やまがある日記〜道迷いについて 五頭連峰親子遭難を受けて Mr.マルーン

  • 2018.06.02 Saturday
  • 00:02

五頭連峰で行方不明になっていた親子の遺体が、3週間たってようやく発見されました。死因は低体温症とのこと、薄々わかっていたことではありますがとても残念です。捜索隊の方々の尽力に敬意を表します。

2人は寄り添うように亡くなっていたそうで、いつまで生きていたのか、どっちが先に亡くなったのか、残された側はどんな気持ちで動かなくなった家族のそばで自らの死を待っていたのか、考えると胸が締め付けられます。
親子は道に迷ったからビバークすると家族に連絡、翌朝下山すると再び連絡があった後行方がわからなくなったそうです。家族が交番に届けた際、そこの駐在員が情報を留めおいたため捜索の初動が遅れてしまったということも話題になりました。
ビバークを決めた時点ですぐに救助要請をしていれば。初動が遅れていなければ。もちろんそれで命が助かったかどうかはわかりませんが、少なくとも携帯電話が通じている時間があった以上、ひょっとしたらと思わずにはいられません。


現場はまだ雪が残る山中で、松平山山頂から1.7kmほど離れたコクラ沢という場所だそうです。ニュースを見て、ああ、やはり沢か、と思いました。
道迷い遭難には一つのパターンがあります。道を見失ってさまよった挙句、沢に降りていく。そして滝や砂防ダム、堰堤にぶつかってそれ以上進むことも登り返すこともできず、身動きが取れなくなる。結果として滑落や低体温症による死を招きます。谷間に入り込むとヘリコプターからの発見も難しくなります。
羽根田治氏のドキュメント遭難シリーズ、道迷い遭難は遭難者たちがどういうプロセスで沢に迷い込んでいくのかがリアルに追体験できます。「迷ったら戻れ」「迷ったら登れ」は登山の鉄則としてわかっているはずなのに、皆総じて吸い込まれるように沢に降りて行ってしまうのです。
羽根田氏は山岳遭難の統計上最終的に滑落死であれば滑落遭難とされるが、そのうちのかなりの割合が道迷いに端を発しているのではと言っています。
かなり怖い本ですがとても面白いのでおすすめです。

 

ドキュメント 道迷い遭難

 


こちらのブログ記事では鈴鹿の御池岳で遭難し6日間さまよった本人がその壮絶な体験について書いています。このブログ作者はその1年後同じく鈴鹿の御在所岳で遭難し亡くなっています。読む限り若干問題のある登山スタイルなのは間違いなく、反省がなかったのか、せっかく生還したのに残念です。

 

山岳遭難記録 〜鈴鹿 御池岳ゴロ谷での6日間〜

 


私は山に入る際は電波が通じなくても使える登山用GPSアプリを入れ(ヤマレコ・YAMAP等)、電池切れが怖いので予備のモバイルバッテリーを持ち、紙の地図とコンパスも持っていくようにしています。紙の地図はバックアップの意味もありますが広域のルートを確認するには小さなスマホ画面よりも便利です。
万が一夜になってしまう可能性を考慮してヘッドライトとエマージェンシーシートは必須です。また、登山届の提出はもちろん、近しい友人には行先と予定コースを告げ、下山報告までするようにしています。
これらは登山スキルが高いか低いかは関係なく、山に入る以上当然のリスクマネジメントだと思っていますが、残念ながらここまでする人はそれほど多くないというのが現状のようです。
私自身、道を見失っておや?と思うことはよくあります。その時にすぐにGPSで確認できれば、深みにはまる前にリカバーできます。地図読みには高度なスキルが要求されますが、GPSで一目瞭然に現在地が分かれば道迷いをする人もきっと減るでしょう。
道迷いに高山低山は関係ありません。高尾山や京都の大文字山ですら年間何件も遭難事例があります。むしろ、里山の方が作業者用の踏み跡が縦横にあって迷い込みやすいという場合もあります。


今回の親子がどの程度の準備をして山に入っていたのかは今後検証されていくでしょうが、6歳の子供が雪の残る山中に置かれてはあっという間に行動不能になってしまうことが想像できます。あるいは、父親1人であれば生き残る道があったかもしれませんが、子ども一人をかついで登り返せるような状態ではきっとなかったでしょう。詳細は今となってはわかりません。


私は登山者としてはようやく中級者に片足突っ込んだ程度であまり偉そうなことをいう身でもないですが、少しでもこういった遭難事故が減ればと思い書かせて頂きました。
長くなりましたが、今回発見された2名のご冥福をお祈りいたします。

コメント
本を買って読んでいます。
パニックになっていない(と振り返っても思っている)けど、普段ならしない(愚かな)判断をしてしまう、というのが道迷い遭難の恐ろしさですね。
山だけでなくそういうことはある気がします。
  • がりは
  • 2018/06/03 4:59 PM
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