世界陸上を観て〜ブルーボルト、つまりは青いイナズマ〜 がりは

  • 2011.08.31 Wednesday
  • 23:57
 ウサインボルトのフライングでの失格は本当に残念だった。

あまりに残念だったので、ちょねちょねちょねちょね考えていたら、陸上競技界への提言が出来上がったので公開しようと思う。



陸上競技をつかさどる組織に少しでも近い人は早いとここの意見を上申してください。



もちろん下命していただいてもかまいません。



 



今回の世界陸上の100m男子決勝は2つの意味で完全に失敗であった。



1つは競技としての不完全性ゆえに。



1つは興行としての不完全性ゆえに。



 



まずは前者から。



百分の一秒を争うこの競技において、スタートの重要性は今さら語るまでもないだろう。



人間の反応速度の限界に基づいて、スタート音から0.1秒以内に反応した場合には失格というのが現状のルールのようである。



人間の反応の限界が本当に0.1秒なのかは判らないが、音が鳴って耳に届いて身体が反応して走り出すのに0.1秒以上はかかりそうだとは思う。



音速を340m/sと仮定して、スターターからスタート地点までの距離は30mはありそうだから、それだけで0.1秒。



現状スタートは人が「ON YOUR MARK」「SET」を口で言い、「BANG!」で走っているのだが、これは人によってばらつく。



他にこんな競技があるだろうか。



例えば水泳は電子音でスタートしている。



英語で言うより公平な感じだし間隔も一定だからスタートの練習のし甲斐もあるだろう。



し甲斐というのは、有意にパフォーマンスが向上するということである。



現状のスタートではスターターの癖で「SET」から「BANG!」までの時間がずれることが考えられる。



スターターだって人だから。



純粋に100mを早く走る人を決める大会であれば、必要なのはその能力をなるべく公平に競う環境なわけで、スターターの癖に思いを馳せなければいけないような環境ではないと思う。



何名かの有名スプリンターが今回のスタートは少し遅かったと言っている。



改善すべき事項だと思う。



 



次に後者から。



今回、興行的な観点で何名かのスーパーアスリートの戦いは目玉になっている。



イシンバエワ、室伏、ルディシャ、ベケレ、フェリックス、もちろんボルっちゃん。



国によっても扱いは違うだろうが、世界陸上に興味のある人にとっては彼らの勝ちっぷり、負けっぷりは大きな関心があるところだろう。



イシンバエワやベケレのように負けていく姿が見られれば我々は大きなため息とともにいいものが見られたという思いを抱くことができる。



しかし、ボルっちゃんの負け方たるや島田紳助ではないが「それくらいのこと」という感じではなかっただろうか。



我々はそんなに厳格な物がみたいわけではなく、しっかりした勝負が見たかったのではなかろうか。



なにも今の大相撲のように無制限の待ったを許容しろとは言わない。



しかしある程度の譲歩は必要なのではないか。



前まで行われていた「一回目のフライングはおとがめなし、二回目に犯した人は問答無用にアウト」という方法は相当の悪法だと思うが(俺なら絶対一回目にフライングをして他の選手にプレッシャーをかける。)、たとえば1年間の陸上競技大会の総フライング数を数えてそれを元にフライングの許容回数を決めておくとか、改善策はあると思うのだ。



我々は数少ない「本物の戦い」を見るチャンスを大事にしたい。



だから興行を打つ側はそれを最大限尊重する形でルール作りをするべきだ。



 



少しでもハッピーな世の中になりますように。

夢競馬の人々(39) 葉山 悟

  • 2011.08.31 Wednesday
  • 23:43
(このすぐ下に「夢競馬の人々(38)」があります。まだ読んでない方はそちらから!)

 
「いいですか、片山さん。7番のヤマハサルートの複勝馬券に百万円」

僕は自分が購入しようと塗りつぶしたマークシートを新聞記者の片山さんに示した。



「金額は十万円ですか!?」少し硬直したようにぎこちない仕草で受け取った。



「いやそれは僕が買う馬券です。あなたは百万円。今オッズが5.2倍ですから、それで五百万円。そして・・」と続けようとした時、携帯電話をかけながら彼の妻が戻ってきた。息を切らせている。



「どうもすいません。私もこのヤマハサルートがいいのでは、と思っていました。それで馬券の種類、どう買えばいいのですか?」



「枠の4−4のゾロ目が三千二百円つきます。これを十万円。ワイドの7番から1、8、11、14、16の5頭に五万円ずつの二十五万円」



片山夫妻は、夫がメモをとり、妻が携帯をせわしなくいじっている。メールなのだろう。



「三連単はボックス買い。マークシートのマルチの欄を忘れずに。1番のハッターリストと7番のヤマハサルートが軸で1−7から8、11、14、16、17の5頭に一万円ずつの三十万円。そして三連複は1−7軸で5頭に五万円ずつの二十五万円。それに7番の単勝に十万円の合計二百万円」



片山夫妻はそれを聞くと馬券発券場に直進して行った。オッズの前売り状況から、的中すれば彼らの希望の金額二千万円は遥かに凌駕する配当であった。



僕は自分がつくった有り金百万円を、金額は異なるが彼らへ指示した買い目通りすべて投入した。後悔はこれっぽっちもなかった。むしろなぜだか清清しい気持ちすら抱いていた。



身銭を切る予想屋のことが脳裡をかすめたが、むしろ久々に出現した幻の馬に対する感激や興味で胸がいっぱいだった。なぜだろう。どうしてだろう。僕にだけ見えて他の人に見えないのだろうか。僕は今でもパドックにおける馬の良し悪しは馬体の柔軟さにあると考えている。それもタコやイカのような軟体動物そのもののように。



会長はこうした僕の特異性を「馬と会話できる男」と、持ち上げたのか、揶揄したのか、その言葉をきっかけに知り合った。しかし一度たりとも幻の馬の存在を明かしたことは無い。おそらく誰も信じることは無いだろうし、出来ないに違いない。



場内に有馬記念の馬券発売の締切りを告げるベルがけたたましく鳴り響く――。

夢競馬の人々(38) 葉山 悟

  • 2011.08.31 Wednesday
  • 23:37
 不思議なことが起きた。馬券の投票締切時間が迫るにつれ、僕が軸馬に決めたヤマハサルートの人気が上昇し、単勝複勝に限らずヤマハサルート絡みの馬券がどんどん売れて行く。

売上総数だけでなく、現実にオッズが下がって行くので気が気でない。通常は締切り間際になると、本命サイドの馬券が雪崩を打ったように売れていくのである。



それは誰かが十番人気であるヤマハサルート絡みの馬券を大量に購入しているからに他ならない。地方競馬場ではよくある現象だが、中央競馬の、それもG1レースでは珍しい。地方競馬と中央競馬では売上金額がまるで異なり、売り上げが少ないと即オッズに影響してしまう。



いつだったか、地方のナイター競馬でこんなことがあった。



馬券を購入してテレビのオッズを確認している会長に僕は冗談めかして「会長の買った馬、馬券を当てて見ましょうか!?」と話したのである。その言葉に会長は甚だ興味を示し、まるで頑是ない子供が初めて手品を見るような関心をみせた。僕は一頭の馬名を挙げ、その馬からの馬連単(一着二着を当てる)を指摘してみせた。



「どうしてわかるんだよ」



会長は胸ポケットにしまいこんだ馬券の一枚一枚を確かめるように眺めながら僕を問い詰めてきた。会長の買う馬券はハイリスク、ハイリターン。配当の低い馬複、枠複、単勝複勝などには目もくれない。馬連単のそれも比較的人気薄の馬からの流し馬券である。もう一点は3連単。それも人気薄の馬の一着固定馬券である。当然それらはすべて高額配当馬券。オッズでは色の付いた数字で表示される。そうした大穴馬券を万単位で購入すると、たちまち配当額は暴落してしまう。色の付いたオッズは通常の数字と化し、その変化が会長の購入した馬券のシグナルとなっている。同時に会長は自らが自らの首をしめていることにもなっているのだ。高額配当を求め万馬券ばかり狙ったつもりでも、会長が買うことによってオッズが下がり、万馬券が万馬券でなくなってしまうのだ。



ホームレスの髪束さんが空缶一個一個を集めて、まさに爪に火を灯すようにしてつくったお金で配当の低い複勝馬券を選択し、潤沢な資金を持つ会長が伸るか反るかの確率の低いギャンブルしかやらない、というのもまるで人生すごろくゲームを眺めているようで面白い。

論理批判論考 Mr.ヤマブキ

  • 2011.08.30 Tuesday
  • 02:25
  ヤマブキです。先月の投票では票を入れて頂いた方もいらっしゃり、遅くなりましたが、ここで書かせて頂いた感想を書きます。まず、2本書くのは思ったより大変でした。度々覗いていた頃は分かりませんでしたが、量は正義、という言葉の意味を思い知りました。断トツの6本なら、MVPは当然だと思いました。

 



 また、書いたものにコメントが付くのは本当に有難いです。高評価して頂けると素直に嬉しいですし、指摘があれば上達の助けになります。何よりコメントがあると、最後まで読んでもらえたということが分かるので、それが一番嬉しいです。作品に関しては、読みにくい、平易な言葉で、というご指摘があったので、それに気をつけたいと思います。



 



 



 さて、ホワイトさんから、批判者に資格を求めるならばモナリザなどは誰も批判できないor誰が批判していいか分からないので、批判内容だけで判断すべきだ、という趣旨のコメントを頂きました。



 



 確かに的を射た指摘で、批判する葦を書いた後にも同じような事を考えました(どうやってイチローを批評しようか)。ですが、僕は次のように思いなおしました。



 



 まず、誰がモナリザを批判できるのか、という問いに対しては、その絵を描くことはできなくとも、それを評価できる確かな審美眼の持ち主は想定可能だ、という回答ができるのではないでしょうか(美術研究者を失業させるわけにはいきません)。この場合であれば十分、批判するに足る資格になると思います。



 



 また、批判内容だけで判断すべき、という意見については、全くの絵の素人がプロの画家のアトリエにやってきて、この絵はここがダメだ、と指摘した、という例を考えました。仮にその指摘が正しいとしても、彼が全くの素人だということが分かっている場合、本当に分かって言っているのだろうかと疑われるのではないでしょうか。悪く言えば、当てずっぽうでたまたま当たったのだと思われるわけです。やはり正確な理解に基づいた批判であるという担保として、資格が必要とされる場面もあるのではないか、という気がしました。



 



 また、やや特殊な場合ではありますが、自分で書いたものは分からないから、と言って小説を人に読んでもらう場合なんかは、批判される側がどの批判が正しいのか判別できないということも考えられます。その際は、批判内容だけで判断するということができず、批判を信頼する担保となる資格が必要となるように思います。



 



 こうした事を踏まえると、前回の肥満の話もそうですが、お前に批判する資格があるのか、という主張は、実のところ、お前の批判は正しいとしてもそれをすんなり受け入れるのは難しいぞ、という主張に言いかえられるのではないかと思います。その意味では、批判するだけなら資格が無くてもよいと思います。問題なのは、それを聞き入れてもらう時で、そのときには資格が必要とされる場合があるのではないでしょうか。



 



 ホワイトさんからのご指摘を受け、その様な考えに至りました。

実験教室報告 byたりき

  • 2011.08.29 Monday
  • 23:12

小学生を対象とした実験教室が先週火曜日に終わりました。
いろいろ大変でしたが、とりあえずケガ等をすることもなく終えることができ子どもたちも楽しんでくれたみたいなので良かったです。

数回のミーティングで決まった今年の実験は「手鏡作り(銀鏡反応)」「恐竜のたまご作り」「スライム」「ルミノール反応」でした。

手鏡作りというのは、時計皿の凹面に銀鏡反応で銀をつけると凸面から見れば鏡の様に見えるというものです。
はじめから懸念していたことですが、この実験ではアンモニア水を使うんですよね。子どもたちは臭いとかはちゅうちょせずにわっとかぐんでもっと注意しないといけなかったんですが、注意する前にかいじゃった子がいたりして・・・これは失敗でした。
そしてなぜか上手く鏡にならなかった子もいて、アンケートの結果では一番評判が悪い結果となってしまいました。

恐竜のたまご作りですが、これはふくらませた水風船の中で石膏を固め風船を上手く破くとたまごのようなものができるというものです。
これはちょっと作業で難しいところとかがあるんですよね。ただ昨年の実験教室では本番で誰も失敗せずにできたということでやったわけですが、大失敗でした。
液状の石膏をふくらませた水風船の中に流し込んでセロテープで封をし、固まるまで手でまんべんなく回していなければならないのですが、その作業中に水風船が割れてしまって。飛び散った石膏が子どもにかかったりしちゃったんですよね。
他にも、作業が上手くできなかったりしてたまごが完全に割れちゃったりする子がいたりで。
補助員の指導不足の部分もあったかもしれませんが、予想外の出来事にてんやわんやでした。
ただし、アンケートの結果は意外にも好評だったんですよね。石膏がかかっちゃった子どもも、失敗したけど楽しかったなどと書いていてくれて。
そういう意味ではほんと良かったです。

3番目はスライム作り。
大概の子どもたちが好きということで鉄板ネタなんですが、今年もすごかったです。もう遊ぶ、遊ぶ。
だいたいみんなうまくできていましたし、アンケートの結果もほぼ満点でした。

最後はルミノール反応。
「刑事ドラマとかで・・・」という説明を試みましたがまったく反応なかったんですが、「光ります」と言うと一気にテンション上がりましたね。
これも試薬の臭いは少し気になったみたいですが、色が変わるとか光るとかは面白いんでしょうねぇ。

全体を通して思ったことは、まずは子どもの相手は大変だなあということです。大人しい子もいるんですが、元気というかやんちゃな子も多いですからね。そういう子相手となると慣れてない人は対応不可能でしょうからねぇ。
補助員の準備不足もありました。これはほんとにその人によるところが大きいんですが、これまで実験教室の経験のある補助員はほとんど問題ないんですが、初めての子たちにはもっとがんばってほしかったですね。
初めてだから仕方ないではなくて、自分自身でイメトレなどして不安なところがないか考えるということをしてほしかったなあと。
大げさに言うと、指示待ちで仕事をしてほしくなかったなあと思うんですよね。

まあとにかく、いろいろありましたが子どもたちはそれなりには楽しんでもらえたみたいで良かったです。ケガなく楽しくというのが大前提で大目標でしたから。
そして、やっぱり子どもはかわいいですね。

「精霊、別れ話を憂う」

  • 2011.08.27 Saturday
  • 22:22
 

「お前、彼女の気持ち考えてやれよ。今回のことは明らかにお前が悪いぞ。」

「…。俺が、やりたいことが多くてコイツの面倒が見ることができない。彼氏としての役割を満足にしてあげられないから、別れることを決めた。」

 

この2人は東京と京都で遠距離恋愛をしている二人で、私はその共通の友人である。

2人とも私が縁で付き合い始め。もう3年になる。

彼女の方が別れ話を切り出される予感を察し、私に間に入ってくれるように頼んできた。

 

「でも、別に嫌いになったんじゃないやろ。それやったら…」

「そう!私は別に会えるの1年に1回でもいいねん。電話もいつでも暇なときで…そんな彼氏としての役割とか考えなくても…」

 

間接照明だけの暗く静かな店の中である。周りはカップルばかりである。時間も時間なだけにお酒は飲んでいるが騒いでいる人はおらず、あくまで厳かな雰囲気である。

 

少しの間、彼は黙っていた。

そして

「俺は付き合っている以上、やっぱり遠距離であろうとも直接会うことも電話も必要だと思っている。それが果たせない自分が許せない。嫌いになったわけではないけど、やはり別れる必要があるんや。」

と語気を強めていった。

立場上、私は彼女の味方をしなくてはならないが、そんなこと考えなくても彼に怒りを感じた。

「でも、お前なぁ!」

私も勢い、ケンカ腰になる。

ついに彼女は横で泣き始めた。

私が次の言葉を言おうとした瞬間、店が真っ暗になった。

 

そして急に一人のマイクを持った店員にスポットライトが当たり、遠くのテーブルに座っているカップルの横に歩いていく。

「みなさんにお知らせがあります。ここにおります○○さん。本日誕生日を迎えられたそうです。彼氏さんよりケーキのプレゼントがございますので、お客様には、ご一緒に御唱和をお願いしたいと思います。」

かくして、店中を巻き込んだハッピーバースデーの大合唱が始まった。どうやら遠くのテーブルのカップルの彼氏の方のサプライズプレゼントだったようである。

 

静かだった店内が華やかな雰囲気になったような気がした。

同時に、少し険悪ムードだった我々もフッと力が抜けたような気になった。

隣に座っている彼女もいつの間にか泣きやんでいた。

 

歌が終わると、対面に座っていた男が、さっきとは違って穏やかになっていた。

そして、彼は意を決したようにポツリといった。

「正直に言わないといけないな。向うでお前より好きな彼女ができた。」(970字)

 

ユーゴ・ガリハ驚異のプレゼン がりは

  • 2011.08.26 Friday
  • 23:54
 スティーブが引退するというニュースを聞いて、僕はいてもたってもいられなくなって、何か出来ることはないかと考えた時に、彼と僕でディスカッションした内容を広く皆さんに知ってもらうことが何よりではないかと思い当りました。

皆さんご存知のように、彼と僕は「ガリー」「ジョブっちゃん」と呼び合う仲で、なぜ名字の方なのかというのは彼が日本流に歩み寄ったからなんですがこれは余計な話でした、毎月のようにアイディアを交換していたわけですが、そうそう、ポータブルの音楽再生端末で電話機能乗せたら?というのもそこで出たアイディアです、まあこれは置いといて、一番頻繁にディスカッションしたのはビジネスアイディアというよりは、それを発表する際のテクニックについてでした。



つまりプレゼンですね。



ビジネスアイディアの出し方よりはプレゼンのやり方の方が汎用性が高いかと思いますので、今日はそこに絞ってお話します。



 



題して「ユーゴ・ガリハ驚異のプレゼン〜18の法則〜」です。



えー!18もあるのかよ!嬉しいな!と思った方、あなたはビジネスよりも向いているものがあると思います。



今すぐ会社を辞めた方がいい。



えー!18もあるのかよ!こいつ頭悪いんじゃないか?と思った方、あなたは口が悪いですね。



そこまでいかなくとも、18という数字は覚えるにはいささか多いですし、僕もそんな数の法則は用意してません。



18の法則と初めに言って、みなさんの心を動かすためだけに言ったでたらめの数字です。



この場合受け取り方が千差万別でも気にしません。



動けばよいのです。



 



まずツカメ、ということですね。



ツカミはシンプルな方がいいです。



今のツカミでツカめなそうだと判断した場合には18の持つ様々な意味や魔術性やらから説き起こして、乗ってきたところで「まあ無意味ですけども」と梯子を外す予定でした。



勝負事でもそうですが、不利になったら戦線拡大です。



 



ツカめたら、ということですが本題に入ります。



この本題を用意されていないプレゼンが非常に多く見受けられます。



何をわかってもらいたいのか、どんな風に気持を動かしてほしいのか。



それによってプレゼンは大きく変わります。



ジョブっちゃんの製品紹介は「今までこの世になかったすごくいいものが出来たんだ、紹介するから使ってほしい。」ということに尽きました。



で、心を動かしてもらうために奇抜な演出をしたり、理解してもらうためにデモをしたりすると。



この辺はそんなに難しい話ではないです。



何度も試行錯誤して、何度も練習して、場数を踏めば上達します。



スティーブはパラノイアかと思う程練習してましたね。



僕はそれをよくからかっていました。



「また滑った!」



 



あ、そろそろ時間ですか。



ジョブっちゃんはいつもすごく話が長かったですが、僕はまだ彼ほどの政治力がないので誰かに時間をコントロールされてしまいます。



まとめに入りましょう。



 



さて、プレゼンとはなんでしょうか。



「プレゼンテーション」ですよね、つまり「プレゼント」です。



相手への贈り物なわけですから、相手のことを考えて自分がベストを尽くすのは当たり前ですよね。



「つまらないものですが。」と申し添えて贈り物をするのは日本の美徳ですが、これはベストを尽くした上でなお謙譲することでさらに相手を高めるという最高のプレゼントを贈っているのです。



 



そう考えるとよいプレゼンに必要かつ十分なものとはなんでしょうか。



少し考えてください。



では今から15分。



 



あ、そんな時間はないですね。



すみませんすみません。



 



よく、立て板に水のしゃべりにグラフィカルな映像を効果的に使っているが何も伝わらないプレゼンがあります。



これはそのプレゼンの本題が「僕はこんなに物を知っていて話が上手で資料を作るのも上手なんだよ。僕大好き。」ということが伝わってしまうからですね。



蛇足ですが、話がうまい人とそうでない人の違いもその辺にあると思います。



話がうまい人はレトリックに秀でているわけでも、滑舌が特別良いわけでも、内容にむちゃくちゃ深みがあるわけでもなく、相手へのプレゼントが上手なのだと思います。



相手への敬意と愛情、話の中身に対しての情熱があって、ユーモアと言う名のスパイスが少しあれば話上手になれます。



 



 



ただ会話するのと違って基本的に一方的に話すプレゼンにおいては少し条件は厳しくなります。



話し上手の条件を満たしながら「どうしてもこれを受け取ってほしい。絶対にあなたを幸せにしますから。」と相手に取りすがってでも渡したいものをプレゼンするべきです。



そうでなければお互いにとって時間の無駄です。



その覚悟があるのであればたとえあなたのプレゼンが相手にとって今興味のないものであっても、化学反応、炎色反応、つまり心に花火があがる可能性があります。



論理で渡れない川に橋をかけるのが情熱です。



 



 



プレゼンが失敗する理由の9割9分が準備不足です。



準備が不足してもよいくらいのプレゼンなら、失敗したって落ち込むことはありません。



だって、初めから時間の無駄なのですから。



長い長い人生と言う名の暇つぶしにおいて、少し退屈な時間が流れてもなんということはありません。



 



今日のこの僕のプレゼンがあなたの暇つぶしの助けになっていれば嬉しいです。



そして、あなたとあなたの周りの方々の暇つぶしが良いものになればなお嬉しいです。



 



ご清聴ありがとうございました。

不規則な生活への処方箋  がりは

  • 2011.08.24 Wednesday
  • 23:02
 リクエストが溜まっているのでお応えするシリーズ第一弾。

ちなみに今俺が認識しているリクエストは下記の通り。



俺名指しの物とメンバー全員宛のものもごっちゃですが。



 



・解説の役割について



・本の紹介



・一番うまくいったあだ名のエピソード



・ユーゴ・ガリハ驚異のプレゼン18の法則



・日本の首相になったら



・写真からストーリーを紡ぐ



・ファンタジー



・良い人とは



・良い人生とは



・生活リズムが不規則なことの対策



 



漏れてる!とかこれも!というのがあれば次回の投票の際でもいいし、コメント欄でもよいので教えてください。



 



今回は生活リズムが不規則なことの対策です。



 



凡人は、生活リズムが不規則である、という表現から生活リズムが一定の生活がしたい、という願望を読み取ってしまいます。



その文脈でまずは話をしましょう。



 



規則正しい生活をしたければ幾つか方法があります。



簡単なものから挙げます。



 



1.規則が厳しい場所に行く。



刑務所や大きなお寺、軍隊などは規則正しい生活ができるように周囲が監視してくれます。



しかも衣食住が保障されていたりします。



そして、規律が厳しいので入るための倍率もそう高くはありません。



どうですか、このアイディア。



 



2.規則に厳しい人に一緒に住んでもらう



P.トルシエやパサレラ、故山本小鉄など厳しい人にお願いして一緒に住んでもらう。



そのようなビッグネームでなくても配偶者や同棲する相手に厳しい人を選ぶ。



子供などはある程度の年齢まではかなり規則正しく生活をします。



私の息子は2歳足らずですが、夜9時には目がとろんとし、朝6時半には目覚めて親を容赦なく叩き起こします。



 



3.規則正しく生活できない理由を検討する



自分の生活を振り返ると、いろいろと無意識に過ごしている時間があるのではないでしょうか。



ネット将棋をして夜更かし、テレビを見て夜更かし、遅い時間の間食、度が過ぎる飲み会など、不規則な生活を妨げる行動はそこらじゅうに転がっています。



仕事で仕方ない、というケースもあるでしょうがその場合でも仕事の仕方を見直してみるのはいかがでしょう。



転職を考えてもいいかもしれません。



ま、規則正しく生活することがどれくらい大切かを考えないと人生の方向を間違えるかもしれませんが、妨げている行動を除去することで規則正しい生活に近づくことが出来ます。



 



4.自分を見つめ直す



不規則な生活をしている時とそうでない時のパフォーマンスを比較してみましょう。



そしてパフォーマンスに差がある場合には、どちらが良いか考えてみましょう。



例えば負けられない戦い(負けたら死ぬ)が一ヶ月後にある時、不規則な生活をするでしょうか。



しない、という答であれば、あなたの不規則な生活に対しての問題意識が低いことが問題なのではないですか?



パフォーマンスが落ちても別にいいや、というぬるい世界で生きているのが問題ではないですか?



 



 



最後に特効薬を処方します。



 



ずばり「あんまり気にしなくてよい」です。



 



生活リズムが不規則になってあなたは数々の人に迷惑をかけ、数々の不都合を被るでしょう。



しかし大抵の場合、誰かが死ぬわけではありません。



世界が成立しなくなるわけでもありません。



日はまた昇り、そして沈みます。



あなたが寝坊しようが、朝飯を抜こうが、きっとみんなは普段通りに暮らせています。



だから、大丈夫。





ただ、あなたの不規則さを真剣に怒ってくれるのは(そして本当の意味で困っているのは)身近な人だけです。



もしそういう人がいるならば、身近な人を幸せにする簡単な方法があるわけですから、実行してください。



身近な人を幸せにできなければ誰のことも幸せにできませんし、それは生きている意味の大部分を放棄していることだと思います。


テーマ発表「空気」  葉山 悟

  • 2011.08.23 Tuesday
  • 23:08
 はじめに楽屋落ちじみた話をします。以前プリミエールの誰かが「千字以内で完結する内容でないと評価しない」と書いていたのが僕の心の片隅にずっと引っかかっていました。エッセイや雑文では千字以内という制約はそれほど難しいことではないのですが、物語やフィクションを展開するには、4百字原稿用紙2枚半ではいかにも困難、実現不可能だと思っていました。何度か試みましたが、戯曲や脚本のト書きのようになってしまい、何枚原稿用紙をボツにしたことかわかりません。

今回、名前というテーマにおいても10枚はボツにしています。文章は書き足すことは容易でも、そぎ落とすことはなかなか難しいと実感しました。ある意味大変いい勉強をさせていただいています。プリミエールを支えている皆様に心から感謝いたします。感謝といえば作品に対する様々な感想やご意見も、僕の貴重な財産です。今後ともよろしくお願いします。さて本題です。今回のテーマは「空気」です。人が生きて行くのに絶対欠かせないものといえば、まず空気でしょう。同時に人間関係において「空気を読む」ことは、とても大切なことですね。この空気って「凍りついたり」「白けたり」「スベッたり」「暖かかったり」「切なかったり」いろいろ変幻自在に姿を変えるものらしい。一体「空気」はどういう状況下において変貌を遂げていくものなのか。そうした「空気」に関する様々な想いや体験、創作を文字にしてほしい。



その前に、季節は秋です。澄みきった秋空に思い切り身体を伸ばして秋の「空気」を胸一杯に充満させてください。



 

垢太郎 がりは

  • 2011.08.22 Monday
  • 00:16
 昔々ある所に全然風呂に入らない汚いしょうもない男がおりました。

しょうもない男はしょうもないことから他のしょうもない男と賭けをして負け、風呂に入ることになりました。



風呂に入ったところ垢が出るわ出るわ。



しょうもない男はしょうもないことを思いつきました。



垢をこねて人形を作ったのです。



なかなかリアルに仕上がって、本当に十年ぶりくらいに満足感を得てしょうもない男は眠りにつきました。



 



翌朝起きると台所からとんとんと音がします。



一人暮らしのはずなのに、ああ、いつものしょうもない夢か。



しょうもない男は起きてがっかりするような夢を見慣れていました。



一向に醒める気配がないのでほっぺたをつねろうとして、髭がないのに非常に驚きました。



驚いたのに醒めない、というのは既に醒めていたからです。



ではとんとんと音がしていたのはなぜか。



見た覚えのある少年が食事を運んできました。



昨日の垢の人形だ!



煎餅布団から這い出ると、暖かい飯とみそ汁をかっ込みながらなんと話したものかを考えました。



 



「お前さん、話せるのかい。」



『ええ、話せますよアニキ。』



「お前さんの名前は垢太郎だ。よろしくな!」



「わかりました。これから末長くよろしくお願いします。」



 



一年がたちました。



しょうもない男は今までに磨きをかけて何もしなくなりました。



一方垢太郎はいつの間にか村一番の働き者になっており、娘を嫁をもらってほしいとの問い合わせも多数に上りました。



しかしいつも垢太郎は「私にはもったいない話です。私はただ働くことしかできませんので。」といって申し訳なさそうに肩を縮めてその場から居なくなるのでした。



 



垢太郎はしょうもない男の「いらない部分」からできているので、「勤勉さ」と「やさしさ」の塊だったのです。



嫁さんが欲しい、幸せになりたい、といった欲は全てしょうもない男の方に残ったままでした。



しょうもない男は伝手をたどって結婚の斡旋を試みるも「お前なたいなナマケモノに、大事な嫁をやれるかい!」と剣もほろろでした。



 



 



勤勉さを完全に失ったしょうもない男。



さらに五年が経ちました。



しょうもない男にも再び垢が付きました。



垢と言うのは彼が必要としなかったもの、勤勉さとやさしさです。



ある日、少しやさしくなったしょうもない男は、いつも自分のために働いてくれている垢太郎に恩返しがしたくなりました。



働いて帰ってくるであろう垢太郎のために、慣れない手つきで料理を作り、風呂を沸かして待ちました。



垢太郎が帰ってくると「お風呂にする?ご飯にする?」と聞きました。



垢太郎はたいそう驚きましたがにこっと笑って「ご飯をいただきます。」と言いました。



お世辞にもおいしいご飯ではなかったのですが、垢太郎はすごい勢いで食べ、「おいしい、おいしいですよアニキ。」と言いました。



「風呂も沸いている。今日は俺が背中を流すから。」としょうもない男は言いました。



垢太郎は少し思案した後、にっこりとほほ笑みました。



 



「よーし、お湯をかけるぞ。」



背中を向けた垢太郎にしょうもない男が手桶でお湯をかけました。



その瞬間。



 



垢太郎はぼろっと崩れました。



「あああああ!」



としょうもない男が言っている間にも崩壊は進み、もう七つくらいに割れてしまいました。



慌ててかき集めて元通りにしようとこねましたが、どうにも直りません。



男は風呂場で大泣きに泣きました。



 



その後、男はやさしくてよく働く村一番の人気者として一生を全うしたそうです。

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< August 2011 >>

カウンター

ブログパーツUL5

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM