雨〜こっちの世界〜
- 2010.06.30 Wednesday
- 15:40
靴がね、濡れるんですよ。
リーマンたる俺は革靴で通勤するんだけれど、濡れて皮が変色したり、縮んだりする。
特に明るい茶色を好むので目立ってしまう。
俺の後輩にはサンダル原理主義の男がいた。
雨が降った時にはなるべく素足の方が被害が少なくなるし、晴れた日には外気に触れるのが気持ちいいという理由で雨の日も晴れの日も、それこそ一年中サンダルを履いて、鼻の下を人差し指でこすっているような奴だ。
俺もよくサンダっていたのだが、サンダルを履いた社会人というのは、職種が本当に少なそうだ。
残念ながら俺は転向したサンダル主義者、つまり転びサンダルだ。
雨が嫌いだ。
なぜかというと傘が嫌いなのだ。
人が持っている傘がびとびとびとびとおもらししているのを見るのも嫌なら、使い終わった傘を罰ゲームのように持っていなければならないということにも耐えがたい怒りを感じる。
前を歩く人の傘の持ち方が下手で、傘の真ん中くらいを握っており、先のとがったところがこっちに向けられていると、パントキックで本当に遠くまで飛ばしてやりたいと思う。
くるんくるんくるんて。
ぐだぐだ言ってないでJRは傘を自由化したらいいんだと思う。
駅まで傘を指してきたら、その駅の傘立てに置いていく。
目的地で雨が降っていたら駅にたまっている傘を指して目的地に行く。
傘にブランド名を入れたりすれば、お金の出所もできそうだし(竜馬が行くで鍛冶橋の山内家の傘が借りパク防止のためにネームを入れたのだが、格好がよく流行ってしまったので、借りパクがひどくなった、というエピソードが書いてあった。そもありなん。)、電車の中に置傘してった人々の傘を有効利用したら実現は近いんじゃなかろうか。
日本人に必要な傘の数と今流通している傘の本数はどれくらいギャップがあるんだろうか。
俺は本当は雨が嫌いじゃない。
雨が降っていたので濡れて帰ってきた。
雨の中に傘も差さず歩くだけでそこは非日常の世界だ。
非日常をもとめて旅行に行く人がいるが、何のことはない、雨の中傘を指さずに歩いていればそこは非日常である。
雨に本格的に打たれると普段薄汚れた灰色の日常が吹っ飛ぶ。
君も、こっちへ来ないか?