ホットコーヒー ハッタリスト
- 2009.03.31 Tuesday
- 00:08
電車で座席に座っていた。
目を閉じていても眠っていたわけではなかった。
降りなければならない駅が近づいていることは分かっていたが、そう考えることが苦痛でしかたがなかった。
とても眠くて目を開けたくないし、膝の上に乗せているカバンが重くて足が動かなかった。
なにより、今日もまた同じ駅で降りて同じ道を歩かなければならないと思うと金縛りにでもかかったように感じた。
次の駅からでも歩いていけるという理由をつけて、その駅を通り過ぎた。
次の駅でも同じことを繰り返して、結局電車から降りることができなかった。
終点についたから、もう座り続けるわけにはいかなかった。
それでも人目を避けつつ、今降りたばかりの電車にもう一度乗り込んだ。
今度はちゃんと目的の駅で降りることができるかと思っていたが、やはり同じことになった。
反対側の終点についた。
もう一度電車に乗って、もう一度終点まで行って、もう眠くなくなっているのに気がついた。
今日はもういいと思った。
なにもしないまま最初に改札をくぐった駅まで戻って、そこでようやく電車と駅から離れることができた。
まだ日も高いので、地元の映画館で時間をつぶすことにした。
平日の昼間だから人はほとんどいなかった。
もしかして自分一人で観られるかと思ったが、他に数人の客がいた。
電話やメールが来るのが怖くて、携帯電話の電源を切った。
映画館はそれが許される場所だと思った。
映画がずっと終わらなければいいと思った。
明日が来なければいいと思った。
熱かったコーヒーが冷め切ったころに映画が終わった。
まずいコーヒーを飲み干して、家に帰った。
ずっと起きていれば明日が来ないんじゃないかと思って試してみたが、やっぱり日は昇ってきたので少しだけ眠った。
眠ると明日が今日になったように感じた。
昨日までと同じように駅まで歩いて、電車に乗った。
いつもは一番後ろの車両に乗っていたけれど、今日は一番前に乗ってみた。
目的の駅についた。
いつもと違う景色が見えた。
意外と簡単に電車から降りることができた。
今日はいつもと違う道を歩くことにした。
目を閉じていても眠っていたわけではなかった。
降りなければならない駅が近づいていることは分かっていたが、そう考えることが苦痛でしかたがなかった。
とても眠くて目を開けたくないし、膝の上に乗せているカバンが重くて足が動かなかった。
なにより、今日もまた同じ駅で降りて同じ道を歩かなければならないと思うと金縛りにでもかかったように感じた。
次の駅からでも歩いていけるという理由をつけて、その駅を通り過ぎた。
次の駅でも同じことを繰り返して、結局電車から降りることができなかった。
終点についたから、もう座り続けるわけにはいかなかった。
それでも人目を避けつつ、今降りたばかりの電車にもう一度乗り込んだ。
今度はちゃんと目的の駅で降りることができるかと思っていたが、やはり同じことになった。
反対側の終点についた。
もう一度電車に乗って、もう一度終点まで行って、もう眠くなくなっているのに気がついた。
今日はもういいと思った。
なにもしないまま最初に改札をくぐった駅まで戻って、そこでようやく電車と駅から離れることができた。
まだ日も高いので、地元の映画館で時間をつぶすことにした。
平日の昼間だから人はほとんどいなかった。
もしかして自分一人で観られるかと思ったが、他に数人の客がいた。
電話やメールが来るのが怖くて、携帯電話の電源を切った。
映画館はそれが許される場所だと思った。
映画がずっと終わらなければいいと思った。
明日が来なければいいと思った。
熱かったコーヒーが冷め切ったころに映画が終わった。
まずいコーヒーを飲み干して、家に帰った。
ずっと起きていれば明日が来ないんじゃないかと思って試してみたが、やっぱり日は昇ってきたので少しだけ眠った。
眠ると明日が今日になったように感じた。
昨日までと同じように駅まで歩いて、電車に乗った。
いつもは一番後ろの車両に乗っていたけれど、今日は一番前に乗ってみた。
目的の駅についた。
いつもと違う景色が見えた。
意外と簡単に電車から降りることができた。
今日はいつもと違う道を歩くことにした。