音楽の聴き方と、理想の世界へ    ハッタリスト

  • 2011.06.30 Thursday
  • 23:54
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2011.03.25 おごれるゲーマーは久しからず (1 〜 4) ハッタリスト
2011.03.21 音楽の聴き方(上・中・下) Mr.ホワイト 


はじめに

Mr.ホワイトの言う通り、僕の主張は「反感を買うような言い方じゃあ、みんなそっぽを向くよ」でした。
一方、Mr.ホワイトの主張は「そっぽを向くならそれまで」でした。
この主張そのものに反論はありません。

今回の主張は、
「音楽のレベルの向上のためにとるべき方法はいろいろあるが、Mr.ホワイトのそれは少なくとも書評という役割においては適当なものであったかどうかに疑問がある」
です。


目次

1.音楽にはレベルがある
2.レベルの分布
3.理想のレベル分布
3補足.「衰退」という理想
4.底上げと二極化
5.『音楽の聴き方』とその書評
6.再び結論
7.おまけ


1.音楽にはレベルがある

Mr.ホワイトの言う通り、音楽にはレベルがあると僕も思います。
これを当たり前だと思う人に対してこれを強く主張しても意味はありませんが、「音楽にレベルなどない」と思う人に対してこれを主張するのは、音楽のレベル向上のための第一歩であると思います。
その意味において、Mr.ホワイトの方法に異論はありません。

(ただし、
"2011.06.25 レベルの低い音楽とは何か  ハッタリスト"
にあるような話も合わせて考えるべきだとは思います)


2.レベルの分布

音楽を聴く人、あるいは音楽を作る人、演奏する人であってもかまいませんが、どういうレベルの人が多くてどういうレベルの人が少ないのでしょうか。
このことを指して、「レベルの分布」と呼ぶことにします。

特に根拠なく書きますが、レベルの高い人が少なくてレベルの低い人が多いピラミッド型分布を僕は想像しています。
(そんな一元的な基準で考える必要はないかもしれませんが、考えやすいので今回はこれで行きます。)

分布を音楽以外の何か、例えば絵画の鑑賞と比べてみましょう。

絵画はどこにでもあるわけではないので、わざわざ探して見に行かなければなりません。無料であることも少ないでしょう。

一方、音楽はどこにでも溢れています。
有料であることもありますが、無料で聞くことができることも非常に多いです。
特に意識しなくても聞くことができて、何かをしながら聞くことも容易です。

このため、音楽のレベル分布は他と比べて、低い部分により多く偏った分布となっているのではないかという気がします。

音楽の「利用しやすさ」は、音楽の長所でも短所でもありえると思います。


3.理想のレベル分布

産業としての音楽は、レベル分布に則したものであると考えるのが自然であると思います。
つまり、多数派であるレベルの低い人々へ向けた音楽が多数派であり、少数派であるレベルの高い人々へ向けた音楽は少数派である、という状態が自然であると思います。
(自然な状態が良いという意味ではありません。そこが出発点だということです。)

多数派は特に不満を持っていませんが、少数派は自らが少数派であることのデメリットに不満があってもおかしくありません。
「音楽のレベルが(理想と比べて)低すぎる」あるいは「自分好みの音楽が(理想と比べて)少なすぎる」という不満です。

この不満が解消されるシナリオは、2種類(またはそれらの混合)がありえると思います。
1つは絶対数の増加、つまり少数派が相対的に少数派である状態を保ちながら、絶対的には数が増えるという変化です。
もう1つは多数派への転化、つまり少数派と多数派の逆転です。ただし、絶対数の増減は問題にしません。

これら2つが完全に達成された理想の分布は、レベルの高い人だけが存在し、レベルの低い人は存在しない、という極端な分布です。


3補足.「衰退」という理想

シューティングゲームは衰退したジャンルである、と
"2011.03.25 おごれるゲーマーは久しからず   ハッタリスト"
で書きました。
シューティングゲームは、かつて日本国内だけで1タイトルが100万本を売り上げたほどの強力なジャンルでした。今では、売れてもせいぜい数万本です。

しかし、ある人はこう言います。
「シューティングゲームは衰退することによって初めて、洗練され進化することができた」と。
100万人を対象にしているときにはできないことが、ごく少数の「マニア」向けならばできる、ということがあります。
ある種のシューティングゲームは、そういった方向へ進化しました。

この状態は、「理想の分布」に近いものです。
そのような意味で、「衰退」を肯定的に評価する人もいます。


4.底上げと二極化

「3」で理想のレベル分布へ近づけるための2つのシナリオを提示しました。
音楽のレベルの向上を望む人は、これらのシナリオのいずれか、あるいは両方を実現するための方法を考えることになると思います。

1つ目、絶対数の増加を望むなら、ピラミッド型分布を維持したままでピラミッド全体を大きくする、「底上げ」が手段となります。
レベルが低い人も増える代わりに、それらの人々がよりレベルの高い状態に移行することに期待して、全体に対して働きかける方法です。

2つ目、相対数の逆転を望むなら、ピラミッド型分布を変化させて逆ピラミッド型へ近づけることになり、その過程として「二極化」が手段となります。
現状で多数派であるレベルが低い人の増加を拒み、レベルが高い人の増加のみを求める方法です。

もちろん、両者に善悪はありません。
長い目で見れば、同時に実現することも可能です。
しかし少なくとも一時的には、互いに相反する方法になることもありえると思います。


5.『音楽の聴き方』とその書評

僕も、岡田暁生著『音楽の聴き方』を読みましたが、Mr.ホワイトが紹介した通り、より良い音楽の聴き方を求めることを主旨とする内容です。
「音楽のレベル」という表現こそしていませんが、それに近い意味の主張は多くあります。
しかし、「そっぽを向くならそれまで」とまでの直接的な表現はありません。
僕の解釈ですが、『音楽の聴き方』は「二極化」を求めることを明確に意図していると言うことはできない内容であると思います。

一方、Mr.ホワイトの書評は、Mr.ホワイトの意図はどうあれ「二極化」を求めるものであると僕に感じさせるものでした。

つまり、あの書評は『音楽の聴き方』の意図に反して「二極化」を求める内容になっている可能性がある、と僕は思ったのです。
仮にそうであるなら、人の本の前で他人が門前払いをしている構図であるように思います。望ましくありません。

Mr.ホワイトがああいう書き方をしたからこそ、僕は意見を書きたいと考えましたし、そのためには『音楽の聴き方』を読まなければならないと思い、結果『音楽の聴き方』を購入しました。この点では、書評は完全に成功していると言えるでしょう。
しかしこのことは、ああいう書評でなければ僕に『音楽の聴き方』を読ませることはできなかった、ということを意味しません。

違う書き方であれば、僕に本を読ませて、かつ「そっぽを向く」人にも本を読ませることができた可能性がある、と僕は考えます。
その人は『音楽の聴き方』を読んだ結果、「そっぽを向く」ことを選ぶかもしれません。しかし、その人を書評の段階で選り分けることになるなら、それは書評の役割ではない、と僕は考えました。


6.再び結論

「音楽のレベルの向上のためにとるべき方法はいろいろあるが、Mr.ホワイトのそれは少なくとも書評という役割においては適当なものであったかどうかに疑問がある」

それでもあの書評はあの形が望ましい、という主張があってはならないとは思いません。
ただしその方法は、音楽のレベルの向上のために他の誰か(その本の著者以外の人であっても)が選んだ方法を阻害するものである可能性に留意するべきだ、と僕は思います。
もっと単純に言うなら、「そっぽ向かないでみんな音楽聴こうよ」という方針で努力している人もいるはずで、その人とお互いに邪魔をしあうことになってはいないか、ということです。

今回はこういう書き方をしましたが、別に言葉尻を捕えて非難したいのではないです。
話はこれで終わりですが、本当に言いたいことは実は「おまけ」に書いてあるかもしれません。


おまけ.音楽以外のレベル分布

音楽では特にピラミッド型分布が偏った形になっている、のようなことを書きましたが、多かれ少なかれ、人々の知識や興味はそういう形になっているのではないかと思います。

つまり、大いに興味のある人は少なく、少しだけ興味のある人が多い。
世の中のおおよそを動かしているのが、多数派である「少ししか興味のない人々」であるとしたら、彼らが最も良い方法を選ぶのは難しいのではないか。
(ただ、選択は最も良い選択である必要はなくて、悪い選択でさえなければ十分なのかもしれませんが…)

そういうことを考えています。

【テーマ】天国、或いは戦士の休息  がりは

  • 2011.06.29 Wednesday
  • 23:16
 ボスが勇退する。


三月の卒業に登場して頂いた俺の上司だがいよいよ明日三十六年と三ヶ月の会社人生に別れを告げる。
 
うちの会社の法人営業の立ち上げメンバーで、ミスター法人、THE BOSSと様々な人から敬われるボスであるが、本質はきっと血で血を洗うような戦場をくぐり抜けてきた歴戦の勇士であろう。
法人営業というのは担当者同士で話をしているうちはまだまだで、仲良くなってくると互いの上司ぐるみの付き合いになっていく。
この辺は男女の付き合いが兄弟を巻き込み、親を巻き込み親族を巻き込んでいく様に似ている。
俺のお客様にも「家族ぐるみ」の付き合いのお客様があるので、勇退にあたって挨拶をする段取りをした。
親同士なのだが、向こうの上司は取締役ばかり、年も似ていて皆ボスの身の振り方には興味があると見え、話はボスの今後に集中する。
ボスはそのたびに
「いやぁ、会社からも見放されまして。」
とか
「晴れてフリーターとなって、ゆっくりした後ぼちぼち仕事を探そうかと思っています。」
などと答えていた。
 
ボスは人望が厚く、顔も広いので様々なオファーがあったらしいと噂で聞いていた。
お客さんの前ではあんなことを言っていても、今と関係こそ変われどボスとはまた仕事ができるとたかをくくっていたのだが、そうではないらしい。
そうすると日本代表級のオプティミストたるがりはをもってしても、加速度的に悲しくなってきた。
 
最後に昨年末に大迷惑をかけたあのお客さんの元に伺った。
今まで何度もそうだったようにボスの今後に話が移る。
「いやぁ、私も三十六年勤めましたんでね」
と後ろ手で頭を掻きながら
「女房には随分迷惑をかけました。で、女房が二十歳の頃から打ちこんでる重度の障害のある子供の支援施設を手伝おうと思ってます。」
 
思わず俺はボスの顔を見た。
ちょっとはにかんでいた。
 
「いえいえ、そんな大層なもんじゃなくて、時給八百円くらいで送り迎えをするくらいで、半分ボランティアみたいな気持で、そういうのもいいんじゃないかと思いまして。」
 
言葉を短く切りながら話すボスは格好良かった。
多趣味な人で、海へ山へ魚釣りに行くし、二十年続けたソフトボールの指導では地域で表彰を受けるほどだ。
そういう世界に生きるものかと思っていたのだが、
「女房のやっていることがどうしてもわからんかったんですよ。だから、これからは少しでも理解しようと思って。ほんの助けにもならんかもしれないですけどね。」
と言葉を継いでいた。
 
 
歴戦の士は旅路の果てにパラダイスを見つけたのだなあ、きっとそのパラダイスでも戦うんだろうな、と帰りの車を運転しながら思ったのだが、言えなかった。
 

【テーマ】 精霊、天国を憂う

  • 2011.06.27 Monday
  • 23:16
 

天国は存在するか。

これを法律を考える際に使う考え方を使って話してみよう。

答えは「存在しない」になる。

その理由を述べます。

 

そのためには法学部の生徒なら誰でも知っている言葉、「悪魔の証明」について理解してもらう必要がある。

 

「悪魔の証明」

悪魔はいるか?

法律的思考によると、答えは「いない」である。

なぜなら、誰も悪魔を連れてきたものはいないからである。

 

物事を証明する場合、「ない」ことを証明するのは難しい。

どんなに事象を調べていっても、まだ調べていない事象が存在する可能性を否定できないからだ。

火星には宇宙人はいない。

金星にもいない。土星にもいない。太陽系には宇宙人がいないことが証明できたとする。

だからといって、宇宙人が存在しないことを証明できたかというとそうではないだろう。

存在しないと証明することは難しいのである。

反対に、存在することを証明することは簡単である。それを目の前に連れてくれば良い。

 

 

 

つまり物事の有無を調べる場合、存在していることを証明したい人が、それを証明する必要がある。
存在を否定する人はひたすら否定し続ければよい。

存在が「ない」ことを証明はできないのである。

これを法律用語で「悪魔の証明」といいます。

 

このように法律の世界では、存在を肯定する側に証明責任があることが多いのです。

 

刑事ドラマなんかで、「お前が犯人ではないことを証明しろ」なんて警察官に迫られている犯人がいますが、あれは法律的にはおかしいのです。

犯罪の存在を証明したい警察が、目の前の人物が犯人である証拠を突き付ければいいわけで、容疑者が自分は犯人出ないことを積極的に否定する必要はないのである。

もちろん、アリバイを聞かれて、容疑者が答える程度のことはするでしょうが、基本的に犯罪の存在を肯定したい側に立証責任があるのです。

 

 

 

天国の話に戻ります。

 

天国は存在するか。

答えはNOである。

天国はまだ誰も行ってきたことを証明した人はいないからである。

天国の存在を否定する人はひたすら否定するだけでよい。

存在を肯定する人が天国の存在を証明する必要があるのです。

具体的には、天国に行って来て返ってきた人が多数おり、同様の発言をしているとか、もっと決定的には写真なんかがあれば肯定できるのですが、今のところそんなのはありません。

よって、肯定側が証明しない限り、存在しないことになるのです。

 

これが天国の存在を証明する場合の法律的考えといえます。(999文字)

 

 

レベルの低い音楽とは何か  ハッタリスト

  • 2011.06.25 Saturday
  • 22:11
 先日「音楽の聴き方」に関しておもしろい意見を聞いたので、紹介させてもらいます。

 

レベルの高い音楽とレベルの低い音楽がある、それを認めたとして、具体的にはどのような音楽ならばレベルが低いと言えるのでしょうか。

 

はっきり名前を出しますが、その時に話題になったのはAKB48です。

AKB48の音楽はレベルが低いのか、という話です。

 

大雑把に要約すると、

・昨今では歌や演奏を録音した後で加工する技術が発達していて、例えばAKB48CDにおいては加工のために高度な技術が用いられているのはおそらく間違いないだろう。

 

・歌の下手な部分があってもそれを修正することは可能であり、修正せずに残している部分があるのだとしたら、それは明確な意図によるものである。

 

・そのような意図の下で目指す音楽があり、そのためにごく限られた人だけが持つ技術が使われている。

 

・それでもAKB48の音楽はレベルが低いという判断はありえるが、そう主張するのならばどういう基準でレベルが低いと言っているのか明らかにするのがフェアだろう。

 

おおよそ、そのような話でした。

その人自身が音楽を作ったり演奏したり編集したりする人なので、そのような感想を持ったのだと思います。

 

例えばピアノを練習する子供の演奏は、演奏者が楽譜通りに弾こうとしているにもかかわらず、そうするだけの技術がないゆえに楽譜から外れた演奏になっていて、しかもそれは耳障りなだけのミスであり、よってレベルが低い、という言い方ができそうです。

一方、AKB48の音楽に対しても、そういった表現でレベルの低さを表すことができるのでしょうか?

 

僕はそういう視点で考えたことはなかったので、この話をとてもおもしろいと思って紹介しました。

細部はかなり省略していますし僕の解釈も混じっているはずなので、その人の意図通りに伝えることはできていないかもしれませんが、その点はご了承ください。

 

ところで、これとはまた別の話として「音楽の聴き方」関連で書きたいことがあります。

今月中くらいに書けたらいいと思っています。

のりをたずねて三千里  Mr.ピンク

  • 2011.06.24 Friday
  • 22:07
 「行」を「御中」に書き換えて…

「御」ってどういう字でしたっけ…?

何度も書いてるのにいつも迷ってしまう…

 

さあ!

できました。

あとは、封筒にのりをつけて封をするだけ。

のりはどこだったかな、と。

 

いつもの場所に、あるはずなのに見つからない。

探せば見つかるかもしれませんが、ちょっと急いでいるもので。

1時間探しても2時間探しても見つからなかったら?

 

うーんと悩むその前に。

そう、コンビニに足をのばせばよいのです。

幸い近所にあるもので、行って帰って20分くらい。

 

それなら買ってくればよい。

出不精さえ克服すれば、わざわざ家の中を探す手間なんて必要ないない。

ただそれだけで真新しいスティックのりがここに一本、めでたし、めでたし。

 

 

さて、こうして便利な世の中になってみますと、コンビニが自分のタンスか物置みたいに見えてきます。

几帳面に自分で管理しなくても、誰かがいつでもはいどうぞと、手渡してくれるわけでございます。

それならば、家の中にいつでもなければならないものって、もっと少ないのかもしれませんね?

 

傘は、雨が降ったら買えばいい。

ビデオは、買わずにレンタルすればいい。

食べ物も飲み物も、コンビニっていうでっかい冷蔵庫に入れておけばいい。

 

そうしたら?

 

降水確率を気にすることもなくなって。

せっかく買ったDVDを一回も見てない、なんてこともなくなって。

買いすぎた食べ物を腐らせてしまうこともなくなって。

 

なんてムダの少ない生活!

そうです、これこそが社会全体でモノを使うということなのです!

 

というのも嘘ではないはずです。

はずですが、もしもそんなコンビニを支える流通が止まってしまったら?

たとえば、大きな地震が起こったら?

 

お店に行けばいつでも買えるはずのものが、ない。

のりは雑然たるモノの山に隠れて見つからず、冷蔵庫はからっぽ、おまけに見たいDVDがどこにもない!

悪夢ではありませんか!

 

でもそんなことは滅多に起こらないですよね。

便利な世の中でヨカッタ!

夢競馬の人々(31)  葉山 悟

  • 2011.06.22 Wednesday
  • 22:14
 生活がかかっているのは所帯を持ったサラリーマンだけではない。
一ヵ月の小遣いが三万や五万の給与生活者が、一点千円や二千円の馬券、舟券、車券を購入すること自体が異常なのだ。
現代のギャンブルは投網を投げるように横にも縦にも大きくなり、一つのレースにおいて十点二十点買うのは当然のようになっている。
そうでないと三連単などという一着から三着までをその順位通りに当てる馬券は獲ることが出来ない。

妻子を養い、ローンでがんじがらめにされている先輩社員が、忍び難きを忍び、耐え難きを耐え、その結果として寝返ったとしても、それをどれだけ責め咎めることが出来ただろうか。

その境地に達することが出来たのは退職して五年あまり経ってからのことだ。

僕自身、護るべきものが何もなかったから、錦の御旗のように正義を振りかざすことができたのだ。

いや正義を振りかざすことに酔い痴れていたのである。

今は違う。

新聞記者夫妻のとんでもない依頼を引き受けた以上、考えられるだけの方法を駆使してリスクを最小限に抑えようとしている。

その対象レースが一年の決算、集約レースである有馬記念である。


「レイセーアフリカ」「ハッターリスト」「シンコンホワイト」「ガリハイチバン」「ピンクピンク」「タリキホーガン」「ナイキワールド」「イエローカナタ」「ヤマハサルート」など、僕が三着までに来るだろうと予想する馬をリストアップするだけで、半数の九頭にもなってしまう。

その中でも僕が気になっているのは四枠七番の「ヤマハサルート」。

前売りオッズでは十番人気で、不思議なほどに人気がない。

しかし、騎乗するのは、いつかホームレスの髪束さんが絶賛していたMである。

腕っ節の強そうなMの手綱さばきにいかにもマッチしそうな馬である。

デビューの新馬戦の鮮やかな大外一気のまくり脚は、今も僕の脳裏に焼きついている。

その能力は十番人気あたりにとどまっている馬ではない。


新聞記者の片山さんは落ち着かない様子で、一レースが始まる前からパドックにいる僕の所に来て、何度もコーヒーを勧める。

背中のリュックがやたらと重たそうである。

そのリュックをしっかりと掴んで離さないのが奥さんで、まさに二人三脚そのもの。


背中のリュックには帯封の付いた一万円の束が十個。
一千万円の大金が入っている。

テーマ発表!「天国」  葉山 悟

  • 2011.06.21 Tuesday
  • 22:04
 不肖葉山悟が今月のテーマを振り、仕切ります。

あなたは天国なるものを信じていますか(何か怪しげな宗教団体の勧誘みたい)。

もし存在するなら一体どのような所で、どんな感じがするでしょう。


また天国の存在を否定される方は、その理由をお聞かせください。




そして天国そのものに限らず、限りなく天国に近い場所、モノ、環境、何でも結構です。



例えば温泉天国、キャバクラ天国、音楽、スポーツ、ユートピア、永遠に続いてほしい時間など、あなたが描く「天国」を文字にしてください。

天国を夢想することが、もしかすると「明日の元気」やリラックスにつながるかも知れません。





信じるものは救われる、かもね。

歌詞をかし byたりき

  • 2011.06.20 Monday
  • 07:00

雑兵日記でアフリカの精霊さんが書いたOverに関する日記は読んだ記憶があります。
当時はただ読んでいただけだったのですが、今回は私自身の意見も書いてみようかと思います。

まず、当時の記事を読んでみようと雑兵日記で検索しました。
すると、それは2004年12月すなわち6年半前の日記だということでした。ついこの間やと思っていたのに・・・。

それはさておき。

議論の的となっている「顔のわりに小さな胸」という歌詞ですが、私は当時の二つの解釈ともに違和感を覚えたことを記憶しています。
違和感こそあったものの、これといった明確な答えを自分の中に見つけることはできませんでした。
しかしながら、今回改めて精霊さんの過去の雑兵日記および先日の日記を読むことで、ようやくその違和感を解消することができました。

私の解釈
4 色っぽい大人の女性だけど、胸はそんなに大きくはなかった

この解釈も第一説「胸が大きそうな顔をしているのに本当は小さかった」と似ているかも知れません。
ただ、違うのは「胸が大きそうな顔」というのが顔の形を表しているわけではないと考えているところです。
彼女はきっと年上なんだと思います。自分からしたら憧れの存在のような人なんでしょう。化粧もばっちりで服装とかも大人っぽい感じで色っぽいんだと思います。背もきっと高くて、髪もロングでしっかり手入れされているんでしょうね。
そんな完璧な大人の女性の彼女だけれども、胸は大きいわけではなかった。
小さいわけではないんでしょうけどね。
しかし、標準より大きいって思うじゃん?期待するじゃん?みたいな感じだったんじゃなかろうかと。

「少し鼻にかかるその声」という歌詞がありますが、これは普段からそうというわけじゃなくて、ちょっと甘えるときとかお願いがある時とかに使ったんでしょうねぇ。
大人の女性ですから、そういう甘えた声とかも上手く使うんでしょう。きっと。いやらしくない程度に。
そして、普段の凛とした姿とは違った甘えた声、そのギャップがとても印象に残ってるってことなんでしょう。

その他にも様々な解釈があるかと思いますが、6年半前と今回の精霊さんの日記を読んで改めて曲を聴いてみて、私はそういったことなんじゃないかなあと思いました。

テーマ「顔」コンテスト 結果発表!!

  • 2011.06.19 Sunday
  • 23:54
A.ハッガリーニです。

テーマコンテストの結果を発表いたします。

短期間にも関わらず16名もの方から投票を頂き、真にありがとうございます!

さあ、結果発表に移りましょう。

今月はぶっちぎりでした。

テーマコンテストの覇者は

「罪作りな顔」 葉山 悟


6票を獲得し、2着以下とダブルスコアの圧勝です。

おめでとう、葉山悟。

次のテーマを早急に決めてください。

今回の投票結果はこちらです。

投票結果


どうぞよろしくお願いいたします。

「精霊、ミスチルを憂う」 by アフリカの精霊

  • 2011.06.18 Saturday
  • 23:11
 初めに断っておきますと「顔」という用語がよく出てきますが、これはテーマコンテストへの投稿ではありません。

私は以前にミスチルのoverという歌に関し、雑兵日記に書き、優秀賞をいただいたことがあります。

今日はそれから進展があったので、書きたいと思います。


一応、以前の日記を知らない方のために概要を書きますね。

ミスターチルドレンにOVERという曲があります。

ある男が、自分をふった女を未練がましく振り返る歌です。

たぶん、男は振られたとはいえ、まだ彼女のことがすきなんでしょう。

彼女の良いところをいろいろ思いだします。

その1つに「顔のわりに小さな胸や鼻にかかるその声も 君を作る全ての要素を愛していた」という歌詞があるのです。

つまりこの男は、女の全てが好きだったのです。


さあ、ここで1つ疑問があがります。

「顔のわりに小さな胸」

とはどういう意味なんでしょう?

私は前からこの歌詞に疑問を持ち、この歌を歌う人がいるたびに聞いてきました。
そして、それを熱心に2部作の日記にまとめました。

どれくらい熱心だったかというと、「顔のわりに小さな胸」でヤフーとかで検索すると、私のその雑兵日記がかなり上位にランクインするくらいです。


私が以前書いた日記はこの解釈についてでした。

1 胸が大きそうな顔をしているのに本当は小さかった

この説が有力説でした。
しかし、この説の欠点は「胸の大きそうな顔」ってあるのか?っていう点でした。



2 顔は大きいのに胸が小さい

少数説ですが、ある意味納得もする説です。
顔が大きい、それと対比して胸が小さい。



まあ、自分としては、1説だと思っていました。

小さな胸だったけど、それも含めて好きだったよ。という意味でしょう。

ただ、これを雑兵日記に書いた当時、2説を信じる方が読者に多かったのも覚えています。
しかし、顔が大きいことを自分の好きな彼女の特徴として挙げるのはおかしいと個人的には思っています。



さあ、ここからが新しいことですが実は3説目が現れたのです。

3 恋をして顔は大人びた顔になったけど、まだ体としては成熟していなかった彼女

という意味らしいです。
1説と少し似ていますが、微妙に違います。
少し年下の彼女だったのかもしれません。
彼女は恋をして大人びた顔になります。しかし、年齢的にはまだその顔に対応した年齢にはいっていないのです。

この説のいいところは、何か綺麗にまとまるところです。
なるほど、恋をしたから大人びた顔になるなんて、なんか綺麗じゃないですか!

続きの歌詞である「鼻にかかるその声」というのも、私は最初、山瀬まみのような声を想像したのですが、こう考えると年端もいかない女の子がよく出す、甘えた声という解釈もできそうです。

この説の欠点は、あまりにも年下すぎると犯罪めいたことを想像できてしまうところですが、一番美しくまとまっている説だと思います。


さあ、みなさんはどう考えるでしょう。

「顔のわりに小さな胸」というフレーズだけでなく、歌全体の印象を聞くとまた考え方が変わるかもしれません。

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