mission in trouble by NIKE
- 2016.12.29 Thursday
- 21:24
品川駅の改札の外へ足を踏み出したのは,意外にもこのときが初めてでした。
駅のショッピングモール?もさることながら,駅の外もオフィスビルが林立しており,おのぼりさんオーラ全開の私は,ポケットマップとにらめっこしながら,目的地のマンションへ向かって歩を進めていきます。
今回私に課せられたミッションは,そこに相手の生活実態がある(のに訴状を受け取らない)ということを判明させるための調査です。
問題のマンションはかなり築浅の物件ということで,嫌な予感はしていたのですが,セキュリティー万全のオートロックの入口でした。
中に入らないと調査すらおぼつかないところですが,ちょうど宅配便のお兄さんが中に入っていこうとしていたので,一緒に入っていくことができました。
この時点で,その日の運は使い果たした気がします。
中に入ってまず,1階にある集合ポストに向かいます。
ポストをのぞいてみると,チラシと思しきものが少したまっているようでしたが,チラシは空き家にもポスティングされているので,これだけでは生活しているかどうかよく分かりません。
よく分かりませんが,一応カメラに収めておこうとカメラを構えていると,誰かが近づいてくる足音が聞こえてきたので,慌ててその場を離れてやり過ごします。
次に,ガスや電気のメーターが動いているかどうか調べるため,問題の部屋の近くまで来ました。
しかし,問題の部屋は通路の一番奥の部屋で,通り過ぎることができないため,いきなり人が出てきたらと思うと,近づくのに躊躇します。
意を決して近づいてみましたが,部屋の隣にはメーターはありませんでした。
地下にも回ってみましたが,いくつも鉄の扉が並んでいるだけで,無暗に開けまわっていると,不審者と思われる(既に不審者ですが)ので,断念します。
いったん外へ出てみると,物件管理者や不動産屋の張り紙があったので,問い合わせ先を確保するために写真をパチリ。
しかし,結局はインターホンを鳴らさないと始まらないだろうということで,重い腰をあげて,問題の部屋のインターホンを鳴らすことにしました。
応答なし。なぜかホッとします。
しかし,これで終わるわけにもいかないので,情報収集のため,隣の部屋のインターホンを鳴らします。
ほどなく,若い男が応答しましたが,予想通り露骨に不審者扱いで,「何の用なんですか?」「忙しいんでね,帰ってください」と挙句切られてしまいました。
世の飛び込みの営業マンは,このような経験を数知れずくぐり抜けてきているのかと思うと,頭が下がる思いです。
どうしたものかと途方に暮れながら見上げたところ,問題の部屋の窓際に,日用品や雑貨が置かれているのが見えます。
これこそ,居住していることの動かぬ証拠ということで,喜んで写真に収めておこうとしたのですが,カメラのズームに限界があるようで,はっきりと撮影できません。
困ったところでしたが,一案を思いつき,近くのマンションの同じ高さにのぼって,通路から部屋の窓際を写真撮影することにしました。
このあたりで調査は尽くしたということで,撤収することにします。
やり過ぎとも思われるかも知れませんが,東京まで何度も足を運ぶことはできませんから,後で追加調査しろなどと言われないように,どうしても調査は念入りになります。
ミッションを遂行した私は,早々に頭を観光モードに切り替えて,上野方面へ立ち去っていったのでした。