喫茶店にて  がりは

  • 2017.11.25 Saturday
  • 18:31

「ヒサシブリだな!」
喫茶店で書き物をしていたところ、大柄な男が断りもなく私の目の前の席に座った。
もちろん、アリだ。
アリ・ホッグァーだ。
「くだらなくて報われない書き物をしているのか。あなたも懲りない人だ。おお、かわいそう。」
―誰かと思えばアリさんじゃないですか。ヒサシブリの友人に対する態度とはおもえませんね。思慮深いあなたらしくもない。誰がかわいそうなんです?
「才能のかけらもなく、私の語ったことをただ記述するだけのあなたもある意味でかわいそうだが、私にはカンケイナイネ。」
―日本では絶滅した柴田恭平の物真似をなぜ!
「かわいそうなノート。かわいそうな万年筆。かわいそうなそれを作った人。随分手の込んだノートと万年筆じゃないか。」
―お目が高い。この万年筆は丸善で手に入れた一点物です。京都の漆器職人の手によるものです。ゴテゴテしているように見えますがすっと手になじみます。このノートは友人の和紙職人が漉いてくれた和紙を、友人の革職人が鞣した革を表紙にして、友人のアーティストが製本してくれたものです。
「かわいそうに。」
―笑ってられるのも今のうちですよ。そういうあなたのノートとペンはどんなものなんです?
「無印のノートにゼブラのボールペンだ。」
―何か理由はあるんですか?こだわりが。
「このなんでもサービスとして享受できる時代にあって、すでにペンも紙もサービスなんだよ。所有は古い。持たずに使うんだ。持つことによるコストを払ってまで自分だけの物にこだわるほど私の手は不器用じゃないから。アジャストできるから。多少使い勝手が悪くてもどこにでもあって使い勝手が変わらないものを選ぶんだ。コウボウもホッグァーも筆を選ばず。器用だからな。」
―どこにでもあって?
「あるじゃないか。コンヴィーニエンスストアという名のクラウドに。日本はクラウドを早くから実生活に取り入れている。ユニクロやしまむらというクローゼット、コンビニという冷蔵庫兼タンス、銭湯という風呂、全部クラウドじゃないか。最近はなんでもアマゾンで届くしな。」
―ははあ。そういう言い方もできなくはないですね。
「所有するということの意味の変化が早く到来したのが日本だ。そのせいで思考までアウトソーシングしてるようにも見えるがな。特に君を見ていると。」
―アリさんほど暇じゃないのでアリさんほど考えていないかもしれませんが、思考までアウトソーシングしていませんよ。
「私が言っているのは思考のアウトソーシングの善悪ではない。今何かわからないことがあるとどうする?そう、検索だ。ググレカスだ!そしてクズどもが書いたウィキペディアを読んでわかったつもりになるんだ。考えない、辞書を引かない、調べない、インタビューしない。それはともかくとして誰もがアウトソーシングしているんだよ。そしてそれに自覚的かどうかは大事なポイントなんだ。ワカリマスカ??」
―そんな大きな声を出さないでください。そして座ってください。わっかりますわっかります。
「あの相談室、くだらないな。本質的なことから逃げいている。向き合うべきことから逃げているといってもよい。」
―読んでいるんですか?
「当然だ。あなたが書いた私のインタビューも読んだ。よくまとまっていると思ったら私の話した通りだった。さすが私。」
―自分が話した通りだ、と思ってもらえたならそれはインタビュアー冥利に尽きます。あの原稿も大変でした。
「決められたレールを決められた速度で走っただけなのに何をそんなにつらそうにするんだ。美しい日本語で声に出してあげたじゃないか。クイーンズイングリッシュでもフレンチでも最近君がちょこっと使っているスペイン語でもいいぞ。はは、トランキーロ!!日本語で続けようか。」
―声が大きいんですよ。ここは私が落ち着いて物を考える時に使う場所で、出入り禁止になりたくないんです。
「こういうのはどうだ。アリさんが斬る現代ニッポン。あのサイトには時事問題を扱う記事が少ないな。私ならガイコクジンだからキャラが立っているだろう。ニッポン人ならオチャヅケやろ!!」
―そう言われてみたらラモスに似てなくもないですね。
「日本に来て一番ショックだわー。ドーハの悲劇よりもショックだわー。」
―やっぱりラモスに寄せてるじゃないですか。毎回思うんですけど、誰から日本語とか日本のカルチャー習ってるんですか。
「カズ。三浦カズ。」
以下どうしようもない物まねが続くので割愛。
彼もふさけていないとやり過ごせないような日がたまにはあるようです。

試合後のバックステージインタビュー  がりは

  • 2017.11.20 Monday
  • 00:00

が!り!は!が!り!は!

東京ドームを揺るがす大がりはコールの中、花道を引き揚げて来たがりは。

陽気なキャラクターの彼が一歩バックステージに入ると少し視線を落とした。

おめでとうございます!

と関係者から次々にかけられる言葉に珍しく目立った反応もしない。

会見場に着くまでの100mほどの道のりをゆっくり踏みしめて、大量のフラッシュがたかれる会場に入った。

入るなり用意されていたパイプ椅子で若手をこっぴどく叩き、机を蹴り倒して吠える。

「なにか聞きてえことあるのか!!」

―テーマコンテストのベルト奪取、おめでとうございます!

「この状態でよく聞けたな!それだけは褒めてやるよ!でもよ、カエサルの物はカエサルに、がりはの物はがりはに。あるべきものがあるべき場所に戻っただけだ。なにがめでたい?」

―なぜ、そんなに怒っていらっしゃるんですか?

「わからねえのかよ。今回の相手、強かったよ。正直、ヤマブキのも良かった、ヤマブキのはトラックの方もテーマに入ってたらイカれてたかも知れねえ。Xのも普通は獲るんじゃねえか、あれが。テーマ運動会だろ、ちょっとズレたところの王道、読者好きのするチョイスだよな。あれ読んで書くのやめた奴もいるだろうよ。初めは骨太の運動会批判を用意してたんだよ。でも二本読んでさ、おれも小説で行きたくなったんだよ。得意じゃねえよ、でもああ来られたら俺も行かざるをえないじゃん。」

―それはなぜですか。

「お前、頭ついてんのかよ。記者なら頭使えよ。聞けば答えてもらえると思ってんだろ。もう一回小学校からやり直して対話的で深い学びをしてこい!」

―わかりません!教えてください。

「食いついてくるのかよ。根性あるじゃん。殴ってきたらよけずに受けて殴り返す、全てを受けて立つ、それがストロングスタイルだからだよ。」

―小説で戦って勝利した、なぜ怒ってるんでしょう。

「考えて物しゃべれよ。目の前の人が怒り狂ってます、なぜか聞いてみます、てんじゃ記者じゃねえよな。推察して。」

―忖度しろってことですか。

「そんなこと言ってねえだろ。ぺしゃんこにすんぞ。」

―パワハラ反対!

「冥途の土産に答えてやるよ。前回のチャンピオンは今回どうしたんだよ!!外のタイトルの方が獲りやすそうだからってサボってんじゃねえのか?白旗上げるならはっきり上げろよな。お前が出てこないと予選みたいに見えちゃうだろ、読者の皆さんからすると。」

―ははあ。そこですか。

「9月と違って今回は少数精鋭だったよ。でもさ、もっと評価されていい戦いだったと思うんだよ。それが俺たちのせいじゃない部分で、むしろブッキーとXのが良かったせいで前回王者が出なかったことで、評価が割り引かれるのは頭に来るんだよ。」

―えー、そんなこと考えてる人いませんよ。さっさと来月のテーマ発表してくださいよ。

「カメラないところで一回話しような、お前な。じゃあ次のテーマ出してやるよ。『カイジュウ』でいこうぜ。ただし五百字だ!」

―その条件ではがりはさん負けてた気が・・・

「俺は負けず嫌いなんだよ。五百字で負けたら五百字で返すよ。ゲーム性が高い奴で負けるのは癇にさわるんだよ。」

―カイジュウというテーマにはどんな意味が込められていますか。

「漢字で『怪獣』ってんじゃねえんだよ。その辺から普通に読み解いてくれよ。頼むよ。他、なんかあるか?なければ帰るぞ。」

 

がりははベルトを腰に巻かず、肩にかけて控室に消えていった。

来月、あの男はテーマのリングに立つのだろうか。

 

 

【テーマ】借り物競走  がりは

  • 2017.10.31 Tuesday
  • 12:00
日曜の子供の運動会を見に行って、代休の子供はぐっすり寝ている月曜日。
いい気なものだ、今年の運動会も終わりだ、俺はかれこれ運動会に何年参加してないのだろうか、と思っていた俺の耳元で
「よーい!」
誰かが大声を張り上げる。
受ける暇もなく耳がきいーんとなる。
「ドン!て言ったらスタートな。」
おっさんの声だ。
右肩に小さなおっさんが乗っている。
赤地に白の2本のラインが入ったジャージを着て、下はピタピタで股間がもっこりするほど上に引っ張っている。
スポーツ刈りで四角い顎に髭が青い。
「よーい!」
俺は何のレースに参加するのだ、と頭を素早くめぐらす。
そうか、借り物競争か?
「ドン!」
言われた瞬間に走り出す。
自分の部屋に入りながらパジャマを脱ぎ、アーガイルの靴下、薄い黄色のワイシャツ、こげ茶のスラックス、エンジのネクタイ、濃紺のジャケット、左手にハミルトンの馬蹄型、マッキントッシュのくすんだオレンジのコートを身に着けて部屋を飛び出す。
そういえば会社人生は障害物競走のようなものだしな、と。
権威を借り物競争している奴らもいる。
はは。
玄関に用意してあった茶色の皮のトートバッグを左手で拾い上げながら、定期券、財布、ケータイ、鍵を右手で集めて靴を履く。
鋭いホイッスルが鳴る。
「しまった!」
妻と二人の子供に行ってきますのキスをするのを忘れていた。
忘れられたのを察知したのか下の子がキスをさせてくれない。
半ば強引におでこに刻印すると今度は首ったまにかじりついて放してくれない。
妻の人形遊びによるアシストでようやく解放され、ようやく靴を履き、家を出る。
「行ってきます!」
アパートの階段を駆け下り、ごみ捨てに出てきた一階の奥さんにも挨拶を忘れず外に駆け出した。
ピッピ―!
再びファウル。
ごみ捨ては俺の当番だった。
腐っても仕方ない。
肩のおっさんの顔は厳格さを増している。
階段を駆け上がり、家のドアを開けると妻がごみをまとめておいてくれた。
「ありがとう。あいしてる。」
ときつく抱きしめて、二つのごみ袋を手にして再出発。
視界の左上にせわしなく動くラップタイム表示が。
次の関門まで五分を切っている。
それはきっと徒歩十分の場所にある駅で乗るいつもの電車なのだろう。
俺は何人もの人を置き去りにし、いくつかの信号を無視して(これはファウルにならなかった。)駅の階段を駆け上がり、何とか乗ることに成功した。
左上のラップがまた五分。
次は二駅先のターミナル駅での乗り換えか。
しかし五分ということは階段を2本駆け上がって運が良ければ乗れるあの電車に乗れというのか。
おっさんを見ると力強くうなずいた。
お前誰だよ。
汗をぬぐいながら息を整える。
階段に最も近い戸口に移動しなければ。
満員の車内を移動するわけにもいかず、駅に止まったタイミングでホームに降り、戸口を移動した。
するとやはりというべきか、そこはすでに押しくら饅頭状態で、すでに車体から人がはみ出ている。
鞄を肩にかけた俺は雄たけびを上げながら両手を広げてでかい饅頭に突進した。
一度目は跳ね返されホームに転げた。
二度目は重心を下げ押し込んだのだが饅頭の反感を買ったのか先ほどよりも強い力で弾かれた。
発車ベルが鳴り終わりかけたラストチャンス、饅頭と饅頭の間にソイソイソーイと掛け声をかけながらスライドして入っていくと何とか入り込むことができた。
おっさんはそっぽを向いている。
ターミナル駅まであと1分50秒。
ドアが開いたら中央に近い右足を出し、車内から押し出される圧力を利用して加速、二番手で階段を上がり、二つ目の階段の後半で、電車から降りてくる群れに呑まれる一番手を交わす形で俺がトップに立つ、とシミュレーションを重ねる。
隣の若者の肘が痛い。
業腹だがこいつを先に行かせるか。
みなの息が整いつつある。
列車がターミナル駅に進入する。
ホームでは人がごった返している。
全員が俺を止めようとしている。
止められるなら止めてみろ。
電車が止まる。
エアーが抜ける音がする。
残りは26秒。
ドアが開く。
おっさんが笑う。

MVP獲得会見(上)  がりは

  • 2017.10.23 Monday
  • 00:01

どうも、MVPのがりはです。

連覇できるなんて微塵も思っていませんでした。

余計なことを考える暇もないくらい、創作に没頭しておりましたもので。

大変嬉しいです。

今はたりきさん、Indigoさん、ヤマブキさんと月間6作品以上書く方が増えて来て、ただ本数を書けばいいという時代ではなくなってきました。

一番本数を書けばMVPに近づくのは確かなのですが、今回の投票でも私とたりきさんが二分したわけでもなく、他のファクターが評価されるようになってきたように思います。

MVPの意味が深化してきたことを実感しています。

(参考:これは2010年にMVPを逃した私が書いていたことです。)

 

初めて最優秀を獲れたアールグレイさん、おめでとうございます。

嬉しいですよね、最優秀作品賞。

最近どんどんハードルが上がってますしね。

12月の振り返りの中で気に入ったのは偶然にも(15)です。

主―客が揺蕩っている、意味が分からな過ぎていい。

しかも茶の湯とプロレスと接客を並べて論じる。

オリジナリティの塊!

これからも好きなように書いてくれればいいと思います。

私自身は星をつけてもいいと思っています。

ただ、できればポジティブな側面を多く拾ってくれたら嬉しいです。

アクの強い面々ですので、耳の痛い話はどうせ入りません。

良いところを伸ばす形でしか進化しないでしょうから。

 

最優秀連覇のマルーンさん。

素晴らしい。

素晴らしいよ。

こんな素晴らしい景色が見られるなら山に登りたいよ。

でも、幼き子を二人抱えていると・・・彼らが山登れるようになったら高尾山か鋸山から登ってみるよ。

そのうちアルプスのどこかであれ?なんてことがありますように。

 

今月、最優秀作品も獲れたのは僥倖に過ぎません。

アリさんに言わせればあれはほとんどアリさんの作品ですしね。

インタビュアーとしての私の力量も少しは評価してほしいものでありますが。

積極的に最優秀作品とテーマをダブルで獲りにいった「つきをつかまえろ!をつかまえろ!(1)(2)(3)」は見事に空振りでした。

どういうことなんでしょうね。

うべべの作品は完成度が高かったですが、テーマに沿った度では私の物の方が。。。

あれはあれで面白かったと思うのですが。

策に溺れた感はあります。

テーマも制していれば3冠達成できるところだったのにと悔しい気持ちでいっぱいです。

でも私にとっては悔しさは収穫でしかないので、また今日も明日も明後日も頑張っていこうと思います。

痛めている右膝が壊れないように、管理しながら。

この作品はマルーンさんの力作をさらに上の次元に押し上げる好手だと思い、お互いの評価を高めるであろうと思って書いたのですが、話題になりませんでしたね。

せっかくPスポに取り上げてもらったのですが、むしろそれが・・・いえ、なんでもありません。

マルーンさんからも苦情を頂き反省をしています。

次はもっとしっかり踏んで高く飛んで見せることを誓います!

MVP獲得会見(下)  がりは

  • 2017.10.23 Monday
  • 00:00

ということで今回のベストコメント賞はマルーンさんの

一つのことをやり遂げると言うことは、とても大変なことだからです。私はアールさんのお褒めの言葉にとても励まされましたけれど、それをアールさんにお伝えする機会を持たなかったことを、私の力不足として、口惜しくまた寂しく思います。

にしたいと思います。

アールの仕事はもう少しポジティブに評価されても良いと思っていたので、それをうまく代弁して頂いたなと。

 

雑兵日記PREMIERは2016年11月5日から毎日更新されています。

これは過去最長であり、きっとこれからも毎日更新されていくでしょう。

以前のことを思えば、これは当たり前のことではありません。

ましてやMVPをもらった私だけの努力でできたものではありません。

最近土日を独壇場に変えつつあるたりき、つい最近0票だったけれどMVP戦線の常連・スタンダードとなったMr.Indigo、長編連載での安定供給と質の向上を実現しているMr.ヤマブキ、シェアされると100人単位で読者を連れて来る人気作家Mr.マルーン、寡作だけどPREMIERの外のリングで暴れているうべべ、PREMIERの「再放送」を地道に続けてくれているMr.アールグレイ、もちろん書けば賞を持っていくMr.ホワイトや地道に腕を上げてきたMr.X、ゆらりと復活してきたへうげものMr.Pinkなど多士済々です。

本当に嬉しいです。

葉山悟を思わぬ形で失い、数か月後PREMIER自体が危機に瀕しました。

投票ができないほど作品数が減り、活気が失われました。

読者も離れ、私の気持ちも折れかけました。

(参考:マグリットと不在 Mr.ヤマブキ 

それでももう一度やり直す決心をし、みんなに支えてもらいながら進めてきました。

作品が埋まっていない曜日を私が埋めるという形で私の作品数が伸びていた時代もありました。

それが投票のコメントで「量が多すぎて全部は読めない」と言われるまでになりました。

これはバブルであってまだ実力ではないと思っていますが、その事実を認識するたびにとてもまぶしく暖かい気持ちになるのです。

みんなありがとう。

本当にありがとう。

ここにハッタリストやNIKE、アフリカの精霊、ミッチーなど往年の名選手が帰ってきたらと思うとぞくぞくします。

スカーレットが今何をしているのか、ブラウンやブラックなら今何を書いてくれるのか。

イエローなら何を世の中に訴えるのか。

そしてMr.マルーン以降出てきていない新人にも期待したいところです。

みんな帰ってきて、それでもなお、私がこのベルトを巻いていたならば、今はまだ鈍く光るこのベルトもまばゆく光り輝くでしょう。

それまで、このベルトを巻き続けていたいものです。

最優秀作品賞受賞記者会見にかえて  がりは with A

  • 2017.10.16 Monday
  • 12:00

身長185cmくらい、頭にはターバン、顔の輪郭を覆うように黒いひげがもじゃもじゃ、上半身は浅黒い肌をさらして、使うことで大きくしてきたナチュラルな筋肉を見せつけている。

下半身は白のゆったりとしたパンツを腰紐で引き締め、靴は履いていない。

何より特徴的なのは口にくわえたサーベルだ。

アリ・ホッグァーのことだ。

記者会見に同席してくれとオファーしたところ、こんな格好で来たので会見は今回中止してインタビューの模様をお届けするにとどめる。

レスリングで本人曰く「オリンピック手前のいいところまで行った」という。

生まれはイラン、今の年については笑って教えてくれないが国籍は「今はカナダ」とのこと。

私がアラブの春について書いた記事を彼が読んでコンタクトを取ってきたことがきっかけで、しばらくメールでやり取りしていたが、会って話をするようになった。

仕事は物を考えることだ、と言うのだが、どうやってお金を稼いでいるのかと言い換えたら金は手段であり物差しだ、金を稼ぐために何かをすることは私はない、金など雨のようにどこからか降ってくる、ウゴノタケノコみたいにな!と大きな声を出された。

普段はもちろん上記のような恰好はしておらず、ストライプのはいった紺のスーツを愛用していて、会うときはいつもその格好だ。

長く縮れた髪を後ろで束ねている。

 

―この間のあのインタビュー、あるサイトで賞を取りました。ありがとうございました。

 

そうか。インタビューのコンテストか?あれはほとんど私が話して、あなたは文字起こししただけだ。その賞は私のものだ。

 

ー日本語にするの大変なんですよ。でも、まあ、ありがとうございました。それはインタビューのコンテストではなくて、千字くらいのテキストを書いて、一番良かったものに投票するんです。

 

投票?そういえば日本も投票の季節だな。お前も投票するのか?ほう。何党にいれるんだ?

 

ーそれは言いません。

 

そんな名前のパーティーがあるのか?さすが日本、変わっているな!

 

ー自分がどこに投票するかなんて、なかなか口に出さない文化なんですよ。

 

え?何を目的に投票してるんだ?

自分の理想の国の形に近づけるためにやってるんだろう?

一人でも多くの人を説得してより良い政策を実現できるような投票行動を促さなくてどうするんだ。

駅前で立っている政治家、車でわーわーとわめいている政治家に議論を吹っ掛けたことがあるか?

吹っ掛けなくてよく投票先が選べるな。

君は議会制民主主義を完璧に誤解しているぞ。

それはそんな機会すら与えられなかった我々からすれば甘え以外の何物でもない!

 

ー上半身裸でサーベルくわえてるくせによくもまあそんな立派なことを言いますね!

 

だってすっきゃねん!めっちゃすっきゃねええん!


―なんでいきなりたかじんなんですか。


これはウケないのか。日本人は難しいな。


―あなたの日本語のコーチは誰なんですか。


(無視して)

政治家だって君と変わらない人間だ。

みんながよい議論を普段から積み重ねて、そのエッセンスが彼女や彼に入るようにしなければ、議会制民主主義なんて独裁よりたちが悪い。

今の政治を見てみろ、アベがボスの党はアベと同じことを言わなくてはならない、コイケの党はコイケと違うことを言えば排除される、議論の余地がない、排除された人、それを応援している人のことは虐待すると言わんばかりだ。

真のリーダーであれば自分の意思決定で不利益を被るかもしれない人に対してこそ配慮しなければならないのに!

あれは彼らの魂の濁りの象徴であるとともに君たちが普段から議論を積み重ねてこなかったことの象徴だ。

真剣に議論していれば蔑ろにしたらどうなるか、馬鹿でもわかる。

あの最高で最低の帝国ですらここまで腐っていない!

私はバラク・オバマのことももちろんあの低能パート2のことも決して許していないがな!

で、君が賞をとったそのサイトでは議論は活発なのか?

中身の話、それを表現するテクニックの話、順番の話なんかもあるだろう?

 

ー正直、そこまで活発に議論があるとは言えません。

 

じゃあ君のその粗末なインタビュアーとしての能力も、私の卓越したインタビュイーとしての能力も正当に評価されず、どこを修正したらより良くなるのかも示されないのか。

確かに、君の内なる神と対話することでしか、究極的には成長はもたらされないとは思うがね。

日本にはヤオヨロズの神がいるんだろう?

皆の内なる神の意見を持ち寄ったほうがいいんじゃないか?

三人寄れば文殊の知恵なんだろう?

 

ーご意見ありがとうございます。そういえば三人の方が我々の作品に投票してくれました。

 

おお!!ぼうけんのしょとぼうぜんが受けたんだな!ハハッ!!選んだ奴もセンスがあるな。

 

ーそこじゃなかったんですけどね。。。

 

そろそろ寒いから帰るよ。ちゃんと議論を積み重ねて思考の強度を保つんだぞ。それは金と違って減らないからな。頼むぞ。


現場からは以上です。

アリさんに聞きたいことがあれば代わりに聞いておきます。コメントでくださいね。 

NewsPREMIER  がりは

  • 2017.10.06 Friday
  • 00:00

NewsPREMIERのお時間です。

本日も私、がりはが雑兵日記PREMIER9月の主な動きをお届けします。

MVP投票のガイドになれば幸いです。

 

早速インデックスです。

1.盤石のシステム、依然健在

2.テーマ「ツキ」が大混戦

3.Mr.アールグレイの2016年、とうとう終わる

4.たりき久々の的中

5.ほとばしるMr.ヤマブキ

6.Mr.Pink静かに復活

 

1.盤石のシステム、健在

 

たりき、がりはがともに13本で譲らず。

Mr.Indigoがすり減ってもMr.ヤマブキが堅調に支え、4人で52本中40本書いています。

実に素晴らしい。

 

 

2.テーマ「ツキ」が大混戦

 

ここのところ参加者が少なかったテーマですが、今月は7人のバトルロワイヤルになりました。

正統派できたIndigo・アールグレイ・たりき・うべべ、ひねってきたヤマブキ・マルーン、メタでやってきたがりはと多士済々。

これだけ楽しめるテーマも久しぶりですね。

いつもこうだと良いのですが。

荒れた時は力の抜けた小品、というのはPREMIERの格言ですが勝負の行方や如何に。

 

3.Mr.アールグレイの2016年、とうとう終わる

 

一言、お疲れさまでした。

2017年のスタートが待ち遠しいです。

 

4.たりき久々の的中

 

夏競馬、このまま当たらないんじゃないだろうか、とハラハラしていましたが意地の的中で配当も良く、スマッシュヒットになりました。

G1初戦も当たりましたし、これからにますます注目です!

 

5.ほとばしるMr.ヤマブキ

 

鉄の海がどんどんその迫力を増し、物語の恐ろしい部分にどんどんと踏み込んでいきます。

それでいながら毎月2本の新作を出すのはすごい仕事量です。

正気と狂気のバランスをPREMIERで取っている男、それがヤマブキです。

 

6.Mr.Pink静かに復活

 

しばらく遠ざかっていたMr.Pinkが帰ってきました。

格調高さという武器を携えて。

 

 

以上今月の動きをまとめました。

雑兵日記PREMIER、9月度の投票は10月9日締切、投票箱はこちらです。

NewsPREMIER、お相手はがりはでした。

それではまた来月お目にかかりましょう。

さようなら。

【テーマ】つきをつかまえろ!をつかまえろ!(1)  がりは

  • 2017.09.30 Saturday
  • 00:22

Mr.マルーンの名作「つきをつかまえろ!」をもう読みましたか?

素晴らしい。

それに「尽き」ますね。

もうね、9月のテーマコンテスト、間違いなし。

だけど、だけどね、本当にみなさんにマルーンさんのこの作品の良さが届いているのかなあ、という不安がないわけではない。

なのでおせっかいながら解説を書くことにしましたよ。

みなさんはいくつツキを見つけられましたか?

 

9月のお題が「ツキ」と聞いて私は残念な気分だった。10月であれば、美しい中秋の名月を撮影しに行ったのに。
天気も良くないし…「ツキ」がない。なんちゃって。

 

冒頭の二文でもう三つも違う意味の「ツキ」を入れて来てやがらあ!

10月・・・

言わずと知れた日付を表す「ツキ」

中秋の名月・・・

それに浮かぶ「ツキ」。その中でも特別な月ですね。今年は10月4日らしいですね。旧暦8月15日のお月様。ススキにおだんごをお供えして。

「ツキ」がない。・・・

幸運という意味の「ツキ」。ツキがない、というよりはツイてないと使われることが多いですが、テーマに合わせてきました。


とはいえどうしようかな、と空を見上げて考えていると雲がすっと切れて満月がポロリと顔を出した。コロコロ転がっていく。
あっと思っているとウサギたちがその満月を手に取って卓球を始めた。片方がスピード感のあるサービスを出すとよく切れたツッツキでレシーブしている。
なんだこりゃあ、と思っていたらすぐに飽きてしまったのか今度は玉突きを始めた。10個に分裂増殖した月が小気味よい音を立ててはじけ飛ぶと、台から一つ転がり落ちた。

 

第二パラグラフでは暗喩!がたくさん出て来て、「ツキ」だらけです。

マルーンさん、さすがです!

満「月」・・・

月の中でも一番丸い「ツキ」。話を転がすために球を強調してきました。

ウサギ・・・

月とニコイチで連想されることも多い隠れた「ツキ」。

餅「ツキ」・・・

書いてないけど月とウサギが出てきたらそのウサギは餅つきしてるんですよ。満月をよくごらんなさい。ほら、見えるでしょ。というこれも隠れた「ツキ」

卓球・・・

え?これがツキ?と思われるでしょう。世界卓球2017の公式球には☆が三つ。星と言えば月ですよね。名作漫画「ピンポン」でも主人公は星野と月本。こんなところにも隠れた「ツキ」。

ツッ「ツキ」・・・主に相手の下回転サーブに対して(普通に打つと下に落ちてしまう回転)ボールの下側をパンにバターを塗るようにこするレシーブ方法。スピードのある下回転サーブを出すのは結構難しい。という「ツキ」。

玉「ツキ」・・・

ふつうはビリヤードと呼ぶ競技。ここもテーマに合わせてきます。ちなみに10個に分裂した月・・・ナインボールというゲームをプレイしていると思われます。

【テーマ】つきをつかまえろ!をつかまえろ!(2)  がりは

  • 2017.09.30 Saturday
  • 00:21

ころころ転がるそれを追いかけていくと一面にちらばったくっつきむしの上を転がったひょうしにくっつきまくってトゲトゲの塊になってしまった。
持ち上げようにも素手じゃもてない。いてて。
仕方ないので分厚いゴム手袋を持ってきて、いがぐりみたいになってしまったそいつを手に取る。やっと月が私のものになった。フフフ、とほくそ笑むも見た目には月とは似ても似つかない。がっちりと絡み合ったくっつきむしは全然取れないので困惑しながら手でもてあそんでいると軽薄なパツキン男が話しかけてきた。ホテル?行かない。喫茶店?行かない。

 

くっ「ツキ」むし・・・

オナモミのこと、と書こうとしたら何種類もの植物の実の総称なんですね。それが一面に散らばっている状態って絶対人為的な状況ですね。地面に転がっていたら動物にくっついて拡散したいという彼らの本懐は遂げられないわけですから。誰がやったんだ!そして、山でたくさんの植物を愛でているマルーンさん、どのくっつきむしを想定してるんでしょう。

くっ「ツキ」まくって・・・

玉突きに使われていたようなつるつるの月にどうやってくっついたのか。私はね、これ引力だと思いますね。

やっと「ツキ」が私のものに・・・

月を手にしたマルーンさん。どんだけ巨大になっちまったんだ。

「ツキ」とは似ても似つかない・・・

我々は実は月の裏側を見ることがありません。月の自転周期と公転周期がほぼ一緒だからですね。本作ではくっつきむしのせいで見た目が変わっている月ですが、いつも見ていない面を見た時に私たちはそれを月とわかるでしょうか。

ほくそ笑む・・・

ほくそ笑んだ人の口の形、知ってますか?そう三日月形ですね。見落としがちな「ツキ」。

がっちりと絡み合ったくっ「ツキ」むし・・・

くっつきむしは基本的に放射状にいがいががついているので、くっつきむしどうしが絡み合うことはあまりないと思うのですが、そこは引力でカバー。

パ「ツキ」ン・・・

ぼうっとしていると見落としてしまいそうです。金髪と書くところパツキンでテーマに合わせにきます。ホテル→喫茶店の順で誘ったのがダメだったんですかね。初めから喫茶店だったら意外といけたりして。あると思います。

【テーマ】つきをつかまえろ!をつかまえろ!(3)  がりは

  • 2017.09.30 Saturday
  • 00:20

つきまとわれて面倒だったのでむーんぷりずむぱわーめーいくあっぷ!からの円月殺法からの鮮やかなムーンサルトプレスで昏倒させたのちくっつきむし付き月を秒速1.022kmで投げつけてこの上なく晴れやかな気分で立ち去った。
気が付いたらすっかり雲が晴れて、見上げる空にはまん丸な月が浮かんでいる。
うん。いとつきづきし。あ、これは冬の朝に使うのだったかな。
じゃ、そろそろネタがツキたので、つづきはまた今度。

 

「ツキ」まとわれて・・・

いつもまわりにいること。なぜか悪い意味で使われてばかり。「そばにいるよ」と言っても「つきまとうよ」と言っても意味は同じじゃないかと思うんだけどな。

面倒・・・

メン!ドウ!ときたらもちろん「ツキー!」。本当に芸が細かいマルーン先生!

「むーん」ぷりずむぱわーめーいくあっぷ!・・・

セーラームーンの変身の呪文。むーんが「ツキ」。

円「月」殺法・・・

眠狂四郎の必殺剣。眠狂四郎と言えば市川雷蔵の当たり役ですが、田村正和もテレビで演じていました。パパはニュースキャスターや古畑任三郎で観ていた田村正和からは考えられないキャラクターです。

鮮やかな「ムーン」サルトプレス・・・

プロレスでコーナーポストにリングに背を向けて上り、リング内で寝ている相手に向かって宙返りをしながらボディプレス。体操のムーンサルトとは違う。初代タイガーマスクが披露した時には「ラウンディングボディプレス」と呼ばれていたが、90年代に武藤敬司がアメリカから凱旋した時に、実況の古舘伊知郎によって名づけられました。180cm100kgを越える大男がくるりと宙返りをして降ってくる華のある技です。

くっ「ツキ」むし「ツキ」「ツキ」・・・

終盤になって畳み込んできます。

秒速1.022km・・・

「月」の公転速度ですね。マルーンさんすごく肩が強い。

まん丸な「ツキ」・・・満月ということはこれが書かれたのは9月6日でしょうか。

いと「ツキ」「ヅキ」し・・・

投げつけた月はパツキンに当たらず公転軌道に戻ったんですね。良かった良かった。冬の朝に使っていたのは清少納言ですね。私は兼好法師の方が好きですが。

ネタが「ツキ」た・・・

またまた、ご謙遜を!

つ「ヅキ」・・・

最後の最後まで緩みなく叩き込んできました。

 

アールグレイさんに憑いてもらって、丁寧にマルーンさんにつきまとってきましたが、精魂尽き果てましたので眠りに就きたいと思います。

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>

カウンター

ブログパーツUL5

twitter

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM