声を取り戻せ  Mr.Indigo

  • 2018.03.06 Tuesday
  • 00:00

1月の半ば、体に異変が起きた。声がほとんど出ないのである。

年末に風邪を引いてから、どうも声の調子が悪いという自覚はあった。ただ、このくらいはよくあることだ。風邪が長引いているだけだと思い、普通に声を出していた。

ところが声はなかなか治らない。ドラッグストアで響声破笛丸料という漢方薬を購入して服用したが効果は見られず、症状はむしろ悪化していった。

やがて生活に支障が出てきた。会話ができないわけではないが、かすれた声しか出ず息が続かない。少ししゃべっただけで喉が痛くなる。電話などはかなりきつかった。

「パパ声大丈夫ですか?」

「お父さん風邪ですか?」

通園の際には毎日のように聞かれた。会う先生も保護者も日によって異なるから、毎回「いや、声以外は何ともないんです」と言うしかない。ちょうどインフルエンザが流行し欠席者が多かった時期で、この声で保育園に行くのはなんとなく気まずかった。

 

耳鼻科で診察してもらったところ、声帯が炎症を起こしているとのことだった。その場で吸入を行い、薬を5種類ほど処方された。さすがにこれで治るだろうと思った。ところが症状はいっこうに改善しない。

1週間が経過し薬がなくなったところで、別の耳鼻科に行ってみた。ここでも同じような診立てで吸入と投薬を実行。しかしどうも回復しない。

次の週は精神科に行った。月に1度の通院である。声が出ずストレスが溜まるという話をすると、別の薬を出してくれた。

「声が出ないという方によく出している漢方薬がありますので、それ出しときますね」

「はい」

「この薬は効くかどうかかなり個人差があるんですけど、効く方はすごく効くんです」

そして、数日後から少しずつ喉の具合は良くなっていった。どうやら新たに服用を始めた半夏厚朴湯が効いたようだ。

「パパだいぶ声良くなりましたね」

ある保護者仲間にこう言われた。まだ立派な鼻声のはずなのだが。その前に会った時に聞かせた声がよほど強烈だったのだろう。

しばらく経つと、日常会話は普通にできるようになった。次女を寝かしつける時、自分の歌声を聞いて涙が出た。1ヵ月以上苦しんできたから、前と同じように声が出るだけで並々ならぬ感慨があったのだ。

 

それにしても、なぜ半夏厚朴湯が効いたのだろう。そして、なぜ精神科の先生はこの薬が効きそうだと思ったのだろう。

少し調べると答えが見えてきた。この薬はストレスなどによる喉の違和感を改善する薬なのだ。すなわち、耳鼻科で処方された薬の効果が見られないことから、声の不調は心因性のものである可能性が高いという判断がなされたのであろう。

一方、最初に飲んだ響声破笛丸料は喉の酷使による声枯れに効くとのこと。効果がなかったのは私が原因を見誤ったからのようだ。

 

さらに2週間ほど経ったある日、私は1人カラオケに行った。2ヵ月あまりマイクを握っていなかったが、もう大丈夫だろうと思ったのだ。

しかし現実は厳しかった。声量を上げると思うような音が出ないし、すぐ息が切れる。寝かしつけの発声とカラオケの発声はまるで違うらしい。

それからしばらく、日常会話には困らないけれども喉が疲れやすいという状態が続いている。調子に乗って喉を酷使したからか、完調には程遠いという現実に落胆したからか、あるいは他の要因なのか…。

今は半夏厚朴湯を飲みつつ回復を待っている。

 

コメント
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

カウンター

ブログパーツUL5

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM