やまがある日記〜山の夜〜  Mr.マルーン

  • 2017.08.05 Saturday
  • 01:06

夜更けに寝苦しくて目が覚めた。隣のグループの男のいびきがうるさい。ハイシーズンで混雑した部屋は人の体温で暑い。すぐには寝直せそうもなかった。
音を立てないように部屋を出て、廊下に置いたザックの上にかぶせておいた上着を羽織り、サンダルで外に出た。
靴下をはかずに出てきてしまったが風もなく意外に寒くなかった。玄関でヘッドライトを忘れたことに気付いたが、まあいいか、と出てきてみると、ひどく明るくて驚いた。地面が月明かりで青白く照らされている。私はそのままふらふらと歩き始めた。
夜の山は恐ろしい。常念岳の黒々とした怪物めいた巨体が、昼間見たあの優しげな山容とは全く違ったように見える。まるで覆い被さってくるようだ。少し足がすくむ。
常念岳の上に、白々とした月が浮かんでいる。少し雲があるのか、輪郭がぼやけていた。月が明るすぎて、星はあまり見えない。新月ならば三脚を持ってこなかったことを後悔していたかもしれない。槍ヶ岳も煌々と光る月に照らされて雪渓の模様までくっきりと見えている。立体感を失ってなんだか絵のようにのっぺりしていた。
ゴロゴロとした石につまずかないように稜線の縁までいくと、安曇野の街の明かりがぼんやりと見える。ヒトの世界が近いようにも遠いようにも、つながっているようにも隔絶されているようにも思える。
静まり返った山小屋の周囲には、私のようにうっかり起き出してしまった宿泊者、一言も交わさずにベンチで何か調理する二人組、朝を待つテント場の登山者、それぞれがひっそりと息を殺してうごめく気配で満ちている。この夜は、都会にはない夜だ。騒がしい街中にいるよりずっと、人の気配に敏感になっている。
思ったほど寒くなかったとはいえ2500mを超える高山の夜は真夏でも冷える。しばらく夜風に当たっているとぶるりと身震いがした。もう一度空を仰いで、部屋に戻ることにした。
部屋に戻ると、相変わらず、いびきがうるさい。今時いくらでもいびき対策の手段があるのだから、こういうところでは対処してほしいと思う。それとも自分がいびきをかいていることを知らないのだろうか。
耳栓をしてもすっかり目がさえて眠れなかった。今回は運が悪かった。布団に潜り込んでスマホの時計を確認したら、まだ夜明けまで2時間もあった。
光が漏れないように布団の中でスマートフォンを開いてみても、バッテリーを節約しなければいけないからそう長くも触っていられない。
皆眠っていて、この世界で私一人だけが起きているような、奇妙な感覚に襲われる。
実際にはさっき見た通りたくさんの人が起きてうごめいているし、その気配もわかっている。
横になって無理やり目をつぶり、しばらく寝直す努力をして、そっと時計を見ても少しも時間が進んでいない。
じっと朝を待っている。
山の夜は長い。

 

やまがある日記〜北アルプス表銀座縦走‐鑁鯵戞2857m) Mr.マルーン

  • 2017.07.22 Saturday
  • 12:02

梅田駅から夜行バスでおよそ6時間。朝の5時過ぎ、安曇野穂高駅のバス停に降り立つと正面に雄大な山並みが見える。そこからタクシーで一の沢登山口までおよそ30分。
予報はぎりぎりまでわからなかったが、とりあえず今日は天気がよさそうだ。タクシーの窓から今日目指す常念岳の山頂が見えた。ザックにぶら下げたてるてるぼうずのおかげだろうか。期待に胸がふくらんでくる。やっと来られた。憧れの北アルプス!
登山口で登山届を提出して(長野県は登山届の提出が義務付けられている。罰金もあるため必ず提出のこと)、トイレを済ませ、準備体操して出発だ。
最初はなだらかで歩きやすい登山道を沢沿いに登っていく。雪解けで水量が多く、沢の近くはどうどうと会話が聞こえないぐらい。なんてダイナミックなのだろう。顔を洗うと冷たくて気持ちいい。この水の流れが険しい山を形作っていく。
ニッコウキスゲ、ツマトリソウ、マイヅルソウ、イブキトラノオ、ゴゼンタチバナ、ハクサンチドリ等様々な高山植物が咲く道をどんどん登っていく。傾斜が厳しくなってきた。高度が上がるにつれ、徐々に空気が薄くなってきたのを感じる。休憩してもすぐに息が上がるが、深い呼吸を意識しながら、ペースを維持して登ってゆく。

イブキトラノオ


昼が近づいて気温が上がってくると雲がわいてきた。雪渓を見下ろしながら最後の急登を登り切ると、やっと常念山脈の主稜線に出る。いきなり視界が開けて正面に槍ヶ岳の姿が目に飛び込んだ。私たちは歓声を上げた。鋭い尖峰は登山家の憧れだ。残雪と岩のコントラストが美しい。こんな間近で見られるなんて。
左手には常念岳の穏やかだが巨大な山体が鎮座している。
とりあえずどうにも空腹だったのでベンチで昼食を済ませ、常念小屋にチェックインした。少し休憩したら、荷物を減らして山頂へアタックだ。
常念小屋から常念岳山頂までは石が積み重なったガレ場を慎重に登っていく。時々トレッキングポールが岩の隙間に挟まって厄介だ。
東側はガスが出ているが、西側は景色が開けて北アルプスの雄大な山並みが見渡せる。遠く水晶岳や鷲羽岳までも見えた。登れば登るほど、見える山も増えていく。
岩の隙間にはミヤマキンバイやミネズオウ、コケモモと言った稜線に咲く小さな高山植物達が目を楽しませてくれる。ライチョウがいないかなと思って探したが、残念ながら見つからなかった。


高地順応がまだできておらず、たびたび休憩しながらコースタイムよりもずいぶん時間をかけてたどり着いた山頂は、まさに北アルプスの特等席というにふさわしい展望で、槍ヶ岳から大キレットを経て奥穂高に至る荒々しく険しい岩稜に心を奪われる。涸沢カールにはまだ分厚く積もった雪が残っている。
安曇野側からは絶えず雲がわきあがり、稜線上でくっきりと空気の壁が見てとれて面白い。
展望を十分に堪能してから、小屋に引き返した。

山頂への道中一緒になった初老の男性3人組にビールをごちそうになったりしながら、のんびりと過ごした。
夕食を終えて外に出ると、常念岳にかかっていたガスがすっかり切れて、美しい曲線があらわになっていた。遠く、もくもくとした積乱雲が夕陽に照らされている。

ああ、私は今、北アルプスにきているのだ、とじんわりと実感がわいてきた。
明日も頑張って歩かなければ。

やまがある日記〜北アルプス表銀座縦走大天井岳(2921m) Mr.マルーン

  • 2017.07.22 Saturday
  • 12:01

 

夜明け前に起き出して窓から槍ヶ岳を見ると、まさにこれから登ろうとしているのであろうヘッドライトの明かりがぽつぽつと光っている。すごいなあ、と素直に感心する。
防寒着を着込んで小屋から出ると高層雲がかかっていてご来光は見えなかった。しかしピンク色の雲海に淡く浮かんでいる八ヶ岳や浅間山、美ヶ原の姿は幻想的で、とても美しい。

 

朝食を食べたら出発だ。この日は常念山脈の主稜線をひたすら北上し、燕岳まで縦走してゆく。
常念小屋を出てまず手前の横通岳の斜面を登っていく。ハイマツの森を縫うように高度を上げていくと、常念岳の巨体の全貌とともに、奥穂高の向こうには乗鞍岳や御嶽山まで見えてくる。
登り切ると、稜線の西側斜面にずっと先まで登山道が走っている。アルプスらしい美しい縦走路だ。爽快な気分で進んでいく。

奥穂高から大キレットを経て槍ヶ岳へ

 

この日の予報は昼前から荒れるとのことだった。奥穂高に不吉な傘雲がかかり始めた。近いうちに雨が降る合図だ。急がなければならない。

高山植物の女王とも呼ばれるコマクサが稜線を彩っていた。ピンク色の花弁がくるりとひっくり返った独特の形状をしている。この花に会いたくてこの時期を選んだのもあったのでうれしかった。コマクサ以外にも様々な高山植物が目を楽しませてくれた。
大天井岳を目の前にしたあたりで強い風と雨がぱらつき始めた。とりあえず山頂直下の大天荘に避難する。
予定ではここで評判のカレーを食べるつもりだったが、ランチの時間には少し早かった。カップラーメンにお湯を入れてもらってとりあえず食べる。
天候は微妙だったが、大天井岳から直に下山する道はなく、この小屋に泊まるのでなければ燕山荘まで行ってしまうしかない。今のところ雨はそこまでひどくなく雷も鳴っていないため、行ってしまおうという結論を出した。
小屋を出て、レインウェアを着込みザックカバーも装着する。
せっかくなので大天井岳山頂にも立ち寄った。ガスで展望はない。山体の立派さ、雄大さでは常念岳に軍配が上がるだろうが、それでも常念山脈の最高峰、悪天候でなければさぞ素晴らしい展望だったことだろう。少し残念だ。すぐに退散する。
大天井岳からしばらくは急坂を九十九折に下っていく。とにかく風が強い。時折西側から吹きあげる突風に身体を持っていかれそうになりつつ、慎重に下る。はるか遠くに燕岳が見える。まだこんなにあるのか、という気分になるが、行くしかない。
幸い稜線より高いところに雲があるため先まで見えていて、視界は良好だった。

コマクサ
チングルマ
アオノツガザクラ
あとすこし


ようやく山小屋にたどり着いた頃には2時になっていた。
間近に見る燕岳はまさに北アルプスの女王の名ににふさわしい優美な姿で、白く輝く地面とハイマツの緑のコントラストが美しい。
天候もやや回復気味だったので、小屋の喫茶コーナーで腹ごしらえをして燕岳の山頂を目指そうという話になった。
燕山荘はきれいな小屋と優れたサービスで知られた山小屋で、なんと山の上でケーキが食べられる。疲れた体に甘いケーキが沁みた。何しろ強風でしっかりした休憩も取れなかったのだ。
食べ終わって荷物を用意し小屋を出ようとすると、雨が本降りになっていた。
仕方ないので山頂アタックは翌朝に回すことにする。歩かないと決まれば生ビールを飲むのであった。山上のビールはなぜこんなに美味いのか、平地の倍はする価格でも飲んでしまう。
夜には雨がやみ、安曇野の控えめな夜景が見られた。
明日は晴れてくれるといいのだが、と思いつつ早めに就寝する。
 

北アルプスの女王、燕岳

やまがある日記〜北アルプス表銀座縦走1躋戞2762m) Mr.マルーン

  • 2017.07.22 Saturday
  • 12:00

夜明け前に起き出して朝食前に日の出を山頂から見られたら、と思っていたが、生憎のガスであった。
それでもヘッドライトをつけて少しだけ歩いてみたが、暗い中道が不確かな状態では危険だし、どうせ見られないし、ということでいったん撤退し明るくなってから再挑戦することになった。
朝食を済ませ荷物をまとめて小屋を出ると、だいぶガスが薄くなってきていた。朝の空気が清々しい。
燕山荘から燕岳山頂までは30分程度の歩きやすい道だが、山頂付近は風化した花崗岩が迷路のようになっていて道がわかりにくい。

滑落の心配もあるし、やはり明るくなってからにしたのは正解だった。

そこここに咲いている高山植物も、暗い中では見つけられない。植物たちは朝露に濡れてしっとりと美しい。

大切に保護されたコマクサの群落が咲き誇っていた。石英を多く含むために真っ白な燕岳の土壌に、ピンク色の花が映えている。

時折ざっと霧が晴れて視界が開ける。奇岩の立ち並ぶ燕岳山頂部は、霧がかかって一層ファンタジーの世界のようだ。

コマクサ群落
北燕岳の岩峰

燕岳から少し北に上がった北燕岳のあたりで、ニホンザルの群れに出会った。

ガスが出ているとライチョウに出会いやすいと聞いていたのにいないなあと思っていたが、彼らを避けていたのだろうか。

結局3日間で一度も見かけなかった。

 

さて、燕岳登頂も果たしてあとは下山するのみだ。

北アルプス3大急登ともいわれる合戦尾根をひたすらに下ってゆく。

雲の下に出ると見事な雲海が広がって、私たちはしばし見とれた。身体は疲れ切っているし早く温泉にも入りたいが、下山してしまうのが惜しい。もっと、山にいたいのになと思った。

途中合戦小屋に立ち寄りスイカを食べた。以前テレビで紹介されているのを見てからぜひ食べたいと思っていた。

安曇野の特産品のスイカを荷運び用のゴンドラで毎日ここまで揚げているのだという。甘みの強いおいしいスイカだった。

 

合戦尾根の道は狭く、すれ違いの際はどちらかが待つしかない。焦っても仕方がないので、ゆっくりと降りていく。

そこかしこににょろにょろとギンリョウソウが生えていて楽しい。ちょっとキモイ。

下るほどどんどん気温が上がって、よく知った夏の空気になってくる。

延々と続く下りに膝が笑い始めたころ、11時前にやっと中房温泉登山口に着いた。そこからロードを少し下った有明荘で温泉に入る。

3日間の汗やらなんやらを洗い流して湯につかると、すっかり気が抜けてしまった。

施設内の食堂でソースカツ丼と穂高の地ビールを頼んで、同行者と旅の労をねぎらいあった。

3日間も山の上にいるのも、北アルプスを歩くのも初めての経験だったが、おおむね計画通りうまくこなせたように思う。

帰りの新幹線、疲労と眠気でうまく働かない頭で、次にどこに登るか考えていた。

関西からもっと近ければなあ、とついぼやいてしまうのだった。

ギンリョウソウ

いんぼーろん Mr.マルーン

  • 2017.07.20 Thursday
  • 00:19

マスコミ各位

 

海の日の三連休、私は前々から計画していた北アルプス表銀座縦走の真っ最中でした。
二日目の夜、山小屋のWi-Fiを使ってふとプリミエールを開いて仰天しました。
マルーンを名乗る女性ががりは氏の横で謝罪会見をしているではありませんか。
本物の私は3000m級の山上におり、スーツを着て会見に臨んでいるわけがありません。
この女はいったい誰か。確かに、私は先日の会見にて失態を演じてしまいましたしテーマの発表も忘れてしまいました。

そこは、伏してお詫び申し上げます。

しかしよく考えたらそのきっかけを作ったのもがりは氏の差し入れの新政でした。そもそも日本酒を一口含んだだけで完全に酒乱と化すわけもありませんし、まさか、何か盛られた…?
いや、あのがりは氏に限ってそのような。
あのマルーンを名乗る女は私ではあるはずがありません。そもそもちょっと酒好きかもしれないけどアル中とかじゃないし!健康診断3年連続オールAだし!

はっ、では、その横にいるがりは氏は…?
とにかく困惑しています。真実を明らかにして頂きたい。

私から申し上げられるのはそれだけです。

 

とりあえず来月のテーマは「アイス」とさせていただきます。少し、クールダウンしましょう。

テーマコンテスト・最優秀作品賞受賞会見 Mr.マルーン

  • 2017.07.15 Saturday
  • 08:14

ええっと、あ、ここ座ればいいですか?はい。あっ、オーケーです。

これマイク?どうも。(コンコン...キィ―ン!)うわっ。

あ、あー。いいですか?ごほん。えーと、もう始めていい?はい。

 

大変長らくお待たせしました。どうもこんにちは、マルーンです。

このたびは拙作の受賞会見にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。

早速ご質問のある方…はい、どうぞ。

―――2冠おめでとうございます。

ありがとうございます。

―――初のテーマコンテスト受賞を受けてどのように感じられましたか。

そうですね。素直にうれしいです。昨年12月にPREMIERに参加して早半年...正直これは行けたと思った月もありましたが、結果は厳しいものでした。

やはりインパクト不足。パンチ力不足。傾向と対策不足。否めなかったように思います。

今回は変化をつけて写真で勝負してみたのがよかったのでしょう。

―――ここ2か月は投稿数が少ないですが

数で攻めてもいいことがあまりなかったので、一作ずつをしっかりと書いていく方針を試みています。あと、単に夏は登山とか飲み会とかで忙しくて。

たくさん書くのは多作の方にお任せします。次の方。

―――Pスポです。今回Indigo氏と最優秀を分けることとなりましたがそこについてはいかがですか。

以前別の場所でも申し上げましたが、私は単独首位こそが目指すべき姿だと思っています。

まだまだ精進が足りません。強いて言えば私は自作には投票していませんけどね。

投票数が増えればこういうことも減ってくるのかなとは思います。

たくさんの作品がある中、シリーズの山行記で評価されたのはうれしいことでした。

―――Indigo氏に何かメッセージはございますか。

MVPおめでとうございます。続けてこられた努力が実ったこと、私事のようにうれしく思います。ぜひ、あれを叫んでくださることを楽しみにしていたのですが。

―――あれ、とは。

お分かりでしょう?…ここにはいらっしゃらないのかな。

本当は私よりIndigoさんが叫ぶのが正しい姿だと思うのですけれど…。次の方。

―――News PREMIERです。2冠おめでとうございます。

ありがとうございます。いつもお疲れ様です。

―――なんか、テンション低めですか?

いえ、あの、こういう場に出てくるのがはじめてなもので、ちょっと緊張しているだけです。

―――なるほど。清楚を装っていらっしゃるわけですね。ところでMVPのがりは氏からこんな差し入れがあったんですが。

えっ。そんな。なんでしょう(べりべり)こ、これは…!

―――秋田の名酒、新政No.6 X-typeでございます。マルーンさんがこちらの酒がお好きだとのことで、ぜひにと。

うわわわわありがとうございます…えっどうしよう私もがりはさんになにか送るべきかな。とりあえずMVPおめでとうございました!さすがですね!

やったぁーーー。

え、もう冷えてる?グラスあります?って?

いやいやいやいやさすがに今飲むのは…あー…これはまた綺麗なグラスで…あっそうそうちょっとこぼして…

いいですか?口から?

それじゃあちょっと失礼して…

んんん!!!

しぇりいいいいいいいい!!!

 

―――

以降続々会場にアルコール類が運び込まれ、そのまま酒盛りへ移行したため会見は中断。


やまがある日記〜私を助けてくれるものたち

  • 2017.07.08 Saturday
  • 00:00

先月か先々月かの投票コメントで、私の装備に興味があると言ってくださった方がいた。

梅雨でなかなか山にも行きにくいということで、それほど珍しいものはないが、のんびりご紹介していく。

 

まずリュックサック。私はザック、と呼ぶことが多い。

左から、OSPLAYのKYTE46、THE NORTH FACEのTELLUS30、Phenixの20。今持っているのはこの3種類だ。

末尾の数字が容量(リットル)を現している。登山を始めて最初に買ったのが真ん中のノースフェイスで、日帰りから山小屋一泊程度まで幅広く対応できる。使用頻度も一番高く、なじみ深いザックだ。

左のオスプレーはつい先日の四国遠征に合わせて新しく購入した。2泊3日程度の山小屋泊に対応できる容量で、これから活躍してもらう予定だ。背面パネルに空気の通る道があり蒸れにくいなど、機能的に優れている。今後使っていく中で徐々に慣らしていかなければ。

右のフェニックスは近所の低山ハイク用で、雨蓋の留め具のデザインが可愛くてお気に入り。サイドホルダーが浅くて時々ペットボトルを落としてしまうのが玉に瑕だが、軽くて使いやすい。

今後テント泊を始めたいなあと思ったら、60リットル程度のもっと大きいザックが必要になってくる。

 

次に、山歩きでよくお世話になるアイテムたちがこちら。左のピンクのシューズはCaravanのミドルカット軽登山靴で、本格めの登山ではこちらを使う。Caravanは国内メーカーで、日本人の足に合った登山靴が比較的安価で買えるのでお勧めだ。

なんか薄汚れてるな…そろそろ洗わないと。

右のシューズはColombiaのトレッキングシューズ。低山ハイクならこれで十分だし、防水フィルムが入っているため普段の雨の日なんかにも重用している。

手前の道具は左上からSILVAのコンパス(限定カラーのピンク!)、mont-bellのヘッドライトとトレッキングポール。コンパスとヘッドライトは、遭難のことも考えて明るいうちに帰る予定でも基本的には常に持ち歩いている。

正直コンパスはあまりまだ使いこなせていない。

トレッキングポールには、人のものと混同しないために目印として高野山で頂いた安全祈願ステッカーを貼っている。

 

衣装類は、インナーとトレッキングパンツは割愛して、左からTHE NORTH FACEのレインウェア、オールマウンテンジャケット。

右はmont-bellのフリース。

登山の三種の神器と言えば、ザック・登山靴・レインウェアで、特にレインウェアは急な天候の悪化に備えるため、基本的には常に持っていく。登山メーカーの商品は普通のスーパーなんかで売っている雨具とは比べ物にならないぐらい高価だが、その分高機能だ。上下セットで10000円程度からあるので、形から入っていただくといいのではなかろうか。

オールマウンテンジャケットは三層のゴアテックスを使用した厚く防風・防水性に優れるハードシェルで、冬場に使っている。脇の部分にはベンチレーション(ジッパーがついていて、開け閉めして蒸れを防ぐ)もついている。

冬場以外は左のレインウェアを使用する。レインウェアといっても雨を防ぐとき以外に、風が強かったり気温が低いときの上着代わりに使用することが多い。

フリースはレインウェアの下に着ることで体温を調節できる。登山では気温や天候状況に応じて服を何度も脱ぎ着して体温調節する。これをレイヤリングといって、低体温症や熱中症を防ぐために重要なスキルだ。

インナーは透湿性に優れた化学繊維素材をお勧めする。綿素材は乾きにくく体を冷やしやすいためあまりお勧めできない。私はユニクロのエアリズムが安価なので愛用している。

 

その他小物類がこちら。

左上の水玉は100均で買った野外用座布団。右上はスパッツ(ゲイター)といい、ぬかるみがある日や雪道で脚に取り付けて汚れや水の侵入を防いでくれる。

手前の銀色はエマージェンシーシートだ。いざというときに、広げて体にかぶせることで体温の低下を防いでくれる。

あとは日焼け止め、ばんそうこう、虫刺されの薬など。場合に応じて持っていく。

 

最後に紹介するのは、調理器具の類。

左上がナルゲンのカラーボトル(1L)。右上はプリムスのP-153ウルトラバーナーとスノーピークのシェラカップ。

ナルゲンとシェラカップは誕生日に友人がプレゼントしてくれた。

手前はスノーピークのチタントレックとバウルーのホットサンドメーカー。

調理するものに応じてこれらを組み合わせて持っていく。袋ラーメン、天ぷらうどん、即席スープ、ホットサンド、肉まん等等。

最近はフライパンがほしいなあと思っている。炒め物がやりたい。

山で調理するというのはただのカップ麺でもなんだかそれだけでわくわくするので、ぜひやってみてほしい。

食材は家で切ってジップロックに入れて持っていくことが多いが、いろいろ工夫してみたらいいと思う。

 

登山ってこんなに道具が必要なの!?たいへんじゃないか、と思われたかもしれないが、基本的に登山用品は値が張るものが多く、一気に買うのは大変だ。結構家庭にあるもので代用は効く。工夫次第だ。

まずは三種の神器からそろえてもらって、あとはおいおいという形でいいだろう。

でも、形から入るのも楽しいので、そこはお財布と相談して。

【テーマ】みどりの写真館 Mr.マルーン

  • 2017.06.26 Monday
  • 19:00

テーマ「みどり」ということで、何を書こうか考えました。

緑にもいろいろありますよね。黄緑、緑、青みどり、エメラルドグリーン、抹茶色、エトセトラエトセトラ。

緑色は私の大好きな色です。

今まで撮り貯めた写真数千枚をひっくり返したら、緑色の写真がたくさんありました。

PREMIER、最近ちょっと本数が多くて読むのが大変だな、と思っている方も、目に優しい緑色を見ていってください。

 

木漏れ日

 

紫陽花の上で休憩

 

もみじの赤ちゃん

 

ハスの葉と小鳥

 

木曽駒ヶ岳 千畳敷カールを見上げて

 

京阪電車

 

中央アルプスの稜線 ハイマツの緑と広葉樹の緑のコントラスト

 

モリアオガエルのかくれんぼ

 

オオオニバス

 

蟷螂之斧

 

おしくらハオルチア

 

アナベルの花園

 

山菜の天ぷら

 

緑色って、癒されますよね。

写真メインの記事を出すのは初めてですが、お楽しみいただけたでしょうか。

オオオニバスは全体に暗いし京阪電車は遠いし、カエデの赤ちゃんは周りと色が同化してしまっているし、反省点は尽きません。

もっと本物の美しさに近づけるように、もっと上達したいなと思いました。

やまがある日記〜大普賢岳(1780m)登り Mr.マルーン

  • 2017.06.24 Saturday
  • 00:01

2017年6月初旬 晴れ

 

大峰山系の北部にそびえる大普賢岳。瘤のような岩峰が連なる独特の山容は、周囲の山々からすぐ見つけることができる。以前から登ってみたいと思っていた。

山仲間がちょっと骨のある山に登りたいというので、梅雨入り前の晴天を利用して登りに行く。

 

夜明け前に大阪を出発し、7時に和佐又山ヒュッテの駐車場に到着。ヒュッテの受付で登山届を提出し、早速出発する。今日は岩場や鎖場もある中級者向けのロングコースだ。気を引き締めて臨む。

キャンプサイトを抜けて歩き始めると、ブナやカエデが新緑に輝く森が待っていた。黄緑の葉が陽の光をやわらかく透かして明るい。私が最も愛する山の姿だ。

所々でサラサドウダンの鈴のようなかわいらしい花が目を和ませてくれる。

 

 

ヒメシャラの大木があった。明るいオレンジがかったなめらかな幹が目印だ。幹に触れるとひんやりする。ヒメシャラは樹皮が薄く、表面のほど近いところを水が流れているので冷たく感じるのだ。もし山で見かけたら試してみてほしい。真夏は抱きついてほおずりしたくなってしまう。

少し歩くと、笙の窟、朝日窟など、露出した岩壁の窪みに祠が立てられている場所が続く。大峰の修験者たちは、こういう場所に仏がいると信じていた。岩からしみ出した清水が苔を濡らしていて神秘的に美しい。

どんどん進むと、日本岳のコルに出る。今回は時間に余裕がないのでコースから外れた小ピークには立ち寄らない。小休憩して先に進むことにする。エネルギー切れを防ぐため、心斎橋で買った切れ端カステラをむしゃむしゃ食べた。250円でおなか一杯カステラが食べられる夢のお店だ。おいしい。

燃料も補給してしばらく行くと梯子が現れた。大普賢岳の山頂付近は梯子の連続で知られる。コースの距離は11卍度とそれほど長くないのにコースタイムが長いのも、垂直に高度を稼ぐポイントが多いからだ。

この日はよく晴れて梯子の足場も乾いており、不安なく登っていける。梯子のわきにたくさんのイワカガミが咲いていた。二週間前に登った蓬莱山よりも標高が高いから、少し遅れて見ごろなのだろう。

 

小普賢岳のコルを通り過ぎると、大普賢岳の巨大な岩峰が目前に迫ってくる。鋭さはないが力強い姿だ。かっこいいなあ、と感嘆する。ほとんど垂直の岩壁を、梯子を登り継ぎどんどん高度をあげていくと、遂に山頂へ至る。

山頂からは昨年登った八経ヶ岳をはじめとする大峰の山々、大台ヶ原山、遠くに金剛山なども見える。なんと爽快なことか。晴れてよかった。大普賢はかなり前から登りたい山だったので、ついに山頂に立つことができて、私はとても満足していた。

 

やまがある日記〜大普賢岳(1780m)下り Mr.マルーン

  • 2017.06.24 Saturday
  • 00:00

 

満足しても、今回は周回コースのため、実はまだ行程の半分も終わっていない。大普賢から鎖場のトラバースなどをこなしながら南に下り、シロヤシオやシャクナゲの咲き乱れる稜線を国見岳、七曜岳と縦走していく。生命力にあふれる初夏の山は、歩いているとかえって元気をもらえるようだ。苔むす森の中で、巨大な岩に根を絡みつかせたブナの大木が印象的だった。植物は強い。

 

 

 

七曜岳の狭い山頂で昼食をとる。眼前に二つの山が迫っている。右手の山上ヶ岳は今も女人禁制を守る山で、その隣の稲村ヶ岳は女人大峰と呼ばれる、女性の行場であった。しかし、見た目には稲村ヶ岳の稜線ほうがぎざぎざと鋸状に切れ落ちていて鋭く険しい。地図を確認すると、やはり稜線全体が破線の危険コースだった。あれを渡るのはさぞ肝が冷えるだろう。いつか行かねばなるまい。

次々に人が登ってきて、山頂が混雑してきた。七曜岳山頂は今回の最後の展望ポイントのため、本当ならもう少しゆっくりしたいところだったが、手早く食事を終えて出発する。まだゴールの和佐又山は遠い。

ここまでペースよく進んでいたが、ちょっとしたミスがあった。山と高原地図や登山家のコミュニティサイトで、七曜岳から谷に下る道が間違えやすいと警告されていて、私たちはそれをよく理解していた。しかし、おかしいなと思った時にはもう尾根からの分岐を通り過ぎていて、慌てて引き返した。GPS機能付きのアプリでコースと現在地を確認していたから、深みにはまらずに済んだ。ここまで間違えやすいのだから表示の一つもつけておいてほしいと思う。

一度谷まで下ると、美しい滝がある。多雨地帯において山が持つ清らかで豊かな水源だ。

京都の登山同好会の人たちが休憩していた。すかさず勧誘を受ける。ポンポン山で出会った里山ボランティア団体もそうだったが、山で出会う団体の人たちは隙あらば勧誘してくるのだった。そういうのも楽しいのかもなあと思いつつ、やんわり断る。今は、そういうものは自分にはいらないかなと思う。

 

谷からの岩場の登り返しがきついと聞いていたので警戒していた。巨大な白い岩壁がそそり立っている。とはいえ、石鎚を経験していた我々には大した岩場ではなかった。足場もしっかりしているし、むしろアスレチックのようで楽しいぐらいだ。落石にだけ注意して登っていく。

この登り返しを登りきると、もうゴールは近い。

和佐又山に向かうトラバースの道はだらだらと長いが、バイケイソウをはじめとする山野草が多く生えた楽しい道だった。よく見ていないと見逃してしまいそうな小さな花々を見つけるたび、写真におさめる。図鑑やインターネットで出会った植物の名前を調べるのが、家に帰っての楽しみだ。一度名前を覚えれば、次に山で出会ったときにはもう知り合いとして、向こうから目に入ってきてくれる。

駐車場に着く前に、最後に和佐又山のピークに立ち寄った。開けた山頂部から振り返って見上げた大普賢岳の山容は巨大で威圧感がある。数時間前あの上に立っていたとはとても信じがたい。途中、救助ヘリが上空を飛んでいた。前半のコースの中で遭難者が出たのだという。無事に戻れてよかった。

合計8時間50分に及ぶ長い山行だったが、美しい自然とバリエーション豊かなコースで楽しく歩ききることができた。私たちも中級者に片足突っ込むぐらいにはなれたかな、とうれしく思いつつ、帰路に就いた。

 

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