みんな、MVPになりたいか!(前編) Mr.sesame

  • 2008.11.29 Saturday
  • 16:41
前回は最優秀の獲り方について考察したが、
今回はもう一つの投票要素であるMVPについて書く。
なお、誤解のないよう、MVPの意義とかは考えず、
純粋に獲得のみについて書くことを明言しておく。

MVPは最優秀と違い、オンリーワンではいけない。
なにしろ、一人一票なのだから。そのため、獲り方として
1・たくさん書く
ということが考えられる。
これは以前にハッタリスト氏が提唱したことであり、
同じことをしてもしょうがないので、今回は省く。
有言実行のハッタリスト氏を褒めたたえるに留める。
(10/16の2008年9月度読者の声(悟)を参照)

次に、考えられるものとしては
2・将棋や部について書く
というのがある。当然のことながら
プリミエール読者は阪大将棋部員やOBが多い
はずであり、そういった内輪ネタとしても有力。
真面目な雰囲気を出すと、なお良いだろう。

3・票をくれ!と頼む
今月のDENCH氏の「電池月間なのだから」というのが一例だろう。
しかし、私は覆面であり、脅迫しても脅威を与えにくい。
必然的に媚びるという方向性になるだろうか。
これも同様に内輪ネタを絡めるとより良いと思う。

しかしながら、この第二案と第三案を使うには、
今の時期は非常にまずいのである。
なぜなら、つい最近に15年ぶりの偉業を果たしたからだ。

部員一丸となっての素晴らしい結果。
これを茶化すような真似は許されないし、
私だってしたくはない。もしこれについて
言及したければ別に日記を書くべきであり、
このMVP獲り方指南で使うべきではない。
第三案は直接的な手法なだけにこれを捨てる
のは惜しいが、ここは我慢せざるをえない。

みんな、MVPになりたいか!(後編) Mr.sesame

  • 2008.11.29 Saturday
  • 16:40
そこで、もっと邪道な方法を思いついたので、
今回はそれを試してみることとする。
このようなメタ的手法によりMVPを獲得
した場合、他の執筆者が今後真似をすると日記が
泥試合的になり、投票という制度自体が危うく
なることも考えられるが、そこはプリミエール
執筆者と投票者双方のモラルを信用する。
むしろ、一度だけなら皆もシャレがわかっている
ので許されるだろうとの打算すらある。

4・特権をどう利用するか公開する
そう、MVPは願い事を一つしてもいいのである。
これは前述の三案と違い最優秀獲得では使えない手法である。
良いサブタイトルの事前公開に、さほどの集票力はあるまい。

私の欲するところと投票者達の欲するところの合致が肝なので、
がりはストロングスタイル一週間禁止とか、
天才ハッタリストは来月3の倍数の日は馬鹿になるとか、
そういったことも考えたのだが、これでは私の一方的な
願望であり、広く受け入れられるということはあるまい。

そこで、10/16の2008年9月度読者の声(膝)のミッチー氏の
Mr.pinkへのコメントに、私も同様の黒い意志を感じたので、
次のような願いを今回は採用したい。
「ミッチー氏は三ヶ月以内にあざとい文章を没にせず書くこと。
 できれば、それで最優秀も獲ること」

無論のこと、これは投票者がこの願いに捉われずに
純粋に面白いと思った作品に投票することが前提である。
まさか、プリミエールにおいて、そのようなモラルについての
心配など必要あるまいと思い、この願いをここに公開しておく。

私がMVPを獲った暁には、必ずこれは実行します。
どこかの政治家のような公約破りはいたしません。

ユウヒに向かってダッシュだ! ハッタリスト

  • 2008.11.29 Saturday
  • 02:05
体育の時間。
5000m走る。
1周400mの校庭を12周半。
僕にとっては、学校生活でもっとも大きな困難の1つだ。

前回の作戦はまったくの失敗だった。
1位の人間の後について走れば自動的に2位になれる、というシンプルな方針だった。
こんなにすばらしい作戦であるにも関わらず僕以外の誰も採用したことがなかったのは、それがコロンブスの卵にも似た発想の転換であることを物語っている、と思った。
3周目か4周目までは作戦通りに2位だったのだが、そのあたりで脚が作戦を無視し始めて、たちまちのうちに順位が下がっていった。
まさか自分の脚に裏切られるとは夢にも思わなかった。
このような造反が起こることを知っていたのだとしたら、僕のクラスメイト達はふだん僕が見下していた程度よりもずっと頭が良かったのかもしれない。
何にせよ、僕は必要以上の苦痛を負うことになった。

今回の作戦は当然、前回の反省を生かしたものとなっている。
すなわち、脚に苦痛を感じないほどにゆっくり走るのだ。
今までは速すぎた。
それが苦難の原因となっていた。
苦痛さえなければ、どれだけ走ろうと何も問題はない。
実際、数周目を走っている僕は、これなら15周くらいは走れるだろうという実感を持っていた。
ならば弊害はなにか。
どうも、ダントツの最下位であるようだ。
それ自体はさしたる不利益でもないが、良い気分とは言い難い。
弊害と言えば弊害だ。
周回遅れはいつものことだが、今回はもう何回追い抜かれたか分からない。
それでも、あと5周、と律儀に教えてくれる体育教師の仕事に対する誠実さは感嘆に値するものだ。
もうすぐ授業の終わりを告げるチャイムも鳴ろうかというころ、走っているのは僕ひとりだった。
クラスメイト達はゴールの近辺でふざけあっているように見える。
その彼らが、僕がゴールに近づくと完走を讃えるかのような拍手で迎えてくれているではないか。
僕が考えていたよりもいいやつらなのかもしれない。
ガッツポーズをして見せると祝福はいっそう盛り上がった。
しかし僕は、自分が11周半しか走っていないことを知っている。
おそらくは体育教師も知っているはずなので、拍手を無視してガッツポーズのまま最後の1周を走り始めた。

ダイアローグ外伝 〜仮面舞踏会へようこそ〜Mr.Pink

  • 2008.11.29 Saturday
  • 00:09
待兼山某所にて、今宵集ひ来たるは異形の者どもら。
踊り舞ひ、高らかに笑う声あり。

桃色仮面
「紳士淑女のみなさま。今宵は仮面舞踏会へようこそ御出で頂きました。日ごろ素顔を隠して活躍する皆様の労を労いますと共に、今宵は他の仮面者様との旧交を温めていただきまして・・・」

「待ち給え桃色仮面!」

「おや。これは、オペラ座のファントム様」

「その様な堅苦しい挨拶は抜きにしようじゃないか。今宵ここに集った仮面者は、これが単なる舞踏会じゃない事はお見通しだよ、キミ」

「ククク・・・さすが、仮面者の中でも老舗だけあってやりますわね」

「招待状が来た時からおかしいと思ったわ」

「そうですか、ポワトリン様」

「しかし、ここにはプリミエールに執筆している仮面者は居ないようだが」

「タキシード仮面様。彼らは選手として出場する為この場には居ないのです」

「じゃあ、ピンクはレギュラーになれなかったんだ!」

「だまらっしゃい、仮面忍者の赤影!」

「激昂してないで、さっさと本題に入ってくれたまえ」

「失礼、致しました。仮面ライダー剣(ブレイド)様。さて、皆様、ご存知の通りこの度阪大将棋部が王座戦出場を決めました。勿論、優勝は間違いないと思うのですが、しかし、勝負は時の運。何が起こるか分かりません。そこで・・・阪大優勝を確実にするために、仮面者の皆様のお力をお借りしてライバルとなるであろう大学の主要選手を大会前に葬って頂きたくお集まり頂きました」

「うーん。確かにピンクの気持ちは分かるけど、それって悪者の役じゃね?」

「まあ、そんなこと云わずにお願いしますよ、月光仮面様。勝てば官軍と言いますし」

「暗殺!? なんて・・・恐ろしい子!!」

「いえ生死はこの場合問いません。月影先生・・・て、ええっ!?月影千草!?ああ、そうか。『ガラスの仮面』ね」

「踊ってばっかだから、これが会議とは気付かなかった」

「どんくさいわね、ライオン仮面たら」

「でも、やっぱり・・・正々堂々と闘わせた方が ザワ ザワ」

「(くっそう。頑固な連中ね。どいつもこいつも)」

その時、一瞬の雷鳴と共に厳かに現われたる仮面者あり。

「王座は譲らん!!」

「誰よ!」
「だれだ?」
「誰かしら!?」

会場がざわめく中、金色の光がその場を満たしたのであった。







「つ、ツタンカーメン!?!」

最強の仮面者、現る!
続きは次号を待て!!

保健 by DENCH

  • 2008.11.27 Thursday
  • 00:59
「はい、元気です」
「はい、元気です」
・・・
「はい、元気です」
「はい、電池です」
「はい、元気です」
・・・
「はい、元気です」
「はい、元気です」
昔は健康観察で、こんなやり取りがあったものだ。

先日、学祭のお笑いライブを見てきた。
自転車で学内に入り、研究室を素通りしてステージへ。
タダで見たのに、めっちゃ面白かった。
帰りも研究室を素通りして学外へ。
これがいけなかった。
50m以上先の信号が、青になるのが見えた。
普通のスピードで行くと、信号が赤になって数分間待つことになる。
そこで、自転車の変速を重くして全速力で進んだ。
スピード違反など気にしない。
キャラバン隊斬りこみ隊長のスピードだった。
しかし、しかしである。
自転車のチェーンが外れて、バランスが崩れた。
自転車は急に止まれない。
壁に激突し、地面との摩擦でズボンの膝の部分が破れた。
研究室に寄らなかったことを後悔しながら、自転車を押して帰った。
家に帰るとかなりの流血。

翌日、苦労して自分で自転車のチェーンを直した。
せっかく、タダでお笑いライブを見たのだから。
膝の痛みにも耐えた。
せっかく、タダでお笑いライブを見たのだから。
自転車に乗っている時に、ライトとブレーキの故障に気付いたが、修理をする気にはならなかった。
せっかく、タダでお笑いライブを見たのだから。
そう思いながら下り坂を下っていたら、停車中のトラックが急にこちらに向かって上ってきた。
イ左川急イ更だ。
利きが悪くなったブレーキのせいで、正面衝突しかけた。
もう少しで、飛脚にあの世まで宅配されるところだった。
脈拍も血圧も急上昇。
心臓に悪い。
あの運転手、「安全第一」という言葉を知らないのか?
あんな会社、潰れろ!

数日後、膝の痛みは全く治まっていなかった。
余りに心配になったので、大学の保健センターに行った。
しかし、膝を見せると間髪を容れずこう言われた。
「もう治りかかってますね」
めっちゃ痛いんだが・・・。
スクワットはおろか、階段一段飛ばしもできない。
時々かさぶたから流血。

それから約2週間。
膝の見た目は痛々しい。
かさぶたは完成しつつある。
今でようやく、「治りかかっている」という状態だ。
完治するには、何ヶ月もかかるだろう。
交通ルールは、守らねばならない。
そう痛感した。
大学でもぜひ健康観察を。

最後に一言。
イ左川急イ更、潰れろ!

フェリーにて(前編) Mr.X

  • 2008.11.25 Tuesday
  • 07:23
乗る前から、乗るには遅すぎる事は知っていた。
 盆と年末のフェリーは混む。そんなことはよく利用していた学生の時から知っている。しかし、他に選択肢としての交通手段も、いくつかの意味での時間的余裕も、今回ばかりは皆無だった。新幹線にはもう乗れない、かつ、翌朝にはどうしても帰省していなくてはならない。
 椅子席は全て埋まり、横になれる二等和室も人であふれている。無理矢理入っても、真ん中の空いたスペースに体育座りするしかなさそうだ。絨毯が引いてある床にブルーシートを敷いて寝ている人もいる。ぼくは喫煙コーナーに空いている席があったのでそこに座った。
 しばらくすると、売店の方からの視線に気がついた。
 金髪に、ヒョウ柄のコート。ピンク色のTシャツ。今年一番の冷え込みだというのに、ショートパンツをはいている。横の席に、CHANELと書かれた紙バッグをおいている。
 椅子に腰掛けてコーヒーを飲みながら、ちらちらとこちらを見ている。見覚えがなかったから黙って煙草を吸っていると、彼女はこちらへ向かってきた。
「Yくん、だよね?」
 中学生の時の同級生のAだった。
 Aはぼくの前の席に座り、色々話しかけてきた。いささか飲み過ぎ、さらに久しぶりの船の揺れで気持ちが悪かったぼくは、相槌くらいしか返せない。
 中学時代、そんなに親しくなかったよなぁ、と思いながらも彼女の話――共通の(つもりなのだが、ぼくの方は全然知らない)知人の話、中学時代の(彼女の)話――を聞いていた。
 しばらくすると、Aは思い出したように、急に言った。
「そうだ、Yくん、Bがどうなったか知りたい?」
 Bというのは、2年のときぼくが同じクラスだった女の子だ。席が近かった時は口をきいていたが、特に親しくはない。けれども、嬉しさと好奇心と、そしてからかう気持ちが入り交じったような彼女の笑顔をみていると、なんか、ひっかかる。
「え? ・・・いや、別に仲良くもなかったし、特に知りたくはないけど・・・」
「でも、中2の夏休みに、告白したんやろ? わたし、仲良かったから、全部、本人から聞いてたよ」
 意味が分からなかった。何の話だ? 全く身に覚えがない。なんで親しくもない女の子に好きだといわなくてはいけないのだ?
 何かいおうと考えていた。とそこでケイタイが鳴り始め、Aは慌てて階段を登っていってしまった。
 押し黙ったまま、タバコをぼくは捨てた。

フェリーにて(後編) Mr.X

  • 2008.11.25 Tuesday
  • 07:22
もう何年も、思い出しもしなかったような出来事が、次から次へと、頭の中に浮き上がるのを感じた。
 その時の同じクラスにCという男子がいた。
 CはBさんのことが好きだったが、見事振られてしまった。しかし、諦めきれないCはBさんにストーカーまがいのこと始めたらしい。Bさんの自宅に電話――ぎりぎり携帯電話ではない――を何度もかけたり、話をしようとしたり、そういうことだ。
 ぼくは再びタバコに火をつける。
 おそらく、BさんはAにこういったのだ。最近、クラスの男子に告白された、断ったらしつこく付きまとわれるようになり、困ってる、と。名前を言わずに。
 完全なデマ。ぼくは窓の外の真っ黒な海を見つめた。何も見えない。きっとその話は大勢に広まったことだろう。
 さらに、その時のクラスについて思い出す。
 気になる女の子がいた。1学期で親しくなったのだが、その後、なんとなく避けられるようになった。傷ついたわけではないけれど、どうしてそうなってしまったのか分からなかった僕は、そのことについてかなり悩んだような気がする。どうして嫌われたのだろうか、と。自分の何がいけなかったのか、と。
 分かるわけがないよな、と思わずつぶやいてしまった。
 ぼくは、ゆっくりと立ち上がり、そして階段を登った。
 船の3階にはゲーム機が置かれ、さらにドアを隔てられた先はベランダになっている。ここも人で一杯だ。おそらく電話で話しやすいように、Aは外へ向かったのだろう。
 屋上はとても寒い。それでもAはベランダの屋根のないところまで身を乗り出し、大きな声で会話をしている。大事なことを話している雰囲気がある。でも、どこか楽しげだ。
 振り返って、ぼくに気がついた。少し驚いた顔で電話を切った。
「切らんでもいいけど。大事な話じゃなかったの?」
「別に。まあ、もう終わったし」
 少ししかめ顔をつくりながら言った。
「実家に預けてる子供が、わがまま言ったみたいで。その話を、親と」
「もう、子供いるんだ」
「うん、今、幼稚園通ってる。来年には小学生」
 突風が吹く。ぼくの耳の中に音だけ残し、どこかへいった。
「そうか、あれは、10年前の話だもんなあ」
 自分の言葉に驚いた。そうか、10年前の話なのか。
 黒い海の上を、また風が吹いた。陸地の所々が光っているのが見える。
「もう大昔やで」Aは風に流される髪をおさえながら言う。そして笑う。

今日の日 byたりき

  • 2008.11.24 Monday
  • 22:45
ついにこの日がやってきた。

ぼくの心臓はびっくりするくらいに高鳴っている。
そう、隣にいる女性に聞こえてしまわないかというくらいに。
まったく、どうなってしまったんだろう。
ぼくの頭の中はこれからのことでいっぱいで、不安と期待が入り交じったぼくの心は今にも張り裂けんばかりだ。

それでも今日の日がやってきた。
あーすばらしきかな人生。ぼくはこれでまた大人への階段をのぼるんだなあ。

外はあいにくの天気。昨日まではあんなに晴れていたのに、今日に限っては今にも雨が降りそうな曇り空だ。
でもさ人生なんてきっとそんなもの。大切な日がいつだって晴れているとは限らないじゃないか。
今日の日がこんな天気だったことは、後日またいい思い出になることだろう。
それに、これから降るだろう雨がぼくのうれし涙だと考えることだってできる。もしかしたら、ほかの誰かが流す悲しみの涙なのかもしれないじゃないか。

持ち物は何回も確認した。
財布、ケータイ、印鑑、そして大切なアレ。
アレを忘れると大変。どうなってしまうかって?それは大変なことになってしまうだろう。
あれがなかったら今日の目的を果たすことなんて無理なんだから。

もちろん、現場に行くまでの会話は欠かさない。
緊張がバレてしまったら小さな男だと思われてしまう。
それでもぼくの正直な心臓は高鳴ることをやめようとしない。
あーあ、ぼくはだめな男。そうさどうせぼくはお子ちゃま。
でも、それだってきっと今日まで。
今日、おとなへの階段をまた一歩踏み出したら、明日からはぼくもおとなへの仲間入りを果たすことができるだろう。

思い返してみれば、今日の日がくるまで相当の時間を費やしたものだ。
嬉しいときはもちろん、つらいときも悲しいときもあったけれど、この日を迎えるために多少の我慢は惜しまなかった。
そうさすべてはこの日のため。
紆余曲折を経たけれど、なんとかこの日を迎えることができたのだ。

そんなこんなで現場に到着。
忘れ物がないかを再度確認、大丈夫、アレはちゃんとかばんの中に入っている。
「じゃあ行こうか。」
隣にいる女性の手を握りしめ、かばんから婚姻届を取り出して、ぼくは市役所に向かって歩きだした。

オレオレ詐欺にはご用心 その1 ハッタリスト

  • 2008.11.23 Sunday
  • 19:35
「オレオレ」
「オレ夫?オレ夫なのかい?」
オレ夫?「そう、オレオレ」
オレ夫の母「オレ夫!?もしかして対人事故で妊婦さんに大けがをさせてしまって示談金が5百万円必要なのかい!?」
オ「あっうん、だいたいそんな感じなんだよ、助けてよ」
母「ひょっとしてそれどころじゃなくて、誘拐されて身代金を1千万円強ほど要求されてるんじゃないのかい!?」
オ「あ、実はそうなんだよ、払わないと大変なことになっちゃうんだよ」
母「でも金額はすぐに用意できそうな2百万円でいいのかい!?取引の方法は地元の電車に乗って、大江戸橋を渡るときに窓からカバンを河に投げ落とせばいいのかい!?」
オ「えっと…そうそう、ちょうどそうなんだよ、やばいんだよ」
母「警察の人に知らせたら淀川の鯉のエサになるのかい!?じゃあ、今日の午後6時の電車にするのかい!?」
オ「そうしてくれるとすっごい助かるよ、鯉のエサにはなりたくないよ、オレ」

母「もしもし警察の人ですか!?うちの息子のオレ夫が誘拐されて、午後六時に大江戸橋で取引するんです!助けてください!」
警察の人「奥さん、我々警察の人に任せてくださればもうご安心です。取引の現場でバッチリ犯人を捕まえてご覧にいれます」
母「でも!警察の人に知らせたらオレ夫は淀川の鯉のエサにされるんです!どうしてくれるんですか!?」
人「奥さん、淀川に鯉はいませんから大丈夫ですよ」
母「今『淀川』『鯉』でググったら約47500件の検索結果が出たんですよ!?それでもいないって言うんですか!?」
人「それでも意外といないんですよ、とにかくご安心ください」

本物のオレ夫「もしもし、あ、母さん?」
母「オレ夫!?もうすぐ6時だけど今どこにいるんだい!?」
オ「オレ?大江戸橋で待ち合わせしてるとこだけど?」
母「橋にいるのかい!?取引と同時に解放されるのかい!?」
オ「ああ、まあ、だいたいそんな感じだよ」
母「もうすぐ百万円持ってそこに行くからね!警察の人も来てくれるから!」
オ「え…、なんで?」

オレオレ詐欺にはご用心 その2 ハッタリスト

  • 2008.11.23 Sunday
  • 19:34
警察の人「誰と誰が取引するんでしたっけ?」
警察の偉い人「静かに!見ろ…橋の上に2人いるぞ…」
人「すると1人が犯人?」
偉「むっ、取引が終わったようだぞ」
人「2人が離れます!」
偉「よし、逮捕しろ!ちゃんとオレ夫じゃないっぽいほうを捕まえろよ!」
人「はい、行ってきます!」

犯人α「わざわざ舟まで借りてきたが、本当にこれでいいんだな?」
犯人β「間違いないっすよ、ここで待ってたら橋の上から1千万円強ほどの金が天から降ってくるんすよ」
α「橋なのか天なのかどっちだよ」
β「どっちだっていいっすよ、それより分け前は本当にフィフティ・フィフティでいいんすよね?」
α「うるせえな、しつこいとフィフティトゥー・フォーティセブンにすんぞ」
β「残りのワンはどうするんすか?」
α「ばかやろう…寄付するに決まってんだろ」
β「ええっ十万円強ほど寄付するんすか?太っ腹っすね」

オレ夫「うわ、なんですかあんた!」
警察の人「オレ夫を誘拐した容疑で逮捕する!」
オレ夫の友「うわっ、オレ夫になにしてんだ、誰か来てください!」
人「え…オレ夫?この人オレ夫?」
警察の偉い人「バカモーン、そいつが犯人だ、だまされるな!」
オレ夫「人違いですよ、はなしてください!」
人「え…犯人?人違い?」
友「このヤロー、オレ夫をはなせー!」

オレ夫の母「オレ夫!約束の50万円だよ!」
犯人α「うおお!本当にカバンが降ってきた!」
犯人β「ほら、言った通りでしょ!ヤッフゥ!」
α「あれ…でも、これ中身やけに少ないぞ」
β「ほんとだ…どう数えても10万円しかないっすね…」
α「ばかやろう!これでさっき決めた通りにトゥウェンティー・トゥウェンティー・シックスティーで分けたら、ひとり2万円にしかならねえじゃねえか!」
β「寄付もたったの6万円になっちまいますね…」
α「あっ!おい上、見ろ!」
β「なんすか?あっ、なんかもめてるみたいっすね」
α「あそこにカバンの中身が落ちたんじゃねえか!?」
β「そうか!横取りしてるんすね!なんてやつらだ!」

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