「ロマンティックあげるよ」 byアフリカの精霊

  • 2000.08.21 Monday
  • 00:32
 私の好きな高速道路は「夏の夜の高速道路」である。
 
 盆正月の時期以外は深夜近くにもなると交通量が少なくなる。
 もちろん法定速度内で走るのであるが、普段より少し余裕ができ、周りの風景などを楽しみながら走れるわけである。
 高速道路というのはたいてい地面から高い位置を走るのでかなり遠くの風景まで見まわたせるのであるが、その風景を見るとなんとも不思議な気持ちになる。
 よく100万ドルの夜景とか夜景のすばらしさを表現する言葉があるが、そういった言葉で言い表している夜景は全て静止画である。しかし私はなぜか移り行く動画的な夜景に美しさを感じるようである。
 おそらく車を止めて降りて同じ風景を見てもこのような感慨に耽ることはできないのであろう。車で進んでいるからこその数秒後には見えなくなる風景のその瞬間しか感じられない気持ちというのが重要なのだと思う。
 
 特にマンションを見るのが最高である。
 高速道路からマンションの正面が見える場合、各ドアの前にある常備燈が規則正しく見える。あぁ、あの光の下、各家に家庭があり、人が住んでいるのだなぁ、今何をしているんだろう、なんてどうでもいいことを考えるのである。
 運転中、前から見えてくるマンション。その常備燈1つ1つの下に人それぞれの生活があり、人生がある。それに思いを馳せているうちに見えなくなりまた新しいマンションがみえてくる。そしてその新しいマンションの常備燈の下にもそれぞれの人の生活があるのだ。
 高速道路からマンションの裏側が見える場合はまだ別の楽しみがある。
 裏から見ると電気がついている部屋、ついていない部屋がわかる。時間帯にもよるが11時ころだと半々ってとこである。あの部屋の住人はもう寝ているのか、別の部屋の住人はこの時間に起きていて何をやっているのだろうって思いを馳せることができるのだ。
 
 なんと表現すればいいのだろう。言葉を間違えているかもしれないが、マンションにロマンティックを感じるのである。マンションの常備燈や生活している光をみるだけでなぜか切ない気持ちになるのだ。
冬だと切なさが上にきてしまい夏限定の感情であるが、夕日にロマンティックを感じるように夜の高速道路からの風景にロマンティックを感じるのである
 
 もうロマンティックと言う言葉をいいたいだけの文章になってしまったが、だれかこの気持ちにに共感してもらえないかなと思う今日この頃である。
 

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