ザ☆プリミエール〜歯医者〜 がりは

  • 2022.10.07 Friday
  • 23:58

 

ヤマブッキー「どうも最近歯が痛いのよ、でおなじみの僕ヤマブッキーと」
がりは「歯の痛みを忘れるために太ももをつねり倒して足もげた、でおなじみのがりはです。」
ヤ&が「二人合わせて、ザ☆プリミエールです。お願いします!」
大喝采。
ヤ「いやー、気持ちよく揃ったね。」
が「予想外に揃ったね。もう仕事終わったも同然ですよ。」

ヤ「もうね、フェスですよ。」
ガ「なになに、どうしたん。」
ヤ「フェスが帰ってきたんですよ。」
ガ「そらおめでとう。そうなんですよ。日本各地でね、ロッキンジャパンとかね、サマーソニックとかね、フジロックとかね、再開しましたけれども」
ヤ「僕たちもフェスいかなあかんよね。」
ガ「ん?客として?」
ヤ「もちろん、オーディエンスとしても楽しめると思うけどさ、演者としてよ。」
ガ「えー?フェスで?めっちゃアウェイよ?」
ヤ「コール&レスポンスとかさ」
ガ「どうやってやるの。俺ら漫才やで?」
ヤ「例えばさ、アツはナツいねえ!」
ガ「待て待て待て、きついきつい。何マイク向けてんねん。それに対する解は一つじゃないやろ。」
ヤ「あ、そう?じゃあね、一発気持ちいいの行きますか。いくぞー!1!2!3!」
ガ「こらー!!!誰が許しても俺が許さんぞ!!」
ヤ「え?ダメ?元気あるけどダメ?」
が「今はダメ!」
ヤ「そっか。コール&レスポンスじゃなくて、シンガロングならいけるかな。」
ガ「いきなりマイク向けても!!そんな決め台詞ないやんか。」
ヤ「あかんかー。」
が「そんなことより、フェスより先に歯医者いかなあかんのちゃうん?痛い痛い言うてるやん。自己紹介の時から。」
ヤ「僕は!お客さんが待っているなら!こんな痛みなんでもないよ!」
観客大拍手。
が「お客さん、甘やかしてはいけません。虫歯できてるだけなんですよ。」
ヤ「どんな苦しみがあろうと、どんな困難が待ち受けていようと」
観客大拍手。
ヤ「お前ら、もっと声出していいんだぞ!!」
が「やめろって。ワンオクがめっちゃ顰蹙買ったやつ!」
ヤ「怒られるなら俺が怒られるから!俺が責任とるから!」
が「それ責任とってないやつ!やめろって!君が歯医者いけば問題ないんよ。」
ヤ「歯医者とか正直行きたくないじゃない。」
ガ「医者の不養生やん。典型的な。」
ヤ「歯医者って医者か?」
ガ「え?見下してるの?」
ヤ「そんなことないよ。」
ガ「自分がお医者さんだから、歯医者さんをちょっと下に見てるの?
ヤ「そんなことないよー。」
ガ「ほななんで行かないの?」
ヤ「こわい。」
ガ「何が?あ、あれ?キイイイイインみたいな音とか麻酔してても麻酔効いてるのかなって訊きたくなるくらい痛いのとか?」
ヤ「いや、そんなん大丈夫。」
が「ほな何が怖いねん。ちょっとやってみるから教えて。」

がりは一旦、後ろに下がり、歯医者さんの態でヤマブッキーの隣に来る。

ガ「ご無沙汰してますね。その後どうですか?」
ヤ「・・・・・・・・。」
ガ「ご無沙汰してますね。その後どうですか?」
ヤ「・・・・・・・・。」
ガ「その後いかがですか!?」
ヤ「・・・・元総理が撃たれてね」
ガ「・・・?」
ヤ「統一教会の過剰献金の問題や多くの議員との関係が明るみに出てね」
ガ「あの・・・歯の調子」
ヤ「乾坤一擲、岸田総理は内閣改造したのにね、統一教会とずぶずぶの議員が普通に入閣していてね」
ガ「もう聞きましょ。」
ヤ「次に国葬でしょ。意見いろいろありました。面白かったのは反対だよ、だけど決まったことに反対しても仕方ないじゃない、という人が今回は多かったことですよ。」
ガ「論評はじまりました。床屋政談とはいうけどね、歯医者では・・・」
ヤ「凱旋門賞で日本馬四頭惨敗してね。武の馬は出だしから故障したのかと思いましたよ。怪我無く完走して良かったー。」
ガ「急にスポーツ!」
ヤ「オリックスがまさかの最終戦逆転優勝してね。」
ガ「なんかすっきりせんけどねえ。」
ヤ「ヤクルトの村上が最年少三冠王になってね。」
が「明るい話題やね。」
ヤ「玉鷲が最年長優勝してね」
が「最年少から最年長に話題変えてきましたよ。サイドチェンジがすごいな。」
ヤ「最年長猪木のアントニオが亡くなってね」
が「なんやのんその最年長。」
ヤ「弔砲を北朝鮮の黒電話がポンポンポンポン打ってね」
が「56本くらい打ったんちゃうかな」
ヤ「村上がね、王さんの記録を抜いてね。」
ガ「あかん、我慢できひん!ちゃうちゃうちゃう!誰が前回の検診のあとの日本の話を歯医者でするのよ。」

ヤ「最年長ビクトリアが亡くなってね」
が「いろいろな分野で最年長やったでしょうけども。」
ヤ「ビットコインが下がってね」
ガ「おっと。関連あるかのような言い方やね。」
ヤ「円もポンドも下がってドルの一人勝ちですわ」
ガ「そんなことよりもっと大事なことあるやろ」
ヤ「燃料が上がり続けてるのよ。ウラジミールのおかげで。」
ガ「プーチンのこと?安倍さん生きてるうちにプーチンに電話したんかなあ。猪木さんやったら直接しゃべったやろなあ。」
ヤ「ウラジミール、どこまでも駆けていこうではありませんか!」
ガ「モノマネうまいな。駆けていくというか、水かけて冷静になれ、て言うたって。」
ウ「北米にはハリケーンが来てね。」
ガ「いくらなんでも水かけすぎやて。」
ヤ「サッカーの試合で暴動が起きて130人亡くなったのよ。」
ガ「水やのうて催涙弾かけたらしいよね。水かけたら良かったのにね、てちゃうねん!日本の話じゃなくて海外の話やからええねん、じゃないのよ!」
ヤ「世界とは自分であり、自分とは世界である。」
ガ「こすもぽりたーん!」
観客「ヤッサイ!モッサイ!」
ヤ&ガ「オッサオッサ」


(誰かさんにザ☆プリミエール書けと言われた気がしたので。お祝いに。)

緊急対策会議  がりは

  • 2020.03.30 Monday
  • 22:07

が「新型コロナウィルスの感染拡大予防ということで、我々雑兵日記PREMIERとしても打てる対策は積極的に打っていきたいと思う。」
P「ついに動きましたか。山が動きましたね。」
た「ほとんど字しか書いてないサイトで?」
B「こんなところにわざわざ集めて言うこと?」
I「満員電車よりはましやな」
ア「ここどこ?」
ヤ「僕が得意の四次元を使ってみなさんをお連れしたんですよ。無人の中山競馬場のゴール地点へね。空気もいいし、広さもあるし。」
ホ「いっぺん僕も走ってみたいと思ってたんですよ。ありがとうヤマブキさん!」
た「僕もね、参考までに走ってみたいとおもってたんですよ。そんなに最後の坂きついんかなあと思って。意外とね、きついですよ。」
I「いまいち予想の精度が上がらんのは現場調査が足りんかったせいじゃな。」
一同苦笑

が「じゃかましい!!会議始めるよ。」
B「わざわざ集めてやらなきゃいけないこと?」
が「便宜上、便宜上そういうことにしてるの!ダイアログ成り立たないでしょう。」
ア「G20がテレビ会議でやっているこの時代に?」
ヤ「ズームで良かったのは?」
が「ほら、重要機密に関わる事やん?」
P「そういえばこの間秘密が漏れてましたねぇ。」
が「なぬ?」
P「ほら、インディゴさんの」
I「え?わしの?」
が「図書館で調べて書いてるってこと?」
P「そうですそうです。」
I「何も隠していることはないぞ。」
が「あ、そういうことか。ヤマブキみたいに実在してないやつしれっと入れるということがしにくいなあ。パスカルパスカル。」
I「そんなことは初めからせんのじゃ!」
が「あれおもろいけど登場人物がみんな語尾「じゃ」になってるの気になってたんやけど、あんたの癖かいな。翻訳者の口癖が反映されるとはな。」
I「何がじゃ。どうしてじゃ。」
た「か、かんぺい!!」
X「すんません、遅れました!!」
が「検温して。」
ヤ「37.2度」
全員「ビミョー!!」
X「走ってきたんで。最後の坂きついっす。」
ヤ「うがい、手洗い、検温、栄養取ってよく寝て、ストレスなく生きましょう。あと人込みにはいかないように。」
P「じゃあ薬出しときますから。」
た「なんの??」

P「ちょっと気持ちよくなるやつ。」
ア「馬乗りたい。」
が「わがまま言うな。本題入るぞ。」
B「集めてまでやること?伝達だけなら集合会議必要ないと思うけど。」
ア「馬乗りで殴りたい。」

ヤ「僕で良ければ!!」
が「我々プリミエールは新型コロナウィルスの感染拡大防止対策を、以下の通り行う。たりき、発表して。」
た「まず全員在宅でのテレワークとする!」
が「うん、もうやってる!!」
全員「いえー!!!!」
た「読者の皆さんに作品を毎日届けます!」
が「うん、もうやってる!!」
全員「いえー!!!!」
た「しかも無料で!」
全員「いえい!!」
た「webを通じて」
全員「いえい!!」
た「過去の作品も読み放題!!」
全員「いえー!!!!」

が「全部俺らやってることやったな。結構先進的だったのね。おつかれおつかれ。」
B「いえー!!てやるの結構楽しかった。」
ヤ「関西方面のみなさん、四次元が出発しますよー。」

 

※雑兵日記PREMIERはクラウド上で作品を管理しており、全国いや全世界インターネットのつながるところであれば作品を投稿することも読むこともできます。自粛疲れが出ていると思いますが、そんな時は雑兵日記PREMIERを読む、読むのに飽きたら書くなどして気分をリフレッシュしてくださいね。

 

(テーマ「コロナ」)

ちゅうせい  がりは

  • 2020.01.24 Friday
  • 23:00

「こっち向いて。」
「なんやねん。」
「こっち向いてよ!」
「なんやねん、今ジョーの試合ええとこやねん。」
「何回も観てるやつやん。こっち向いてって。」
「やかましいのう。なんやねん。」
「向いてくれへんねんな。うちのこと好き?」
「・・・おう。」
「おうじゃわからん。」
「ほなどうしたらええねん。」
「わからんの?」
「うん。」
「教えてほしい?」
「うっといのう。」
「こっち見てって!」
「なんやねん、今やなくてええやろ。あと一分待って!」
「じゃあこうしたる。」
「なんでまたがって来るねん。俺のジョーがやられてまうやんけ。」
「へへへ。」
「ええ加減にせえよ!」
「ヒント。現代じゃなくて、古代でもないねん。」
「はあ?」
「酸性でもなくアルカリ性でもないねん。」
「ほお。」
「ちゃんと考えてる?わかった?」
「わからん。」

「ロイヤリティともいうね。」
「なあ、もうさあ。」
「わからへんの?ちゃんと私のこと好きなん?」
「好きやって。このラウンド見せてくれたらな!」
「そんなん言うて!しらん!」
「いたっ!叩くことないやろ!」
「どうしたらええかわかるまで10秒ごとに叩く。」
「なんやその罰は。」
「7、8、9、10。」
「いたっ!!マジでか!マジでやるのか!」
「7、8、9」
「ちょ、ちょう待って。考えるから。ヒント!」
「うーん。男でも女でもないっていうか。」
「どういうこと?」
「7、8、」
「ヒ、ヒントくれ。」
 もうあんまりないって。うちが何て言うてたか思い出してみ。」
「なんやっけ。」
「7、8、9」
「こうなったらこうじゃ!!」

・・・・・・

「やっとわかったん。あほやなあ。」
「え?カウント止めるために口塞いだだけやけど。」
「そうなん?まあ、ええわ。」
「ジョー、負けとるやんけ。。。」

 

(テーマ「ちゅうせい」。)

ダイアローグ45〜不安〜 がりは

  • 2019.10.30 Wednesday
  • 23:36

がりは「おいおいおい。お前ら大丈夫か。そんなことで。」
 たりき「なんのことですか?」
 が「この季節言うたら決まっとるやろがい。」
 た「天皇賞秋」
 Indigo「日本シリーズ」
 マルーン「フィギュアスケートグランプリシリーズ」
 ヤマブキ「来年度のナースの採用試験」
 アールグレイ「クリスマス商戦」
 ホワイト「ラグビーワールドカップ」
 が「ちがああああう!!ハロウィンやろ!!ハロウィンせんかい!!」
 マ「ハロウィンするって・・・」
 が「ハ!ロ!ウィ!ン!!」
 ア「おっさんが何いきってるの?」
 が「同い年やろがっ!時事ネタが少ないのよー。PREMIERはさ。読者は時事ネタ求めてるわけ。」
 I「時事ネタは俺が」
 た「週1以上時事ネタ書いてますけど」
 が「ほんまや。でもな、将棋と競馬では世間に届かんのよ!」
 マ「そうそう、フィギュアスケートくらいじゃないと。ユズル・ハニュゥゥゥゥウ!!」
 ア「そうそう、レインメイカー!オカダァ・カズチカァアアアア」
 が「フィギュアもプロレスも大事なんやけどね、うんうん。」
 ヤ「わかりますよ。エロですよね。」
 が「エロに時事はない!!不変!!ハロウィンしようや。な?」
 ホ「ラグビーの好きな国のジャージー着とけばいいでしょう。がりはさんはどうせコスプレしたいだけなんでしょ?」
 が「何をいうとんねん。」
 た「これ図星の時の癖な。」
 ア「高校の時から変わってない。おもしろいねー。」
 が「じゃかましい!いやあ、不安やわ。読者の期待に応えてるかどうか不安やわ。」
 ヤ「僕が不安なのは」
 が「PREMIER芸人は不安よな。がりは、動きます。」」
 ヤ「話を最後まできいてもらえないじゃないかと不安だったんですが。」
 マ「誰が芸人なんですか?」
 P「ここはひとつ大喜利でもどうです?」
 が「まず私に挨拶の声をかけてください。私が『おお今日は変わった格好をしているね。』と答えますからそこで一言返してください。はいマルーンさん早かった。」
 マ「下界のがりはさーーん!」
 が「おお今日は変わった格好をしているね。」
 マ「山頂から呼びかけてるのになんで見えるんですか?」
 が「こりゃおもしろい、一枚やっておくんなさい。てちゃんとコスプレして!!次!!」
 ア「ちら。ちら。」
 が「挨拶して。」
 ア「ちら。ちら。」
 が「変わった挨拶やな。しゃあない。おお今日は変わった格好をしているね。」
 ア「スカートとあいさつは短い方が良いと申しまして。」
 が「君がやって会場凍りついたやつやないか!もう偉いんやからおとなしくして。即位式と違ってドレスコードないけどね。はい次。」
 I「この度はお足元の悪い中ご参列いただきまことにありがとうございます。」
 が「おお今日は変わった格好をしているね。」
 I「故がりはのお別れ式にこんなにもお集まり頂き」
 が「そんなに憎まんでもええやろ。殺すな殺すな。一枚持って行って。」
 X「僕はハロウィンぽくいきますよ。がりはさぁ・・・・ん」
 が「おお今日は変わった格好をしているね。」
 X「なんで見えてて平気なんですか。透明になる薬を開発したので僕裸なんですけど。」
 が「こりゃおもしろい。一枚やってください。だからさー、コスプレしてや!はいヤマブキ」
 ヤ「やっさい!」
 が「もっさい!」
 ヤ&が「おっさおっさ」
 が「こらー!!仕込み刀で笑いを取るな!全部持って行って。と、この辺で笑点お開き。また来週。て何やらしとんねん!」
 P「がりはさん、笑点のコスプレで圓楽は古いですよ。やるなら談志にしてください。」
 た「いやー、ハロウィンに向けて不安しかないっす。」

ダイアローグ43〜箱根駅伝PREMIER(上)〜  がりは

  • 2019.01.07 Monday
  • 00:01

大晦日、PREMIERの面々が都内のホテルの一室に集められた。

 

「よし、明後日はいよいよ箱根駅伝や。ねじこんどいた。PREMIERの知名度アップのためや派手に行こう。やるからには勝つ!」
がりはが言う。
「俺はお前らの人間性は信じてないが、勝利に賭ける執念と日頃の努力は信じてる。ほなオーダーを発表する。」
唐突だ!拒否権はないのか!横暴!大体箱根出る資格あるんですか?
口々に皆が叫ぶ。
「私も鬼ではありません。君たちの意見は一応聞く。が!」
が?
「拒否権はない!!」
えーー!!!ぶーーーー!!
「なんだ?ここにいるのは人間じゃなくて豚かこの野郎!黙って聞け!じゃあ行くぞ一区。」
ごくり。
「一区は確実に入らなあかん。どうせけん制しあってそうそうハイペースにもならんやろ。インディゴ、頼んだ。」
「おう!やっぱり俺しかおらんねんな。なんやかんや言うてやっぱり頼りにするのはベテラン、なかでも信頼と実績のこの青き中年の出番ですな。出ると決まったからには俺はやる。シェリー、俺は走る。愛すべきもの」
「やかましい。走るのは明日!トランキーロ!!次二区。二区っていうたら肉、唐揚げ大好きなたりき!」
「えー。ダジャレですやん。しかも相当苦しいし。」
「じゃあシンプルに。二区は腹に肉付いてきたたりき!」
「傷つくし!」
「ダイエットして来い。次、三区。ここはレースがばらけてきて様々な展開に対応できる対応力が必要や。マルーン、行ってくれ。」
「わたし女子ですけど。」
「どうも禁じられてはないらしいぞ。」
「え?」
「みんなさ、山ガールは五区で使ってくると思うやん。俺はさ、マルーンの一番の長所は対応力だと思っている。どんな状況、どんなお題にも水準以上正解未満で返してくる」
「未満て!いつも百点満点、いや百二十点で返してますよ!」
「今回も、やな。ありがとう。次、四区。徐々に登りが始まってたり海風が厳しかったり、人と戦うよりも自分と戦うのに向いているタイプがほしい。ホワイト、頼む。」
「走ってきたらええんでしょう?わかりました、やっときます。」
「さすが。男前。区間新出そう。他は手薄いし。あの青学ですらね。次山登りの五区。ここの出来で毎年優勝決まってるみたいなとこあるからな。ここ、アールグレイ、行ってくれ。」
「え?」
「アールグレイ、頼む。」
「は?」
「だーかーらー、五区、アールグレイ!振り返りが一年遅れになってもギブアップしないその根性で何とかタスキをつないでくれ。お願い。」
「仕方ないですね。あなたのわがままに付き合うのは昔からですから。」
「ありがとう。頼むよ。いったん往路のメンバーは明後日に備えて準備しててくれ。」

 

五人が部屋を出ていく。

「ここからが本題や。」

ダイアローグ43〜箱根駅伝PREMIER(下)〜  がりは

  • 2019.01.07 Monday
  • 00:00

「次六区。下りはX!お前に頼もう。なんかそういうところ通勤してるやろ。経験がものを言うし。」

「いや、それもう何年も前の話ですし。」

「そうかー。でもさ、最近テーマコンテスト調子ええやん。明確なテーマ「下り坂」があるからさ。何とかやっちゃってよ。」

「しかし・・・」

「わっかります、わっかります。無理難題を吹っ掛けられているように感じてなかなかポジティブに捉えられないよね。でもね、できないと思うからできへんのちゃうか?できる方法考えてみたらいけるんちゃうか?」

「行けるような気がしてきました。」

「そう?ほんまに?」

「はい!」

「Really?」

「Yes!I can!!」

 

「次七区。ここ下りから始まる平坦区間やからな。」

「はい!!」

「おお、Pink。どないしたん。」

「私、走ったらあきませんか?」

「その走ったらあきませんか、のあきませんかは飽きませんか?ではなく関西弁で「いけませんか?」の方の「あきませんか?」と捉えてもよい?」

「へえ。結構ですが。」

「走れる体やったっけ?」

「私ね、こう見えて結構脱いだらすごいんです。」

「ほんまや!ひょろひょろのガリガリでめちゃ長距離向き!ハッタリさん、はよ走れるように改造頼む。」

「わかりました。」

「よーし、ありがとう。次八区と九区、ヤマブキ行こう。」

「え?」

「PREMIER史に残る長期連載をしてる君ならフルマラソンくらいの距離ならいけるはずだ。いや、むしろ行ってもらう。行け!行って死ね!」

「ぐぬぬ」

「なんてこたぁありませんよ。いつもの四次元を使えばすっとワープできちゃうでしょ。その辺うまくやってくださいよ、先生。」

「ははは、そういうことですか。了解です。」

「うべべ来たら走らすよ、でもあいつきまぐれやからなあ。エントリーはブッキーで行かせて。」

「いいですよ。走ればいいだけのことですもんね。」

「さっきから聞いていればそうはいきませんよ!」

「ミ、ミッチー。」

「一人一区間という定義をあやふやにしたらそれはもう駅伝じゃなくなりますよ。そこだけはきちんとしましょうよ。」

「と、いうことは?」

「九区、僕をエントリーしてください。」

「よう言うた。お前しかおらんと思ってた!!ありがとう。」

「困ってるんなら早く行ってくださいよ、水臭いな。」

「ほんでアンカー。もちろん俺。文句ないよね?」

 

 

当日、箱根路にメンバーの姿はなかった。

もちろん、PREMIERで各人の奮闘が約一時間おきに更新されたたことは言うまでもない。

ダイアローグ42〜舞台裏〜 Mr.マルーン

  • 2017.03.31 Friday
  • 12:00

とある山の登山口で、1人のゆるふわ山ガールが鼻歌交じりにストレッチをしている。

 「いい日♪旅立ち♪」天気がいいのでご機嫌である。
準備運動を終えるとわきに置いていたバックパックを背負って、出発しようとした。

「待ちたまえ、Mr.マルーン!」
「!?」

タキシード姿の超絶イケメン紳士が木の上に立っていた。バラをくわえている。どこからともなく流れるムーディなBGM。
「ハッガリーニ仮面様!」
ノリがいいので付き合ってあげるマルーン。でも気分的には面倒な人に引っかかっちゃったなあもう出発したいなあと思っている。
「とうっ」
3回転して木から飛び降りるA.ハッガリーニ。GOE満点の美しい着地で登山口の前に立ちふさがった。
「原稿を置いていかねばここを通すわけにはいかない」
「そんな!」
「ひな祭りもサボっただろうっ!」
「ぐぬう!」
「ホワイトデーだ。ホワイトデーについて一本書いてもらおう」
そういうとA.ハッガリーニは気障な仕草でくわえていたバラをこちらに投げてよこす。届かずにぽとりと地面に落ちたが、山でポイ捨てはだめなのでマルーンは仕方なく拾ってバックパックに入れていたビニール袋にしまう。
さて、ホワイトデーに何のネタがあろうか。マルーンは田舎の根暗娘である。いい思い出も悪い思い出もあんまりない。どうしたものか。
バラの袋をザックにつめこみながら思案する。
ふむ。ひらめいた。
「そんな巷のホワイトデーにそのまま乗っかろうだなんてハッガリーニ仮面様らしくもないですね」
「なにぃ」
「PREMIERオリジナルのホワイトデー、やりたくありませんか?」
不敵な笑みを浮かべるマルーン。A.ハッガリーニの目の色が変わる。
「と、いうと」
「Mr.ホワイト、そう、Mr.ホワイトの日にしましょう。Mr.ホワイトが新作を発表し、さらにMr.ホワイトの過去の名作をリバイバルする、Mr.ホワイトのMr.ホワイトによるMr.ホワイトのための、まさにホワイト祭!ホワイトデー!」
「な、なるほど!」
「さあ、今すぐ戻ってMr.ホワイトに原稿を要求しに行くのです!そして他の執筆者に書評を書かせるのです!」
「わかった!!!ありがとう、Mr.マルーン!」
林道を目にもとまらぬスピードで駆け下りていくタキシードをにこやかに手を振って見送ってから、腕時計を見た。
「ちっ、20分ロスか…」
つぶやきながら、登山道に入っていく。ザックについた熊鈴がちりんと鳴った。

ダイアローグ41〜年間最優秀作品?〜 がりは

  • 2011.01.24 Monday
  • 17:06

「年間最優秀作品何になるんやろな。」
『なんの?』
「なんのて!雑兵日記PREMIERに決まってるやんか。」
『だからそれなに?』
「知らんの?嘘やー。」
『なんやのん、それ。』
「知らんわけないやん。日本人やろ?え?まじで言うてるの?」
『だから何やのんそれ。』
「うわ信じられへん。じゃあハッタリスト知ってる?」
『しらーん。』
「うわっ!ほんまに?あのパーフェクト三冠王のハッタリストしらんの?」
『知らんわ。でもハッタリストって雨降ってなくても常に傘持ち歩いてて、雨降って来た瞬間に物すごい大きめの傘を高々と天に向かって差しそうな名前やね。』
「お前ほんまは読んでるんちゃうん?」
『え?何の話?』
「いや、傘うんぬん言うてるから。」
『そんな感じの人ちゃうか、という俺の想像やってんけど。』
「あ、想像ね!びっくりするわー。じゃあ、Mr.ホワイト知ってるの?」
『しらんよ。なんやねんそのレザボア・ドッグスのボスみたいな名前。』
「えっ。しらんの?去年一番月間最優秀作品賞とったあのMr.ホワイトも?終わってるな。」
『知らんわ。Mr.ホワイトってなんか中三の時の塾の夏期講習の先生の家に卒業してからお呼ばれしてワイン飲んだ、ていう思い出がありそうな名前やなあ。』
「お前知ってるやろー!!」
『知らんしらん。』
「なんかさっきから細かすぎるねん。おかしいなあ。ほなNIKEは?」
『知ってる知ってる。』
「ほほう。ヘリクツァーのNIKEやで?」
『はぁ?なんやねんそれ。JUST DO ITのNIKEやろ?』
「ちゃうちゃう。PREMIERの良心と呼ばれる書き手やで。」
『知らんわ。でもどうせ将棋するたびに持ち時間切らしてるんやろ、そのNIKEは。』
「当たってる!お前すごいなあ。天才っちゅうか。」
『当たってるんや。おもろいね。』
「ほな葉山悟は?」
『競馬ばっかりやってそう。』
「ミッチーは?」
『砂漠の真ん中で幻の動物の化石発掘してそう。ヒッポッポタマタマね。』
「うわ。なんか恐ろしくなってきた。アフリカの精霊は?」
『恋の授業してるね。』
「うわあああああ。最後に一応聞いておくけど、がりはは?」
『知らんなあ。でもプロレスラーになったらコーナーポストには素早く上りそうな名前ではあるね。』
「なんやねんお前!ほんまは全部読んでんねやろ!!」
『知ってると言えるほどやないねん。読めば読むほどわからなくなるからさ、雑兵日記PREMIERって。』

ダイアローグ40〜年末チャンネル権争い〜 がりは

  • 2010.12.29 Wednesday
  • 18:15

「絶対にK−1 Dynamite見るぞ。」
がりはが言った。
「反対する奴は俺と猪木さんが許さん。」
『ちょっと待って下さいよ。日本の大みそかは紅白に決まってますよ。やっぱり蛍の光から永平寺の鐘の音のコンビネーションは日本人のソウルに響きますよ。』
とミッチー。

黙ってチャンネルをドラえもんに合わせる奴がいた。
DENCHだ。
「こら電池!何しとんねん!」
にこにこしているが、リモコンを離す気配はない。

【こらこらこらこら。】
とたりきがそれを取り上げた。
【レコ大に決まってるでしょそんなん。】
「なんで?」
殺気が湯気のようにがりはの背中から立ち上っている。
【特に理由はないです。戦うのに理由が要りますか?】
「やるんか。」
【やらいでか。】
二人はがっちりとロックアップし、バックの取り合いからがりはのヘッドロック、たりきのアームロックという順でクラシカルなプロレスが進行した。

その隙に前転しながらミッチーがリモコンを奪い、チャンネルを紅白に替えた。
『石川さゆりはね、ロックなんですよ。』
DENCHが油断したミッチーの背後から股間を拳で打った。
素早く正面に回ると前かがみになるミッチーの頭部を股に挟み、胴をクラッチして持ち上げ、尻もちをつくようにしてパイルドライバー。
その衝撃で転げたリモコンを拾いDENCHはチャンネルをドラえもんへ。
「甘いよ、電池。」
蘇生したミッチーが豪快なジャーマンスープレックスホールド、つま先立ちの美しい人間橋がかかった。
そこにがりはをアルゼンチンバックブリーカーに捉えたたりきが、がりはをどさりこうと投げ捨てた。
折り重なるミッチー、DENCH、がりは。

たりきが悠々とチャンネルをレコ大へ。

(そんなん見ておもろいか?)
【誰だ!】
(アフリカの精霊ですけど。テレビなんか見んと判例読んだらええねん。)
そう言いながら、鈍器のような六法全書でたりきの後頭部を殴打。
被害者は昏倒。
テレビを消した。

[ぬるい!]
ハッタリストがわけのわからない光線でテレビを消滅させた。
そこに葉山悟とMr.ピンクがうんしょうんしょと汚いテレビを運び込んできた。
〈今、そこでホームレスの髪束さんからもろてん。〉
と笑う葉山悟。
〈映るかどうかわからんけど。〉

映らなかった。

いいものがあるザマス。

とピンクが持ち出したのは壊れかけのレディオ。
第九を聞きながらみんなでそばをすすりましたとさ。

ダイアローグ38 がりは

  • 2010.10.30 Saturday
  • 00:02

「ねえ、宇宙にあいた穴は真っ暗かなあ。」
普段は教室の窓側で外ばかり見ている、少し取っつきにくくて針金みたいに細い手足の女の子がいきなり僕に話しかけてきた。

「はい?」
「だから、宇宙にあいた穴は真っ暗かなあ。」
考えてみるまでもなく、彼女と僕が話したのはこれが初めてで、同じクラスになってもう半年が過ぎたのにそんな不思議なことになっているのは、彼女がとっつきにくいせいと、僕が引っ込み思案に見えるせいだ。

「へ?」
「悪いの?耳。うちゅうに、あいた、あなは、まっくらかなあ、と聞いたんだけど。」
彼女のとっつきにくさはこういうところにあると思う。
妙に相手を緊張させるというか、追いつめるところがあるのだ。
大きくて吸い込まれそうな目を真っ直ぐに向けてくる。
宇宙に空いた穴があるとすればそれは彼女の瞳なのではないか。
ちょっとでも油断すると思考力を奪われてしまいそうだ。

「申し訳ない。ぼくは、そのしつもんに、まったく、きょうみが、もてないということを、なまへんじに、たくした。」
「どのへんに興味がもてないわけ?宇宙一般?」

確かに僕のこの返事もひどいけれど、彼女の追及の仕方はもっとひどいように思う。
突然宇宙に空いた穴の話を振られても、それについて僕にしっかりした知見があるわけじゃない。
僕は厳密さを愛する性格なのだ。
しかし、僕は大人だ。
クラスの誰よりも成熟している。
大人には不躾で人を追いつめてくる彼女を教育する義務がある。
引っ込み思案に見えて、僕は言うべき時に言える男なのだ。

「どこもかしこもだよ。宇宙も、そこにあいた穴も、色も。それから、倒置法にも、語尾が「だけど」で終わることにも、ゴビ砂漠にも、東京砂漠にも、ニモにも興味がない。」
「へー。それって面白いんだ。なんだっけ、ニモにもだっけ。あと、東京砂漠だっけ。」

お仕置きするつもりがお仕置きされてる。
なんでゴビとかニモとか言っちゃったんだろう。
いつものクールな僕のペースじゃない。

「わかった。私に興味がないんだね。わかってたよ。仕方がないね。」

彼女はおおげさにため息をついて、僕に背中を向けた。
でも立ち去らない。
それはまだ、なだけで、今すぐにでも、であった。
僕は決めなくてはならない。
彼女に関心があるかどうかを。
できるだけ早く。

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