【テーマ】天体観測、全力疾走(運) Mr.X

  • 2017.10.24 Tuesday
  • 12:02


高校3年の時の運動会、学生として挑む最後の運動会の最終盤、クラス対抗リレーという大一番のど真ん中、私は途方に暮れていた。

話はその数ヶ月前に遡る。

高校3年になって少ししての体育の授業で、走り幅跳びや1500m走などの運動能力テストが行われた。小学校以来、スポーツや運動に関しては「やや良い」くらいの位置を占め続けてきた私だが、自転車通学を続けたせいか、高校に入ってから50m走の記録がかなり伸びていた。陸上部に勝てるとかそういうレベルではないけれど、自分の成長をシンプルに実感できるこの機会に対し、私はかなりの気合を入れて臨んだ。

結果は、去年の自分に対して0.4秒優っていた。文句なし! 素晴らしい!
自己満足に浸っているところで、体育の教師から思いもかけない言葉をかけられた。

「エックス、お前、クラスで一番だぞ!」

へ? 自分で言うのも情けないが大した記録じゃない。一緒に体育の授業を受ける隣クラスの男子の記録を見る。やはり自分は一位にとかの成績じゃない。たまたまだが運動部の少ないクラス、だからか?
しかし、とはいえしがない将棋同好会員が一位? 不思議に思っているとクラスメイトたちの会話が耳に入ってきた。

「体育とかマジだるいし」「全力で走るとか、何の意味も無いやん」「あー、オレ、もう歳だわ。やる気全然出ないわ」

なるほどね、とその時私は思った。なるほどね。そういうのが流行っているのか。なるほどね。”白けているのがかっこいい”んですね。了解しました。

その後、運動会のクラス対抗男女混合リレーの10人のメンバーを決める際クラスで一番だった私がアンカーに選ばれたわけだが特に何とも思わなかった。まあ、それなりに真面目に走りますよ。一生懸命?何それ?マジで言ってんの?

運動会のクラス対抗リレーが始まった。選手たちはグラウンドの中央に集められる。全10クラスで行われ、楕円形1周800mのコースを400m毎にバトンを渡す、男女混合リレーだ。どう考えても自分のクラスはドベ争いをすることになる。そうとしか自分には思えなかった。ところが……

【テーマ】天体観測、全力疾走(動)  Mr.X

  • 2017.10.24 Tuesday
  • 12:01

グラウンド中央に集められたリレー選手の中に1年のときのクラスメイト、Uくんがいた。この高校では珍しいかなり明るい茶色の髪で、それ以外でも何かと話題を振りまく人だった。といっても基本的には朗らかな性格である。文系理系と進むコースが違ったせいで、顔を合わすことから久しぶりだったので「最近あいつ何している?」的な会話で、Uくんと盛り上がる。

今にして思うけど、やっぱり自分は緊張していなかった。

基本的に負けず嫌いな私は、リレーのアンカーという大役を任せれようものなら、もっと真摯に取り組んでいたはずである。バトンの渡し方の練習まではしないけど、400mを全力で走りきるための自主練はするはずだし、本番ではかなり気分が高揚していたはずだ。しかしその時は「形式だけの意味のない儀式」としかクラス対抗リレーをを捉えていなかった。

号砲とともにリレーが始まった。有線放送なのか誰か編集したMDなのか分からないけれど、大音量でJ-POPが流れる。あーこの曲知ってるー、などと思いながらぼんやりリレーを見る。鼻クソを3回くらいほじる。

あーやっぱりうちの男子遅いなーとぼんやり見ていたが、少しして、うちのクラスの順位がかなり上であることに気がついた。リレーは男女交互に走るのだが、男子の遅れを女子が取り返している。全く知らなかったが、足の速い女子が多いクラスだったのだ。

……え? 現在3位??

1~3位までの団子状態、の3位。完全な想定外。激しいデッドヒート。観客席のクラスメイトたちも大きな声で応援している。はぁ??
なんなんだこの状況は? 聞いてないぞ。話違うぞ。

途端に緊張が始まった。まずいまずいまずい。トップになれるか、自分の責任は重大じゃないか。こけろ!
腐っているが、その時の私の本音だ。しかし、チームメイトは皆、トップ集団に食らい付いていた。
唖然とする。何の準備もせず、こんな緊張で、一生懸命なんて走れないよ。泣きたいよ。

そんなとき、聞き覚えのある音が耳に入ってきた。

【テーマ】天体観測、全力疾走(会) Mr.X

  • 2017.10.24 Tuesday
  • 12:00

高校に入学すると環境が色々変わった。最初のクラスにはなかなか馴染めず、新しい友達がしばらくできなかった。進学校に進んだので思ったようにテストの順位が上らなかった。得意科目でもそうだった。同じ中学から進んだ友達たちがあっという間に新しい環境に慣れ、自分の知らない友人関係を築き始めていた。自分はまだ一人でもがいているというのに。

それまで音楽は聴かない人間だったが、ラジオで熱心にJ-POPを聴くようになった。プレーヤーをまだ持っていなかったのでCDを買わなかったが、コンビニでマンガを立ち読みをしていて気になる歌が流れると、集中して聴いていたものである。

高校3年の運動会のグラウンドの真ん中で立ちすくんでいるそのとき、スピーカーから流れてきたのは、BUMP OF CHICKENの「天体観測」だった。そのとき一番気に入っていた曲だ。

前奏の間、高校生活の2年と少しを走馬灯のように振り返る。あの頃あんな曲聴いていたなー、そのときはあれが辛かったなー、などと思い出している内に最初のフレーズが流れる。その瞬間、全身の強張りが一気に解けた気がした。
リレーに目を戻す。自分の前の選手が頑張り、1位と鼻差の2位まで詰め寄っていた。まじかよ、責任重大やん、と笑いながらリレーを受け取った。
一気に全力疾走。より高く、より速く、可能なかぎり足を動かす。
1位との距離が縮まる。自分の方が少し速い!
でも、少しだけだ。楕円のコースの曲線部に差し掛かる。インコースを取られている。難しい。自分も全力を出すが、外から大回りで差せるかどうかは微妙だ。

しかし自分はもともと持久力に自信がある方だ。最後の直線で抜けるはずだ。カーブが終わり、最後の直線に入る。ここだ!

自分がコースの外に膨らんだその瞬間、更にその外から茶色い頭が自分を追い抜くのがわかった。Uくんだった。そのときになって1年のとき彼が「陸上部じゃないくせに陸上部より足が速い」ことで有名だったことを思い出した。えーーあーー、と思っているうちにUくんは鮮やかに二人を抜き去って1位でゴールした。

結局自分は3位でリレーを終えた。

集中して全力を出し切れたという高揚感と、一方的に葬りされた敗北感。

この二つがない混ぜになったそのときの感情を、なんと言えば良いのか分からないので、今回、明るい悩み相談室PREMIERに相談することにしました。

【テーマ】33歳のノルウェイの森  Mr.X

  • 2017.06.30 Friday
  • 12:00

私はMr.X。最近嬉しかったのは、いつも会う猫がお腹を触っても怒らなくなったことだ。
 
研究者だって小説を読む。村上春樹の「ノルウェイの森」を初めて読んだのは高校生の頃だ。(その頃はもちろん研究者じゃないけど) この小説は、学生運動華やかなりし頃の東京で、親友を自殺で失った大学生が色々な人達と出会いながら成長して、、、はいないように思うけど、ともかく様々な体験をしていく話だ。
 
田舎に住む高校生から見て、描かれる東京の情景は興味深く、日本の社会的な動きや流れみたいなものを知っていこうとしている年頃でもあったので、学生運動のうさんくささや偽善も新鮮だった。
 
しかしこの小説を自分なりにシンプルに表現するなら「性と死」の3文字になる。少なくとも某男子高校生にとっては性描写は濃厚で(厳しい国ならR指定されてもおかしくない気がする)、かつ登場人物はバッタバッタと自殺していく。そんなどどめ色の世界の中で、主人公は「緑」という女性と出会う。この小説の中でおそらく唯一、生き生きとしている人物だ。
 
両親からあまり愛されなかったと感じる「緑」はどこか飢えみたいなものを感じさせるキャラクターで、その言動はなかなかエキセントリックだ(もし自分が「緑」の知人なら、呆れ果てると思う)。病気に倒れた父親の介護という生々しい現実に直面しながらも悲壮感は感じさせず、周辺人物への悪口は痛快でさえある。あと、彼女が作る料理はとても美味しそうだ。
 
初めてこの小説を読んでから15年程経ち、登場人物のほとんどよりも年上に、要するにオッサンになった。今、この小説を振り返ると、彼らを見る自分の目が変わっていることに気がつく。この小説で主人公が出会う人たちの多くが、優れた才能や美貌とか、人より抜きん出た何かを持ち合わせている。登場人物達と同じ二十歳前後までは、自分もそういった”ハイスペックさ”に憧れを持っていた。しかし、三十を過ぎ、生きていくためにはそれよりも必要な何かがあると感じる今では、美味しそうな卵焼きを作れる「緑」の方が魅力的に映る。
 
無理やり生物学にこじつけるけども、光合成を行う植物や藻類が持つ緑色は、地球の生態系を支える、生命力にあふれた色だと言える。作者がそういうことを考えていたのかは分からないけれど、私にはこのキャラクターの名前は「緑」以外はありえなかったのではないか、という気がしてならない。

Mr.Xに聞いてみた(2) Mr.X

  • 2017.06.19 Monday
  • 11:57

インタビュワー(以下、イ)「Mr.X、5月テーマコンテスト優勝おめでとうございます!! 3ヶ月ぶりの受賞です!!」
 
Mr.X(以下、X)「初めて人を好きになりました、私、PREMIERゲストオーサーMr.Xは、結婚します!!とか言いたかったのですが、私、Mr.X、相手がおりませんでした、残念ながら」
 
イ「受賞の感想聞いていいすか?」
 
X「本当に嬉しく思っています。しかし正直、狐につままれたような気もしないでは無いです」
 
イ「と申しますと?」
 
X「5月のテーマ作品は5月末から6月1日までに集中していたので、5/14に載った自分の作品は忘れられるだろう、と」
 
イ「なるほど」
 
X「今回のテーマコンテストでは、独特の感性で綴った『商店街のキッコ』、久しぶりに高階が登場した『幻想商店街へようこそ』など有力な作品がありましたので、正直、自分じゃ無いだろうというのもありました。
 
実際、これらの作品に勝てたとはいえ僅差でした。想像の域を出ませんが、これら作品の中でどれを選ぶか決めかねて悩んでいるときに、『そういえば月の半ばにでたやつ、あったなあ』と思い出していただけたのかな、などと考えております」
 
イ「前回(2月)のテーマコンテスト受賞時には、『どうして自分の作品は最優秀に選ばれないんだ』と号泣されていましたが、今回はほわいとさんの一票が入っています!!」
 
X「泣いてねーし、もう一回それ言ったら殴るぞ、いいな?
それはともかく、『魂をえぐってくる』という言葉をいただけましたし、2月に私の『イイダコ・バレンタイン』を最優秀に推していただきましたし、もしベストコメント賞を選ばせていただけるならほわいとさんですね」
 
イ「それでは次のテーマをお願いします!!」
 
X「Mr.Indigoの『DATE』でお願いします。一般的には、異性と映画を見に行く等をいうと思うのですが、英和辞書で調べると他の意味もあります。皆様がどのように捉えるのか興味深いです。前回選んだダッシュもそうですが、多義語の方が面白くなる気がします」
 
イ「デートのイメージが『映画を見に行く』とか、昭和ですね」
 
X「もう一回それ言ったら殴るぞ、いいな?」

 

【テーマ】駆け抜ける商店街 Mr.X

  • 2017.05.14 Sunday
  • 10:14

私はMr.X。二日で7時間ほどしか寝ずに仕事を頑張ったけど、三日目に16時間ほど寝てしまい、結局、普段よりも起きている時間は減ってしまった男だ。

私の地元は平地が広がっているせいか自転車通勤・通学が多かった。街の中心部には総延長が全国一というアーケード街がある。自分が高校に自転車で通っていた頃は、雨が激しい日は雨風を避けたい自転車で溢れ、自然発生的に右側通行となり、無言のまま(当たり前だ)、分厚い雲の下のアーケードのそのまた下の灰色の街を高速で駆け抜ける。その風景は、今思えばそれなりに奇異なものだったと思う。

その床はタイヤが持ち込んだ水でツルツルしており、脇道に入るとか、脇道から入ってきた自転車を避けるとか、そういうちょっとした拍子に自転車が転ぶことになる。密集した自転車の一台が転ぶと、それを追走していた自転車が避けようとして転び、さらにそれを追走していた自転車が避けようとして転び、、、というふうに自転車転倒の連鎖反応が起きることになる。えらいこっちゃ。

私はこの商店街の本屋に通っていた。通りに面した間口は小さいが、その奥がかなり広く、こういう商店街には珍しいと思うけれど広さでは県内最大級だった。この頃は講談社の新書(ブルーバックス)を中心に科学書を読んでいたけれど、目に付いた文系のムズカシ気な本も買っていた。「ムズカシ気な本を買っただけで賢くなった気になる」系男子だったので、そういう本をカバンに入れて再び商店街に出た時は、一端のインテリになった気がして一人優越感を感じていたものである。
本を抱えて商店街に出た時に、本屋の目の前のCDショップから、同じクラスのちょくちょく口をきいていたというだけで特に気にするとかは全然無い普通の女子が、自分の知らない男子と笑いながら出くるのを目撃した、なんてこともあった。よく覚えてないけど。

今年の正月、帰省の折に久しぶりにその商店街を歩いてみた。
本屋は変わらずあったけど、例のCDショップはパスタ屋になっていたり、道の中心には自転車が走りやすい専用レーンができていたり、前まで汚かった街の端は小綺麗になってブランドの店が林立していたりと、再開発の波はかなり大きく町並みを変えてしまっていた。

自分も地元を出て成長した気になっていたけれど、それ以上のスピードで地元の商店街は変わっていた。そういうものかもしれんけど、なんだか悔しい。
 

受験英語は役に立たない?  Mr.イエロー

  • 2017.04.06 Thursday
  • 19:34

毎日のように、「英語教育が変わる」という内容の記事を見ます。

よりコミュニケーション力重視へ、使える、本物の英語力を目指して・・・。

これらの言葉は、これまでの英語教育に対する否定的な見解から生まれています。

6年間習ってもしゃべれるようにならない、世界に後れを取っている等。

私は「受験英語も役に立つ。スピーキング力という点から見てもそれほど間違ったことはしていない」という意見に立って理由を述べていきます。

 

受験英語というと、いかにも役に立たないもの、実際の使用からは必要のないものといったニュアンスがついてきます。

「役に立たない」というのは、おそらく「受験には必要だけど、実際に使う場面に必要な知識ではない」ということでしょう。

 

受験で問われる英語力はどのようなものがあるでしょうか。

一般的な高校入試を例に考えてみます。大体3部構成です。

➀リスニング・・・リスニング力

長文読解・・・リーディング力(精読力・多読力)

1兀酳検ΑΑΕ薀ぅ謄ング力

そして全体にかかわっているのが語彙知識と文法知識です。4技能の基盤となるものです。

4技能のうち、入試で欠けているのはスピーキング力だけです(※秋田県の公立入試ではスピーキングのテストも実施しています。)

実際、中学校の英語の授業では文法解説に加え、上の3技能を向上させるための学習には時間を割きますが、スピーキング力向上を目的に行う学習活動はそれより少ないです。

そのため、3技能と比べるとスピーキング力は弱いという結果になってもおかしくないと思います。

では、スピーキング力を向上させるため、授業でもスピーキング活動を増やすべきなのでしょうか?

 

スピーキング活動は、ライティングと同じく「アウトプット」です。

インプットのみではできるようにならず、スポーツと同じで、練習が必要です。

しかし、アウトプットは、膨大にインプットされたデータという基盤がなければ生まれません。

もしアウトプット活動を重視するあまりインプット活動を減らせば、それは土台に手を抜いて家を建てるのと同じことになります。

私としては、中学生レベルでは「文法的に正しい理解がなされ、意味が分かる大量のインプット」が受けられる授業が望ましいと思います。

アウトプット活動もゴールとしてもちろん取り入れるべきですが、それは充分な量のインプットが前提です。

 

基盤をしっかり作ったら、あとは練習あるのみです。

身も蓋もありませんが、ひたすらしゃべることです。3技能がしっかりトレーニングされた人なら、スピーキング力の向上もそれほど難しいことではありません。

時間はどれくらいかというと、純粋に英語のみの会話をしたとして、2000時間±500時間必要です。これでネイティブ並みとはいきませんが、かなり流ちょうにしゃべれるようになります。

(ただし、基盤のない人は基盤作りからです。中学生用の文法問題集を開きましょう)

仕事で必要に迫られている人、受験英語で努力したことを自信に、頑張ってください。

【テーマ】爆裂衝撃波!!からのスーパーバリア!! Mr.X(461字)

  • 2017.03.30 Thursday
  • 12:28

こんな記憶がある。

幼稚園〜小学一年まで住んでいたアパート。おそらく夕方。親は出かけていて自分は一人だ。子供部屋でドラゴンボールちっくな話を空想し、こちらで「xxxx波!!」とか言いながら片手を前に突き出し、あちらへ移動して「バリア!」とか言いながら両手をクロスさせている。
 

同じアパートに友達もいるのに、なぜ一人でそんな空想遊びをすることになったのか分からない。それに、一人で遊んでいた記憶がなぜ残ったのか、分からない。

アパートの友達と大ケンカをして止むを得ず一人で遊んでいたが、子供ながらに空想一人ごっこ遊びがあまり情けなく、強く印象に残った。今はそんな仮説を立てている。


自分のこれまでの人生で、友達と楽しく遊んでいたとき、一人で孤独に耐えているときの両方がある。なんだかんだ言って、やはり友達がいたときのほうが楽しい。

けれどまあ、空想一人ごっこ遊びもそれはそれで楽しかった気もする。
子供には、大人から見て不完全なものではあっても、心がまぎれるのなら、それは必要なものなんじゃないかと思う。子供には、子供の事情だってあるわけだし。

「Mr.Xにきいてみた」Mr.X

  • 2017.03.26 Sunday
  • 19:37


インタビュワー(以下、イ)「Mr.X、この度は2月テーマコンテスト優勝おめでとうございます!! まずは今の気持ちを教えてください!!」


Mr.X(以下、X)「ありがとうございます。皆様に投票いただき、ありがたいやら、自分でいいのかと畏れ多いやらで」


イ「ストーリーについて教えてください」


X「ハッガリーニ氏から『マグロで一筆』と依頼を受けた瞬間に、なぜか手塚治虫の『火の鳥』で絵仏師が輪廻転生を繰り返す中で一度マグロになるシーンを思い出しまして」


イ「ほお!」


X「今考えると、転生したのはマグロに食べられるプランクトンの方でした」

イ「はあ」


X「そもそも、マグロの成魚の餌には小さいから、イワシか何か別の魚だったんじゃないかと今は思います」


イ「へえ…。で、その後は? 」


X「巻き網漁には批判があるそうなので、そこは少し混ぜたいとは思いましたが、まあ、思うままに書いていっただけです」


イ「え? こだわってたのそこなんですか? 評価もされていたエンディングは?」


X「自然に落ちてああなったという感じですね。考え抜いて出てきたものではなく、再現性はありません。逆に、何も考えなかったのが良かったのかも」


イ「そういうものですか。…テーマコンテストに勝てる自信はありましたか?」


X「自分で自分の作品を評価するとかできないんで。Pスポ3月号を読んで、あれ良かったんだ、という感じでした」


イ「自分で自分の作品を評価するとか、できませんか?」


X「実を言うと、行けると思っていたのがOcean side通勤だったんですが、テーマコンテスト『通勤』で、がりは氏にきっちり負かされまして。

 自分を客観視とか、言うは易く行うは難し、の典型的な例でしょうね。まあ、リベンジできたのは、悪くなかったんじゃないでしょうか?」


イ「先ほど控え室で、『がりは氏は最優秀作品賞にも入っているのになぁ』とぼやいていませんでしたか?」


X「うっさい! どつくぞ!」


イ「さて、次回のテーマは?」


X「みしぇるさんの『だっしゅ』でお願いします。漢字になるのか、カタカナもありそうですし」


イ「今日はどうもありがとうございましたッ!!!!!」


X「うっさい! どつくぞ!」

【テーマ】マグロ転生  Mr.X

  • 2017.02.27 Monday
  • 07:55

スマホでゲームをしながら自分の部屋で酒を飲んでいた。つまみが足りないなと思って一階へ降りようとした時、足を滑らした。

気がつくと、目の前にお釈迦様が立っていた。自分が知るお釈迦様の姿だが、後光が強過ぎて表情が読み取れない。

「お前はダラダラし過ぎだ。常に動き続けなさい」

一言呟くようにそういったのが聞こえたかと思ったら、マグロになっていた。

それ以来、自分は泳ぎ続けている。一日中泳ぎ、イカや小さい魚を追い続けている。
一度休もうとしたけれど、そうするとエラを通る海水が少なくなるせいで息苦しくなり、とてもじゃないが「のんびり休む」というわけにはいかなかった。泳ぎ続けるにはエネルギーがいるからずっと食べ物を追い続けることになる。夜寝て目がさめると記憶とは全然違う場所。寝ながらだって泳いでいるから当然だ。

もう、サメかシャチかクジラだかに食べられてしまいたい、こんな泳ぎ続ける生活は嫌だ。何度もそう思った。しかし、月日を重ねていくとこの苦しい生活にも慣れ始めている自分がいた。要するに、サメなどの外敵を避けつつ、餌を食べ続ければいいのだ。何度か危ない目に遭いつつも、サメがどういうところで、どんな風に攻撃してくるか、経験を積むごとに危険性は下がっていく。深度、海水温、潮の流れから、どこに行けばイカやイワシが食べられるのかが分かるようになってきた。

体が大きくなり、つるんでイカを取る仲間達と、どうやったらメスのマグロに出会えるのか、冗談が混じりながらも真剣に相談している時、突然、網に巻き込まれた。わけがわからず暴れていると周りの海上に引き上げられ、驚く間もなく、これまで経験したことがないような冷たさの中で意識がなくなった

目の前にお釈迦様が立っていた。

「動き続ける生活、どうだった?」

急にそんなこと聞かれてもマグロの脳ではよく分からないけど、

「大変でしたが、慣れたら自分のペースでできるようになったので、それなりに楽しめました」

と答えた。そうすると、お釈迦様は怒ったような、笑ったような、泣いたような表情をして姿を消した。

気がつくと、病院のベットで寝ていた。頭から血を流して倒れていたので母が救急車を呼んだらしい。幸い、重くはなかったけれど数日入院することになった。

ベットから動いてはいけないし、退屈だ。とりあえず今はスマホのゲームの続きがとにかくやりたい。

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