ダイアローグ43〜箱根駅伝PREMIER(上)〜  がりは

  • 2019.01.07 Monday
  • 00:01

大晦日、PREMIERの面々が都内のホテルの一室に集められた。

 

「よし、明後日はいよいよ箱根駅伝や。ねじこんどいた。PREMIERの知名度アップのためや派手に行こう。やるからには勝つ!」
がりはが言う。
「俺はお前らの人間性は信じてないが、勝利に賭ける執念と日頃の努力は信じてる。ほなオーダーを発表する。」
唐突だ!拒否権はないのか!横暴!大体箱根出る資格あるんですか?
口々に皆が叫ぶ。
「私も鬼ではありません。君たちの意見は一応聞く。が!」
が?
「拒否権はない!!」
えーー!!!ぶーーーー!!
「なんだ?ここにいるのは人間じゃなくて豚かこの野郎!黙って聞け!じゃあ行くぞ一区。」
ごくり。
「一区は確実に入らなあかん。どうせけん制しあってそうそうハイペースにもならんやろ。インディゴ、頼んだ。」
「おう!やっぱり俺しかおらんねんな。なんやかんや言うてやっぱり頼りにするのはベテラン、なかでも信頼と実績のこの青き中年の出番ですな。出ると決まったからには俺はやる。シェリー、俺は走る。愛すべきもの」
「やかましい。走るのは明日!トランキーロ!!次二区。二区っていうたら肉、唐揚げ大好きなたりき!」
「えー。ダジャレですやん。しかも相当苦しいし。」
「じゃあシンプルに。二区は腹に肉付いてきたたりき!」
「傷つくし!」
「ダイエットして来い。次、三区。ここはレースがばらけてきて様々な展開に対応できる対応力が必要や。マルーン、行ってくれ。」
「わたし女子ですけど。」
「どうも禁じられてはないらしいぞ。」
「え?」
「みんなさ、山ガールは五区で使ってくると思うやん。俺はさ、マルーンの一番の長所は対応力だと思っている。どんな状況、どんなお題にも水準以上正解未満で返してくる」
「未満て!いつも百点満点、いや百二十点で返してますよ!」
「今回も、やな。ありがとう。次、四区。徐々に登りが始まってたり海風が厳しかったり、人と戦うよりも自分と戦うのに向いているタイプがほしい。ホワイト、頼む。」
「走ってきたらええんでしょう?わかりました、やっときます。」
「さすが。男前。区間新出そう。他は手薄いし。あの青学ですらね。次山登りの五区。ここの出来で毎年優勝決まってるみたいなとこあるからな。ここ、アールグレイ、行ってくれ。」
「え?」
「アールグレイ、頼む。」
「は?」
「だーかーらー、五区、アールグレイ!振り返りが一年遅れになってもギブアップしないその根性で何とかタスキをつないでくれ。お願い。」
「仕方ないですね。あなたのわがままに付き合うのは昔からですから。」
「ありがとう。頼むよ。いったん往路のメンバーは明後日に備えて準備しててくれ。」

 

五人が部屋を出ていく。

「ここからが本題や。」

ダイアローグ43〜箱根駅伝PREMIER(下)〜  がりは

  • 2019.01.07 Monday
  • 00:00

「次六区。下りはX!お前に頼もう。なんかそういうところ通勤してるやろ。経験がものを言うし。」

「いや、それもう何年も前の話ですし。」

「そうかー。でもさ、最近テーマコンテスト調子ええやん。明確なテーマ「下り坂」があるからさ。何とかやっちゃってよ。」

「しかし・・・」

「わっかります、わっかります。無理難題を吹っ掛けられているように感じてなかなかポジティブに捉えられないよね。でもね、できないと思うからできへんのちゃうか?できる方法考えてみたらいけるんちゃうか?」

「行けるような気がしてきました。」

「そう?ほんまに?」

「はい!」

「Really?」

「Yes!I can!!」

 

「次七区。ここ下りから始まる平坦区間やからな。」

「はい!!」

「おお、Pink。どないしたん。」

「私、走ったらあきませんか?」

「その走ったらあきませんか、のあきませんかは飽きませんか?ではなく関西弁で「いけませんか?」の方の「あきませんか?」と捉えてもよい?」

「へえ。結構ですが。」

「走れる体やったっけ?」

「私ね、こう見えて結構脱いだらすごいんです。」

「ほんまや!ひょろひょろのガリガリでめちゃ長距離向き!ハッタリさん、はよ走れるように改造頼む。」

「わかりました。」

「よーし、ありがとう。次八区と九区、ヤマブキ行こう。」

「え?」

「PREMIER史に残る長期連載をしてる君ならフルマラソンくらいの距離ならいけるはずだ。いや、むしろ行ってもらう。行け!行って死ね!」

「ぐぬぬ」

「なんてこたぁありませんよ。いつもの四次元を使えばすっとワープできちゃうでしょ。その辺うまくやってくださいよ、先生。」

「ははは、そういうことですか。了解です。」

「うべべ来たら走らすよ、でもあいつきまぐれやからなあ。エントリーはブッキーで行かせて。」

「いいですよ。走ればいいだけのことですもんね。」

「さっきから聞いていればそうはいきませんよ!」

「ミ、ミッチー。」

「一人一区間という定義をあやふやにしたらそれはもう駅伝じゃなくなりますよ。そこだけはきちんとしましょうよ。」

「と、いうことは?」

「九区、僕をエントリーしてください。」

「よう言うた。お前しかおらんと思ってた!!ありがとう。」

「困ってるんなら早く行ってくださいよ、水臭いな。」

「ほんでアンカー。もちろん俺。文句ないよね?」

 

 

当日、箱根路にメンバーの姿はなかった。

もちろん、PREMIERで各人の奮闘が約一時間おきに更新されたたことは言うまでもない。

ダイアローグ42〜舞台裏〜 Mr.マルーン

  • 2017.03.31 Friday
  • 12:00

とある山の登山口で、1人のゆるふわ山ガールが鼻歌交じりにストレッチをしている。

 「いい日♪旅立ち♪」天気がいいのでご機嫌である。
準備運動を終えるとわきに置いていたバックパックを背負って、出発しようとした。

「待ちたまえ、Mr.マルーン!」
「!?」

タキシード姿の超絶イケメン紳士が木の上に立っていた。バラをくわえている。どこからともなく流れるムーディなBGM。
「ハッガリーニ仮面様!」
ノリがいいので付き合ってあげるマルーン。でも気分的には面倒な人に引っかかっちゃったなあもう出発したいなあと思っている。
「とうっ」
3回転して木から飛び降りるA.ハッガリーニ。GOE満点の美しい着地で登山口の前に立ちふさがった。
「原稿を置いていかねばここを通すわけにはいかない」
「そんな!」
「ひな祭りもサボっただろうっ!」
「ぐぬう!」
「ホワイトデーだ。ホワイトデーについて一本書いてもらおう」
そういうとA.ハッガリーニは気障な仕草でくわえていたバラをこちらに投げてよこす。届かずにぽとりと地面に落ちたが、山でポイ捨てはだめなのでマルーンは仕方なく拾ってバックパックに入れていたビニール袋にしまう。
さて、ホワイトデーに何のネタがあろうか。マルーンは田舎の根暗娘である。いい思い出も悪い思い出もあんまりない。どうしたものか。
バラの袋をザックにつめこみながら思案する。
ふむ。ひらめいた。
「そんな巷のホワイトデーにそのまま乗っかろうだなんてハッガリーニ仮面様らしくもないですね」
「なにぃ」
「PREMIERオリジナルのホワイトデー、やりたくありませんか?」
不敵な笑みを浮かべるマルーン。A.ハッガリーニの目の色が変わる。
「と、いうと」
「Mr.ホワイト、そう、Mr.ホワイトの日にしましょう。Mr.ホワイトが新作を発表し、さらにMr.ホワイトの過去の名作をリバイバルする、Mr.ホワイトのMr.ホワイトによるMr.ホワイトのための、まさにホワイト祭!ホワイトデー!」
「な、なるほど!」
「さあ、今すぐ戻ってMr.ホワイトに原稿を要求しに行くのです!そして他の執筆者に書評を書かせるのです!」
「わかった!!!ありがとう、Mr.マルーン!」
林道を目にもとまらぬスピードで駆け下りていくタキシードをにこやかに手を振って見送ってから、腕時計を見た。
「ちっ、20分ロスか…」
つぶやきながら、登山道に入っていく。ザックについた熊鈴がちりんと鳴った。

ダイアローグ41〜年間最優秀作品?〜 がりは

  • 2011.01.24 Monday
  • 17:06

「年間最優秀作品何になるんやろな。」
『なんの?』
「なんのて!雑兵日記PREMIERに決まってるやんか。」
『だからそれなに?』
「知らんの?嘘やー。」
『なんやのん、それ。』
「知らんわけないやん。日本人やろ?え?まじで言うてるの?」
『だから何やのんそれ。』
「うわ信じられへん。じゃあハッタリスト知ってる?」
『しらーん。』
「うわっ!ほんまに?あのパーフェクト三冠王のハッタリストしらんの?」
『知らんわ。でもハッタリストって雨降ってなくても常に傘持ち歩いてて、雨降って来た瞬間に物すごい大きめの傘を高々と天に向かって差しそうな名前やね。』
「お前ほんまは読んでるんちゃうん?」
『え?何の話?』
「いや、傘うんぬん言うてるから。」
『そんな感じの人ちゃうか、という俺の想像やってんけど。』
「あ、想像ね!びっくりするわー。じゃあ、Mr.ホワイト知ってるの?」
『しらんよ。なんやねんそのレザボア・ドッグスのボスみたいな名前。』
「えっ。しらんの?去年一番月間最優秀作品賞とったあのMr.ホワイトも?終わってるな。」
『知らんわ。Mr.ホワイトってなんか中三の時の塾の夏期講習の先生の家に卒業してからお呼ばれしてワイン飲んだ、ていう思い出がありそうな名前やなあ。』
「お前知ってるやろー!!」
『知らんしらん。』
「なんかさっきから細かすぎるねん。おかしいなあ。ほなNIKEは?」
『知ってる知ってる。』
「ほほう。ヘリクツァーのNIKEやで?」
『はぁ?なんやねんそれ。JUST DO ITのNIKEやろ?』
「ちゃうちゃう。PREMIERの良心と呼ばれる書き手やで。」
『知らんわ。でもどうせ将棋するたびに持ち時間切らしてるんやろ、そのNIKEは。』
「当たってる!お前すごいなあ。天才っちゅうか。」
『当たってるんや。おもろいね。』
「ほな葉山悟は?」
『競馬ばっかりやってそう。』
「ミッチーは?」
『砂漠の真ん中で幻の動物の化石発掘してそう。ヒッポッポタマタマね。』
「うわ。なんか恐ろしくなってきた。アフリカの精霊は?」
『恋の授業してるね。』
「うわあああああ。最後に一応聞いておくけど、がりはは?」
『知らんなあ。でもプロレスラーになったらコーナーポストには素早く上りそうな名前ではあるね。』
「なんやねんお前!ほんまは全部読んでんねやろ!!」
『知ってると言えるほどやないねん。読めば読むほどわからなくなるからさ、雑兵日記PREMIERって。』

ダイアローグ40〜年末チャンネル権争い〜 がりは

  • 2010.12.29 Wednesday
  • 18:15

「絶対にK−1 Dynamite見るぞ。」
がりはが言った。
「反対する奴は俺と猪木さんが許さん。」
『ちょっと待って下さいよ。日本の大みそかは紅白に決まってますよ。やっぱり蛍の光から永平寺の鐘の音のコンビネーションは日本人のソウルに響きますよ。』
とミッチー。

黙ってチャンネルをドラえもんに合わせる奴がいた。
DENCHだ。
「こら電池!何しとんねん!」
にこにこしているが、リモコンを離す気配はない。

【こらこらこらこら。】
とたりきがそれを取り上げた。
【レコ大に決まってるでしょそんなん。】
「なんで?」
殺気が湯気のようにがりはの背中から立ち上っている。
【特に理由はないです。戦うのに理由が要りますか?】
「やるんか。」
【やらいでか。】
二人はがっちりとロックアップし、バックの取り合いからがりはのヘッドロック、たりきのアームロックという順でクラシカルなプロレスが進行した。

その隙に前転しながらミッチーがリモコンを奪い、チャンネルを紅白に替えた。
『石川さゆりはね、ロックなんですよ。』
DENCHが油断したミッチーの背後から股間を拳で打った。
素早く正面に回ると前かがみになるミッチーの頭部を股に挟み、胴をクラッチして持ち上げ、尻もちをつくようにしてパイルドライバー。
その衝撃で転げたリモコンを拾いDENCHはチャンネルをドラえもんへ。
「甘いよ、電池。」
蘇生したミッチーが豪快なジャーマンスープレックスホールド、つま先立ちの美しい人間橋がかかった。
そこにがりはをアルゼンチンバックブリーカーに捉えたたりきが、がりはをどさりこうと投げ捨てた。
折り重なるミッチー、DENCH、がりは。

たりきが悠々とチャンネルをレコ大へ。

(そんなん見ておもろいか?)
【誰だ!】
(アフリカの精霊ですけど。テレビなんか見んと判例読んだらええねん。)
そう言いながら、鈍器のような六法全書でたりきの後頭部を殴打。
被害者は昏倒。
テレビを消した。

[ぬるい!]
ハッタリストがわけのわからない光線でテレビを消滅させた。
そこに葉山悟とMr.ピンクがうんしょうんしょと汚いテレビを運び込んできた。
〈今、そこでホームレスの髪束さんからもろてん。〉
と笑う葉山悟。
〈映るかどうかわからんけど。〉

映らなかった。

いいものがあるザマス。

とピンクが持ち出したのは壊れかけのレディオ。
第九を聞きながらみんなでそばをすすりましたとさ。

ダイアローグ38 がりは

  • 2010.10.30 Saturday
  • 00:02

「ねえ、宇宙にあいた穴は真っ暗かなあ。」
普段は教室の窓側で外ばかり見ている、少し取っつきにくくて針金みたいに細い手足の女の子がいきなり僕に話しかけてきた。

「はい?」
「だから、宇宙にあいた穴は真っ暗かなあ。」
考えてみるまでもなく、彼女と僕が話したのはこれが初めてで、同じクラスになってもう半年が過ぎたのにそんな不思議なことになっているのは、彼女がとっつきにくいせいと、僕が引っ込み思案に見えるせいだ。

「へ?」
「悪いの?耳。うちゅうに、あいた、あなは、まっくらかなあ、と聞いたんだけど。」
彼女のとっつきにくさはこういうところにあると思う。
妙に相手を緊張させるというか、追いつめるところがあるのだ。
大きくて吸い込まれそうな目を真っ直ぐに向けてくる。
宇宙に空いた穴があるとすればそれは彼女の瞳なのではないか。
ちょっとでも油断すると思考力を奪われてしまいそうだ。

「申し訳ない。ぼくは、そのしつもんに、まったく、きょうみが、もてないということを、なまへんじに、たくした。」
「どのへんに興味がもてないわけ?宇宙一般?」

確かに僕のこの返事もひどいけれど、彼女の追及の仕方はもっとひどいように思う。
突然宇宙に空いた穴の話を振られても、それについて僕にしっかりした知見があるわけじゃない。
僕は厳密さを愛する性格なのだ。
しかし、僕は大人だ。
クラスの誰よりも成熟している。
大人には不躾で人を追いつめてくる彼女を教育する義務がある。
引っ込み思案に見えて、僕は言うべき時に言える男なのだ。

「どこもかしこもだよ。宇宙も、そこにあいた穴も、色も。それから、倒置法にも、語尾が「だけど」で終わることにも、ゴビ砂漠にも、東京砂漠にも、ニモにも興味がない。」
「へー。それって面白いんだ。なんだっけ、ニモにもだっけ。あと、東京砂漠だっけ。」

お仕置きするつもりがお仕置きされてる。
なんでゴビとかニモとか言っちゃったんだろう。
いつものクールな僕のペースじゃない。

「わかった。私に興味がないんだね。わかってたよ。仕方がないね。」

彼女はおおげさにため息をついて、僕に背中を向けた。
でも立ち去らない。
それはまだ、なだけで、今すぐにでも、であった。
僕は決めなくてはならない。
彼女に関心があるかどうかを。
できるだけ早く。

ダイアローグ36〜あつい〜(前篇)

  • 2010.08.25 Wednesday
  • 22:36

「あついって言うたら負けな!」とがりは。
「負けたら死ぬことな!」とたりき。
「何機まであるんですか?」とミッチー。
「法的には1機やね。」とNIKE。
原っぱを吹きわたる風、そよぐ草。
「死んで生き返った時に同一人物だと判断する法的根拠ないからね。」
「なにをごちゃごちゃ言うてんねん。あついて言うたら負けな!」とがりは。
「負けたら死ぬことな。」とたりき。
「しつこいねん!」とがりは。
「あついと言ったら負けというのは、あ、と、つ、と、いを連続で言ってはいけないということでいいですね。」とミッチー。
「そういうことや。何を疑っとんねん。」
「へへへ。」
「ほな始めるで。よーい、どん!!あちゃちゃちゃちゃちゃ何すんねん!!!」

がりはの尻にライターの火を近づけたのは電池。
すかさずがりはは左手でヘッドロックを極め、握った右拳の中指の関節をマッチを擦るように電池の毛の生え際にこすりつけます。
「ギブギブギブ!」
「ギブじゃないやろ。」
「じゃあなんて言えばいいんですか」
「あつ・・・・あぶな!!油断も隙もないな!こうじゃこうじゃ!!」
「あついあついあつい!!」
電池が脱落してしまいました。
「負けたら死ぬことな!」たりきが弱った電池をどこかへ連れていきます。

がりはの手法は他の参加者に恐怖を与えました。
ミスで「あつい」というのを誘うのではなく、「あつい」と言った方がましだという状況を力ずくで作るのですから。
灼熱の原っぱでみんなを追いかけるがりはと、がりはから逃げまどうみんな。

ミッチーのサンダルが脱げて、がりはに捕まりました。
バックマウントの体勢から胴締めスリーパーへ。
落ちたミッチーにカツを入れ、起きざまに
「ミッチー、お水だよ。」と白湯を差し出すがりは。
「あつい!!」
「負けたら死ぬことな!」とたりきがミッチーを引きずっていきます。

NIKEががりはの背後からそっと近づき、六法全書をオーバーハンドで頭に叩きつけようとします。
直撃しようとするまさにその瞬間、横から邪魔が入ります。
「死んじゃうよ。殺すのは反則だよ。反則したら死ぬことな!」たりきです。
「まだ殺してないじゃないか!」と主張するNIKEをたりきは胴タックルの体勢で素早くどこかに持っていきます。

ダイアローグ36〜あつい〜(後篇)

  • 2010.08.25 Wednesday
  • 22:35

意を決したようにハッタリががりはに正対し、クイズを出します。
「無償の奉仕という意味の」
「ピンポン!ボランティア!」
「正解。次の問題です。140字以内で今何を」
「ピンポン!ツイッター!」
「ふおおおお。ひっかかりましたね。あついといったら死ぬことな!でしたっけ。いま「あ」と「つい」を続けて言ったぞ!」
「引っかかったのはお前の方じゃ!俺は「あ」と「つい」の間に「ピンポン」はさんどるんじゃ!ダウトも死ぬことな!」
「ダウトは死ぬことな!」たりきが観念したハッタリをどこかに連れていきます。

さて、たりきと二人になったがりはは、事務所に誘います。

「お前、あいつらどこにしまってきたんや。」
「それは秘密です。」
「で、どうやって決着つけるねん。お前があの言葉言うたら、どこに連れていったらええねん。」
「がりはさん、ぺらぺらとようしゃべりますね。僕が怖いんでしょう。」
「ああ、こわいよ。みんなお前にどうされたんかわからんしな。」
「早く僕のことを倒して、力づくで言わしてみたらどうですか。」
「だとこらっ!」
「口だけですか?」がりはの頭をなでるたりき。
「お前、そんなことしてただで済むと思ってるんか。」
「ぴちゅれい。」
「なーんーやーとー!!!」
「ぴちゅれいぴちゅれい」
ばしん!
がりはがたりきの頬を張ります。
ばしん!!
たりきも負けじとがりはの頬を張ります。
交互に二十発はやりあったでしょうか、両者がふらついてノックダウン。
カウントが数えられます。
ピンクの蝶ネクタイをしているところを見るとMr.ピンクでしょうか。
ゆらゆらと立ち上がった両者、がっちりと組み合ったかと思うとがりはのブレーンバスター、たりきのジャーマンスープレックスが交互に繰り出されます。
4回ずつ投げ合ったところで、がりはが膝をつきました。
たりきがすかさず顔面にひざ蹴り!
そのまま押さえこんで、カウント三つ!
たりきの腕を高く掲げたピンクがあふれ出る涙を隠そうともしません。
「感動したざます!あついざます!!」
「あついって言うたら負けな!」とリングに伸びていたはずのがりは。
「負けたら死ぬことな。」とたりきがピンクに襲いかかり、ひいいいいとか言ってるピンクをどこかに連れて行きます。

たりきが戻ってくると二人は事務所に入っていきました。
「ほな、手加減抜きでいくで。」
将棋盤を挟んだ彼らは十秒一番手直りを始めました。
時計の音が響きます。 

ダイアローグ35〜助けてください〜 がりは

  • 2010.07.06 Tuesday
  • 17:26

「私はストレスに非常に弱いんです。」
ハッガリーニが言った。
『嘘をつけ。お前がストレスに弱かったら、今頃生きてへんやろう。何しろメンバーが原稿を落としまくっているPREMIERの編集長をやってるねんからなあ。』とがりは。
歯に衣着せぬにも程がある。
『で、あらたまってストレスの話なんかしてどうしたんや。ストレスに弱いってのはメロメロになっちゃうってことか?もっと僕にストレスを!艱難辛苦我に与えよ!!てか?俺そういうの得意やで。』
「いやいやいやいや。結構です。ほんとに結構ですから。」
『じゃあどうしたんだい。』
「聞いて下さいよ。私はストレスに弱いんですけど、それが体に出るんです。」
『お腹くだしたりするの?』
「いえ、お腹は下しません。」
『あ、逆に食べられへんようになるんや。』
「いえ、食は人間の基本ですので。三食しっかり頂きます。端手抜いても飯抜くなと言いますし。」
『聞いたことないぞ。』
「今私が言いました。」
『しばくぞ。ほな眠れなくなる?』
「いえ、眠りは人間の基本ですから。7時間は寝ます。」
『そら長生きするなあ。よろしいなあ。』
「どうもどうも。」
『どう考えてもストレスフリーやないか!』
「弱いです。」
『ほなどうなるねん。』
「見ますか?」
『なんや、怖いな。』
「後悔しませんね。」
『ちょっちょっちょ、ちょとまてみようか。』
「どうして片言なんですか。目をそらさずに私をみてください!」
ハッガリーニはワイシャツを破り捨て、上半身裸になりました。
そこには真っ赤なじんましんだらけ。

「私はストレスが体に出るんですよ!」
『すごすぎるなあ。体パンパンやんけ。』
「この状態で一日七時間寝るのがどんなに苦しいか・・・。」
『そっち?』
「冗談ですよ。今これが何のストレスかわかりますか?」
『明日登板予定がDENCHストレス?』
「ぶっぶー。」
『ミスターピンクがMr.Pinkじゃないのはなんでかストレス?』
「ぶっぶー。マニアックですねー。」
『ま、まあな。でもわからんなあ。』
「誰も私のストレスを判ってくれない。」
『だからなんやねん。』
「投票ですよ!!今回は何人の方が投票して下さるのかと考えたらプレッシャーで・・・。」
『どうなるねん!』
倒れたハッガリーニをがりはが抱きかかえます。

『おい!誰か!!救急車!!いや、投票したってくれ!!こいつを救うために投票したってくれ!!!助けてください!!』

ダイアローグ34(上)

  • 2010.05.30 Sunday
  • 21:45
「よーし、今日は俺がおごったる!」とがりはが威勢のいいことをいいます。
「わーいわーい。」たりきとうべべが口を揃えます。
「いくらまでならおごってもらえるんですか?」電池がルールを決めに動きます。
「目の前にあるこのマクドじゃ。ハンバーガー一つずつおごったる。」
「えー。」たりきとうべべが口を揃えます。
「それを食べたくない場合はどうするんですか?」とミッチー。
「お前食べたくないんか?」とがりは。
「いえ、僕は食べたいですけれども、ルールとしてそこは決めておかないと。」とミッチー。
「食べたくない奴はおるか?」とがりは。少し血が上ってきているようです。
「しーん。」たりきとうべべが口を揃えます。
どうやらいないようです。
「ほなこれで買うてきてくれ。」
「はい。」財布を渡された電池が「一応」と言って中をのぞきます。
「あれ?三百円しか入ってないです。」
「そんなことあるかい!!貸してみろ。・・・・・。なんで三百円しか入ってないねん!」
「あーあー。」たりきとうべべが口を揃えます。
「三百円で八百円のものを買おうなんて、いくらなんでも無理じゃないですか。」と柔らかく笑いながらミッチー。
「窃盗か強盗、詐欺なんかでの立件も視野に入ってくるで。」とNIKE。
「このハンバーグの元は三田の牛ですか?」とハッタリスト。
「まあまあ。」とMr.Pink。
「やかましい!!断じて行えば鬼神もこれを避く。ええから買って来い!!」とがりは。
「出た恫喝!」とたりき。
「お前もじゃ!」
「えー。」
「じゃあ、俺はなしということで。」と電池。
「あほか。順番で行って来い!」
「捕まるって。」とNIKE。
「どんな理屈ですか。」とミッチー。
「くだらないなあ。実にくだらない。くだらなくて逆にいいですよ。」とハッタリ。

見ておれん!と勇んで飛び込んだのはMr.Pink。

みんな口を開けています。
様子を窺いにそっと中に入ると、レジで八百円請求されたMr.Pinkが何やら言ってます。
「じゃあ、細かいけど百円玉で払うざます。一枚二枚いま何時?」
「3時です。」
「4枚、今何分?」
「5分です。」
「う、コインがもうない・・・。うまく行ったと思ったのに!ちくしょー!覚えてなさい!!」
一同に気がつかず泣きながら去って行きました。

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