってきていることや、法律婚か内縁関係かは親の問題であって、親の問題のせいで子が不平等になるのは望ましくないとの考えがあるようです。

最高裁でも違憲判決が出れば今後、この法律は変わる可能性もあります。
生活保護法や自衛隊法ばかり目がいきがちですが、その影で民法もまた変革の時を迎えているもかもしれません。

改めてレギュラーの紹介(上)  がりは

  • 2013.01.27 Sunday
  • 17:18
雑兵日記PREMIERももう6年目のシーズンに入っている。
書きだした頃にみんなでみんなを紹介した文章を読んでいない読者も増えたことだろうし、レギュラーの顔ぶれもずいぶん変わって来たので、ここらへんで一度紹介をしておこうと思う。
ナイスアイディア、俺。
レギュラー全員にあったことがあるのは俺だけだろうから、人となり的なところもちらっとだけ紹介する。

「天才」ハッタリスト(月曜日担当)
初期メンバー。
自他ともに認める天才である。
MVPや最優秀作品賞を獲った数は俺に匹敵するだろう。
小説、エッセイ、論説文とフィールドは幅広いが、変わったところでは紙で小さな立体を作るシリーズは固定ファンを獲得している。
彼の長所はその才気・才能ではなく、どこまでも公平かつ誠実な態度である。
牛乳を愛し、自分に理解できないものの存在を愛す。
昔は夏でもジャンバーを着ていました。
ポケットが多くて機能的だ、という理由で。
三田が生んだ名物その1。

「蛮勇引力」がりは(水曜担当)
初期メンバー。
PREMIERの原動力である。
5年前に「今日一日を平穏無事に「何もない、モノトーンでルーチンワークな一日」として終わらせたいと願う人すべてを、親の仇のように憎んでいます。」と紹介されたが、ちっとも変っていない。
明るい悩み相談室PREMIERは70回を超える大型連載となった。
自分の長所を自分で書くのは難しいので割愛。
多分あると思うんだよ。
黄緑のコートを着て、赤い靴を履いて会社に行っています。
モノトーンを比喩でなく嫌っているもので。

「ストーリーテラー」Mr.ヤマブキ(金曜担当)
昨年からレギュラー入りした。
ほぼ全ての作品が小説、かつ多作。
もう少しで全盛期の小室くらいの仕事量。2012年4月のがりはとのデッドヒートは強烈な印象を残した。(特に俺に。)
読書家の教養人。
会うと大人しい人なんだけれども、その笑顔の裏には彼あるいは彼女の作品のような悪夢が広がっていると考えると、人間不信に陥りそうだ。
医学部で学ぶ学生。
作品を読んでると絶対わからないと思いますが、B‘zが大好きみたいですよ。
とにかく華奢。
三田の隣の隣の市出身。

「狙撃手」アフリカの精霊(土曜日担当)
2011年11月からレギュラー。
読者の反応を計算しながらネタの出し入れをしてくるスナイパー。
直近では10円玉貯金というキャッチーな素材でファンを生んだ。
武器としては恋愛、歴史、法律×漫画、といったところが強力な武器で、そこに数々のあるあるネタが絡んでくる。
法律家を目指して修行中。
チーム奈良という秘密結社に属する朗らかな人。
普通にハンサムです。

改めてレギュラーの紹介(下)  がりは

  • 2013.01.27 Sunday
  • 17:18
「自力晩成」たりき(月曜日担当)
初期メンバー。
日常の何気ないシーンを切り取って持ってこさせるならたりき。
切り取られた方が気づかないくらいさりげなく切り取ってくる。
視線が温かい。
他のメンバーが才気に頼ってどちらかというと派手な空中戦を展開しがちなのに比べ、地に足ついた作風。
日常の合間に生々しい恋愛模様を入れてきては、マニアの心をくすぐっている。
彼は夏でも長袖のシャツを着ている時期がありました。
理由はいろいろ言うてたんですが、忘れてしまいました。
ヤマブキと同じく三田の隣の隣の市でで育った元気で陽気な男。

「PREMIERの通奏低音」葉山悟(水曜日担当)
2010年4月からレギュラー。
その頃から続いている「夢競馬の人々」はもうそろそろ三年を迎えます。
テーマコンテストでは剽軽な面も見せるのですが、弱者に優しいその視線は一貫している。
詳しいことは明かせないが、実力を見込んだハッガリーニが三顧の礼で迎え入れたとか。
PREMIERのステータスを1枚も2枚も引き上げたことは間違いない。
最近は毎週2本ずつ書くというパワフルな活動で、PREMIERのベースラインを支えている。
また、毎月の投票で最も熱いコメントを残すのは彼だ。
そんな彼の原稿は全て手書き。
美しい奥様がそれをワードに書き起こしてハッガリーニに提出しているとのこと。
毎日一時間程度のハードなフィジカルトレーニングを欠かさない人。

「へうげもの」ミスターピンク(金曜日担当)
2008年1月からレギュラー。
ほぼ変態、警察に捕まるレベル、と思うものから超常識人かつ人格者と思えるレベルのものまで何でもござれのミスターピンク。
毎度毎度のおふざけが玄人筋から高い評価を受けている。
2009年12月11日にMr.Pinkとしてお別れの文を書き、12月25日にはミスターピンクとして帰ってきた。
一貫してふざけているようで、その裏には確かな文章力が。
妙にリズムがいいんだよ、こいつ。
どうも仮面の下では薬屋をやっているようで、油断するとすぐに怪しいクスリを売りつけてくる。
「ダイアローグ21(偽薬効果)」なんて大作もあったなあ。
PREMIERの清涼剤というよりはスパイスとしてふざけてほしい。
本人は年に10枚以上葉書をくれる律儀な人ですよ。

以上のメンバーと今読んでくださっている皆さんで雑兵日記PREMIERは構成されています。
これからもどうぞよろしくお願いします。

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