「サンタクロースに関する2、3の感想」を読んで by Mr.M

  • 2009.08.31 Monday
  • 23:59
<a href=http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=534309&log=20081227 target=_blank target=_blank target="_blank">
■2008/12/27 (土) サンタクロースに関する2、3の感想 ハッタリスト</a>

サンタクロースなんて、いるわけがない!

幽霊なんているわけない、というのと同じ力強さで、私はそう考えてきた。
むろんそれは、子供が考えるような「本物の」サンタクロースはいない、という意味なんであって、私自身がそうであるような「にせ者の」、いや「現実の」サンタの存在は疑うべくもない。

「にせ者の」サンタならば、現に存在している。それを否定することは、ここ何年かの活動に私が費やしてきた時間とカネを否定することになる。

ただ、あの頃の私にとってそんなのはあり得ない話だった。
おかしな逆転だけれど、子供にとって「本物じゃない」サンタの存在なんて、それこそ夢物語に過ぎなかったのだ。
サンタが存在するとすれば、それは「本物の」サンタでなくてはいけなかった。いや「本物の」「にせ者の」なんていう区別がそもそも考えの外だった。

ある意味では、私は少しも変わっていないのだ。

まあそんなことはどうでもいい。
大人になった私は物好きにもカネのかかる趣味を始め、そんな物好きたちがこれまで脈々とサンタクロース伝説を支えてきた、という厳然たる事実に身を委ねたのだ。今はただ、時に思い悩むことがあったとしても、目の前の仕事に全力を尽くすだけだ。

まったく、今になってこんなことを思い返すのは、下らない現実逃避でしかない。
始末書に書くべき文言が浮かばずに、ぼんやりと考えごとにふけってしまったのだ。

厳密には趣味とはいえ、夢を預かる仕事、遊びではすまないことは分かっている。
しかし、プレゼントの配達名簿に漏れがあったということにまでサンタクロースが責任を負わなくてはいけないものだろうか。
確かに世帯調査もサンタとしての仕事の一部だ。
でもサンタ稼業を始める物好きの多くは、調査活動がしたいのではなくて、プレゼントを渡して子供の喜ぶ顔が見たいという思いに駆られたからだろう。私だってそうだ。それなのに……。

愚痴を言っても始まらない。
それにしても、団地の端に越してきたあの家庭に子供がいたなんて全く気付かなかった。同地域のサンタ連中も礼状には驚いていたのだ。

一体、どこの誰がプレゼントを届けたのだろう。

ラララ byたりき

  • 2009.08.31 Monday
  • 23:16
新潟競馬場に行ってきました。
先週末は奥さんが帰省していてひとりで暇だなあと思っていたところ、浮かんだのは新潟に、新潟競馬場に行こうということでした。

金曜日は前々からボウリング→飲みという予定があり、帰宅したのは1時半を回った頃でした。
それでも土曜の朝、僕は朝起きました。思っていたとおりの午前5時に。
「これは行くっきゃないな」と思いました。
電車は、まだ見ぬ町へ疲れた体を運びます。
二日酔いが残っていたり、睡眠不足で半分近く眠っていたりしても。

新潟競馬場にようやく到着したのは11時半で、午前の競馬は終わっていました。それから昼食をとり、ホテルの予約を済ましました。
ちっぽけな縁起をかついで、昼はカツ丼を食べました。
しかしながら、ほとんど予想できていないということもあって(そうでなくとも結果は同じだったのかもしれませんが)、その日の馬券は全然だめでした。

ホテルに着いたときはまだ日も暮れきっておらず、日曜日の競馬の予想を多方面から本格的にしよう意気込んでいました。が、夕食がてら立ち寄ったホテルの一階にあるレストラン兼居酒屋に入ると、それどころじゃなくなってしましました。
日本酒が、有名だぞということで普段は飲まないけれど口にしてみました。
日曜日も、目覚まし時計の時間とおりにばっちり7時に目が覚めました。前日にお酒を飲んだ影響があるかもと思っていましたが、そんなことはなくボウリングの影響による前日からの右手のわずかな痛みの他はすっきりとしたもんでした。

結果だけ言うと、馬券の方は日曜も散々でした。例によって唯一買った他場のレースが当たった・・・と思ったら、降着によりそれなりの配当がフイになってしまいました。
今はまだ煮えかえる想いもいくらか残っていますが、これも良い思い出となってくれることでしょう。

新潟競馬場は、とてもきれいでした。雰囲気もちょっとしたテーマパークといった感じでとてもいいものでした。また来たいなあと強く思いました。
昨年は小倉競馬場、そして今年は新潟競馬場を制覇しました(こう書くと信長の野望みたいですね)。
次はとりあえず、福島競馬場でしょうか。愛知県から行くことを考えたとき、福島に行くのと新潟に行くのとでは、時間的にも新幹線を使った金銭的にもほとんど変わらないようです。
また近いうちに、その報告もしたいものです。

DINKSの終焉 Mr.イエロー

  • 2009.08.30 Sunday
  • 23:13
ここ2年ほど抱えていた謎が、先日解けた。
我が家は結婚前からどちらもフルの共働きであり、子どももいなかったため、一般的に考えれば一番お金を貯められる時期にいたはずなのだ。まさにダブルインカムノーキッズ。
収入、支出をシミュレーションすると、収入の四分の一はそんなに節約しなくても貯金にまわせるはず。
なのに溜まらない不思議。

育児休暇を控え、主婦友ができ、奥様雑誌の『節約特集』が今いちばん気になる記事になったこの頃。
私がお金溜まらないねー。とたまに漏らすと別に責めてもいないのに「そんなにお金使ってへんで〜。」と言う人にもう一度確認した。

「私の収入なくなったらうち赤字になるんだけど。これから出費も増えそうだし、お小遣い制にしていい?ていうかそもそもうち収入ほぼ使い果たしてるんだけど、やっぱりおかしいよね。」
いつもなら「そんなに・・・」と返してくる夫も、今回は私の真剣さに気付いたらしい。
「・・そやなあ。何に使ってるんやろ。」
「服はそんなに買ってないもんね。やっぱり本と飲み会じゃないの?」
「うーん。」

飲み会。
「一回いくら?」
「5000円くらいかのう。」
「それ一次会だけでしょ。大体二次会まで行ってくるんだから、1回飲み会やると8000円はかかってるよね。」
細かく聞いていくと、夫の飲み会は、会社で一緒に働いている人との打ち上げ的な飲み、同期との同窓会的な飲み、後輩から相談を受けての飲み、中、高、大学のときの友人とのほんとに同窓会飲み、サッカーとか将棋とかやった後の飲み、とけっこういろいろなバリエーションがあることがわかった。
飲み会って、仕事だと思っていたから今までそんなに探ってこなかったのだが、半分以上これ、「遊び」ですよね。

「飲み、土日も入れると週2は行ってるじゃん!そしたら1ヶ月で8回としても6万4千!!1年で80万近く・・・・・そりゃたまらんわ。」

こうして、我が家では厳格なお小遣い制が導入されることとなった。
生活費として請求して良いもののリストも細かく作った。
「あの、マッサージ費は?」
「それは娯楽。お小遣いの中でやってください」
「えー。医療費みたいなもんなのに!」
「給料増えたらね。」
「・・・。」

今まで妻の料理も食べずに莫大なお金をかけて飲んできた罪は大きい。
2年も夫のお金の使い方を放置してきた自分は本当にアホだと思う。
これから結婚する方、気をつけてね。

うべべの推理教室 うべべ

  • 2009.08.29 Saturday
  • 23:49
「犯人はこの中にいる」というのは推理小説・マンガの定跡です。
これは、読者に犯人を推理する楽しみを与える意味があります。
もちろん実際の事件ではそうは行きません。
私は長年、名探偵としていくつもの事件を解決してきました。
今回は私の推理のノウハウをみなさんにお教えします。

では話を戻します。
よくあるのが、どこかの島みたいなとこにコナン達が招待されて、
そして波が荒れたりなんだりして船その他が使えないという状況です。
こういう状況を、われわれ名探偵は『箱庭』と呼びます。
コナンはよくこういう推理を展開します。
「犯人はこの中にいる」→「消去法」→「犯人確定」
名探偵コナンというタイトルですが、私からすれば素人コナンです。
そもそも「犯人はこの中にいる」という絞込みはよほどの条件が揃わないと使えません。
・未知の人物がいる可能性
・たとえば島にもともと誰かがいた可能性
・船その他以外の手段はないのか
これからは、コナンが消去法を繰り出すたびに、
『「犯人はこの中にいる」の確定条件』についてチェックしてみましょう。

他にもあります。
たとえばコナンでは、犯行の手段(トリック)・動機・証拠を提示します。
プロの目線から言わせてもらうと、『動機』を提示する必要はありません。
「だが、俺には動機が無い!」などと犯人が言い逃れするシーンがあります。
しかし動機などどうでもよいのです。
それを聞くのはブタ箱にぶちこんでからの話です。
動機など飛ばして、いきなり証拠をつきつければいいのです。
これをわれわれは『4W1H法』といいます。
Who(誰が)What(何を) When(いつ) Where(どこで)How (どうやって)したのか。
Why(なぜ)を探るのは検事の仕事です。

最後に一つ、素人が陥りやすいミスを指摘しておきます。
Who(誰が)を決める際に、よくやってしまうミスです。
たとえばAさんという人が、誰をいつどこでどうやって殺したかが明らかになったとします。
よってAさんが犯人。たしかにそうです。
しかし『Aさん”だけ”が犯人か?』をチェックしないことが多いのです。
残りのB〜Gさんが共犯”でない”かを忘れずチェックしましょう。
これは探偵の仕事です。Aさんだけをブタ箱に入れても、共犯が証拠を隠すかもしれない。
そこまで追求して、初めて探偵を名乗れます。

私はうべべ・・・名探偵さ。

仕事熱心? by NIKE

  • 2009.08.28 Friday
  • 23:13
先日は、自分のご飯に夢中の店員にエキサイトしてしまって、本題に入るのを忘れていた。
自分のご飯しか見えないのも困るが、仕事熱心すぎるのもまた困りものだったりする。

その日は、丼物コーナーに並んだ。
「親子丼をください」
と頼むと、店員のおばさんは、
「すみません。親子丼はできないんです」
と言った。
昼の12時前なのに、メニューにある親子丼ができないというのも何だかなあという気もするが、それはこの際気にしない。

気を取り直して、カレーを頼むことにした。
見てみると、カレーフェアの一環として、チキンベジタブルカレー380円なるものがあった。
その日、あっさりと鶏肉で行きたいと思い、親子丼から鶏肉モードになっていた僕は、それを注文した。

まず、ドンと投入されたチキンは、唐揚げ定食から流用の唐揚げだった。
チキンカレーといえばあっさり鶏肉ではないか、ヘビーな唐揚げじゃ他力しか喜ばないじゃないか、と静かに憤りを覚えたが、まあ学食で380円だし仕方がない。
次に、野菜が投入されたが、サラダバーから流用のブロッコリー2個だった。
野菜カレーといえば、玉ねぎ・じゃがいも・人参のトリオから2つほど、というのが妥当な線ではないだろうか。
しかし、かつて存在した「夏野菜カレー」の野菜は、茄子とトウモロコシの粒々だったのをすっかり忘れていた。そもそも学食で380円、野菜に過度な期待をしてはいけないのだ。

一通り入れ終わって、最後に福神漬けが投入された。
すると、横の店員がその店員に声をかけた。
「あ、そのカレーは福神漬け付かないから」
福神漬けの付くカレーと付かないカレーがあって、どういう基準で分けているか知らないが、チキンベジタブルカレーには付かないらしい。
すると、その店員は、
「あ、そうかそうか」
といいつつ、入れたばかりの福神漬けを全て引き上げて、目の前のゴミ箱に捨ててしまったのである。

確かに僕にその福神漬けについてとやかくいう権利はないし、店員は職務を忠実に全うしたに過ぎない。
しかし、一度入れて再利用できないものをわざわざ取り出して捨てるというのは、誰が得するわけでもないし、「お前に食わせるくらいなら捨てた方がマシだ」と言われているようなもので、怒るというよりもやるせなくなってくる。
僕は苦笑いしながら、レジの方へ向かって行った。

ここで遅ればせながら、短歌?を。
仕事とて定めを重くみるあまり 
捨つるは人の心なりけり

「途方に暮れる」を読んで by Mr.M

  • 2009.08.27 Thursday
  • 15:59
■2009/03/23 (月) 途方に暮れる Mr.ホワイト
僕の家にはファミコンがなくて、せがんでも親の方針が変わることはありませんでした。
仲間内で馬鹿にされるとは言わないまでも、乗り遅れた感は募るばかりでした。

そんなある日、年の離れた兄が、子供部屋でいじけている僕を呼びよせました。
両親が出かけている間に、友人からファミコン一式を借りてきたというのです。テレビを動かして配線をごちゃごちゃやっている兄は幼心にとても頼もしく、年の差というのは大きいんだなと痛感したものです。

カセットはRPGでした。
自分の名を付けた主人公を自分の手で動かし冒険していくというのは想像を超えて楽しく、僕と兄はたちまち夢中になりました。もっとも兄の方は僕が操作するのを横で見ていたわけです。ちょっと泣けます。

けれども親が帰宅するであろう夕方までには、ファミコンを返して何もなかったように現状復帰させなくてはいけません。
手に入れた喜びに慣れつつあった僕は、不満の声を洩らしました。
せっかくここまで育てたえむえむ(仮)の冒険が途中で終わってしまうなんて。

借りてるんだから仕方ない。3つ目のデータに上書きすればいいよ。間違ったことにしとくから。
でも続きやれないじゃん。それじゃ意味ないよ。
それでも、えむえむがここまで冒険した、っていう記録は残るよ。全部消えるわけじゃない。
記録が残ったって意味ないよ。僕が自分で冒険してるってことが大事なんだから。
今日中に返すって最初から言ってただろう。今さら言ったってどうにもならないよ。

じゃあもういいよ、と吐き捨てて僕は再びコントローラーを握り、めちゃくちゃに操作し始めました。画面からのメッセージを受け取ることを拒否して、ただ無作為にボタンを押し続けたのです。
ちょっと、何やってるんだよ。

白けた空気の中、画面の中では主人公が奇妙な動きを繰り返し、やがて戦闘画面になりました。ボタンを乱打しても画面が変わらないので、代わりに合理的でないコマンドを選択。

革の盾を道具として……

思わず2人は噴き出し、笑い転げました。
分かったよ、じゃあ母さんが帰るまでな。それまでにボス倒せるか。
できるよ。

えむえむの冒険は、もう少しだけ続きました。

アンクル がりは

  • 2009.08.26 Wednesday
  • 07:34
電池は入学当時、ここまでの男になると思わなかった。
将棋?
将棋もまあ強くなった。
しかし将棋の強さなど努力すれば伸びる。
ルールから覚え直した訳ではないのだ。
麻雀?
麻雀も楽しくやっているようだ。
この間も遠くまで飛んでいた。
気持ちよさそうだった。
笑い?
笑いの面では天性のスター、阪大将棋部が誇るスーパースターの電池様に俺のような日陰の住人が申し上げることなどなにもないのである。
キャラバン?
キャラバンでは完全にエースとして活躍していた。
一言も発しないがみんなが全力を出してギリギリついていける速度で集団を引っ張るスパルタンなリーダーだった。
その他泥酔だの猫好きだの毛布かぶりだのいろいろとかなわない(いろんな意味がありますね。)ことはあるが、俺はそのことではなく、プロレスのことを言いたい。

電池は細いのだがしなやかな筋肉を持っていた。
剣道をしていただけあり、ボディーバランスも力もあった。
しか体格と経験は俺の方が上であり、プロレスで負ける気などみじんもしなかったのである。
それが。
電池に伝授した数少ない技であるアキレス腱固めとアンクルホールドで俺はギブアップしたことがある。
プロレスというのは覚悟のスポーツであると言われる。
相手の技を受けることを覚悟し、その量が足りているかが勝敗を決める。
怪我をしようが覚悟が足りていれば負けない。
意識を飛ばされてしまえば負けてしまうが。

電池には覚悟で負ける気がしなかったのであるが、彼の技量はどんどん上がり、俺の足首周辺はゆるゆるのがたがたにされてしまった。
今、その後遺症で毎夜痛みに悩んでいる。
奴も俺の関節技による痛みを懐かしく思うことがあるだろう。

と書こうと思ったのだが、俺の足首が痛いのには別の理由があることがわかった。
俺は椅子に座るとき、足の外側だけを床に着け、足首の外側をのばす癖があったのだ。
ひどい時は反対側の足を上に乗せ、負荷を増やすなどしており、足首を虐待していたのだ。
虐待に意識的になってみると、これは結構痛いのである。
なぜ自ら進んでこんな体勢をとるのか本当に理解に苦しむほどのものである。

というわけで、電池のせいではなかった。
もし電池に関節技の後遺症のようなものが出ているとしたら、それは俺のフロントネックロックやアキレス腱固め、腕ひしぎ、数回しか使っていないがアナコンダバイスによるものではなく、お前の癖によるものだから気にしないでくれ。
よろしく頼む。

サウナキング(第9幕) がりは

  • 2009.08.26 Wednesday
  • 00:18
目が覚めると正午を回っていた。
といって、何か予定があるわけでもない。
蒲団の上に座って、部屋の中をぼんやり見ていた。
年を取るにつれて物をじっと見るようになった。
物を見ているのだが、頭の中では別のことを考えている。
スポーツ中継のテレビを音を消して観ながら、ラジオの人生相談を聴いているようなものだ。

タバコが欲しい。
昨日、あのサウナに入ってから一本も吸っていない。
タバコが欲しい。
本当にタバコが欲しいのだろうか。
考えてみたら、そんなに欲しくないような気がしてきた。
十年以上毎日吸っていたのだが。

すっと襖があいて、女将が食事の伺いにきた。
頼んで浴衣を服に着替えようと思ったが、俺のシャツは昨日の悪夢でぐしょぐしょだ。
乾いていたとしても臭くてかなわんだろう。
気にならない時は気にならないのだが、気になり始めるととことん気になってしまう。
些細なことが外に出る気を筆頭とするあらゆるやる気をどこかに削いでしまう。
女将は蒲団の上に胡坐をかいたままの俺を見て、小首をかしげる。
「お顔でも洗ってらしたら?」
浴衣の前を揃え、帯を結び直し、手洗いに行った。
どこに入っていたかわからないほどの小便が出た。
髭をあたるわけでもなく、ばしゃばしゃと適当に顔を水で洗う。
昨日のぬめりのようなものが顔にこびりついているようで、何度も洗う。
顔が気になると体も気になる。

普段気にならないことが気になるのは良くない兆候だ。
俺は確実に神経質になっている。
神経質な奴から消えていく、それが俺の生きている世界の鉄則だ。
空から槍が降ってきたら鉄の傘を差して歩く、ただそれだけのことなのだが、これができない奴を何人も見てきた。
空を指さして騒ぐ者、槍を降らせた何者かを呪う者、安全と思われる場所に避難してどこへも行けない者、みんな消えた。
新しい局面に入った時には「見」が基本だ、という奴がいる。
そいつはそれ故に消える。
「見」をして、自分のタイミングで参加できるゲームなどほとんどないのだ。
俺たちはいつだっていつの間にか巻き込まれて参加するのだ。
その中で自分の知っている踊り方で踊っていくしかない。
そうだ、自分の知っている踊り方で踊るしかない。

長いこと水を勢いよく出していたので、よれよれの浴衣の前が水浸しになってしまっていた。
濡れて固くなった結び目をほどいて浴衣を脱ぐ。
パンツも脱ぐ。
脇にかかっていたタオルを濡らし体を拭う。
なるべく隅々まで。

「モルグ」を読んで by Mr.M

  • 2009.08.24 Monday
  • 23:54
<a href=http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=534309&log=20090314 target=_blank target=_blank target="_blank">
■2009/03/14 (土) モルグ うべべ</a>

廊下に響いていた足音がやみ、ドアが開いた。

ある種のタンパク質の塊が大量に存在し、相互に作用し合いながらうごめいているような空間がある。

個々のタンパク質の塊は、別の大きな塊から別れて個体となるとされている。
しかしこの新しい個体ははじめひどく小さくて形状も安定せず、様々な呈色を示す。赤だったり青だったり黄だったり、まるで虹が揺らめいているかのようだ。

他の個体との接触によって呈色することもあれば、空間内の何かにぶつかって呈色することもある。
休む間もないほどに目まぐるしい。

分かっている限りでは、個体の内部で新たな反応が生じるたびに呈色が起こるのだそうだ。ということは、分離して間もない個体は頼りなさげにフラフラしながらも、その内部ではまるで花火を振り回したように新たな反応が起こり続けているのだろう。
最初から数えて一体どれだけの反応が起こったのか。
ちょっと計算する気にもならない。

だがその活況も、徐々に減速していくことになっている。
実際には、最初の分離の時点から徐々に減速が始まっているのだ。今まさに目まぐるしく虹色の模様をなしているように見える個体も、長期的な観点からすれば、徐々に呈色活動が鈍っていく過程にある。

足音は空間内を移動し、より時間の経過した個体へと向かう。

嵐のような呈色期が去ると、ようやく個体の状態は安定し始める。状態が安定するとはつまり、内部での反応が少なくなってくるということだ。それにつれて呈色の頻度も落ちてゆく。
時折思い出したかのように呈色を見せ、それがゆっくりと沈着する。そしてやや間をおいて次の呈色。もちろんここでも減速は続いている。リズムは一定ではないが、全体としてインターバルが長くなっていく傾向にある。

さらに段階が進むと、ほとんど呈色しなくなる。あらかたの反応が済み、状態が安定しきったということだ。ここまでくれば大きな変化もない。安心して見ていられる。

初期段階の個体群から過渡期、安定期と見て回り、満足した足音は部屋を出て、再び廊下を遠ざかっていった。

観察する者もいない空間内では、依然として若い個体群の反応が続いている。
それらに作用していた安定期の個体が、ふと緑色を呈した。

母になる Mr. イエロー

  • 2009.08.23 Sunday
  • 13:48
おなかに7ヶ月の男の子がいるので、最近ひんぱんに胎動を感じる。
最初はぽこぽこというかわいい動きだったが、最近はおなかに手を置いていただんながびっくりするほどの強さでドスッとやってくる。(手の置き方が気に入らなかったのだろう)
夜、テレビを見ていたりするときや、寝る前横になったときに特に激しい。
パンチなのか、キックなのか、頭突きなのか、エレボーなのかはわからないが、けっこう俊敏に身体を動かしているようだ。
こちらからトントンとノックしてもちゃんと返ってくる。タイミング悪く寝ているときは、鈍いけども、一応弱く返ってくる。(律儀な子だ)(さすが長男)
もう音も半分くらい聞こえているし、外が明るいのか暗いのかもわかると言う。
おなかの中にいる感覚を、毛布をかぶっている感じと聞いたことがあるが、まさにそんな感じなんだろう。
ベテランママは、赤ちゃんが機嫌がいいのか悪いのかまでわかるらしい。

妊娠がわかった当初はそれほど実感もなく、「あと200日もしないと出てこないのか〜。長いなあ」と思っていた。
学校の行事の運動会で走ったりしていた。さすがにPTA綱引きは出なかったけども。
5ヶ月、6ヶ月とどんどんおなかが大きくなり、胎動も感じられるようになってやっと自分の中に赤ちゃんがいることを忘れないようになった。
少し無理したなあと思うときは「疲れたね、ごめんね。」と赤ちゃんに謝る。
胎動があるだけで、なんだか楽しいというか、うれしい。蹴られてるのにね。
いつのまにか、あと90日で出てくることになっている。
今の赤ちゃんと一体の生活も悪くないので、ちょっとさびしい気もするけど、実際に会えたら今と比べ物にならないくらい楽しくおもしろい生活が待っているんだろう。大変さも比例するんだろうけど。
だんなが今より早く帰って来られるようになることを願う。今の生活時間だと、平日は子ども寝顔しか見られない。
子どもと一緒にいたいがために仕事をやめるということも言い出しかねないが、それは阻止する方向で。

どきどきするなあ。

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2009 >>

カウンター

ブログパーツUL5

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM