【テーマ】れんらくもうがすき  Mr.アールグレイ

  • 2018.09.05 Wednesday
  • 18:00

私が中学生の頃まではクラスみんなの家に「家電」(カデンではなくイエデン)があり、それを担任の先生が出席番号だったり住所が近い者同士だったり何らかの法則でいくつかのグループに割り、順番を決めており、緊急時(運動会やの中止など)にその順番通りに電話をかけて伝言リレーをする仕組みがありました。

それを連絡網と呼んでいました。

先生はグループの先頭の家に電話するだけで、あとはみんなが伝えてくれるわけです。

便利。

とても便利。

 

連絡網は紙に印刷されて配られていました。

自分の順番の前後の人の分だけ電話番号を知っていたわけではありません。

クラスの人数分の四角の中に名前と電話番号が書いてありました。

もちろん市外局番は省略されていました。

つまり、クラス全員分の電話番号を私は知っていたのです。

 

当時、友達の家に電話をすると

「もしもし、○○ですが」

と名前を名乗って電話に出ました。

「△△ですけれど□□さんいますか?」

と話して、つないでもらったのです。

家によってルールが違って、子供が出ることにしている家、親しか出ない家、近い人が出る家などがありました。

我が家は親が出ました。

 

当時の私にも人並みに好きな人がいて、視野が狭かったせいか60億人(当時)いるにも関わらずクラスの35人くらいの中から1人選んでいました。

 

連絡網にはルールがあって、自分の次の人が電話に出ない場合は、その次の人に電話してリレーをつないでおき、次の人には出るまで電話しなければいけませんでした。

中学校三年生の時、私の好きな人は連絡網において私の家の次の次でした。

好きだなんて言ったこともないですし、今に至るまで誰にも言ったことがありません。

修学旅行でパジャマトークした時だって隠しました。

あまりモテないタイプの人で、冷静に考えたら私だって私を止めます。

がさつでうるさくてでも運動ができるわけではない。

でも私は好きになってしまったのです。

 

クラスにいじめられっ子がいて、いじめをする不良グループは中三にもなると金品を要求するなどエスカレートしていました。

私はそれを不愉快に思いながら何もしませんでした。

ある日、彼が「やめてやれよ。」と不良グループの中に入っていきました。

聞いたことがない大きな静かな声でした。

「なんだてめえは!」「やられてえのか!」「お前が代わりに払うのか?」「早く土下座しろよ。」

もみくちゃにされています。

胸倉をつかみ、おでこを突き合わせてメンチを切る不良のリーダー。

彼はそれまでやられっぱなしだったのですが、ポケットから出さなかった手を左右にスポっと抜き、リーダーのうなじあたりを掴みました。

そして一気に引き寄せると思いっきりキスをしたのです。

時間が止まりました。

熱烈なキスでした。

リーダーが怒るのを忘れ、彼を突き飛ばすや「うえー」「げぇー」と気持ち悪いアピールをしたのです。

彼は両手を広げてリーダーへ歩み寄り抱きしめました。

すぐに突き飛ばされたのですが、不思議なことにリーダーはそれ以上攻撃せず、きまり悪そうに教室から出ていきました。

 

その日から私は彼を好きになってしまったのです。

クラスメイトでありながら話す接点はほとんどありませんでした。

そこで連絡網です。

私の次の人が出なければ彼の家にかけることができます。

私は気付いてしまったのです。

出なかったことにすればよいのです。

彼の家に掛けたのち、じっくりと私の次の家を攻略すれば良いのです。

誰も困りません。

連絡網のチャンスは年に三度か四度しかなかったように思いますが、私はそのチャンスを待ちました。

 

とうとう卒業まで来ませんでした。

電話の上に貼ってあった連絡網の彼の家の番号はかけたことがないのにまだ覚えています。

 

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