PREMIERの一月を斬る がりは

  • 2009.01.31 Saturday
  • 23:53
今月分の投票を目前に、俺の視点で今月の作品を評価しておこうと思う。
それだけPASSIONを揺さぶる作品が多かったからだ。

前半はDENCHが随分飛ばした。
Mr.Pinkが以前書いて圧勝した「こんにゃく物語」の文法にいちゃもんをつけ、リメイクした「古典」には笑わされた。
作品を読んで笑ったというより、その作業に血道をあげるDENCHの姿が目に浮かんで笑った。
DENCHのテロとも思える作品群はPREMIERの中で異彩を放っているが、過激さがどんどん増している。
そのDENCHの「古典」の中の一節「たとえ完璧な文章を中国語で書いたとしても、評価できる人は少ないでしょうが。」をとらまえて、挑発を受けて立ったのがMr.Pinkの「集へる志士のあるを悦ぶの歌」である。
漢詩を詠むかねえ。

今月は何と言ってもMr.ホワイトの連載小説「コンサート」が軸になるだろう。
すばらしかった。
特に元殺し屋が靴屋になるくだりが俺は好きだ。
前振りをじっくりしておきながら、収束がすごいスピードであっけにとられる。
そのスピードの変化が物語の中の吟遊詩人の曲調と呼応しているようで、そこもまた素晴らしい。
初見ではもっと丁寧に収束させればいいと思ったけども、何回か読んでいるうちにしねしねと収束するよりいっそ気持ちがいいような気になってきた。

これはやられたかなあと思っていたのだが、その後に出てきたATMの「嘘」が渾身の一撃である。
4年間の部活動がこの作品への前振りだったのか、と思わされる出来である。
文章がうまいわけではないが、伝わるものが確かにある。
衝撃作であった。
将棋部に関する前提情報がない人だと、何が何やらという部分もあるかもしれないが(特に足立とのくだり)、知ってる人だと胸をやられてしまうんじゃないか。

あー、やられたと思ってたらその直後にMr.オレンジという例によって正体のわからん奴が出てきて「夢、青春、王座戦」という作品を置いていった。
さらっと書いているように見える千字の中に、制御不能の生の感情が垣間見える作品である。
これも注釈をたくさんつけてやりたいところである。

今回上げた作品にたくさん注釈をつけて、感動を倍にするような作業、誰かしてくんねえかなあ。

次回、○月を斬る、を書くときには取り上げられるような作品を自分で書いておきたいものである。

プリミエール村逓信局定時通信 by NIKE

  • 2009.01.30 Friday
  • 22:51
みなさん、こんばんは。
プリミエール村逓信局定時通信のDJを務めさせていただきます、ヘリクツァーの卵、略してヘリたまのNIKEです。
え、何かのパクリじゃないかって?
そうですねえ、この雑兵日記プリミエールと提携させていただいていますセンリ村逓信局定時通信(今月1日の記事参照)というものがございますが、鬼の居ぬ間の何とやらではないですが、DJの辺直次さんがいない間に私が間をつないでしまおうというわけで、短い間ですがお付き合いください。

さて、昨日は温かかったですね。
一瞬もう春がやってきたんじゃないかと思うくらいの陽気で、私も昨日は薄手のコートで出かけたんですが、こういう時に限ってやらかすんですよね。
普段のコートに入れていた財布を忘れて出かけちゃう。
しかも、早くに気がつけばいいんですが、バスに乗って降りる時まで気がつかないの。
仕方ないんで、運転手さんに平謝りして降ろしてもらって、急いで帰りました。
似たような経験は何度かあるんですが、家を出てバス停までには気づくんですけどねぇ。皆さんも、財布をコートに入れている時はご注意を、って私くらいでしょうか。

で、今日は打って変わっての生憎の空模様ということで、ここでメールをご紹介します。
ラジオネーム「切らしの芸術家」さんからです。
「こんばんは。今日は朝から雨でしたね。雨だし午前中は期末テストだし、学校に行くのも憂鬱な感じでしたが、今日を乗り越えれば週末、あと一踏ん張りと言い聞かせて家を出ました。テストは始まったばかりですが、この放送を聴いて勉強頑張ろうと思います」
ありがとうございます。
確かに、朝起きて雨だとそれだけで気分が重いですけど、まだ週末なら何とかなるって思えますよね。これが月曜の朝なんかだと…そう言えば、カーペンターズの曲に『雨の日と月曜日は』というのがありましたっけ。

まあ、そんな時でも会社や学校に行かなきゃいけないわけで、ここは音楽で気持ちを高めて出かけようという人も多いんじゃないでしょうか。
そこで、今週のテーマは『朝聞くと元気になれる一曲』です。
メッセージは適当に掲示板にでも書いてください。採用された方の中から抽選で1名の方に、DENCH特製サイン色紙をプレゼントするかも知れません。

私の中の朝の一曲といえば、最近はこの曲です。
目ざましテレビの主題歌にもなりました、軽やかなメロディーで憂鬱な朝も気分が晴れる、竹内まりやさんの『毎日がスペシャル』、お聴きください。
(CDは各自で再生してください)

メインイベンターと必殺技 がりは

  • 2009.01.29 Thursday
  • 02:20
落語の寄席は色ものを挟みながら、半日くらい続く。
15分、30分、長い人は一時間弱のネタをやる。
それが何人も何人も続いて、休憩を挟みながら夜まで続く。
落語にはいろんなジャンルがあるが、当日高座にかかったジャンルは話さないようにするそうだ。
だから、トリを務める人は当日かかった噺のジャンルと重ならない噺を手のうちに入れておかなければならない。
すごいなあ。

もし、プロレスやボクシングのような興行でも、同じようなことが行われているなら、また見方が変わりそうだ。
第一試合で華やかな空中戦が行われたら、第二戦は空中戦が得意な選手であったとしても空中戦をしない。
足をひたすら責めるような試合のあとは、わかりやすい肉体のぶつかり合いを。
メーンイベントを経てお客さんが帰る時にはしっかりと大きな満足感が胸に残っているように構成されていなければならない。

新日本プロレスでは入門して数年の若者はヤングライオンと呼ばれ、黒のショートタイツ、黒のシューズ、黒髪で地味な技主体の試合で第一試合を務めていた。
一番派手な技でドロップキックという地味さ。
ほとんどレスリングをしていて、ヘッドロックと逆エビ固めで決まるような、今のプロレスからあらゆる派手な技を取り除いたプロレスのデッサンのような試合。
このような試合が最初に組まれる理由が俺はずっとわからなかった。

昨年度日本一絵がうまい中学生になった妻の教え子とこの間ご飯を食べてきたのだが、彼はデッサンをしなければならない、デッサンは才能云々ではなく描いた数だ、と言っていた。

一つの興行が一枚の絵であるとすれば、デッサンがしっかりしていて、その上にいろいろな色が乗ってきて、全体が構成されていなくてはならないのだろう。
最初から最後まできらびやかな技が飛び交う試合を見た時に、プロレスのすごさは伝わるだろうか。
デッサンを初めに見せて、どんどん色が乗っていく過程を見せていけば、普通の人からメインイベンターまでの距離がつかみやすくなり、凄さがきらびやかさがより伝わるように思う。
20代の若者がなかなかチャンピオンになれないのもわかるような気がする。
チャンピオンは必然的にメインイベントに出るし、絵を完成させる人として出てくるわけだから、ただ強いだけでは足りないのだ。
必殺技を皆持っているのは、どんな展開でも重ならないようにする工夫なのかもしれない。

落語のメインイベンターの落語ばかり聴いているが、デッサンも聞きにいかなければと思うこの頃である。

夢、青春、王座戦 Mr.オレンジ

  • 2009.01.27 Tuesday
  • 23:54
2007年12月26日(水) アミューズメントカフェ スーパーフリークス四日市東店にて就寝。
2008年12月24日(水) ロワジールホテル四日市にて就寝。

僕は幸せものだなぁ。
先輩達が青春を燃やし、目指し続けてなお届かなかった場所、今までずっと目標にし、去年までは見ていることしかできなかった舞台、今年はそこに選手として立てる。
今年はいつもと違うんだ。
ふかふかのベッドの上であらためてそう思った。

目覚めるとなんとホワイトクリスマス。
四日市、空気は汚いけど空気を読めるやつだ。
ドラマチックな演出の中、夢の舞台が始まった。

皆あまり緊張はしていないように見えた。僕自身も。
何より夢中だった。
対局はもちろん、棋譜を採る時も応援する時も、休む時だって全力。

青春を感じるなぁ。
この3日間は人生の中で一際輝くはずだから、どうせならピカピカの一等星に。
ちょっと恥ずかしいような言葉も次々浮かんでくる。スポ根モードがずっと抜けない。
王座戦が楽しすぎるからいけないんだ。

チームもいい雰囲気。
全員が楽しんでる。
「打倒岡山!」って、皆で対局中にピーチジュース飲んで、結局負けて、それでも笑顔のミーティングで、アホの集団だけど皆大好き。阪大将棋部で本当に良かった。このメンバーでここにいれるのが幸せすぎる。怖いくらい。

皆で掴んだ結果は4位。
不満を言うものはいない。やっぱり皆笑っていた。

締めのミーティング、アツい言葉が飛ぶ。

・・・ん?主将泣いてる?

そっか。笑ってばっかりで忘れてた。マンガだったら泣くとこだ。ここ。
ずっと追い続けた夢、叶ったんだもんな。

・・・何で僕は泣けないんだろう?

僕結構感動したよな?王座戦は僕にとってもずっと夢だったし、この日のために頑張ってきたよな・・・?

主将が羨ましく、自分が情けなく思えた。

ダメだ、変なこと考えて王座戦ちょっとしょっぱくなってしまった・・・。
・・・いや、しょっぱさに気付けただけでも周りより良いんだろうか?
さっきまで怖いほど幸せだったのに、今はまるで逆、あれで幸せとか言っていた自分が可哀相にも思えてきた。こんな気持ちになるのは正しいことなんだろうか?
ああいう涙を見たとき、どんな気持ちになればいい?

周りを見ると笑っている。
僕も、とりあえず笑っておいた。

今年こそは泣く。悔し涙でも。

嘘 by ATM

  • 2009.01.26 Monday
  • 23:04
悔しかった。
どうしようもなく悔しかった。

また負けた。
負けが続いた。
胸を張って言える。僕は今4年間で間違いなく1番真剣に将棋をやっている。なのに全く勝てない。

3勝5敗。4年間最後のリーグ戦で、レギュラー落ちが確定した。

王座戦最終戦、7人目の選手を選ばなければならなくなったとき、僕は主将と共に一人の男を候補に上げた。4年間共に頑張ってきた彼に、僕は声をかけた。
「足立君、どう?」

間髪いれず、彼は答えた。
「いきます」

そのときの彼の目を僕は一生忘れないだろう。

いつもどおり控えめで自信なさそうな仕草をしている。しかしその目だけはいつもと違っていた。僕がどれだけみんなを鼓舞していたときも、決してすることがなかったであろう迷いのない顔。なんで僕ではなくお前が最後にそんな顔でいられるんだ。僕は心の底から嫉妬した。

彼は勝った。彼の勝利のおかげでチームは勝利し、王座戦4位という成績を残した。

王座戦が終わり、僕は心に穴が開いたような気分になった。
OBの方々は皆選手たちと同じように僕をほめてくれる。
ほめてもらえばもらうほど、僕は悔しくてしょうがなかった。

そう、悔しくてしょうがなかった。
3勝5敗の成績に終わり、レギュラー落ちが確定した日。
僕は本当に悔しかった。

レギュラー落ちしたのにそんなに悔しく思っていない自分が。

本当はずっと前からわかっていた。部長になったときから、合同合宿の幹事をやったときから、入部したときから。僕は、ただ純粋に、将棋に対する想い、目の前にいる相手に勝ちたいという想いが致命的に欠けている。とにかく将棋が、負けることが怖い。思えば部長になったときからそれを認めるのが嫌で無様にあがきつづけてきた。
本当に辛かった。最後のリーグ戦。僕は4年間で一番懸命にあがいた。本当の自分を自分と認めないために。

けれど、あがいたところで勝てるわけがなかった。嘘で塗り固められた将棋が通用するほど、彼らはもう弱くはないのだから。

僕は2年間皆に嘘をつき続け、皆を鼓舞し続けた。誰よりも将棋に対する想いが欠けている奴が、皆を鼓舞し続けた。でも皆は優しかった。本当に将棋に真摯に、将棋を心から楽しんでいてくれた。

僕は皆にずっと嘘をつき続けた。でも、最後に言ったあの言葉だけは信じてほしい。

結果は4位でも、阪大将棋部は日本一の将棋部だ。

辛いこともあったけど、最高の4年間でした。みんな、ありがとう。

コンサート〜終演〜 Mr.ホワイト

  • 2009.01.25 Sunday
  • 20:26
銃声が鳴り響いた。
同時に、音楽が鳴り止んだ。
めくるめく音楽の渦は一瞬にして消え去り、
銃声の安っぽい残響音が情けなくこだまする。
時が、止まった。
吟遊詩人は、目を大きく見開いたまま、動かない。ピクリとも。
何が起こったのかわからず、呆然としていた観客はしかし、
少しずつ状況を把握して、少しずつ恐怖に駆られていく。
どこかで誰かが悲鳴をあげた。
あとは速いものだった。
連鎖的に会場全体から悲鳴が起こり、恐怖と焦りと混乱が満ちていく。
それは自分が危険に脅かされている恐怖でもあったし、
吟遊詩人が殺されたのではないかという焦りでもあった。
未知は恐怖を増幅させ、王室劇場は加速度的に混乱に陥った。
永遠とも思える3秒間がすぎた。
そのとき。
吟遊詩人が、動いた。
銃弾は、彼の髪の毛をかすって、壁に穴を開けただけだった。
が、死んでいなかったのだ、という観客の安堵感はまたもや一瞬にして消え去る。
吟遊詩人は、アコースティック・ギターを地面に何度も叩きつけ、
ボディーをバキバキにぶっ壊し、ネックを踏みつけてぶち割った。
怒り狂っていた。
目は血走って、何かを叫んでいた。
おもむろにエレクトリック・ギターを手に取ると、
怒り狂った吟遊詩人の感情そのものを鳴らし始めた。
轟音。叫びのような歌。
しかしそれは、音楽として圧倒的な力をもっていた。

**
終演後、新聞記者はインタビューを行なった。

観客のほとんどは、銃声があった後の演奏の衝撃を口々に語った。
「あの音楽の前では、僕らは何もできない。ただ、立ちすくむだけだよ」
まるでマシンガンで撃たれているような『快感』だった、と彼らは言った。

マネージャーは不機嫌そうに語った。
「あのガキ、頭吹っ飛んで無茶苦茶やってたろ。あんなもん、音楽じゃない」

暗殺者は終演後、ずっと青ざめた顔をしていた。
狂気の音楽の矛先は、彼に向いていたのだ。

暗殺者を取り押さえた男は煙のように消えた。

吟遊詩人は落ち着いたものの、楽屋でも怒り狂っていた。
「あの野郎、銃声を鳴らしやがった。信じられるか?音楽が鳴ってるときにだぜ?
 ちゃんと音を消してから撃てよ、あのクソ!どうせ当たるわけねえんだから!」

翌日の新聞の大見出し。
「撃つんなら、音を消せ」
**

混乱から一転して静まり返った劇場。
誰もが沈黙し立ちすくむ中、吟遊詩人はただひとり、
荒れ狂ったギターを鳴らし、叫び続けていた。

あめあめふれふれ ハッタリスト

  • 2009.01.24 Saturday
  • 14:02
雨は好きだけど、雨に濡れるのは好きじゃない。
前者はともかく、後者に同意しない人は多くないだろう。
僕も雨に濡れるのは好きじゃないので、傘をさして歩いていた。
傘はさしていてもいなくても荷物になる。
だからいっそのこと雨が降ってくれたほうが、わざわざ持ち歩いていた甲斐があるというものだ。
問題は傘を閉じた後。
濡れている傘は濡れていない傘よりもジャマだ。
体から離して持たないと、自分が濡れてしまうからだ。
そうすると腕が疲れたり、手首が疲れたりする。
もっと持ち方の上手な人もいるのかもしれないけれど、僕はそうじゃない。
でも良い方法がある。
傘が濡れているときは、傘を閉じない。
傘を開いて、頭の上で広げたままにすればいい。
たとえ雨がやんでいたとしても。
僕は良い方法だと思っている。
良くないのは、他の人のジャマになるかもしれないこと。
周りには気をつけないといけない。
だから、駅に入ったときも気をつけていた。
近くにもちょっと遠くにも人はいない。
もっと遠くにしか人がいないから、僕が傘をさしていても平気だと思った。
屋根の下だからもちろん傘を広げている必要はない。
それでも改札を通り抜けるまでは頭の上で傘を持っていることにした。
定期券を入れたり取ったりするのにジャマだから。
通り過ぎようとしたときに、駅員さんに声をかけられた。
お客さま、危ないので傘を開いたままにしないでください。
はい。
もう改札の向こうまで来ていたので、すなおに傘を閉じた。
だけど、危ないってことはないだろう。
きっと単純に、変なヤツに見えたのだ。
駅の中で傘をさしていてほしくない、という駅員さんの気持ちは想像できる。
でもおもしろくない。
プラットホームまで行くと、風で雨が斜めに降っていた。
少し濡れた。

次の日。
やっぱり雨が降っていた。
同じ駅、同じ改札。
駅員さんも同じだった。
改札の前で足を止めて、一瞬だけ考えた。
まだ電車も来ていないことだし、傘を閉じてから入ることにした。
傘を閉じる。
周りに人がいないことを確認して、傘をぐるぐる回して水を切る。
傘からピロピロ出ているヒモで傘をしばる。
体から少し離して傘を持って、定期入れを取り出す。
定期券を改札機に入れる。
駅員さんのほうを見ると、にやっと笑ってみせてくれた、
なんてことはないから、やっぱり全然おもしろくない。

桃色伯爵ピンクの間へようこそ Mr.Pink

  • 2009.01.23 Friday
  • 22:35
おやぁ?

貴男の方から、いらっしゃるなんて。
珍しいこともあるものね。

うふふふ・・・

よろしくてよ。
魅せて差し上げましょう

字が違うって?
「魅せる」じゃなくて「見せる」だろうって?

生意気なことを言うのも結構だけど。
場合によってはお医者様に「診せ」ないといけない事態になるかもしれないから
腕白なことを言うのは、この辺でお止しになって。

じゃあ、参りましょうか。
今まで誰も観たことのなかった世界。

Mr.Pinkのコレクション室、ピンクの間へ。

あ、
そうそう。ひとつだけ言い忘れてましたわ。
ココから先は、勇気のある、殿方だけ専用ですの。
それでも、よろしければいらっしてください。

んふふ。
威勢はいいくせに意外と意気地がないのね。
男の子なら、胸を張ってついていらっしゃいな。

怖いの?
怖いでしょうねぇ。
ボウヤにはまだ、無理だったのかしら?

では、勇気のある殿方だけついていらっしゃいな。
これからアタクシの秘蔵コレクション美術館へお連れ致しますわ。

あら?
ちょっと、鍵を忘れたみたいね。
ちょっと、失礼。今は、この辺で失礼あそばせ。

お楽しみは、あとからたっぷりありますから。
慌てなくてよろしくてよ。

うふふふ・・・

ぐふふふ・・・

ぐげげげげ!!!
(続く)

コンサート5〜公演〜 Mr.ホワイト

  • 2009.01.22 Thursday
  • 01:38
暗殺者は、焦っていた。
なんなんだ、これは。
耳栓を通してわずかに聞こえる音楽を聴いただけで、
彼は麻薬を打ったような心地になった。
ベロベロに酔っ払った気分だった。

暗殺者は、戦場にいたころ、数度だけ麻薬を経験したことがある。
戦場では麻薬が暗黙の了解として極秘に認められていたが、
麻薬の摂取が認められたのは戦闘と戦闘の狭間であり、
作戦実行中、戦闘中の麻薬の摂取は禁止されていた。
判断力と行動力を鈍らせ、戦死率がきわめて高くなるからだ。
彼は、数度の経験で麻薬を嫌い、以後二度と使用しなかった。
現実感覚が失われる感覚を、彼は毛嫌いしたのである。
こんなことをしていたら死ぬぞ、と彼は同僚たちに忠告した。
今は戦闘中ではないが、戦争中ではある。同じことだろう?と。
この激戦区で唯一麻薬をしなかった彼の忠告に耳を貸す者はいなかったが、
彼の同僚のほとんどは戦場で死に、死ななかった者は帰還後、狂って死んだ。
現実を見ろよ。
いつだって、「戦争中」だろう?
おれも、お前らも、生まれてから死ぬまで戦っているだろう?
これが、おれたちの住むこの世の中の現実だ。

音楽が現実感覚を麻痺させる。
そう感じてしまった自分自身を許せなかった。
だが、頭で抵抗しようとしても、音楽は彼の体に響き渡る。
弾が当たる気がしない、と彼は思った。
これはダメだ、このままじゃあ・・。
ブンブンと頭を振ってみても、酔いは醒めそうもない。
チッと舌打ちをしながら、瞬時に彼は腹を括った。
しょうがねえ、酔ったまま当てるしかない、と。

元殺し屋の靴職人は、気づいた。
音楽と何の関係もなく、頭を振ったやつがいることに。
間違いない。
人を押しのけて近づこうとするが、前に進まない。
一歩一歩がいやになるくらい遅く、
少しの距離がいやになるくらい遠い。
スローモーションのように時が動く。
そのとき、彼は見た。
男が、ゆっくりと銃を構えた。
滑らかな動作で、美しい構えだった。
銃口の先には吟遊詩人が。
銃に気付いた老人が、舞台裏から飛び出している。
彼は、叫びながらとりつき、後ろから男を捕らえ、腕を締め上げた。
が、しかしそのとき、銃弾はすでに発射されていた。

書道 by DENCH

  • 2009.01.21 Wednesday
  • 03:30
おそらくどこの高校でも、芸術科目は必須でしょう。
私は、悩みました。
字も下手、絵も下手、歌も下手!
三拍子揃ってますが、何か???
全て履修したい私でも、1科目しか履修できません。
絵はとても披露できるレベルではないので、美術は真っ先に消去しました。
ここに載せたら、笑いは取れます。
硬筆は丁寧ですが、毛筆が苦手です。
でも、硬筆がある分だけ音楽よりはマシだろう、とこちらも消去法で書道を選択しました。
予想通り、悪い評価が成績表に残りましたが。
大学では皆さんもご存知の通り、私は勤勉な学生なので成績は非の打ち所がないです。
私の成績表では、「優>良>可」です。
ただし「優≒良≒可」ですが、何か???
このように、バランス良く単位を修得するのは、「優」ばかり揃えることよりも、数段難しいと考えています。
「優」には20点の幅がありますが、「良」や「可」には10点の幅しかありません。
少し間違うと、「可」は「不可」になってしまいます。
成績表には「不可」は残りませんが、何か???

閑話休題。
硬筆と毛筆の違いはあれど、「字は体を表す by NIKE」には深く共感できました。
そんな私ですが、PREMIER執筆陣との話し合いにより、NIKEさんに先んじて自筆の色紙を10枚ほど、オークションに出すことになりました。
習字道具なんぞ、とっくの昔に捨ててしまったので、ご安心を。
マジックで書きました。
1枚だけ紹介を。
<img src=http://blog.drecom.jp/dench/img/507/f1000333.jpg>
が、見栄えを良くするため、毛筆で書き加えることに・・・。
詳細は、2日後に載る予定です。
色紙と印鑑だけで1000円以上したので、皆さん買い取って下さい。
売れないと赤字です。
一生懸命、書きました。
色紙も印鑑も、複数の店を探しました。
100円均一の店は、別途消費税が必要です。
「乾」のシャチハタは、置いてすらいませんでした。
「泉」はあったので、全国の乾さんの署名を集めて訴えてやります。
書道の時間に彫った印鑑がありますが、それは「乾」ではないです。
印鑑屋でネーム印を探していたら、店員に名前を聞かれました。
一瞬考えてから、「1文字のいぬいです」と答えました。
税込み100円で買えましたが、印鑑入れも必要か聞かれました。
315円もしたので、恥ずかしながら買いませんでした。
買ったら、ますます赤字です。
領収書には当然、「乾殿」と書かれました。
以上ですが、何か???

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