たなばたまつり  Mr.アールグレイ

  • 2018.07.07 Saturday
  • 23:42

私の通っていた高校は急な坂を上った山の上にありました。
曲がりくねった坂道は桜並木でした。
こんもりと茂った夏の桜は雨の日でも傘がいらないほどの茂りようで、暑い日差しからも土砂降りの雨からも守ってくれました。
その桜の向こうは斜面になっており、竹がさやさやと生えていました。
春が訪れると適切なタイミングで学校の用具入れから鎌を持ち出し、タケノコを取っては茶道部の部室で湯がいて食べました。
取り立てのタケノコをべりべりと皮をむき、手取り釜に灰とともに入れてあく抜きをし、水にさらして一度お皿にとってから今度はタケノコご飯を手取釜で炊くという茶の湯本来の楽しみを味わっていたのですが、顧問に見つかり大変に叱られました。
この人は器に使われている人だ、と思いました。
何を使ってそんなことをしているの!とおっしゃっておられたので、タケノコごはんおいしいですよとほほ笑んでみたのですが聞く耳を持っていただけず。
後で洗って返します!と手取釜を借りて屋上に逃げました。
屋上のフェンスの破れ目をくぐると給水塔の梯子があり、梯子を上ると下からはまったく見えなくなります。
お椀と箸は置いてきてしまったので、胡坐をかいて釜を抱え、しゃもじで食べたタケノコご飯はおいしかったです。
こんなはずじゃなかったのですけれど、心を尽くして全てを楽しむという茶の湯の大筋からは外れていないのではないかと思いました。

かように風流な私はもちろん季節の移り変わりにも敏感ですし、季節季節の催しも積極的に行っていました。
中でも周りに喜ばれたのは七夕です。
六月も終わりになるとタケノコを取りに行った竹林にラグビー部とサッカー部の男子を数名連れていき、竹を切ってもらいました。
その竹二本を校門の両脇に荒縄でくくりつけて立てました。
あとはひもを用意しておけばみんなルーズリーフなどをちぎってなんとなく書いてくれました。
二年生の時が初めてだったのですが、愚かさに気が付きました。
大きな竹を切ってきても高いところには手が届かないため、あまり意味がないどころか、下にだけ短冊がぶら下がっているため遠めに見て貧相だという致命的な欠陥でした。
仕方がないので天文部の倉庫にあったクリスマスツリーの飾りを一箱持ってきて飾りました。
また、竹と笹は違う!と生物の先生ににやにやされました。
うるさい!とぴしゃりと言ったところ、とても意外だったようで引っ込んでしまいました。
七夕までにたくさんの短冊が風にそよそよとなびきました。

7月8日、竹の足元に小さな板を置き、そこにルーズリーフで告知をしました。
「7月10日の夜、願いを星に還します。」
天気予報は晴れ、ラグビー部とサッカー部はノリノリで協力してくれるというし(彼らは「全国大会出場」という控えめな野望と彼女がほしいという大それた欲望を短冊にしたためていました。)、キャンプファイヤーの用意も文化祭実行委員から協力を得て、準備万端で当日を迎えました。
夜になりました。
あまりうるさい学校ではありませんでしたが、それでもさすがに色々言われました。
でもほとんど覚えていないので小言程度だったのでしょう。、
グラウンドの真ん中にキャンプファイヤーを設置し、みんなでそれを囲みました。
頃合いをみて手拍子をするとみんなも合わせて大きな手拍子になりました。
そこに校門から二本の大きな竹がしなりながら運ばれてきました。
少し離れたところから根元を先にしてズボっズボっとキャンプファイヤーに投げ込まれました。
しばらくして私は気づきました。
生の竹はそうそう燃えないことに。
思案したのですが事態をどう収拾して良いかわからず、みんなざわざわしているところに私が出て行っても収まらないなあと思ってなんだこんな面倒なことをしてしまったのかと後悔し始めたところ、サッカー部とラグビー部の後のキャプテンが二人前に出てきて、大きな声で言いました。
「みなさん、僕たちが『神様』と言ったら、『よろしくお願いします!』て大きな声でお願いしますね。」
そして胸の前で手を合わせ、目をつぶりました。
わたしもそれに倣いました。
「ぼくたちー!」
「わたしたちのー!」
「ねがいごとがー、かないますように!!」
「ちなみにぼくはー、全国大会出場!」
「ちなみにぼくもー、全国大会出場!」
全国大会優勝って言えばいいのに、と笑いそうになりました。
「それではいきます。」
「神様!!」
一拍置いて
「よろしくおねがいします!!」

みんな結構手伝ってくれて、30分くらいで片付きました。
私は二人にお礼を言いたかったのですが、間を計っているうちに先に帰られてしまい、何となく高揚した人たちに声を掛けられるなどしながら家路につきました。
みんなの願いが叶うといいな、と願いながら。

馬券の現実(144)〜プロキオンS、七夕賞予想〜 たりき

  • 2018.07.07 Saturday
  • 22:42

今週は堅い傾向の短距離ダート重賞プロキオンSと、荒れる傾向のローカルハンデ重賞七夕賞の組み合わせ。上手く的中できる気がしませんが。。

それでは両重賞の予想を簡単に。

 

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