正義が勝っても悪が負けるとは限らない Mr.ピンク

  • 2008.01.30 Wednesday
  • 23:58
ローテに危機が迫るとき、プリミエールにやってくる。ピンチの時だけやってくる。
西か、東か、はたまた南か。来たかと思えば、ほくほくと。喜び勇んで語りだす。
人呼んで、さすらいのヒーロー、ミスターピンク。これにありっ。
ただいま、参上!!

さあ、みなさま、おこんにちわ。
ミスターピンクでございます。

おや? お前は何者かって?
もう、お忘れですの?
嫌ですわねぇ。お若いのに。
Mr.ピンクですよ、Mr.ピンク。

先月、お三名の方に月間MVPに推薦していただきましたのよ。
ご推薦くださった方、本当にありがとうございます。
御礼が遅れてしまいました。
こんなにもたくさんの方に支持していただきまして、報告を受けたときには、天にも昇る心地がいたしました。

まぁ、言うても3000mぐらいしか、飛んでませんけどね…。

今日は、ローテで申し上げますと、主筆のハガリーさんが当番だったのですが、諸事情で、私が急遽代打を務めることになりました。
どうぞ、今日一日だけ、よろしゅうに。

さて。
覆面シリーズを務める方は、他にもいらっしゃいまして、ご存知のように、X氏、ブルー氏、他にはグリーン氏やシルバー氏もいらっしゃるそうです。
その中でも、ブルー氏は、見事、先月度の最優秀作品賞を受賞されたのは、皆さんもご存知の通り。
そして、レギュラー入りされた今月から、覆面をとられて実名(?)で、活躍されておられます。

これに続いてMr.ピンクも近日中にその仮面を外すのではないか、という噂が広まっているそうです。

ん、? ふふふ…

私が? この私が、仮面を外すのですって?
おほほほほ…

そうですね。
しかし、正義のヒーローという者は常に、仮面をつけて、戦っていますよね?
ヤッターマンしかり、黄金バットしかり。
ヒーローが仮面を、外す時。それは、彼の終わりを意味するんですよ?

ラテン語に「ペルソナ」と、言う言葉があるそうです。
これは、英語の「パーソン」の、語源となった言葉で、日本語では「仮面」と訳します。
ところがですね、これには、もう一つ訳語がありまして。
「人・人格」という意味を、含んでいるんですね。

私が、皆さんに私というものを伝えたいとき。私の持つ本名では、あまりに難しい。そう、思っています。

ある、有名な作家がこんなことを言っていたそうです。
「仮面こそがもっとも、正直に真実を語る」と。

冬眠はロンリーである。 byミッチー

  • 2008.01.28 Monday
  • 18:10
文学は論理的か、ということを何度か考えたことがあります。ここで僕が文学と呼ぶのは、言語を媒体とする芸術のことです。

筋道だった文章構成のことを論理的と形容するのなら、小説などは間違いなく論理的だと言えるでしょう。例えば、推理小説は話の辻褄が合わなければ作品として成立しません。
小説はレトリックを多用する点で論文とは違う、その意味では論理的と言えない、と考えることもできそうに思えますが、しかしニーチェのようにレトリックを多用する哲学者もいます。それどころか、「学問は厳密に論理的でなくてはならない」という考え方自体がイデオロギーだ、と主張する哲学者だって少なくないのです。
哲学はそもそも学問じゃない、という意見は、悲しくなるのでここでは扱いません。

ところで、小説だけが文学ではないはずです。詩について考えてみましょう。
草野心平の『冬眠』という詩は、黒丸がひとつ描いてあるだけです。それによって蛙の冬眠を表現しているのだと言われています。これは論理的な作品と呼べるのでしょうか。

ここで注目すべきことは、黒丸しか描かれていないにもかかわらず、『冬眠』は蛙の冬眠についての詩だという認識が一般に流布しているということだと思います。この詩の伝えるメッセージは、それが巻き込まれている文脈と一体化したものなのです。
蛙の冬眠であるという知識を伴って黒丸を見ることによって、初めて我々はその詩からのメッセージを余すところなく受け取ることができます。もし仮に「これは夜を表現した詩だ」と教えられてこの詩を目にしたとすれば、我々のこの詩への解釈は違ったものになっていたでしょう。

だから詩は論理的でないのだ、と言いたいのではありません。
『冬眠』において顕著だった「解釈が文脈に依存していること」は、どのような種類の論文においても当てはまることです。僕は論理学というものを、解釈が文脈に依存する形式を抽出する学問であると理解しています。「筋道だっている」とは、抽出された解釈形式に一致していることだと考えます。
このような論理学理解が妥当なものかどうかについてはさらに考える必要があるでしょうが、このような理解の下では、およそ言語を用いたコミュニケーションにおいて論理的でないことなど何一つないことになります。

文学は論理的である、というのが現時点での僕の答えです。もちろん『冬眠』でさえも。

こんなこと習って何の役に立つん? ハッタリスト

  • 2008.01.27 Sunday
  • 23:58
 ハッタリストです。
 やはり横綱が二人いると面白さが違いますね。

 夕方くらいに、妙に明るい星が見えることが時々ありました。情けないことに、それが宵の明星と呼ばれるものであると知ったのは大学に入ってからのことでした。知識と経験が一致していなかったのです。
 金星は地球よりも公転の軌道が内側にあるため、それが地球から見えるのは限られた位置関係にあるときのみであり、明け方に見えるものは明けの明星、夕方に見えるものは宵の明星と呼ばれる、ということを学校では教えています。僕がいつそれを教わったのかよく覚えていないのですが、現在では中学校で習う内容です。
 一方、月の満ち欠けや地球、太陽との位置関係については、現在の中学校では発展的内容として扱っていて必ずしも授業では教えないそうです。金星のことは必ず教えるのに、です。
 僕はそのことを不満に思っています。僕の例を見るに、どれが金星なのかも分かっていない人間が金星についての知識を持ち、非常によく見かける月については教わっていない、ということが起こりえます。これをいびつだと感じるのは僕だけではないでしょう。

 僕は高校では物理と化学を教わり、生物と地学は教わっていません。世界史は習いましたが、日本史は習っていません。
 知りたければ自分で勝手にやれば良いのですが、学校で教えてくれていたら嬉しかった、とも思っています。興味はあるのですが、今後僕が独学で生物の知識を身につけるということはないのではないかと想像します。ガッツが足りないのです。
 ゆとり教育の見直しなどということが言われています。できる生徒はたくさん詰め込んでも身につけることができるし、できない生徒はどんなに減らしてもできない、ということはおそらく多くの人が認めるところかと思います。
 公立校では一部の生徒しかついてこられない突っ走った授業をするわけにもいかず、時間的には余裕があるはずの私立校では履修漏れがあるなど受験対策のみを偏重したりしています。

 教育というものは難しいですねこれは、などと思いつつ個別指導の塾講師としてバイトをしている僕がするべきことは、目の前の生徒が理解するための助けをすることなのです。

プリミエール新体制 A.ハッガリーニ

  • 2008.01.27 Sunday
  • 14:39
元気ですかー!

A.ハッガリーニと書くとA.ロッドやF.インザーギの仲間に入ったような気がしてうれしくこそばゆいハッガリーニです。
私も彼らのようにたくさんお金がもらえるようになりたいものです。
今回はプリミエールの新体制についてお知らせします。
ローテーションを組むメンバーが8名になったので、今後は週4回の更新にします。
月水金土の4回です。
月 ミッチー
水 がりは
金 NIKE(Mr.blue)
土 うべべ
月 たりき
水 電池
金 Mr.ピンク
土 ハッタリスト
というローテーションです。
このローテを死守しながら、谷間の火木日に飛び込みで投稿する形になります。
今後ともよろしくお願いいたします。

少し、昔話をします。
その昔、雑兵日記でローテーション制を作り運用していた頃、やはり私は管理者でしたが、その苦労は一通りのものではありませんでした。
ストロングスタイルを「何に対してもとりあえず反発、抗弁する」ことと勘違いしたような若者を説得するのに骨が折れました。
学生というのは比較的自由な時間が多いはずなのに。
今プリミエールのローテーションは非常に楽な形で回っています。
メンバーはそれぞれ当時と比べ物にならないくらい制約の多い中で書いているのですが、それでも管理者としての苦労はほとんどありません。
あの頃と比べて文章を書くことがうまくなり、かかる時間が短くなった結果抵抗が少なくなったのかもしれません。
確かにそういう意味での成長はあるでしょう。
しかし私の目から見ると当時より各人はより時間をかけて丁寧に作品を書いているように思われます。
ある者は2週間想を練り、ある者は推敲を繰り返しています。
きっとただうまくなっただけではないのでしょう。

若者に特有の恥ずかしがりが抜けたのかもしれません。
「責任」に対する考え方が変わったのかもしれません。
後輩たちに見せたい何かがあるのかもしれません。
メンバーの成長にはほんとに感心させられます。
管理者としても彼らに負けないように続々と新しい仕掛けを考えていきたいと思います。
彼らの成長のためなら労は厭いません。
彼らの成長がすなわち読者の皆さんへの恩返しにつながると確信しているからです。
皆さんにもお願いがあります。
彼らにもっと石を投げつけてください。
それがきっと彼らを伸ばします。

ただ、私には当てないでください。
私だけは褒められて伸びる子ですので。

僕のプリミエール宣言 Mr.ピンク

  • 2008.01.25 Friday
  • 23:57
日本に初めてもたらされた文字は、千文字であったらしい。

「千字文」

これは、中国の古代の王朝である梁という国で、皇帝に命ぜられた周興嗣という男が編み上げた言わば手習いの教本のようなものである。
なんでも、周はこの千字文を一晩で作り上げなくてはならなかったらしく、過労が祟って夜が明けたころには白髪になってしまったらしい。
ともあれ、この千字文が日本にやってきた。
島の始めは淡路島だが、文字の始めは和邇吉師。百済の王仁という男からこの千字文を伝えられ、日本人は文字を教えてもらったのだ。
しかし、文字というものを“輸入”した当初は、随分と苦労したらしい。言語体系の異なる言葉を無理やり使う、言うなれば日本語を英語で表記しろというようなお話である。無理だ無理だと難産する中で、ひょんなことから仮名を産み、漢字を呑みこなし、日本人は日本人の文字を手に入れてしまった。

原始、文字は記録を残す為に生まれてきたという。人と人との約束を忘れぬよう、戦の勝利の輝きを失わぬよう、政事の定めごとを間違わぬよう…etc
ところが、文字の持つ仙術はそれだけではないということに、人は気付くのだ。文字によって世界を自分の思うがままに編集し、どこまでも自由に自分の物語を作り上げることが出来るのだということに。
“記録すべきもの”を書き留める事から、“自分の書きたいもの”を作り出すことへ。
他動性から能動性への知性のコペルニクス的大転換は、やがて文明を発展させ文化を産み出し文学を花開かせると、無限大に広がる世界を人々の目の前に提示し始めたのだ。

天地玄黄から始まる千の文字がこの国に伝えられて千と余百年。
今では、世の中には煩いぐらいに物語が溢れ、文字情報が氾濫し、けれども、これだけ物語があるにもかかわらず、人々は無闇に感動の物語を求めて、砂漠で飢えた人のようにさまよい続けている。
文字世界が膨張続けて、爆発前の巨星のようにあえいでいる。
そんな、歪んだ世界を、僕らは黙々と、しかし時には挑発的に千の文字で切り取り続けている。
病的に膨らみ続ける世界を、今度は、千字に凝縮させてしまうのだ。
文字世界を一瞬の、千の文字のフォトグラフに写し撮り、人々に提示し続けるのだ。
プリミエールとは、これは、そんな世界に対する、僕らの挑戦なのである。

自己紹介 by Mr.blueことNIKE

  • 2008.01.24 Thursday
  • 21:55
今度から、この雑兵日記プリミエールの執筆陣に新たに加えさせていただく、Mr.blue改めNIKEです。初めての方は初めまして。遠い昔に、阪大将棋部部長としてみんな(の足)を引っ張っていたような気もします。以前のプリミエールで、がけっぷちの27歳という言葉を見かけましたが、その尺度でいくと、既に箕面の滝あたりにダイブした後かも知れません。来年度は大学院生として学生に戻りますが、まあ頑張りたいと思います。

少し前の話になりますが、先月の『酸いも甘いも』を読んでくれた方、投票してくれた方、ありがとうございます。
この話は、昨年8月末、ちょうど雑兵日記プリミエールが開始した当初の出来事です。東京で泊っていた先でのエピソードですが、いつかプリミエールで書きたいと思っていました。意外と早く実現できてよかったです。
まあ、ハッガリーニ氏が紹介した通り、ネタに恵まれた感は否定できません。そうそう珍妙な生活を送っているわけでもないので、時には何を書こうか悩むということもあるでしょう。そんな時でも、従来の古参メンバーのようにコンスタントにいい文章を書けるか、腕の問われるところだと思います。

古参メンバーは歴戦のツワモノ揃いです。
ストレートにストロングに笑いを追求するがりは、時に斬新な思考アプローチを見せるハッタリスト、真摯に人生と向き合い赤裸々に思いを綴るたりき、のんびり構えているようで鋭さも兼ね備えたDENCH、的確な表現力と論理性で力作を生むミッチー、時には熱く時にはニヒルに迫るうべべ、独自の世界観を表現し魅了するゴットゥーゾ。
それぞれ持ち味があって面白い。面白さの形というのは色々あるものなのだと実感させられます。
そんなメンバーの作品から刺激を受けることで、自分も持ち味を活かしつつ面白い作品を書いて、プリミエールを盛り上げる一端を担うことができればと思います。
よろしくお願いします。

ミスター by DENCH

  • 2008.01.23 Wednesday
  • 02:23
ミスターと言ったら、長嶋茂雄。
ミスター・ジャイアンツとか、ミスター・プロ野球と呼ばれることもある。
試合後に球場に幼い息子の一茂を置き忘れて帰ったり、車のサイドブレーキを掛けたまま運転したりなど、数々の信じ難いエピソードを残している。
普通ミスターと言ったら彼のことを指すのには、異論が無いだろう。

この雑兵日記PREMIERでも、Mr.X、Mr.ピンク、Mr.ブルー、Mr.グリーンらが登場している。
Mr.シルバーも登場するという話もあった。
Mr.Xだけは、正体を知っている。
他は、全く知らない人なのだろうか。
Mr.ピンクとMr.ブルーは、レギュラー入りすることになった。
活躍が期待される。

ミスターと言ったら、Mr.ビーン。
面白過ぎる。
映画の第2弾が、絶賛上映中である。
見たいものだ。
六萬、もといローワン・アトキンソンは凄いと思う。
名門のオックスフォード大学の理学修士である。

ミスターと言ったら、Mr.マリック。
マジシャンの中でも、彼は凄いと思う。
名前は、マジックとトリックを併せた造語である。

ミスターと言ったら、Mr.Children。
直訳すると、チルドレン氏。
何人グループか知らないが。
多くのミスチルファンを敵に回すかも知れないが、正直言って名前の意味が全く分からない。

ミスターと言ったら、ミスター・ポポ。
確か、ドラゴンボールとドラゴンボールZに出ていたと思う。
それから、ミスター・サタン。
ドラゴンボールZとドラゴンボールGTに出ていたと思う。

ミスターと言ったら、ミスター味っ子。
そう言えば、そんなアニメもあった。
やけにリアクションが大きかった気がする。

ミスターと言ったら、ミスタードーナツ。
肉饅などの食品が一時期問題になっていたが、一体どうなったのだろう。

ミスターと言ったら、ミスターマッスル。
笑っていいともで活躍していたが、今では全く姿を見ない。

ミスターと言ったら、Mr.オクレ。
この人が最初に思い浮かんだ方は、相当マニアックだろう。

一月の闇(上) byたりき

  • 2008.01.22 Tuesday
  • 00:40
一月の闇が存在すると気付いたのは、浪人をした僕にとって大学に入った年の冬のことだった。
新しい年を迎えてすぐに地元で開かれた成人式のパーティーで、高校のときに仲が良くてずっと好きだった女の子が結婚を間近に控えていることを僕は知ってしまった。彼女は妊娠していた。
それは、弱かった僕の心をかき乱すには十分すぎる出来事であった。
妊娠しているという事実よりも、妊娠しているという現実のほうが僕にとって深刻だった。
一年間を浪人生として過ごし、また大学に入ってからも授業に出たり出なかったりであった僕にとって、その子のお腹の中に新しい命が宿っていることはその子が着実に歩みを進めているという意味で衝撃的であった。
その日、僕は人生で初めて吐いた。
もともとあまりお酒が強い方ではない僕であったが、気がついたときにはまっすぐ歩くことができないくらいに酔っ払っていた。
好きだった子が妊娠していて結婚するという現実を忘れたかったのかもしれないが、そんなことをしても傷ついた心を深くえぐるだけだということに僕は気付かなかった。
その日、深い、深い闇が僕のことを包み込んだ。

地元から下宿先に戻っても、何かをしようという気にはまったくなれなかった。むしろ、僕の身のまわりに存在する闇はより一層その深さを増すばかりであった。
大学にも行かず、日当たりの悪い下宿の真っ暗な部屋の中でひとり、僕は永遠とも思える時をその闇と向かい合った。
どうして今まで気付かなかったのだろう。
思い返してみれば、父親が肝臓を病んで入院したのも、母親が交通事故に遭ったのも、弟が食中毒になったのも、そして僕自身が火傷をしたのも突き指をしたのも、すべて一月の出来事であった。
ぐるぐると考えを巡らした後、僕は仕方なく一月の闇の存在を認めることにした。
僕がどんなに嫌がっても、それはその存在を主張するばかりで認めない限りはこれ以上前に進めない気がした。
すなわち、僕が一月を過ごすためには一月に存在する闇と上手く付き合っていくことが重要となる。

一月の闇(下) byたりき

  • 2008.01.21 Monday
  • 23:42
その考えに行き着いてまずはじめに、僕はテレビをつけて外の世界とつながることを考えた。
それから、僕は久しぶりに外出してみることにした。
久しぶりに家の外に一歩踏み出したとき、僕にはその一歩が何か偉大なものであるように思えた。
しかし家を出て少し歩いて初めて、自分がふらふらであることに僕は気付いた。数日の間ろくなものを食べていなかったのだから当然のことかもしれない。
「これだったら酔いつぶれたあの日と同じだな」とひとりつぶやきほくそ笑んだ。そして、一月の闇の存在に気付いたあの日のことを自嘲気味に思い出せることに、またほくそ笑んだ。

久しぶりに外出をしたその次の日、意識と無意識の間でドアを叩く音が聞こえた気がした。僕に用事がある人がいるとは思えず、勧誘か何かだろうと思って布団を頭からかぶり直した後にもう一度聞こえた。
仕方なく、のそのそと布団から出てドアを開けると、そこには一人の女の子が立っていた。
「なんだ、帰ってきてたんだー。どうして学校に来なっかったの〜?みんな心配してたんだよ〜?」
同じクラスの女の子だった。その声からは心配していた素振りは聞き取れなかったが、顔に浮かべていたのは疑いようもないような安堵の表情であった。
彼女は部屋の惨状に少し目をやると「なんだ、また迷子になってたんだ」と言った。
その言葉の意味がわからず、どう言葉を返していいか困っていると、女の子にしては背の高い彼女の両腕がすっと僕の方に伸びてきて僕の頭を優しく包み込んだ。
瞬間、僕のことを包んでいた闇は消え去ってしまった。それが、彼女という光によってのものなのか、彼女から伝わってくる体温によるものなのかは今でもわからない。
どちらにせよ、彼女の腕に守られた僕は一月の闇から完全に解放されてしまった。
「ありがと。」
かろうじて口からこぼれた言葉とともに彼女の背中に手を回した僕は、彼女の体の華奢さに驚いてしまった。この体のどこに、僕を散々苦しめた一月の闇を完全にぬぐい去るパワーが秘められているのだろうか。

一月の闇は存在する。
それでも、闇の深さに負けない光もまた自分の中にもあるはずである。その光を絶やさないようにすれば、あの日のように一月の闇に完全にとらわれてしまうこともないはずである。
そしてその光で、あのとき彼女が僕にしてくれたように誰かを守ることができたらいいなと思う。

雑兵日記プリミエール第二章 A.ハッガリーニ

  • 2008.01.20 Sunday
  • 23:26
こんばんは。
こんばんわと書いている人を見ると注意したくなる男、アントーニオ・ハッガリーニです。
今回は雑兵日記PREMIERが新しい時代を迎えるというニュースです。

結成して5か月ほどが経ちましたが、多くのお客様に支えられ、メンバーも感謝感激しながら日々精進しております。
大変盛り上がっている今日この頃ですが、この度第一回最優秀作品「サスフォー」を産み、アイドル・詩人・旅人として活動していたゴットゥーゾが旅に出ることになりました。
旅先からメッセージを送ってくれるかもしれませんが、レギュラーからは外れます。
彼が一回りも二回りも大きくなって帰ってきてくれることを願ってやみません。
さよならは別れの言葉ではなくて、再び会うまでの遠い約束です。
といっても、さよならではありませんが。

良いニュースがあります。
2007年12月度に活躍したMr軍団のブルーとピンクがレギュラー入りオファーに応じました。
契約金・年俸等は不明。
また、覆面を脱ぐのかどうかも不明。
Mr.blueの談話。
「今回はネタに恵まれた感もありますが、いい作品が書けるよう頑張っていきたいと思います。」
Mr.pinkの談話。
「多くの文才の集うプリミエールに正式にレギュラーとして認められ、誇りに思います。」
第一期レギュラーの中には彼らをまだ認めていない者もいるかもしれません。
「これは何かの陰謀だ!!」とハッタリストは書きたかったのかも知れませんし、「ハア?」とミッチーは言っているかもしれません。
しかし彼らは伊達に初期メンバーではありません。
ストロングスタイルの権化みたいな連中です。
「今すぐにやってやるって!ぶちのめしてやるって!」
という咆哮が今にも聞こえてきそうです。
さっそくハッタリストから最優秀作品2回奪取の宣言が出ましたが、2回では少ないと誰しもが思っているでしょう。
本人が一番強く思っているに違いありません。
もちろん、このハッガリーニも一度は最優秀作品を取ってみたいと思います。

雑兵日記PREMIERのローテーションは8名体制となり、より一層盛り上がっていくと考えられます。
現在週三回の更新頻度を週四回に上げることをZPGP実行委員会で検討しています。
結果はまたご報告いたします。
それでは雑兵日記の方がまるで元気がないことを気にしつつ、この辺でお別れです。
第二章を迎え、我々も今まで以上に精進します。
今後もより一層のご愛顧をよろしくお願いいたします!

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