女王様のブランチ  Mr.アールグレイ

  • 2018.11.19 Monday
  • 00:00

新入社員と意見交換のランチをすることになりました。

意見交換と言っても、おそらく部長という生き物がどんなものなのか知り、それが自分たちの地続きに存在するものだということを実感したいということなのだと思います。

普段は店舗にいる子たちで、本社での研修の一環として私とのランチが設定されたみたいです。

嫌ですよね、そんな義務的な食事。

 

私は今の会社に入った時には部長でしたので、この会社で働いている人にとって部長がどう見えているのかよくわかりません。

どう見えているのかしら。

荒野に咲く一輪の薔薇のように見えるのかしら。

夜風が冷たいの、なんて。

私の周りのスタッフはみなファッショナブルで美男美女が多いので、私はひっそりと咲く月見草。

肉食獣を想像していた諸君は拍子抜けするかもしれません。

 

初めにいた会社では部長は戦艦みたいに見えました。

戦艦の周りに何隻かチョコチョコした船がついていて、昼ご飯にいくにも一人じゃ行けないんだ、かわいそうな人だなあと思った覚えがあります。

 

次にいた会社は部がなくて(ベンチャーだったので)、仕方なくみんな○○責任者という肩書でした。

テナントで入っていたビルの守衛さんに「セキュリティ監督責任者」の名刺を作ってお渡ししたのも良い思い出です。

「人生で一番偉い肩書をもらっちゃった。」

 

その次にいた会社では私のポジションがマネージャーだったこともあって、部長に仲間意識があり、人間として付き合うことができました。

私とはタイプの違う方だったので丸々参考にはできないのですが、それでも問題に対する向き合い方などは真似ています。

 

オーガニックフードのビュッフェレストラン。

なぜ懇親の場にビュッフェを選んだのか、幹事の見識を疑いますが、私が普段食べに行っているレストランの情報を収集していたのかもしれません。

こういう場で下世話な雰囲気、意識的に世話焼きおばさん的な振る舞いをして、何となく雑然とした空気を作れる先輩を一人知っていて、常々うらやましいなと思っています。

私は無口な方ですし、口火を切るのも苦手。

席を立って自分の食事を用意をしなければならないビュッフェを選んでしまう幹事なので当然話の段取りもなく、席もどう座っていいのやら様子をうかがいながらスマホで席取りをし、銘々で盛りつけた皿を持って座って、さて、という空気になりました。

さて憧れの先輩の真似をして私も下世話な空気を、と思ったのですが皆手はお膝で首から上だけ私の方に向いています。

アルカイックスマイルで。

仕方がないのでいつもと同じように目を閉じ、手を組み、感謝の祈りを捧げ、目を開けて「いただきます。」と言いました。

みんなも続けて「いただきます!」と言ったあと一瞬間が空いて、笑いが起きて和やかな場になりました。

 

その場で「良かったら、この二年くらいで知った好きな言葉を教えてくれませんか。」とお題を振ったら、「青春かよ。」という言葉と「尊い」という言葉の使い方を教わったので、今後機会があったら使ってみたいと思います。

なかなか良いランチになりました。

【三題噺】さようならヤマブキさん  Mr.アールグレイ

  • 2018.11.02 Friday
  • 18:58

「それでは乾杯の御発声とどうか祝福のスピーチをお願いいたします。」

スポットライトが当たる。
全く聞かされていない。
私の座っているROSEの卓は高砂からみて右側の2列目、新郎側友人席だ。
乾杯の御発声をする人が座る場所ではない。
そもそもヤマブキさんと関係の深い人は私などよりも多くいるはずで、乾杯の御発声にふさわしい人もいるはず。
高砂の前のORCHIDの卓に座っているハッガリーニ編集長など適任だろう。
ホワイエで飲めない酒を飲んで真っ赤になってるようじゃダメか。
重鎮感で言えば同じくORCHIDに座っているインディゴさんがいるし(ハンサム☆)、TPOをわきまえず上半身裸のがりはさんも会見慣れしているからきっとスピーチで盛り上げるだろう。
でもこれは余興向けか。
安定感ではたりきさん、素朴で簡潔なスピーチは胸を打ちそうだけど、華やかな雰囲気が出るかどうか。
マルーンさんは華やか。
でも乾杯のあいさつということになると少し若さが先に立つような。
あんなふわふわのドレス着てかわいらしい。
Xさんは新郎より年下かな。
多足類の研究者だしこの人のスピーチ聞いてみたいな。
多足類ジョークとか炸裂するんだろうか。
あれ、あの全身黒ずくめの人、アールグレイさんか。
魔女を通り越して魔ですよ、魔。
でもやっぱりここはあのホワイトさんをおいていないでしょう。
口からこぼれた瞬間から言葉がキラキラと光る雪の結晶となって足元に降り積もるというホワイトさん。
かっこ良すぎる。
私の博物館にも欲しい。

気が付くと会場の人たちの注目を一身に集めて私は立っていた。
とにかくまぶしい。
いつの間に私はここに移動してきたのだろう。
ヤマブキさんと奥さんが立ったまま私のことをにこにこと見ている。
話すべき言葉、話すべき言葉、話すべき言葉。

「話しても、よろしいでしょうか?」

出てきたのはそんな言葉だったが、会場の空気が緩んだ。

無茶ぶりであることを明かしてハードルを下げるのは見苦しいと思っていた。
頭の中をめぐるのは「なぜヤマブキさんは私に抜き打ちでこの大役を任せたのか。」という問いばかり。
それを抑え込みながら話し始める。

「僭越ながら大役をいただきました。どうぞよろしくお願いいたします。ヤマブキさん、シャンパンゴールドさん、本日は本当におめでとうございます。また、両家のお父様お母様におかれましてもまことにおめでとうございます。」

まだまとまらない。

「私は結婚をしたことがありません。そういう意味で実践的なアドバイスはできないのですが、結婚したいなあと長く思ってきましたので、おそらく皆さんより強く『いいなあ!おめでたいなあ!!』という気持ちを伝えることができると思うんです。うらやましい!!」

しまった。
会場が冷えてしまった。

「結婚について様々なことが言及されています。いろんな人がいて、いろんなことを言います。そこに私が何を付け足せるのか、私がご指名頂いた理由とはなんなのでしょう。頭が痛いので、明るい悩み相談室にでも相談しましょうか。」

少し笑いを誘い、慌ててのけぞったがりはさんにスポットライトが当たったのでもう一度会場は温まり、私は回復することができた。

「早さが自慢の相談室もちょっと難しかったみたいですね。ごめんなさいね。面白い格好してるからつい。さて本題に。人生は一編の小説である、と言った方がおられます。どなただったかわからないので、きっとオスカー・ワイルドだと思います。私はヤマブキさんの書く小説の世界が大好きです。奇想天外な着想、緻密なプロット、秀逸な着地。どこをとっても隙がありません。素晴らしい。」

拍手をして、会場からの拍手を促す。
静まるのを待って。

「彼がわたしを指名したことからわかるように、この今、この場所もすでに彼の作品の中にあります。」

ざわつく場内。

「無駄です。ドアはもう開きません。今この会場は元の世界と切り離され、時空間を漂流し始めました。元の世界に戻る可能性はほぼありません。ね?マルーンさん?」

こくこくとうなづくマルーンさん。

「今日のこのハレの日の美しい姿のままで永遠にいたい、それが新郎新婦の願いです。そうですね?それでは皆様、お立ちください。あれ?お立ちになりませんか?お二人の結婚を祝して大きな声で御発声頂きたいと思います。かんぱーい!!」

私の乾杯が会場に響き渡った。

「発声は高階ぁ、高階でした!!」

それを合図に静寂を切り裂くようなドン!という音がして扉が開き、大音量の結婚行進曲とともに神々しいまでに光り輝くウェディングケーキが運び込まれてきた。
その後ろからは次々に料理が。
意味を理解した人々の安堵が広がっていく。

絶望の淵から生還したのだ。

 

私の役割は終わった。
自分の手が半透明になっていくのを眺め、支えられなくなったシャンパングラスが床に落ちて割れても誰も気が付かない中、ヤマブキさんは私を見てくれた。
ゆっくりとほほ笑みがその怜悧な顔に広がり、私にうなづいてくれた。
お幸せに。
声はもう出なかったけれど、伝わっただろう。
おしあわせに。
 

【テーマ】ドラちゃん  Mr.アールグレイ

  • 2018.10.30 Tuesday
  • 20:10

ドラちゃんはなぜ私のところではなくのび太さんのところに来たのかしら。

私ならあの愚鈍なのび太さんとは比べ物にならないほど上手に四次元ポケットの品々を使ったでしょうし、四次元ポケット抜きの中古のポンコツ青狸ロボットだとしてもかわいがったと思うのです。

私たち良いお友達になれると思うの。

なのに、一体なぜなのかしら。

 

ドラちゃんはなぜ私たち全員にではなく、のび太さんにだけ来たのかしら。

中古の量産型ポンコツ青狸子守ロボットなわけですからのび太さん界隈には配っても良かったのではないでしょうか。

戦力の均衡が平和の条件であることは自明ではありませんが、私たちは仲良くしていつつものび太さんの後ろの暗くて蒼い影にどこかおびえて暮らしていました。

私たちはドラちゃんでなくても構わないのです。

耳のある黄色の猫型ロボットでも構わないですし、なんならドラミちゃんでも全く問題ないです。

私たち、女の子同士良いお友達になれると思うの。

なのに、一体なぜなのかしら。

 

ドラちゃんはなぜ一番できの悪いのび太さんのところに来たのかしら。

私たちの仲間の中で一番賢く、一番正義感の強い出木杉さんのところにいけば(彼は日本でもトップクラスの秀才だと思います。)、きっと世の中の役に立つ使い方をしたと思うのです。

四次元ポケットの中に入っている品々はドラちゃんが仕入れたものらしく、機能が重なっているものばかりですが、それでも一つ一つの道具の正しい使い方を見出し、社会課題を一つ一つ解決していってくれたのではないかと思います。

ちなみに私も正義感の強さでは出木杉さんに引けを取りませんし、賢さもそれなりにあります。

ドラちゃんがこちらに来るのが難しければ、どこでもドアとタイムマシンとタイム風呂敷ともしもボックスと翻訳こんにゃくがあればかなりいい線行けると思います。

だから貸してちょうだい。

私たち、良いお友達になれると思うの。

なのに、一体なぜなのかしら。

 

ドラちゃんはなぜ子守ロボットなのにのび太さんの暴走を止めないのかしら。

私は何度となく家に不法侵入されたことを忘れていませんし、入浴中に入ってこられたことも許していません。

しかし事を荒立てたとしてもひみつ道具で証拠を隠滅されたり、タイムマシンでなかったことにされたり、訴えが通って投獄されてもどこでもドアで脱獄されてしまうでしょう。

皆さんには教えていませんが、基本的にのび太さんは私の家に住んでいて、まずいことがあるとどこでもドアで自宅に帰っていました。

私は監禁されていたようなものです。

あんなことやこんなことをされた後、記憶を消されているだけだとしても私に気づく術はありません。

ドラちゃん、あなたとは良いお友達だと思っていたのに。

一体なぜなのかしら。

テーマベルトさよなら Mr.アールグレイ

  • 2018.10.20 Saturday
  • 21:55

テーマコンテストの女王こと、Mr.アールグレイです。

これを機にアールではなくレイディに改名したいくらいうれしいです。

Mr.レイディグレイ。

もう何がなんだかわからなくてとっても良いでしょう?

アールグレイに少し柑橘系のフレイバーが入ります。

ハッガリーニさんがあまりいい顔しないので、今は改名を控えますけどね。

 

今回、本当に皆さんのテーマコンテストの応募作品が粒ぞろいで、投票者としてもかなり悩みましたし、応募者としてはとてもとてもこのベルトを巻けるとは思いませんでした。

私だけ突出して早く応募して、レースを難しくしてしまったような気もするのですが、皆さんそんなことにお構いなしで最後には素晴らしい作品を寄せておられました。

テーマコンテストの各作品について寸評を。

あくまで一読者として、自作を棚に上げて書いておりますので悪しからず。

 

「連絡網復活」 がりは

 

同世代で絵が浮かびます。でも論旨がややふにゃふにゃしていて、面白みに少し欠けたかと。もっとすごいことを書ける人だと思うのですが。そういえば高校の同窓会、どうするつもりなんでしょうか。確か同窓会長だった気が。

 

「サミット1755」 Mr.Indigo

 

すごく苦労して書かれた作品なんだと思います。登場人物のトリヴィアルな知識が散りばめられた作品でした。でも、サミットをしなければいけない理由がなさそうだったり、言葉の問題どうするのとか、そもそも「もしもし」的な言葉の文化的な成り立ちは、とかいろいろと気になってしまい、面白がれませんでした。投票者の中にはとても評価しておられる方がいらっしゃるのを見ると、教養について考えさせられます。

 

「連絡網」 Mr.ホワイト

 

私が投票した作品です。

スタイリッシュで、しかもハートウォーミングでもあり、読後感がとても良かったです。

中華のコースの最後の方に出てきたおかゆのような感じです。チャーハンじゃなくて。チャーハンも出せるけど、お客さん今日は胃が疲れているでしょ、だからおかゆ、みたいな。

 

「台風が過ぎたら」 うべべ

 

私にとってのチャーハン、ちゃんとしたチャーハンがうべべさんのこの作品です。端正だし、連絡網を偽造するところも、「絶対ダメ」と即答するところも最高です。途中のヤクザ者とのやり取りが少し脂っこくて今月はホワイトさんのおかゆが良く見えてしまいました。投票を見たらうべべさんが私の作品を熱烈に推してくださっていて本当に嬉しかったです。来月はチャーハンがおいしく見えると思います。

 

「本当は怖い連絡網」 Mr.X

 

昨年度テーマコンテスト王に輝いた(ハッガリーニさんにさっき教わりました。)Xさん。星新一を彷彿とさせるショートショートの切れ味が増しています。でもこの作品はどうも乗り切れませんでした。そんな人います?だますならもっとうまくやるでしょう?と思ってしまって。

 

さて、来月のテーマですけれども「GPS」でいきたいと思います。

テーマベルトにさよならされたままの彼の復活を期待して。

 

また来月の今頃、このコーナーでお目にかかりましょう。

さよなら。

悲しみよさようなら Mr.アールグレイ

  • 2018.10.05 Friday
  • 17:54

八月に四十歳になりました。
高校のクラスメイトは文化祭の打ち上げで缶チューハイを飲みながら四十で俺は死ぬよと言い、私は死ねるものなら死んでみろと思いつつ心配して見せたかわいい女。
あの頃は何しろ若かった。
夏なんかノースリーブにショートパンツでグイグイ歩いてました。
日焼けも嫌じゃなかったのでおいしそうに焼けていました。
その頃は死ぬなどと軽く言う人が嫌で、命の話を軽々しく扱うなよと思っていたのです。
今になって思うと私が大切にしているというか縋り付いているものが多く、生きていたくてたまらなかったことに対する恥ずかしさの表出だったのではないかと思います。

今は明日死んでもいいと思いながら生きています。

 

今でも生きていたいと思いますし、生きていて楽しいです。
大切なものがたくさんあります。
健康ですし、虫歯もありません。
でも、まあ、いいかなあと。
子供がいれば世界が変わると聞きますし、そうじゃないかなとも思いますがいないですし、私がいないと生きていけないという存在もいません。
(良かった、迷惑がかからない。)

 

死にたいわけじゃないんです。
明日愛せないことを嘆くより今日愛せたことに感謝しようとある日思いまして、それからなんだか生きているのが楽になりました。
縋り付くことと愛することをうまく区別することができるようになったのかもしれません。
いつか離れることがあるから存分に愛せる面が物事にはあると思います。
好きなものに十分すぎるほどの愛を注ぎます。
私の嫌いな種類の効率の悪さ、愚かさ、下品さにはなるべく関わらないようにします。
明日死んでも良いと思っている私はそんなに暇じゃないので。
万が一嫌いなものに出会っても嫌な感情を必要以上に高まらせることが随分減りました。
無駄な会議にも何か一定の効果があるのではと思い判断を中止してこうして創作活動に充てています。

 

このように考え始めると、生活にも変化が出てきます。
何かを好きになりそうな時に私はこれにしっかりと愛を注ぐことができるだろうか、と問う癖がつきました。
一日の時間をすき間なく目的を持って生きていきたいと思った時期があり、どの瞬間を切り取っても何かに愛を注いでいられたら私の人生はきっと幸せなものになるだろうと思ったのですが錯覚でした。
息苦しいだけでした。
出会って心が動けば好きなものが変わっていくのは必然で、愛の注ぎ方も約束どおりのものでなくてもいいじゃないか、と今は思っています。
愛を注いだものには「愛の惰力」のようなものがついてしまって、本当はもうそこまで好きでもないのに愛を注がなければならない気になることがあります。
でもその状態は不幸の始まりだと思うので、私はこれに愛を注いでいる場合だろうか、という問いが少しでも生まれた時には一度そこから離れるようにしています。
また好きになったら十分に愛せば良いのです。

 

四十で俺は死ぬよと言った彼はそんなことを思っていなかったと思うのですが、それくらいの勢いでいろんなものを愛する、という宣言だとすると17、8の若者にしてはなかなか良い覚悟なんじゃないかと見直せる気がします。
今見直したところで何かの役に立つわけではありませんけど。

そんな風に思うようになって、私は悲しむことも怒ることも減りました。
明日死んでも良いと受け入れて、今日を精いっぱい愛することに使っている私には悲しんでいる暇はないから。
悲しみよさようなら。

勤労感謝祭  Mr.アールグレイ

  • 2018.09.28 Friday
  • 00:00

最近私は主に作品を定例会議中に書いています。

勤めている会社は良い会社ですし働きやすいのですが、この定例会議だけは本当に無駄なのでやめたいと伝えたにも関わらず、いやそれはの一点張りで変わりません。

他の点では「こう変えましょう。」と伝えると理由を問われることがあっても変えることを躊躇することはない会社なのですが。

資料で既に把握している各エリアの営業成績の報告が主なのですが。

立場上欠席もできない、しかし時間の無駄なので少しでも有意義にするため今もこれを書いています。

そのうち悩み相談室PREMIERに相談するかもしれませんが、どうせ相談してもロクな回答はないでしょう。

返事遅いし。

頓智みたいなものは返ってきそうですけど。

 

報告が終わって、次の議題は11月に打つセールの話なのですが、タイトルを何にするかで議論になっています。

具体的には「○○カーニバル」派と「△△フェスティバル」派に割れています。

いやいや、どっちもアパレルのセールに付くタイトルじゃないでしょう。

私は会議に出ている人の中で三番目に偉いので(えっへん。)こういう時には黙っています。

納得感が一体感を醸成するので議論のプロセスは大切にしています。

初めはちゃんとコンセプトやら市場分析やらから始まったのですが・・・。

カーニバルは「謝肉祭」と邦訳を当ててみればはっきりダメだこりゃ、と思ってもらえるでしょうし、フェスティバルは「祭礼」というそもそもの部分を見れば遠慮してくれるのではないかと思うのです。

祈りがないと、などと言うと「一枚でも多く売れろという祈り」みたいなことを言う人がでそうですが。

それは祈りではなく願いでしょう、というとそれはどう違うのですかなどと真顔で聞き返される気がします。

頭痛がしてきましたが、議論は泥仕合になってきました。

「カーニバルというと服を着ていない気がします。アパレルのイベントとしてどうかと思うのですよ。」

「それはリオのカーニバルのダンサーのイメージでしょう?もしくは浅草?着眼点が下品。どうかと思うのはあなたの品性ですよ。フェスティバルだってビールか歌って感じじゃないですか。」

「フェスのこと言ってる?あれはフェスだから。あくまで。それにオクトーバーフェストもね、フェストだから。こっちが言ってるのはフェスティバルだから。」

 

THE BOOMの「カルナヴァル」という曲は軽やかでおしゃれだったなあと思い出しました。

高校の時に行ったカラオケであれを歌った人は本当にかっこ良く見えました。

 

そうこうしているうちに、フェスティバルでもなくカーニバルでもない名前を付けることになったみたいです。

ハロウィンとクリスマスに挟まれた11月をテコ入れするのは文化祭か勤労感謝じゃないか、うちのターゲットから考えると後者推しなのだがとひそかに思っているのですが、いかがでしょうか。

もし11月にあなたのお近くの服屋さんで勤労感謝祭みたいなセールが展開されてたら、私のいる会社のお店かもしれません。

是非一枚買ってくださいね。

 

すごいハンドレッド Mr.アールグレイ

  • 2018.09.21 Friday
  • 00:00

百回も同じ物語の海に潜って、紡ぎ続けるのはどんな気持ちなのでしょうか。

わたしには想像もつかないくらいの難行苦行に思われます。

物語を書くことは海に潜ることに似ているなと思うのですが、わたしの肺活量では全然深いところへ潜れません。

そこに行くと美しいかどうかはともかく、わたしがまだ知らないものがある、という手触りだけが残っていて、頭を突っ込むところまで行かないのです。

長編を書いてみて分かったことは、肺活量の少なさよりも、何度も同じ海に潜ることの辛さでしょうか。
毎回同じ深さに潜れるとは限らないので。

わたしの嘆きに対してヤマブキさんがくださったアドバイスです。

ヤマブキさんは百回もあんなに苦しい海に潜って、そこに光るクリスタルボールを見つめていらっしゃるんだと思うと、鉄の海が宝物、大きな宝箱のように思えます。

八月はどうしても海に潜る気になれず、山を登るような気持ちでいやだいやだと書き連ねました。(がりはさんは少納言の娘に対して頭が高いと思います。あ、これは言ってみたかっただけです。)

海は失敗すると溺れて死んでしまうけれど、山は失敗しても死ぬことはない、と思っていましたがマルーンさんの作品を読んでいると海と同じく山もとても危険で、エッセイを山に例えるのは違う気がしてきました。

目に見えているものを記述する感じなので陸上のアクティビティであり、海との対比で山というのは気に入っていたのですけれど、なかなかうまくいかないものです。

数学的哲学的なそぎ落とし、突き詰めが山登りのイメージに合いますでしょうか。

あちらの世界でもバランスを崩して日常に戻ってこれなくなる例は多いようですし。

 

優れた小説はその到達地点の深さもさることながら、読者をそこへ誘ってくれる潜水艦のような機能を持つと思います。

一気に読まなければならない小説、ちょこちょこ読んでも大丈夫な小説、どちらが優れているかは決められませんが、少なくとも鉄の海は一週間に一度、あの深さまで安定して安全にわたしを連れて行ってくれます。

わたし自身が物語を紡ぐ者として、また物語を読む者として、ヤマブキさんを尊敬しています。

いつもありがとうございます。

 

物語を書くときにあのスパルタのレオニダス王と親衛隊の映画「300」を思い起こすことが多いです。

圧倒的な敵にわずかな手勢で立ち向かうこの心細さ。

もしかするとヤマブキさんのような強者でも、同じような心細さを抱えているのではないかしらと。

鉄の海もそろそろクライマックスですが、毎週その勇気を思います。

これからもわたしたちを鉄の海へ誘ってください。

【テーマ】れんらくもうがすき  Mr.アールグレイ

  • 2018.09.05 Wednesday
  • 18:00

私が中学生の頃まではクラスみんなの家に「家電」(カデンではなくイエデン)があり、それを担任の先生が出席番号だったり住所が近い者同士だったり何らかの法則でいくつかのグループに割り、順番を決めており、緊急時(運動会やの中止など)にその順番通りに電話をかけて伝言リレーをする仕組みがありました。

それを連絡網と呼んでいました。

先生はグループの先頭の家に電話するだけで、あとはみんなが伝えてくれるわけです。

便利。

とても便利。

 

連絡網は紙に印刷されて配られていました。

自分の順番の前後の人の分だけ電話番号を知っていたわけではありません。

クラスの人数分の四角の中に名前と電話番号が書いてありました。

もちろん市外局番は省略されていました。

つまり、クラス全員分の電話番号を私は知っていたのです。

 

当時、友達の家に電話をすると

「もしもし、○○ですが」

と名前を名乗って電話に出ました。

「△△ですけれど□□さんいますか?」

と話して、つないでもらったのです。

家によってルールが違って、子供が出ることにしている家、親しか出ない家、近い人が出る家などがありました。

我が家は親が出ました。

 

当時の私にも人並みに好きな人がいて、視野が狭かったせいか60億人(当時)いるにも関わらずクラスの35人くらいの中から1人選んでいました。

 

連絡網にはルールがあって、自分の次の人が電話に出ない場合は、その次の人に電話してリレーをつないでおき、次の人には出るまで電話しなければいけませんでした。

中学校三年生の時、私の好きな人は連絡網において私の家の次の次でした。

好きだなんて言ったこともないですし、今に至るまで誰にも言ったことがありません。

修学旅行でパジャマトークした時だって隠しました。

あまりモテないタイプの人で、冷静に考えたら私だって私を止めます。

がさつでうるさくてでも運動ができるわけではない。

でも私は好きになってしまったのです。

 

クラスにいじめられっ子がいて、いじめをする不良グループは中三にもなると金品を要求するなどエスカレートしていました。

私はそれを不愉快に思いながら何もしませんでした。

ある日、彼が「やめてやれよ。」と不良グループの中に入っていきました。

聞いたことがない大きな静かな声でした。

「なんだてめえは!」「やられてえのか!」「お前が代わりに払うのか?」「早く土下座しろよ。」

もみくちゃにされています。

胸倉をつかみ、おでこを突き合わせてメンチを切る不良のリーダー。

彼はそれまでやられっぱなしだったのですが、ポケットから出さなかった手を左右にスポっと抜き、リーダーのうなじあたりを掴みました。

そして一気に引き寄せると思いっきりキスをしたのです。

時間が止まりました。

熱烈なキスでした。

リーダーが怒るのを忘れ、彼を突き飛ばすや「うえー」「げぇー」と気持ち悪いアピールをしたのです。

彼は両手を広げてリーダーへ歩み寄り抱きしめました。

すぐに突き飛ばされたのですが、不思議なことにリーダーはそれ以上攻撃せず、きまり悪そうに教室から出ていきました。

 

その日から私は彼を好きになってしまったのです。

クラスメイトでありながら話す接点はほとんどありませんでした。

そこで連絡網です。

私の次の人が出なければ彼の家にかけることができます。

私は気付いてしまったのです。

出なかったことにすればよいのです。

彼の家に掛けたのち、じっくりと私の次の家を攻略すれば良いのです。

誰も困りません。

連絡網のチャンスは年に三度か四度しかなかったように思いますが、私はそのチャンスを待ちました。

 

とうとう卒業まで来ませんでした。

電話の上に貼ってあった連絡網の彼の家の番号はかけたことがないのにまだ覚えています。

 

【テーマ】宇多田ヒカルいや Mr.アールグレイ

  • 2018.08.17 Friday
  • 18:00

宇多田ヒカルが抜群の天才に恵まれた人だということは知っています。

彼女の作る歌、歌う歌を聴くのは大好きです。

最近はFantomeと初恋を交互に聞いているくらい好きです。

彼女の成長やライフステージの変化に合わせて曲調がかなり変わってきて、一時は受け入れ難かったのですがFantome以降はすごくしっくりくるようになりました。

時折ものすごく身近に感じられるというか、なぜ私のことをそんなにわかるの?と思うような一節にぶつかります。

 

年も生まれも育ちも違うしそれこそライフステージも生活圏も違う人の歌の一節が私の心を深く捉えるのはどういう作用なのでしょうか。

これって私以外の方々の心にも起きていることなのでしょうか。

Fantomeが全米で初登場6位になったと聞きました。

全米が泣いた系の煽り文句にはうんざりしているのですが(何度も騙されたので映画を観に行かなくなってしまいました。最後に見たLALALANDは本当にひどかったです。全米が怒りだしてもおかしくないです。AmazonPrimeで観られるのでどうぞ。)、それでもアメリカで何万人かの琴線をかき鳴らしたのでしょう。

日本語がわからなくても心を捉えてしまったのでしょうか。

PREMIERで戦っておられる方々はもちろん宇多田ヒカルを聴くべき、彼女よりも誰かの琴線をかき鳴らす、彼女と同じくらいかき鳴らす、彼女とは別の方法でかき鳴らす、どれでもいいですけれどベンチマークとして視野に入れて頂きたいので聴いてほしいです。

 

さて、そんなに宇多田好きの私がなぜ宇多田ヒカルいやというのか。

私は今徒歩で通勤しています。

涼しいうちに腕をぶんぶん振って颯爽と歩いているわけですが、その時に調子が良いと鼻歌を歌います。

鼻歌というのは最近聞いている歌が登場しやすいのですが、そうなると宇多田ヒカルの歌を歌わざるを得ません。

ふんふんと歌っているととても気持ちが良いのです。

これなんだー?コリアンダー!パクパクパクチーパクパクパクチー。

控えめに言って最高です。

 

問題はカラオケです。

気の置けない友人とたまにカラオケに行くことがあります。

音楽も歌も好きです。

この間も誘われてカラオケに行ってきました。

私はカラオケでは好きな歌を堂々と歌いたいといつも思っています。

そしてそうしてきました。

宇多田ヒカルの歌はとても複雑な音の組み合わせでできていて、とても歌いにくいのです。

音やリズムが外れると機械が気を使ってか主旋律を出してくれます。

あれが腹立たしい。

鼻歌ではあんなに気持ちよく歌えていたものが、カラオケではまったくうまく歌えず、フラストレーションがたまる一方でした。

ガイドを出されても、宇多田ヒカルの自由奔放な音の流れを忠実に再現することなどきっとご本人にもできないことだと思うのです。

でも好きな歌を歌うということからは逃げたくなくて、私はどこにもいけなくなってしまったのです。

ちこくするのいや Mr.アールグレイ

  • 2018.08.13 Monday
  • 17:00

私は遅刻をするのが好きではありません。

待ち合わせをするなら三十分は前に着くようにします。

今のシーズンだと外に出て歩くだけで汗をかいてしまいます。

汗をかいた状態で人に会うのはなるべくなら避けたいです。

いつも涼やかな人でいたいという願望があります。

なるべく涼しい場所で待ち合わせ、なるべく涼しいルートを選んで向かいます。

できれば近くで冷たいものでも飲んで待ちます。

待っている時間は非常に生産性が高いです。(最近話題のワードですが、この使い方はあっていると思います。)

打ち合わせのプレビューをしてから打ち合わせに臨むと実りのある議論ができることが多いです。

それはプライベートの友人と会う時も同じで、その日どんな話をするのか、前回どんなことがあったのか少し思い出しておくなどしておくのが習慣になっています。

 

今私が働いているオフィスには遅刻という概念がありません。(アパレルを扱う会社のバックオフィスです。)

一応コアタイムが決まっていて、その前後の時間に出社すればよいことになっています。

必要なミーティングは全てコアタイムに設定されます。

私は朝早いので、大抵明るいうちに退社して、店舗を一つ二つのぞいてから帰るのが日課です。

もちろん現場(店舗)は遅刻に対して厳しいです。

テナントで入らせて頂いている店舗も多く、そのオーナーさんの意向も働くことが多いですし(開店時には店の前に立って一分間頭を下げ続けることが義務になっているお店など)、時給で働くスタッフも多いので仕方がない面があります。

私は自分が遅刻するのは嫌ですが、人に対して遅刻を指摘するのはもっと嫌です。

人間ですもの、遅れることだってあります。

それを気の緩みだ、一事が万事だ、などとカリカリ責め立てるのを聞いているとものすごくイライラするのです。

その時間にそこにいることが致命的な意味を持つ場合は、その時間を集合時間にすべきではありません。

致命的な意味がない場合は責めるべきではありません。

じゃあミーティングなどはどうするのか、と問われたことがあります。

ミーティングについては必要な人員でやるべきです。

必要な人員でやるわけですからその時間にそこにいることには致命的な意味があります。

十分前に集合にしておけばいいのではないでしょうか。

定刻になっても来なければ始め、途中入室はなしにしておけばよいと思います。

 

出社時間に関してみんなもっと緩くならないと、通勤地獄はなくならないでしょうし、働いている時間分は賃金がほしいと考えている人たちの不満も収まらないと思います。

私はもっと人に優しい世の中になってほしいと願っています。

 

 

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